壁が石膏ボードとなっている部屋では、電気工事の対象機器を壁内のスイッチボックスに埋め込んで設置しますが、その際の機器へのケーブル接続は概ね端子にケーブルを差し込むだけの単純な構造となっています。
一方で、壁内に埋め込めない場所へ設置する露出型機器へのケーブル接続は、ケーブル先端をリング状に加工してネジで端子固定するものが多いです。(単に機器が古いからかもしれませんが)
本記事では、ケーブルのリング加工が必要な代表的機器”ランプレセプタクル”へのケーブル接続方法を紹介します。(電気工事士2種の実技試験では必ず出題される施工になります)
なお、ランプレセプタクルとは、俗にいう裸電球を天井などに接続する機器(写真)です。(実際に施工することはほぼないであろう旧型の機器ですね。)
1.露出型機器へ接続するケーブルのリング加工
まず、電気工事に必須の工具 ホーザン製VVFストリッパー”P-958”を使用して接続するケーブル先端の外装被覆を45mmほど剥きます。(電気工事試験の実技試験の内容を紹介しているホーザン社の動画では50mmと言っていましたが、実際に加工してみると50mmでは長すぎてランプレセプタクルのカバーが嵌りにくいです。この辺は各人の好みで調整してよい部分だと思いますが、参考にしてみてください。)
続いて、先ほどの ホーザン製VVFストリッパー”P-958” を使用して、ケーブル先端の絶縁被覆を20mmほど剥いて芯線を20mm露出させます。
再び ホーザン製VVFストリッパー”P-958” (の先端)を使用して、先ほど露出させた芯線の根元を90°に曲げます。
曲げ位置は、絶縁被覆の端面から大体2~3mmくらいでしょうか?リングをネジで固定する際に、ネジと絶縁被覆が重ならないよう”いい感じ”の距離を確保します。(この辺も各自のやりやすい寸法設定を見つけてください。)
続いて、またまた ホーザン製VVFストリッパー”P-958” を使用して、芯線の先端を掴み、手前にくるりと巻き込みます。(VVFストリッパーを手前に向かって”くるりんぱ”させる要領です。)
なお、この時のリング形状は、リングの隙間が4/1以下となっている(=芯線が円の4/3以上巻かれている)必要があります。この条件が満たせていないと電気工事の実技試験が不合格になってしまうので注意です。(リング加工は、 ホーザン製VVFストリッパー”P-958” のみで加工出来ます。)
2.露出型機器へのケーブル接続
ランプレセプタクルの端子ネジを外し、ケーブルのリングにネジを通して接続していきます。この時の注意点は2点。(これが出来ていないと電気工事試験の実技試験は不合格です。)
① 電球の先端が当たるランプレセプタクル中心と電気的に接続する「+」端子側に黒ケーブルを接続し、電球のネジ部分が接続する「-」端子側に白ケーブルを接続すること(写真でリングを当てている手前側が「+」端子側です。)
② ネジの締め付け方向(時計回り)とリングの巻き方向が同じになるように接続すること。
また、ランプレセプタクルには機器の裏面側にケーブルを通す穴があるので、ケーブルをその穴に必ず通し、その穴から外装被覆(写真のケーブルの青い部分)が見えるよう施工する必要があります。外装被覆が穴から出ていなくても、安全上は何の問題もないと思いますが…それができていないと実技試験不合格という謎ルールがあるようなので注意してください。
それと、実技試験ではランプレセプタクルのカバーは支給されませんが、検査時にカバーが閉まらないと不合格という謎ルールもあります。だったらカバーも配って閉めさせればいいいんじゃね?と思いますが…こちらも謎です。(こんな旧型機器の施工で試験する件も含めて、闇が深そうです。)