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【DIY】冷媒ガス圧力と消費電力でのルームエアコンのガスチャージ

冷媒ガス圧力と消費電力の測定でルームエアコンのガスを追加補充する DIY

昨年、冷えなくなって業者にガスチャージしてもらったルームエアコンが再び冷えなくなりました。2年連続で業者にガスチャージをお願いするのは馬鹿馬鹿しいので、今回は「出来ない」と言われているルームエアコンの冷媒ガスの追加補充にトライしてみました。冷房運転時の冷媒ガス圧力消費電力配管温度などを元にして冷媒ガスの量を推測しながら補充する方法になります。あくまで自己責任での手法となりますが、同じようにルームエアコンへの冷媒ガス補充にトライしようと思っている方の参考になれば嬉しいです。

1.再び冷えなくなったルームエアコン

我が家の寝室のSHARP製のルームエアコン(下写真)ですが、昨年の夏に冷えなくなり、業者さんを呼んで室外機側の配管の接続部(フレア加工部)を再接続してもらって冷媒ガスをガスチャージしたのですが…

それからわずか1年。(正確にはわずか10カ月ほど。)再びそのエアコンが冷えなくなってしまいました。現象的には昨年と同じような状況に感じますので、冷媒ガスが不足している可能性が高いですね。。。

折角、真空引きまでやってくれる業者を呼んで、2万円も支払って修理したはずでしたが…エアコンがしっかり稼働出来た期間が10カ月ほどとは…その業者が適当な仕事をしたのか?はわかりませんが、1年しか持たない修理に2万円はコスパが悪すぎます。

そこで今回は、DIYでのルームエアコンの冷媒ガスチャージに挑戦してみたいと思います。

2.ルームエアコンへの冷媒ガスの追加補充

今回は、DIYでの冷媒ガスチャージに挑戦していきますが、ルームエアコンの冷媒ガスは、基本的に「追加補充することは出来ない」ことになっています。

その一番の理由は、エアコン内の冷媒ガスの量を把握することが難しいからです。冷媒ガスを過剰に補充するとコンプレッサーが故障したりする可能性がありますので、冷媒ガスを補充する場合は、エアコン内の冷媒ガスを全て回収するなどしてエアコンの冷媒ガスを空っぽにし、規定量の冷媒ガスを全てを入れ直す必要があると言われています。(結果として、写真のような真空引き作業などが必要になります)

また、今回の対象となるルームエアコンの冷媒は、複数のガスが配合されている”R410A”です。冷媒が漏れたエアコンでは、冷媒ガスの混合比が変わってしまっているため、その状態で補充することはできないとされているようです。

しかしながら、業界が謳っている規則などには、業界全体が潤うように取り決めたビジネス的な意味合いが強いものが多々あります。エアコンの冷媒ガスなんかも、混合比が変わって性能に多少の影響が出たとて、エアコンの動作自体に大きな影響はないと思われますので、業界全体で自分たちに都合がよいことを言っているのだろうなぁと捉えています。(あくまで私見ですけどw)

実際に、DIYで色々なことにトライされているYoutube irukaさん(DIYをめぐる冒険)の動画でも、「ルームエアコンにR410Aの冷媒ガスを追加補充しても全く問題はなかった」と報告されてますので…おそらく、エアコンのシステム全体に影響があるような大きな問題が発生しないことは間違いないのでしょう。(エアコンなんて限りなく大味な機械です。多分ww)

そこで今回は、冷媒ガスの量を把握する”目安”となる数値を調べて、その”目安”を頼りにしながらその量を推測し、ルームエアコンの冷媒ガスを”追加補充”していきます。

3.ルームエアコンの冷媒ガス量を推測する目安

今回は、ルームエアコンの冷媒ガスを追加補充していきますが、冷媒ガスを追加補充するためには、エアコン内の冷媒ガスの量を推測しながらガスを補充する必要があります。

冷媒ガスの量を推測する方法はいくつかあるようなので、実際に冷媒ガスを補充する前に、その目安となる数値を整理していきましょう。

3.1 エアコン運転時の冷媒ガス(低圧側)圧力

まずは、簡易的に冷媒ガスの量を把握する方法としては、冷媒ガスの圧力を測定する方法があります。

冷房運転時のエアコンの冷媒ガスは室外機のコンプレッサーで圧縮されて液体になった状態で室内機に送られ、室内機で気化することで室内の空気から気化熱を奪い、圧力が下がった気体の状態で室外機に帰ってきます。(極めて簡単に表現しました)

その室外機に帰ってくる低圧状態(気体)の冷媒ガス圧力を測定することで、冷媒ガスの状態をある程度推測することが出来ます。(測定方法は4項で説明します)

なお、測定する圧力は、エアコンが冷房動作しているときの冷媒ガスの圧力です。非動作状態の圧力は、動作時よりも高くなってしまうので参考になりません。

冷媒ガスが適正な量でエアコンを動作させた場合の、冷媒ガス(低圧側)圧力の目安は下記です。

  • 冷媒ガス(低圧側)圧力:0.8MPa~1.0Mpa
    • 外気温が高い時:1.0MPa~1.2Mpa

適正値に幅があるのでかなりざっくりとした目安となってしまいそうですが、少なくともエアコン運転時の冷媒ガス圧力(低圧側)が、0.8MPa以下だった場合は、冷媒ガスが足りないと判断出来そうです。

3.2 過熱度

続いては、冷媒ガスの”過熱度”を算出することにより、冷媒ガスの状態を把握する方法です(Youtubeのチャンネルくらしのマーケット大学さんの動画を参考にしています)

冷媒ガスの過熱度は、下記の数式で計算することが出来ます。

  • 過熱度(℃)=圧縮機吸込みガス温度(℃)-蒸発温度(℃)

圧縮機吸入温度とは、圧縮機(コンプレッサー)に入っていくときの冷媒ガス温度です。厳密にいうと、室外機を分解してコンプレッサーに入る直前の冷媒ガス温度を測定する必要がありますが、簡易的には室外機の外側に接続されている配管の下側の太い方、3分管と呼ばれる部分(写真矢印部)の配管温度を測定することで、代用することが出来ます。

そして、蒸発温度は、3.1項で測定する、冷媒ガス(低圧側)圧力を測定することで明確化することが出来ます。(ダイキンさんのHPなどで公開されているR410A 熱力学物性表などから読み取ります。)

過熱度の適正値は「5℃±3℃」です。この数値内に収まっていれば問題なし、これよりも高いようだと冷媒ガスが足りないという判断になります。

3.3 最大消費電力

続いては、エアコンの最大消費電力を測定するという方法です。

エアコンに冷媒ガスがしっかり入った状態でエアコンをフル稼働させると、そのエアコンのスペック上の最大の電力を消費します。

しかしながら、冷媒ガスが不足している状態だとエアコンがその能力を最大限発揮したフル稼働ができないため、消費電力が最大値に到達しません

その原理を利用して、エアコンを目一杯稼働させた状態でその消費電力を測定することで、現状の冷媒ガスの充填量を推測するという方法です。

ただし、カタログ上の最大消費電力は、室外機側の外気温が35℃になった状態で消費される電力になるので、それ以下の温度で運転させた場合は、冷媒ガスが適正値であってもカタログ上の最大消費電力にはなりません。

よって、測定を35℃未満の気温で行う場合は、温度が低いことを考慮して、最大消費電力に補正を掛けてあげる必要があります。

最大消費電力は、冷媒の飽和蒸気圧に比例するので、35℃での最大消費電力を100%とすると下記の表に表す関係になります。(下記はYoutuberのirukaさんのチャンネル(DIYをめぐる冒険)から引用しました)

温度(℃)飽和蒸気圧(MPa)消費電力(%)
35℃2.05MPa100%
30℃1.79MPa87%
25℃1.56MPa76%

それを温度(℃)と消費電力(%)の関係式で表すと下記のとおりになります。

  • 消費電力(%)=2.4×温度(℃)+16

よって、例えば、カタログ上の最大消費電力が1000Wとなるエアコンの27℃における最大消費電力は、1000W×80.8(%)=808W になるということですね。

そして、エアコンをフル稼働させた状態で実測した消費電力が、算出値よりも小さいようであれば、そのエアコンの冷媒が不足していると判断します。

4.ルームエアコンの冷媒ガス量を推測する

3項にて、ルームエアコンの冷媒ガス量を推測するための数値が明確になりましたので、冷えなくなった我が家のエアコンで、実際にその数値を確認してみましょう。

4.1 冷媒ガス(低圧側)圧力を測定する

まずは冷媒ガス(低圧側)圧力を測定していきます。冷媒ガスの圧力を測定するためには、ガスの圧力を測定するための”マニホールドゲージ”と呼ばれる圧力ゲージ付きの器具が必要です。

今回は、ガスホースなどとセットになっていて比較的安価な下記のものを準備しました。(しっかり働いてくれるかな?)

また、エアコン室外機とマニホールドゲージとの接続は、室外機の配管に設置されているチェックジョイント(サービスポート)にて行いますが、チェックジョイントにホースを直接接続した場合は、接続した瞬間に冷媒ガスがホース内に放出されてしまいます。

そこで、下記のようなバルブが付いたコントロールバルブと呼ばれるものを介して接続します。

接続方法は、まずガスホースの先端(ジョイント部に角度が付いている側)にコントロールバルブを接続します。この時、コントロールバルブのバルブは閉めた状態で、ホースを接続する位置はコントロールバルブの側面側です。

次に、室外機の配管接続部のカバーを外して、室外機配管のチェックジョイント(サービスポート)にコントロールバルブを取り付けます。(写真が室外機に取り付けた状態です)

そして、ガスホースの反対側(ジョイント部がストレートになっている側)をマニホールドゲージの低圧側(青いゲージ側)に接続させれば準備完了です。なお、接続時にはマニホールドゲージ側のバルブは全て閉じておきます。(接続する際にはすべてのバルブを閉じておくと覚えればよいと思います)

その状態で、コントロールバルブを開放するとホース内にエアコンの冷媒ガスが入ってくるようになり、冷媒ガスの圧力が表示されます。(下写真のようにゲージの針が振れます)

しかしながら、この時表示される圧力は、エアコンが停止した状態の圧力です。エアコンが稼働しているときの圧力よりは高くなりますので、この時の数値はあまり気にしなくていいです。(写真では1.69MPaを表示しています)

そして、この状態でエアコンを稼働させると、エアコン稼働時(コンプレッサー動作時)の冷媒ガスの圧力を表示させることが出来ます。

なお、一連の測定は、エアコンがフル稼働した状態で測定しますので、エアコン温度を最低温度(18℃)に設定し、部屋の窓を全開にして(室内温度が下がらないようにして)測定していきます。

今回、エアコンを運転した状態で測定した冷媒ガス圧力は下記の通りです。(測定中にベランダの温度がかなり変動したため、2パターンの外気温で測定しました。基本的には外気温が上がると冷媒ガスの圧力も上がるようです。)

  • 外気温 29.2℃ 冷媒ガス圧力 0.68MPa < 0.8MPa
  • 外気温 34.1℃ 冷媒ガス圧力 0.74MPa < 0.8MPa

冷媒ガスの圧力は、わずかですが適正範囲となる0.8MPaに達していませんので、冷媒ガスが足りないということを示していますね。

4.2 過熱度を算出する

続いては、過熱度を算出していきます。

過熱度の計算に必要な数値は、圧縮機吸込みガス温度蒸発温度です。

まずは、圧縮機吸込みガス温度を室外機の3分管(太い方)の配管温度を測定することで算出します。配管温度を測定するために準備したのは下記のような非接触温度計です。

上記温度計の主な用途は料理用のようですが、銅などの測定も出来ると書かれているので、それなりの値は表示してくれるでしょう。

非接触温度計を使用して配管の表面温度を測定した結果は下記のとおりです。(写真が上手く撮れていませんが、測定箇所にレーザーを当てて温度を測定します)

  • 2分管(高圧):9℃ *参考値
  • 3分管(低圧):26℃

続いて、蒸発温度を算出しますが、蒸発温度は4.1項で測定した冷媒ガス圧力を使用して、R410A 熱力学物性表から読み取ります。

測定した冷媒ガス圧力を元に読み取った蒸発温度は下記のとおりです。

  • 外気温29.2℃:-5℃
  • 外気温34.1℃:-2℃

以上の値から算出した過熱度は下記のとおりとなりました。

  • 外気温29.2℃:31℃ (=26℃-(-5℃))
  • 外気温34.1℃:28℃ (=26℃-(-2℃))

過熱度の適正値は「5℃±3℃」なので、こちらも大幅に超過していますね。(適正値にするためには、3分管の温度が下がって、冷媒ガスの圧力が上がる必要があります。)

4.3 最大消費電力を測定する

続いては、エアコンの最大消費電力を測定していきます。

まず、今回冷媒ガスを補充していくエアコンはSHARP製 AY-E22SD です。この機種のカタログ上の最大消費電圧は800Wですが、この数値は外気温が35℃以上の場合の数値になります。各外気温における最大消費電力は、3.3項で整理した式 消費電力(%)=2.4×温度(℃)+16 を使用して補正した値になります。

今回、各数値を測定した外気温(29.2℃・34.1℃)でエアコンがフル稼働した時に、本来あるべき最大消費電力は下記のとおりです。

  • 外気温29.2℃:688W(=800W×86%)
  • 外気温34.1℃:782w(=800W×97.8%)

各外気温における本来あるべき最大消費電力が明確になったら、実際の消費電力を測定していきます。消費電力を測定するために準備したのは、下記のような電力量表示器です。

下写真のように、電力量表示器をエアコンの壁面コンセントに接続し、その側面にエアコンの電源プラグを挿してエアコンで消費する電気が電力量表示器を経由するように接続します。(下写真参照)

この状態でエアコンを稼働させることで、エアコンの消費電力を電力量表示器に表示させることが出来ます。

また、エアコンを最大消費電力で稼働させるためには、エアコンをフルパワーで稼働させる必要がありますので、前述のとおり、エアコンの設定を最低温度に設定して、部屋の窓を全開にして部屋の温度が下がらない状態で消費電力測定する必要があります。

その条件で測定したエアコンの消費電力は下記のとおりです。

  • 外気温29.2℃:消費電力 597W < 688W(カタログ上の最大消費電力)
  • 外気温34.1℃:消費電力 635W < 782W(カタログ上の最大消費電力)

測定の結果、現状の消費電力は、カタログ上の最大消費電力に対して81%~86%になっていることがわかりました。それほど悪い数値ではないような気もしますが、本来の性能が発揮できていないのは間違いなさそうです。

ここで、4項で測定した3パターンの数値を表にまとめると下記のとおりです。

測定時の
外気温
冷媒ガス圧力
(運転時)
過熱度最大消費電力
29.2℃0.68MPa31℃597W
34.1℃0.74MPa26℃635W
(基準値)0.8~1.0MPa
(1.0~1.2MPa:高温時)
5℃±3℃688W(29.2℃時)
782W(34.1℃時)

すべての数値が基準値内になっておりませんので、冷媒ガスが不足しているのは間違いなさそうです。

5.冷媒ガスを補充するために必要なもの

4項にて冷媒ガスの量の目安となる3つの数値を確認した結果、エアコン内の冷媒ガスが不足していることが概ね明確になりました。続いては、実際に冷媒ガスを追加補充するために必要なものを準備していきます。

まずは補充するための冷媒ガスですね。準備した冷媒ガスは、ルームエアコンに元々使用されていたR410Aの冷媒ガス(下記)です。

再生フロンガスということなので、どこかから回収した冷媒ガスから不純物を取り除いたものでしょうか?サイフォン管が付いていて、冷媒を液体の状態で効果的に補充することができます。

また、業者さんから発送される梱包形態は写真のようになっていて、箱に格納したままでホースが接続できるようになっているので、箱に入れたままの状態で使用することが出来そうです。

ただ、今回はエアコンに必要とされる780gの冷媒ガスに対して不足分を補充するだけなので、使用量はかなり少量になります。10kgなんて大量の冷媒ガスは必要ないですし、サイフォン管なども不要なのですが…まあ、またガスが抜けた時にはいつでも補充できるようになったということで良しとしましょう。(カーエアコンみたいに小分けの商品があるといいですね)

また、ガスの容器は購入業者などに返却することが義務付けられていますが…この冷媒ガスを使い切ることは恐らくないでしょうww

そして、前述のとおり、冷媒ガスを補充し過ぎるとコンプレッサーが故障する可能性がありますので、3項、4項で確認、測定をした3つのパラメーターを確認しながら冷媒ガスを補充していきますが、それに加えて冷媒ガスの補充量(重さ)を適宜確認しながら補充した方がベターです。

そのために準備したのは下記の”デジタルはかり”です。

冷媒ガスの重量が、容器込みで15kgほどなので、少し余裕を持った30Kg仕様のものを準備しました。このはかりに冷媒ガスのボンベを(箱ごと)載せて、減った重量を補充量としてカウントして冷媒ガスを補充していきます。

以上で、冷媒ガス補充に必要なものは全て準備が出来ました。(もちろん、冷媒ガス圧力の測定に使用したマニホールドゲージなどの器具は冷媒ガス補充にも使用します。)

6.ルームエアコンに冷媒ガスを追加補充する

すべての準備ができたら、下記のパラメータを測定しながら、エアコンに室外機から冷媒ガスを補充していきます。

  • 外気温(室外機付近の温度)
  • 冷媒ガス補充量(冷媒ガスボンベ重量)
  • 冷媒ガス圧力(低圧側)
  • 3分管温度 *過熱度算出用
  • 消費電力 

冷媒ガスのボンベとマニホールドゲージなどの接続方法は下写真のとおりです。

冷媒ガスのボンベに黄色のガスホース(ジョイントに角度が付いた側)を接続し、そのホースの反対側(ジョイントがストレートになった側)をマニホールドゲージの真ん中に接続します。

青いホースの接続は、冷媒ガス圧力を測定した時と同じで、片側(ジョイントに角度が付いた側)にコントロールバルブを接続し、反対側(ジョイントがストレートになった側)をマニホールドゲージの左側(青)に接続します。

この時、全てのバルブは閉めておくことを基本とし、ホースのジョイントがストレートになっている方をマニホールド側にすると覚えればよいと思います。(ホースの色はどれでもよいです)

ここまでの接続が出来たら、あとはコントロールバルブを室外機のチェックジョイント(サービスバルブ)に接続すれば、すべての接続は完了です。

なお、今回はホース内を真空引きする機械を準備していないので、ホース内の空気は冷媒ガスでパージ(放出)して抜いておきます。

補充に必要な器具の接続が完了したら、デジタルはかりの上に冷媒ガスのボンベを載せて、補充前のボンベの重量を測定します。測定当日は風が強めに吹いていたということもあり、安価なデジタルはかりでは、ボンベの安定性がいまいちでしたが…まあこの辺は致し方ないところでしょう。

補充前の冷媒ガスボンベの重量(ボンベ容器込み)は”15576g”(15.576Kg)程でした。(ボンベがグラグラして数値が安定しませんでしたが…)

すべての準備が完了したら、エアコンのスイッチを入れて、設定温度を最低温度の18℃、部屋の窓を全開にして、フルパワーで運転させます。

運転開始時の室外機周辺(ベランダ)の温度は、冷媒ガス圧力(低圧側)、3分管の表面温度は下記のとおりです。

  • 外気温:29.1℃ *今回の基準とします
  • 冷媒ガス圧力(低圧側):0.76MPa
  • 3分管温度:23.5℃
  • 消費電力:565W

上記を初期の値として、冷媒ガスを補充しながら各数値を測定していきます。

なお、冷媒ガスはボンベ内のサイフォン管で液体で注入されていきますので、ボンベのバルブを弛めると一気に補充されていくようです。エアコン内の冷媒ガスを空にして規定量を補充する場合にはそれほど気にする必要はありませんが、追加補充の場合は油断すると過充填になりがちです。そもそも、私はビビりなので少しずつしか補充できませんが、初めてやられる方は本当に少しづつ充填していった方が良さそうですね。

また、事前になんとなくわかってはいましたが…デジタルはかりの数値が全く安定しません。まあ、今回は補充の補助的なパラメーターですので、最終的な補充量が分かれば大丈夫でしょう。(多分w)

そんなこんなで、少しずつ冷媒ガスを補充していき、測定した数値は下記のとおりです。

冷媒ガス
充填量
冷媒ガス圧力
(低圧側)
3分管温度消費電力
0g(初期値)0.76MPa23.5℃565W
10g0.88MPa25.6℃490W
40g0.93MPa26.5℃500W
50g0.95MPa24.0℃485W
60g0.93MPa23.6℃484W

うーん。測定結果が想定通りになっていませんね。冷媒ガスを補充していけば、冷媒ガス圧力が上がるとともに、消費電力が上がっていくはずなのですが…消費電力が初期値に対して上がっていきません。(なぜか初期値が一番高いという謎現象が発生しています)

また、冷媒ガス圧力も補充し始めは上がってくれたのですが、40g程を補充したところで上昇しなくなりました。(3分管の温度もほとんど下がっていきませんでした)

ただ、室内機から吹き出してくる風の温度は14℃まで下がっている(写真参照)ので、冷媒ガスの補充でエアコンの冷房能力が復活し始めているのは間違いなさそうです。

各パラメータの数値的には、冷媒ガスがまだ足りていないことを示している状況ですが、冷媒ガスの過充填は良くないと言われますし、冷媒ガス圧力の数値が0.9MPaを越えて適正値内になりましたので、今回の補充は終了としました。(またエアコンが冷えなくなったら補充を検討しますw)

また、測定した結果から、過熱度などを算出した結果は下記となります。

冷媒ガス
充填量
冷媒ガス圧力
(低圧側)
過熱度消費電力
0g(初期値)0.76MPa24.5℃565W
10g0.88MPa22.6℃490W
40g0.93MPa21.5℃500W
50g0.95MPa19.0℃485W
60g0.93MPa18.6℃484W
(基準値)0.8~1.0MPa
(1.0~1.2MPa:高温時)
5℃±3℃687W
(29.1℃)

最終的な過熱度も基準値に収まっておりませんが、まあ、各数値が少しずつ基準値に近づいているのは間違いないので、今回はこの辺りで許してやることにしますww

補充が完了したら、接続している機器のバルブを全て閉めて各エリアに冷媒ガスを閉じ込めてから接続を1つずつ外していきます。この際、ホース内に残っている冷媒ガスは大気に放出されることになりますが、冷媒ガスの環境負荷は以前のフロンガスと比較すると随分と小さくなっていますし、多少の放出は致し方ないところでしょう。

なお、以前にガスチャージしてもらった業者などは、補充前の冷媒ガスを回収せずに全て大気に放出していたと思います。(ガス回収用の器具など運んでなかったはずなので…)そんな業者の施工に比べれば、ホース内のガスの放出は微々たる量ですね。

以上で、今回のルームエアコンの冷媒ガス追加補充は完了です。控えめな補充で終了としましたが、エアコンの吹き出し口温度が冷え始めたことは確認できましたし、今後はいつでも冷媒ガスを補充できる体制になりましたので、今後、再び冷えなくなれば再度の追加補充を検討していきますw

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