壁面を傷つけずに設置出来て、外壁から浮いていることで通気性も良い、「ラブリコ」を使用したつるバラ用誘引フェンスををDIYしました。結果、壁面にもバラにも優しい誘引フェンスとなり、今年も綺麗なバラが咲き乱れています。
1.つるバラ誘引フェンス再作成
つるバラを植えた時に作成したつるバラ誘引は、外壁に穴を開けてネジを埋め込み、ネジ同志をワイヤーで繋げてそこにバラを誘引するものでした。軒下なので雨が容易にかかってしまう場所ではありませんが、外壁面に穴を開けていたので、そこから壁面内部に水分が入るリスクがありました。それぞれのネジ部をパテ埋めしてはいましたが、外壁に穴を開けてしまったことに対して、若干の後悔がありました。
そんな中、直撃した台風で屋根が破損しまして…屋根の修理と一緒に外壁塗装を行うことになりました。外壁を塗装するためには、誘引しているつるバラをすべて外した状態にする必要があります。折角なので、つるバラと一緒に外壁に埋め込んだネジもすべて外して穴を完全にパテ埋めし、まっさらな状態にして塗装してもらいました。
結果、塗装後には、穴が埋められて綺麗に塗装された外壁と未誘引のバラが残りました。折角綺麗にした外壁なので、壁を傷つけないようなつるバラ誘引フェンスを作成していくことにしました。
2.外壁を傷つけないバラ誘引フェンス-”ラブリコ”支柱
壁面を傷つけないという命題に対して、真っ先に思い浮かんだのは、賃貸でも壁面に2×4材を使用した棚が作れるというあの商品「ディアウォール」や「ラブリコ」です。我が家のバラ棚は2階ベランダの軒下に位置していますので、ベランダと基礎の間に支柱を突っ張らせれば設置できるので、構造の条件としてもばっちりです。
「ディアウォール」と「ラブリコ」の違いを説明すると、「ディアウォール」は柱を突っ張らせるためのテンションが”ばね”なので、脚立などの高所作業をすることなく、天井と床の間に柱を配置できます。対して、「ラブリコ」は最終的に天井側のネジを回すことでアジャスタがジャッキアップされて柱が突っ張る構造です。
今回は屋外の設置ということもあり、支柱には台風などにも負けないしっかりとした強度を持たせたいので、ジャッキ式でより強く突っ張れそうな「ラブリコ」のアジャスターを選択しました。このアジャスタを使用してベランダの張り出しと、縁側の基礎間に2×4の支柱を2本配置し、その2本の支柱の間に適当な木材を渡らせることによってバラ誘引フェンスを作っていきます。また、支柱間を渡らせる木材を支柱の手前側に配置することで、フェンス裏側の通気性を良くするスペースを確保します。
3.バラ誘引フェンスに必要な材料の準備
基本構想が決まったら寸法を測って部材を準備します。
まずは支柱の長さですが、ベランダの高さまで支柱を配置するので、必要な支柱の長さは2mを超えます。ホームセンターで売っている2×4材は、いろいろな長さのものが購入できますが、自分の車で持ち帰れる長さは6フィート(1828.8mm)までです。したがって、6フィートの材料に足りない分は、材料を繋げて対応する必要があります。そんな時に使用するのは「ラブリコ」シリーズの下記の製品です。つなげたい2×4材の接続面にジョイントをそれぞれねじ止めして、ジョイントを嵌合させることで一本の支柱にすることができます。当然、無垢の一本物に対しては強度が落ちると思いますが、2本の支柱間を渡らせる木材を固定していけば、誘引フェンスに十分な強度は確保できるでしょう。
最終的には、2本の支柱間に渡らせる柱(フェンス)の数を5本とし、下記の材料を準備しました。
- 支柱 2×4材 6フィート 3本
- 支柱間渡り材(フェンス)1×2材 6フィート 5本
- ラブリコ アジャスター ブロンズ 2個
- ラブリコ ジョイント ブロンズ 2セット
- 木工ネジ、及び木材用塗料(濃茶系)
4.バラ誘引フェンスの加工と設置
まずは使用する木材を必要寸法にカットし、塗料を塗っていきます。軒下への設置ですが、屋外設置になりますので塗料を塗ることで、外観を向上させるとともに、木材の腐食を防止します。
塗料が乾いたら支柱となる2×4材にラブリコのジョイントをねじ止めして連結させます。続いて支柱の基礎側には支柱の靴となるカバー(腐食防止?)を被せて、ベランダ側にはジャッキ付きアジャスターを取り付けて支柱を配置します。最後にジャッキのネジを回して柱を十分に突っ張らせたら支柱の設置は完了です。
支柱が設置出来たら、支柱間に渡らせる木材を固定していきます。バランスを考えながら等間隔で5本の1×2材を横方向に固定しました。
以上で誘引フェンスの設置は完了です。やっぱりラブリコを使用すると施工がとても簡単ですね。注意点としては、安価なSPF材を使用すると思うので、ネジ打ち時に木材が割れないようにネジを打つ部分には事前にドリルで穴開けしておくことくらいです。
棚が完成したら取り外していたつるバラを誘引していきます。フェンスとなる木材にネジ付きフックを固定して、そのフックに結束バンドで固定することでバラを誘引しました。誘引の際は、枝を直線的に真上に向かって配置するのではなく、出来るだけ「F」(反対側は「F」の線対称)の形になるように、枝を横に広げていく感じで固定していくと、のちに枝から新芽が出てきたときにバラが壁全体に広がって、ダイナミックな仕上がりになると思います。
・つるバラ誘引フェンスをDIYした感想
今回は外壁の塗装をきっかけに外壁を傷つけないバラ誘引フェンスへの更新を行いました。結果、バラが壁から浮いて通気性が良くなり、バラが以前よりも元気になった!ような気がします。(笑)
また、今回は市販のアジャスタ「ラブリコ」を購入しましたが、施工の中でアジャスタの構造を十分理解することができました。構造的には、木材とボルト&ナットがあれば、簡単にDIY出来そうな構造です。今後のDIYでは出来るだけアジャスタ部分も自作して対応していきたいと思います。
参考までに、先日、寝室の本棚の上に設置した棚(写真)を紹介しておきます。本棚と天井の間をボルトとナットでジャッキして突っ張ることにより、棚を本棚上にしっかり固定すると同時に、本棚の転倒防止の効果を持たせています。構造的には上側の天井に突っ張る材料にボルトの頭を埋め込んで、下側の棚の支柱となる材料にはボルトのネジ部が挿入される穴を開けてネジ部を挿しこみます。その状態でボルトのネジ部にワッシャー付きのナットを配置し、そのナットを回して下側の棚の支柱を突っ張らせることで、上側に配置された木材がジャッキアップされ、天井ー本棚間を突っ張らせることができるようになります。今回はあり合わせの木材で作成したので外観がいまいちですが、今後、いろんな部分でこの原理が活用できると思います。皆さんのDIYにもご参考になれば嬉しいです。