【DIY】ソフトクローズ機構の引き戸が閉まらない時の修理方法

閉まらない引き戸のソフトクローズ機構の故障をDIYで修理する方法

リビング横にある和室の引き戸が閉まりきらずに隙間が空くようになりました。Panasonic製のソフトクローズ機構が故障したようです。そこで今回は、引き戸が閉まりきらなくなった原因を調べて、容易に入手できる材料にて修理を行いました。耐久性の確認はこれからですが、修理作業はとても簡単です。築後10年以上経過したお家であれば、そろそろ同じような現象が発生し出す頃です。下記リンクにて動画も公開していますので、内容をご参考にしていただき、是非DIYで修理してみてください。【DIY】#31 閉まりきらなくなった引き戸を修理する-Panasonic製のソフトクローズ機構を簡単修理

1.引き戸がソフトに閉まる:ソフトクローズ機構

開き戸の半開きを防止し、閉まる音を軽減するドアクローザー、リョービ製ドアマンS-101PV

先日の記事【DIY】ドアの半開き防止と閉まる音の軽減-リョービ ドアマンでは、「開き戸」を自動で閉めて半開きを防止し、勢いよく閉めてた場合でもダンパーが効いて閉まる音を軽減してくれる「ドアクローザー」リョービ”ドアマン S-101PV ”をDIYで設置する方法をご紹介しました。

引き戸」で同じような働きをしてくれるのが、ソフトクローズ機構と呼ばれるものです。

我が家の住宅設備にはパナソニックの製品がたくさん採用されています。引き戸は、リビング横の和室(2枚)、浴室、2階トイレの入り口に設置されていますが、それぞれにソフトクローズ機構が採用されています。

ソフトクローズ機構の原理は下記のとおりです。(Panasonic HPより引用した図をわかりやすく加工しました)

パナソニック製引き戸のソフトクローズ機構の構造と動作原理
図はPanasonic HPより引用

引き戸の上部には、先端にローラーが付いたアームが取り付けられています。アームは「リセット状態」で位置が固定されますが、上に少し引き上げられると自動でゆっくり上がっていく仕組みになっています。

パナソニック製引き戸のソフトクローズ機構のレール側の部品

引き戸を閉じる際には、ローラーがドア枠側に設置されている突起の斜面に当たって引き戸を”閉める勢いを吸収”し、溝にローラーが嵌ると、アームが徐々に上昇して引き戸を”ゆっくり閉めて”くれます。

また、引き戸を開ける際には、ローラーが溝から出るタイミングでアームが「リセット状態」に戻る構造になっているので、ソフトクローズ機構が繰り返し動作するようになります。

さらっと説明してしまうと簡単な原理ですが、意外と良く考えられている機構ですよね。我が家も、このソフトクローズ機構がすべての引き戸に標準装備されているおかげで、家族が平和に暮らせていると言えます。(引き戸が勢いよく閉まって、家の雰囲気が悪くなることがありません。)

2.ソフトクローズ機構の引き戸が閉まらない

ある頃から、我が家のソフトクローズ機能を備えたリビング横の和室の引き戸が閉まりきらなくなりました。

Panasonic製のソフトクローズ機構がついた引き戸が閉まりきらなくなるという故障

まあ、室内犬が出入りするため完全に閉めることが少ない引き戸なので、完全に閉めることが出来なくてもそれほど大きな問題はありません。しばらくはそのままの状態で使用してきました。

しかしながら…そうこうしているうちに、今後は浴室の引き戸が同じように閉まりきらなくなりました。我が家には、そろそろ思春期を迎える娘がおりますので、浴室のドアが完全に閉まらない(鍵がかからない)のは少々問題があります。

取り急ぎは、引き戸が閉まりきらなくなった原因を調べて、DIYで修理が出来ないか?確認することにしました。

3.ソフトクローズ機能の引き戸が閉まらない原因

引き戸が閉まらない原因を調べていきます。まずは、引き戸が閉まる際に上下するアームの状態を調べます。

Panasonic製引き戸のソフトクローズ機構は開き状態でローラーが手前にはずはずだが故障した引き戸はローラーが奥にある

写真の左側がしっかり閉まる(正常動作する)引き戸のアームで、右側が閉まりきらない引き戸のアームです。引き戸が開いた状態ではアームが「リセット状態」になっている必要があります。

比較してみると、左側はローラーが手前に見えるので「リセット状態」になっているように見えますが、右側はアームがそれよりも奥に入ってしまっていますので、アームが上がりきった状態になっているように見えます。

まずは、右側のアームを「リセット状態」に戻して、引き戸を開閉してみます。アームを戻して1度目の閉じ動作では引き戸が完全に閉まるようになりましたが、2度目の閉じ動作では閉まりきらなくなってしまいました。

閉まらなくなった引き戸のアームを再度確認してみると、アームが上がりきった状態に戻っています。どうやら、開ける動作で「リセット状態」に戻らなければいけないアームが、何らかの原因で「リセット状態」に戻らなくなってしまっているようです。

今度は、引き戸を外してアームの動きを詳しく確認してみます。

Panasonic製引き戸のソフトクローズ機構のアームは、固定状態から少し引き上げると自動で上昇する

写真上で、ローラーが左側にある状態が「リセット状態」で、ローラーが右側にある状態がアームが上がりきった状態です。

写真は、アームが「リセット状態」から徐々に上がっていく途中の写真ですが、アームの動きは正常のようです。「リセット状態」ではしっかり固定されますし、そこから少し上にあげると、そのままいい感じにゆっくり上昇してくれます。

では、なぜ開ける時に「リセット状態」に戻ってくれないのでしょう?正常動作する引き戸との差分を確認しようと、正常動作する引き戸を外してアームを詳しく確認してみたところ…中から興味深いものを発見しました。

Panasonic製引き戸のソフトクローズ機構のローラーについているゴムは10年以上たつと破損する

写真がアームの周りから発見したものです。劣化してちぎれたゴムがアームのそばに散乱していました。

ちぎれた破片を組み合わせてみると、どうやら輪っか状のゴムの残骸のようです。幅はアーム先端のローラー幅と同じくらいの寸法です。

そうです!ローラーに装着されていたゴムが経年劣化で粉々になって破壊され、ローラー(恐らくPOM製)がむき出しになっていたのです。

ドアを開ける際には、ドア枠に固定された部品をローラーが通過することで、アームが「リセット状態」に戻る構造ですが、ゴムがなくなってしまったことで、アームがリセット状態に戻らなくなった可能性が高い!

Panasonic製引き戸のソフトクローズ機構のローラーのゴム取り付け部の寸法を測定する

ローラーのゴムが嵌っていたであろう部分の幅寸法は7.8mm程度です。対して、開閉する時にローラーが通過するドア側部品の幅寸法は6.4mm程度でした。

なんとなく、状況証拠が揃ってきましたね。ローラーからゴムがなくなったことで、ゴムの厚み分だけローラーが下がらない状態になりますので、それがアームが「リセット状態」にならない原因になったと推測されます。

なお、前述のとおり破損したゴムは、正常動作する引き戸で発見しましたので、ゴムの破損が、即、引き戸が閉まらない不具合につながるわけではなさそうですが、状況的には、今現在は正常動作している引き戸も遅かれ早かれ、閉まりきらなくなるのでしょうね。

また、今回、修理するきっかけとなった浴室の引き戸に関しても、同様の状態であることが確認されました。(確認した3か所すべてでゴムが破損していたということになります。)

4.故障したソフトクローズ機構を修理する

原因がわかったところで、故障したソフトクローズ機構を修理していきます。

アームに固定されているローラーに新たなゴムの輪っかを付けていくのは現実的ではありませんので、代替になるものがないか?を考えました。結果、導き出した答えは下記です。

Panasonic製引き戸のソフトクローズ機構のローラーゴムが破損したので、ゴムの代替としてビニールテープを巻き付ける

修理に使用するのは、どのご家庭にも一つくらいはあるであろう、極々一般的な「ビニールテープ」です。

私はDIYで電気工事をすることが多いのでいつも常備していますが、絶縁処理に使用する黄色のビニールテープでは目立ってしまうので、たまたま持ち合わせていた白のビニールテープを使用していきます。

このビニールテープを、ゴムが取れたローラーに、ゴムの厚み分だけ巻き付けて、アームが「リセット状態」に戻るように修理していきます。

また、ゴムほどの衝撃吸収性はありませんが、塩化ビニル製であるビニールテープにもある程度のクッション性があります。そのクッション性を利用して、引き戸を閉じる際の衝撃を吸収する効果も狙っていきます。(今現在は、表面が硬い樹脂部品どうしが接触している状態なので、その状態と比較すればかなりいい感じになるはずです。)

Panasonic製引き戸のソフトクローズ機構のローラーゴムが破損したので、ゴムの代替としてビニールテープをしっかり巻き付ける

ビニールテープをローラー(ゴム)の幅にカットし、ローラーを回転させながら巻き付けていきます。

ローラーの材料には恐らく、摺動性に優れたPOM(ポリオキシメチレン)樹脂、通称(商品名)”ジュラコン”が使用されていると思われます。摺動性が良い分、テープの接着性がとても悪い樹脂ですが、テープを一巻きさせて、テープどうしを接着させてしまえばある程度強固な固定が出来ます。

ビニールテープが一巻き出来たら、ローラーを巻いて、ローラーの溝が埋まるまで(ゴムの厚み分くらいまで)テープを巻き付けていきます。

閉まりきらなかったPanasonic製の引き戸をソフトクローズ機構の修理で完全に閉まる状態に修理した

テープの巻き付けが完了したら、アームを「リセット状態」に戻してドア枠にセットし、引き戸を開閉してみます。結果は…引き戸が完全に閉まるように修理することが出来ました。

引き戸を何度開閉させてもリセット状態には戻りませんし、ゆっくり閉まっていく動作も問題ありません。私の仮説、及び対策は適切だったようです。^^

残る問題は耐久性ですが、2週間ほど使用した現在でも特に問題はありませんので、ある程度の耐久性もあると考えています。(ビニールテープがちぎれることはあまりないと思いますし、ビニールテープの接着も時間の経過で更に強固になっていくはずなので、耐久性もかなりあると考えています。)

5.ソフトクローズ機構の耐用年数は15年以下

閉まらなくなった引き戸が修理出来たら、ゴムは破損したが現状では問題なく開閉できているもう一つも引き戸についてもビニールテープを巻いて修理しておきました。(修理による弊害はありませんでした。)

続いて、閉まりきらなくなっていた浴室の引き戸も修理します。

Panasonic製引き戸のソフトクローズ機構の破損したローラーゴムの残骸

状態としては、リビング横の引き戸と同じ状態でした。写真のような”ゴムの残骸”が散乱していて、ロールがむき出しになっていました。(ゴムがより輪っかに近いですが、端面にはひび割れがたくさんあります。)

アーム周辺に残されていたゴムの破片をすべて回収し、リビング横の引き戸と同様にビニールテープを巻いた結果、無事、完璧に修理することが出来ました。(これで娘の入浴も安心です。)

ついでに、開閉としては問題ないもう一つの引き戸である2階トイレの引き戸の状況も確認しましたが…こちらも例に漏れず、ゴムがなくなっていました。閉まりきらなくなるのは時間の問題だと思いますので、こちらも後日、改めて修理しておきます。

結果として、我が家の引き戸の4か所中2か所(50%)が閉まりきらなくなり、4か所中4か所(100%)の引き戸でゴムの破損が確認されました。我が家は今現在で築15年ほどですので、パナソニックさんのソフトクローズの耐久性は15年以下ということになりますね。(その感想は後ほど…)

・故障したソフトクローズ機構を修理して

今回は、故障して閉まりきらなくなった引き戸を、ビニールテープを使用して簡単修理しました。どのお宅にもあるもので、比較的簡単に修理できますので、築年数が10年以上経過しているお宅でソフトクローズ機構の引き戸があれば、是非一度、状態を確認しておくことをおススメします。

古民家は100年たっても住めるが、現在の住宅設備はそれよりもかなり早く故障してしまう

また、戸建ての住宅は35年とかでローンを組んで、それ以上住み続ける想定のものなので、引き戸の耐用年数が15年以下ってちょっと設定が低すぎる気がします。

ゴムではなく、ゴムとプラスチックの中間材料である”エラストマー”などの材料を使用すれば、耐用年数はもっと向上できたはずです。本質的には時限式の設計品質問題と言える事象だと思いますので、Panasonicさんには是非改善をお願いしたいですね。(今後の人のために)

PanasonicさんにはいつもDIYでお世話になっています。古民家のように耐用年数100年以上を要求したりはしませんので…もっと頑張れっ!Panasonicさん!^^

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