我が家の家庭菜園で育てているピーマンにアブラムシが大量発生しました。早急に対策が必要ですが、家庭菜園は可能な限り無農薬で栽培したいです。そこで今回は自然由来の農薬、「酢」「コーヒー」「牛乳」「ニームオイル」をスプレー散布し、アブラムシに対する駆除効果などを確認しました。結論としては、インドの秘密兵器「ニームオイル」のスプレー散布が最強だと思われます。下記リンクにて動画も公開していますので、皆様のガーデニングライフのご参考になれば嬉しいです。
1.アブラムシは植物を弱らせる害虫
我が家のお庭ではピーマンを育てていますが、最近どうも様子がおかしい。。。

良く見てみると写真のとおりで、葉裏にアブラムシがビッシリと付いています。そのせいで、新しく出てきた葉がしわくちゃになっていて、生育不良になっています。
アブラムシは、集団で植物に張り付いて、植物の汁を吸う生き物です。昭和の時代に「これは~♪葉の汁をー吸~うアブラムシ♪」(byフマキラー カダン)と歌われていた「あいつ」ですね。汁を吸われた葉は、十分に育つことが出来ずに生育不良になり、植物全体を弱らせます。
また、アブラムシはアリに甘い分泌物をあげる引き換えに、自分の身を守ってもらうという”用心棒”システムを採用している生物なので、アブラムシが付いている植物には、アリがたくさん登ってきます。そういえば、最近ピーマン周りにアリが増えたなぁとは思っていましたので、そこでしっかり気が付いておくべきでした。
更に、アブラムシを放っておくと、その植物がウィルス性の病気になってしまうこともあるようですし、メスだけでクローンをどんどん増殖させて増える生物でもあるようですので、早急に何らかの対策を取る必要があります。
アブラムシには、かの有名な”オルトラン粒剤”をはじめとした様々な殺虫剤に効果があるようですが、我が家では極力、化学的な農薬を使用せずに、自然素材で植物を栽培しています。今回も、化学的な農薬ではなく、自然由来の農薬を散布して、アブラムシ対策していきたいと思います。
2.「酢」でアブラムシ対策する
今回は、ピーマンに大量発生したアブラムシを化学的な農薬を使用せず、自然由来の農薬で対策していきます。

まずは、アブラムシに対する「忌避効果」と多少の「駆除効果」があると言われている「酢」(穀物酢)を使用して対策していきます。
使用方法は、薄めた「酢」をスプレー散布するだけです。
酢の成分があまり濃すぎると、その酸性の強さから植物を痛めてしまう可能性があるため、30倍くらいに薄めた液体を散布していきます。
ただ、アブラムシに対する「駆除効果」は限定的ということなので、既に大量発生している我が家のアブラムシに対する効果がどうか?ですが、酢はその強い酸性の性質を活かして、アクアリウムでのコケ対策(駆除)などにも使用されますので、その強力な効果に期待して散布していきます。(写真のお酢も、私がアクアリウムに使用しているお酢です)

散布方法は、葉の裏側のアブラムシにも「酢」が直接噴霧できるよう、葉を裏返すなどしてしっかり散布します。
なお、アブラムシは強い水流で洗い流すことでも、その数を減らす効果が見込めるため、スプレーを強めに噴射してアブラムシを洗い流しつつ、その忌避効果で洗い流されたアブラムシが戻ってこなくなるようなイメージで散布しました。
ただし、数日後にその効果を確認した結果としては…アブラムシの全体数は減ってはいるものの、アブラムシを駆除できたとは言えない状態でした。
やはり、「酢」のアブラムシに対する「駆除効果」は限定的と言うことで間違いなさそうです。また、「忌避効果」についても多少はあるのでしょうが、明確に体感できるようなレベルではないように感じました。
3.「コーヒー」でアブラムシ対策する

続いては、ドリップした後の出がらしのコーヒー豆をから抽出した「コーヒー」をスプレー散布してアブラムシ対策していきます。
「コーヒー」はそのカフェイン成分が人間にも様々な効果をもたらしてくれますが、アブラムシなどの害虫に対しても神経系に干渉して行動異常を引き起こし、運動量低下や忌避効果が認められるようです。
前回の「酢」の散布でアブラムシの絶対数は多少減ってくれていますので、今回はそれとの相乗効果で、なんとかアブラムシを根絶させてくれないか…という期待を胸に散布していきます。
散布方法は「酢」と同様です。アブラムシにコーヒー液が直接噴霧できるよう、葉を裏返したりしながらしっかり散布していきます。
さて、その結果ですが…結果は「酢」と同じような感じでした。カフェインによる「忌避効果」は多少あるのかもしれませんが、「駆除効果」は限定的と言わざるを得ない結果となりました。(数日するとアブラムシが増えていく様子が確認できました。)
4.「牛乳」でアブラムシ対策する
続いては、我が家で常備されている「牛乳」を散布してアブラムシ対策をしていきます。
「牛乳」のアブラムシに対する効果は、そのたんぱく質がアブラムシの気孔を塞ぐことで、窒息死させるというものです。また、牛乳が乾くときにカピカピになる性質を利用して、アブラムシの動きを止める(圧死させる)効果もあるとのことです。
効果から考えると「牛乳」は「酢」や「コーヒー」とは異なり、「忌避効果」はほとんどなく、即効性の「駆除効果」が見込めそうですね。(乾燥させることで結果が確認できそうです。)

まずは、他の虫(テントウムシやカマキリなどの益虫)などへの影響も考えて、10倍くらいに薄めた牛乳を散布してみます。
散布方法は他の液剤と同様で、アブラムシに直接噴霧できるよう、葉を裏返したりしてしっかり散布していきます。
そして、1時間ほど乾かしてその効果を確認しますが…うーん。微妙な感じです。牛乳液の直射による洗い流し効果はみられる気がしますが、「駆除効果」はほとんどないように見えます。
であれば、今度は牛乳の濃度を上げて効果を確認してみましょう。
「牛乳」を2倍くらいに薄めた牛乳液を作成して散布していきます。
散布後1時間ほど放置して散布した牛乳を乾燥させたら、その成分を洗い流してその効果を確認しましたが…うーん。牛乳を濃くしても、匂いが強くなるだけで、その「駆除効果」はあまり感じられないように見えます。結果としては、かなり微妙ですね。。。
5.「ニーム」でアブラムシ対策する
ここまでは、家庭に身近にある「酢」「コーヒー」「牛乳」を散布してアブラムシ対策を実施しましたが、どれも効果は限定的で、持続的に明確な効果があるものはありませんでした。
他には「油石鹸水」などを塗布する方法などもあるようですが…家庭菜園にそれを撒くのは少々抵抗があります。
そこで、他に自然由来でアブラムシに効果があるものがないか?探したところ、下記のようなものを見つけました。
ダイコーさんから販売されている「ニームオイル」と呼ばれているものです。
「ニーム」とは、インドに自生している樹木です。アフリカでバッタの襲来があった時に、ニームの木だけ無事だったことから、その虫に対する「忌避効果」が研究されることになった木なのだそうです。なんでも食い尽くすと言われているバッタの大群が避けるって…普通に考えて凄いですよね。
「ニームオイル」は、ニームの木になる丸い実から抽出されるオイルです。(オリーブオイルみたいなイメージですね)

使用方法は、それを180倍~500倍に薄めて散布するだけです。害虫の発生に対して予防的に使用する場合は500倍、既に害虫が発生していて駆除効果を求めるなら180倍みたいな感じで使用すればよい感じでしょう。(キャップ1杯が6mlなので、それを目安に薄めていきます:写真参照)
「ニーム」の効果としては、その独特な匂いに「忌避効果」が見込める以外に、害虫の食欲を減退させる効果があり、結果として害虫を弱らせて餓死させる効果があるとのことです。
つまり「駆除効果」としては”遅効性”ということになりますね。
また、すべての虫たちにその効果が及ぶわけではなく、トンボやカマキリなどの肉食昆虫にはその効果が及ばないのだそう。更には、土の中のミミズなどにも害はないとのことなので、その情報が全て本当であれば、まさに最強の”自然派農薬”と言えそうです。(ニーム成分を食した虫などに効果があるということでしょう)

その最強のニームオイル液を、前回の牛乳散布から10日程経過して、写真のように復活してしまったアブラムシ達に直接噴霧していきます。
「ニームオイル」の匂いとしては、少しだけ気になる匂いではありますが、個人的にはそれほど嫌な臭いではないと感じました。これなら、予防的に常時散布しても全く問題はないレベルです。
さて、問題のアブラムシに対する効果に関しては、前述のとおり”速攻性”はなさそうなので、散布ご数日放置してその効果を確認していきます

写真はニーム散布から3日程放置した後のは裏の写真です。
ちょっとピンボケして鮮明ではないですが、葉の中心部分にまだアブラムシが少しだけ残っています。
しかしながら、「酢」や「コーヒー」「牛乳」などの今までの他の液体散布と比較すると、洗い流されたアブラムシがほとんど復活していないように見えますので、「ニーム」の効果は確実にあるように見えます。
アブラムシの勢いが弱まった(数がかなり減った)ことが確認できたのであれば、ここで畳みかけるように、ニームオイル液を追加散布して、アブラムシの根絶を目指していきます!

写真は、2回目のニームオイル液散布から、更に1週間経過した葉裏の様子になります。
1回目の散布から3日後では、葉の中心部にアブラムシが多少残っていましたが、今回はアブラムシがほとんど見当たりません。
他の葉裏を確認しても同じような状態で、アブラムシはほとんどいなくなりました。この「ニーム」の効果は凄いです。
アブラムシの「駆除効果」が確認出来たら、あとはその「忌避効果」を利用してこの状態を維持できるようにするだけです。アブラムシは1匹でも残っているとクローンがモリモリ増えていきますので、最後の1匹がしっかり餓死するよう、3回目の散布を行っていきます。

なお、アブラムシを水流で洗い流す対策は即効性のある対策としてとても有効ですが…その根元に別の植物がある場合、流れ落とされたアブラムシの被害がその周りに広がってしまうようです。
写真は我が家のピーマンの根元に植えていた唐辛子たちですが、気が付いたらアブラムシだらけになっていました。こちらにもニームオイル液をしっかり散布して、アブラムシを駆逐していきます。
いずれにしても、この「ニームオイル」は、害虫の「忌避効果」及び「駆除効果」(ただし遅効性)があって、デメリットもほとんどないので、自然由来の害虫対策としては最強だと思われます!今後の私の選択肢は「ニームオイル」一択かもしれません。
6.自然派由来のアブラムシ対策(まとめ)
最後に自然派由来農薬のアブラムシに対する効果を、私の独断と偏見でまとめていきます。結果は下表のとおりです。
| 忌避効果 | 駆除効果 | 備考 | |
| 酢 | △ | △ | |
| コーヒー | △ | △ | |
| 牛乳 | ✕ | △ | 即効性 |
| ニームオイル | 〇 | 〇 | 遅効性 |
まず、家庭に身近にあるものとして「酢」「コーヒー」「牛乳」の効果ですが…残念ながら、既に大量発生したアブラムシには、ほとんど効果が見られない(効果は限定的)という結果になりました。(私の散布方法に問題がある可能性もありますけど)
対して、「ニームオイル」の効果は、散布後3日ほどでかなりのアブラムシに対する駆除効果が確認出来、繰り返し(今回は2~3回)使用することで、アブラムシを完全駆逐することが出来ました!本記事を書いている時点で、アブラムシの復活も見られませんので、忌避効果も十分あると思われます。
この結果から判断すると、今後の害虫対策で「ニームオイル」を使用しない理由が見つかりません。今後は、バジルの青虫対策や、レモンのハモグリガ対策など、今まで困っていたあらゆる害虫に使用して効果を確認していきたいと思います。




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