2年間大切に育てた屋外地植えバナナ苗ドワーフ・ナムワ種の冬越しには失敗してしまいましたが、我が家にはその苗から新芽である”吸芽”(キュウガ)を株分けした鉢植えバナナ苗が4個あります。今回は、その根付きがまだ十分でなかったバナナ苗を室内にて冬越しさせました。果たして、4個中何個が冬越し出来たのでしょうか?具体的な冬越しの方法や、春を迎えた後の状態などをまとめましたのご参考にしてみてください。
1.耐寒性のあるバナナ苗”ドワーフ・ナムワ”を関東で

スーパーなどで売られている市販のバナナは、完全に熟す前の皮がまだ青い状態で収穫され、輸送などで店頭に並ぶ間に追熟して黄色い状態になっています。その状態でもバナナは糖度がとても高いので、一般的に甘い果物とされていますが、完熟した状態で収穫されたバナナは”格別”なのだそうです。
私もその完熟バナナを食べたい!という強い思いで、真冬は氷点下になる関東で、耐寒性のあると言われるバナナ苗”ドワーフ・ナムワ”種を育てています。
これまでの栽培の様子などは、下記リンクの記事などで度々紹介していますので、別途ご確認いただければと思いますが、バナナが成長するためには、気温が安定的に20℃を越えている必要がありますので、成長する期間が短い関東での栽培ではバナナの収穫にはとても時間がかかります。結果、丸2年間大切に育てておりますが、まだ美味しい完熟バナナは収穫出来ておりません。
そして、バナナが収穫出来ていないだけでなく、丸2年間、地植えで大切に育てていたバナナ苗は…今年の冬越しに失敗して枯らせてしまいました。
とても残念な結果になりましたが、美味しい完熟バナナを食べるまで、今後も諦めずに栽培を続けていきます!
2.株分けした吸芽でバナナ苗を増やす
2年前から栽培していた地植えバナナ苗は枯らせてしまいましたが、実を言うと、その遺伝子は今も残り続けています。
皆さんもご存じのとおり、バナナの実には種がありません。では、どのように苗を増やすのでしょうか?

バナナの増殖方法はズバリ!”株分け”です。親株の根元から出てくる”吸芽”(キュウガ)と呼ばれる新芽(写真参照)を株分けすることによって次世代に命を繋ぎます。
我が家でも、昨年中に9個ほどの”吸芽”が出てくてくれて、早めに出てきてくれた4個を株分けして鉢植えにしました。(残りの5個は、親株と一緒に屋外で冬越しさせましたが、枯らせてしまいました。。。)
吸芽の株分けの様子は、下記リンクの記事で紹介していますのでご確認いただければと思いますが、株分けタイミングが早すぎると根付きが難しくなりますし、根元の膨らみ(皆さんが”いも”と呼んでいる部分)にダメージを与えてしまっても根付くのはかなり難しくなります。株分け出来るタイミングをしっかり見極めて、根元にダメージを与えないよう慎重に株分けするのが、吸芽の株分けのコツになるようです。
そんなこんなで、昨年の8月から9月にかけてなんとか吸芽の株分けを実施しましたが、その後にはすぐ”冬越し”というハードルが待ち構えています。
栽培1年目の親株は、鉢植えでしっかり根付かせた状態で冬越しできたので、室内で問題なく冬越し出来ましたが、今回の吸芽はまだ根付きが十分でない状態で冬を迎えることになります。果たして、吸芽は無事に冬を越すことは出来るでしょうか?
3.株分けした”吸芽”に冬支度をする
それでは、昨年の夏から秋に株分けして、根付きがまだ十分でない吸芽がしっかり冬を越せるよう、冬支度を施していきましょう。
まず、8月下旬から9月中旬にかけて順次株分けを行い、10月を迎えた”吸芽”の状態は下写真のとおりです。

左から、長男・次男・三男・四男という感じで、株分けした順番に並べていますが、それぞれの状況を簡単に説明します。
長男は株分けが早すぎて株分けした段階で吸芽に根がなく、その後の成長は全く出来ていません。そして、次男は株分けで根元の膨らみを欠損してしまい既に虫の息です。三男だけは株分け時に既に根が数本出ておりましたが、植え付け後の成長は見られておらず、四男も株分けのタイミングが少し早く、その後の状態は微妙、といった状況です。(植え付け後に成長している株はありませんが、完全に枯れている株もないという状況です)

そして、写真が11月に入り、冬越しのために室内(私の寝室)に移動させた直後の吸芽達です。
右手前から、長男・次男・三男・四男と並んでいますが…長男はもう今すぐにでも枯れそうな状態で風前の灯。。。次男は幹の中ほどから枯れてしまい既に根元しか残っていません。
一方、三男と四男は10月の状態からは変わっておりませんが、伸びている途中だった葉の成長がそのままで止まっており、そこから少しも伸びていません。(植え付け後の成長は一切確認出来ませんでした)
状況的に、長男と次男は既に手遅れな感じがしますが、奇跡を信じましょうw そして、三男と四男は何とか冬越しさせてあげたいですね!
そんなこんなで、室内に移動してから1か月ほどが経過し、11月末となりました。室内も随分と気温が下がってきましたので、そろそろ冬支度を実施していきます。
冬支度の方法は基本的に屋外で冬越しした親株の方法と同じです。その方法を簡易化して対応する感じになります。

具体的には、幹には幹巻テープを巻いて、根元に稲わらを敷くという冬支度になります。(写真を参照ください)
まあ、室内であれば冷たい風には当たりませんので、幹巻テープは不要な気がしますし、稲わらも土の表面を温めたとて鉢の周りが冷えたら意味がないような気もしますが…バナナ苗に対する愛情と言うことでww
結果、冬越しを願って止まない三男と四男の冬支度は写真のとおりになりますが、長男と次男の状態は1か月前より深刻ですので、出来る対策も限定されます。
まず、長男は枯れかけた根元しか残っていません。既に防寒対策するには値しない状態にも見えますが、一応、少しだけ残された幹の部分を幹巻テープで覆い、根元に稲わらを敷きました。
そして、次男に関しては、根元から幹が枯れて倒れてしまっていて、幹巻テープを巻く幹が少しも残っていませんので、土の表面に稲わらだけを敷いて奇跡を待ちます!(見た目的には稲わらで覆った鉢が部屋に置かれているだけですw)

結果、冬に向けての我が家の寝室の様子は写真のとおりとなりました。(昨年は1鉢だけでしたが、今年は4鉢と添い寝です。)
苗の順番は、左(窓際)から次男、四男、三男、長男です。
窓際は最も陽が当たる場所ですが、同時に窓からの冷気も伝わりやすいので、一番可能性が低い次男(既に地上部分なし)を配置しました。
その手前には冬越しする可能性が比較的高い、四男と三男を配置し、最も陽が当たらない室内側には、根元だけになった長男を配置しました。
冬の間の水やりは、隣にあるパキラ鉢の土の表面の乾き方などを参考にして、表面が乾いたら水を上げる感じで、水やりは控えめで対応します。(稲わらを敷くと土の表面の状態が全く分からなくなるので、他の鉢の状態を参考にします)
後は無事に冬を越してくれることを祈るだけです。さあ、どの子が冬を越してくれるか?(全滅だけは避けたいですね!)
4.春を迎えた吸芽の様子は?
厳しい冬も終わり春(3月)になりました。三寒四温でまだ寒い日もありますが、寝室で冬越しした吸芽の様子を時間経過とともに確認していきましょう。
4.1 冬越しした吸芽-3月
それでは、冬越しした吸芽達の状態を確認していきます。

写真が3月中旬の吸芽達の様子です。今年の冬は特別に寒い日もなかったと思いますので、吸芽達にもダメージはあまりない(冬を迎える前と状態が変わっていない)ように見えます。(隣のパキラも葉をあまり落とさずに冬越しすることが出来ました。)
昨年の親株は、室内の冬越しでも葉が全て枯れたのですが、今年の吸芽達(三男と四男)は葉が緑色を保っていますね。この状態であれば、三男と四男は、無事に冬越し出来たと言っても良いと思いますが、まずは成長を再開するのを待ちましょう。
長男と次男に関しても全く状態は変わりません。正確には根元だけになった長男については幹巻テープを外してみないと状態がわかりませんが、まあ、確認したとて…という感じなので、このままで暖かくなるのを待ちましょう。
4.2 冬越しした吸芽-4月
4月に入りました。今年はお彼岸に雪が降るという激しい寒の戻りがありましたが、そろそろ冬支度を解除してあげてもいい頃です。
まずは、土の表面を覆っている稲わらを除去して、それぞれの吸芽の状態を確認していきます。

まずは、幹巻テープに覆われたままで、状態が確認できていなかった長男の様子ですが…稲わらを除去しようとしたところ、幹巻テープに覆われた状態のまま根元からポロリと折れました。(写真参照)
残念ながら、長男はもうダメそうですね。反省点としては、株分けの時点で「株分けのタイミングが早すぎた」ということですが、今後は「樹高50cm、葉数4枚」を目安にタイミングを見極めて株分けしていきます。
次男に関しては、念のため、稲わらを除去して改めて状況を確認しましたが、土の中での根元の分解も進んでいたようで…根元の残骸すらありませんでした。この子に関しては「株分け時に根元を傷つけた」のが敗因ですね。(ごめん。次男。)

三男に関しては、冬越し前から全く成長していないだけでなく、一番先端で巻いたままとなっていた葉の色が悪くなってきました。(写真が上手く撮れていませんが、先端の巻いている葉がかなり茶色っぽく変色しています)
このままでは少し心配なので、緑色のままの部分は出来るだけ傷つけないようにして、先端の変色して痛んだ部分だけ除去しました。
確認結果としては、葉の中は緑色をキープしていたので、葉全体が枯れ始めたわけではなさそうですが、株全体が全く成長してくれないのが気になりますね。
もはや、先端の成長しない部分は思い切ってカットバックしてしまった方が良いのかもしれませんが…これは悩みどころですね。。。

続いては、四男です。この子の関しては嬉しい変化がありました。ついに、元々あった2枚の葉の間から、新しい葉が芽を出し始めました!!(写真参照)
この子は既に春の成長をし始めてくれたということですので、こうなってしまえば、もう安心ですね♪
よって、4月に入って確認した結果としては、長男・次男は枯れたことを確認。三男はまだ眠ったまま?(起きたことが確認できず)、四男は成長を再開、と言った感じとなりました。
その後、更に日数が経過し、4月末になりました。そろそろ、幹に巻いていた幹巻テープを外して冬支度を完全解除し、吸芽達(三男・四男)の様子を確認していきます。
三男に関しては、良くも悪くも現状維持ですね。まだ、冬の休眠から目覚めた兆しが見られません。

先端部分の状態は写真の通りで、4月初旬に先端の痛んだ(変色した)部分を取り除きましたが、そこから痛みがそれほど進んだ感じもなければ、そこから成長した様子もありません。
これはやはりカットバックした方がいいのでしょうか?下記リンクの記事で屋外での親株の冬越しに失敗したことを記事にしていますが、株が弱っている時期にカットバックなどをすることの危険性(元気がない時期の株は極力いじらない方がいいこと)を認識したばかりなので、カットバックなどの大胆な処置にはなかなか踏み込む勇気が出ませんね。。。
一方、四男の成長は順調のようです。

4月に入って先端から出始めた新しい葉が、写真のとおり少し伸びました。まだ葉が開くところまではいきませんが、順調に成長してくれているように見えますね。
幹に巻いていた幹巻テープを外したところ、少しだけ幹に黒く痛んでいる部分があることが確認できましたが、先端が順調に成長してくれているなら、大丈夫でしょう!
ということで、4月は、長男と次男の〇亡と、四男の成長再開が確認できましたが、三男は未だに新たな成長をしない状態が続いています。そろそろ、屋外への移設を検討していきますが、どうなることやら。。。
4.3 冬越しした吸芽-5月
5月になりGWも終了しました。我が家のバナナの吸芽の様子を確認してみましょう。

まずは、未だに成長を再開した兆しがない三男の様子ですが、先端の状態は写真のとおりで、成長しない先端の葉が更に枯れ出しました。
枯れた部分の中の様子を確認すると緑に見えるので一安心ですが、これはどうしたものか?この枯れ始めた葉自体の成長はもはや見込めないですよね。
でも、カットバックする勇気はない状況。。。もう少しこのまま様子を見てみることにします。

一方、四男の状態は順調です。春になってから新しく出てきた葉が少しだけ開き始めてきました。
冬越し前からあった葉が邪魔になっているような気もしますが、その辺は成り行きに任せていきましょう。(出来るだけいじりません)
一般的に、バナナ栽培では枯れた葉は切り取ってしまった方がいいことになっていますが、バナナには幹がなく、大きな葉が折り重なることで幹を形成しています。つまり、一番古い葉の根元の部分が幹の表面部分になりますので、古い葉がその中の新しい葉を保護しているイメージです。よって、枯れた葉(先端部分)を切り取ってしまうと、その下の幹の表面となる部分も急速に枯れ出し、中の新しい葉を保護するという古い葉の効果がなくなってしまうと思うのです。
つまり、何が言いたいのか?というと、古い葉の根元部分は新しい葉の根元を保護する役割を担っているので、古い葉のすべてが自然に枯れるまでは、新しい葉の保護材としてそのままにしておいた方がいいということです。(これは私見ですが、2年間バナナを育てた上での感想です。)
ということで、四男に関してもこのままの状態で観察を続けていきます。
そして時は過ぎ、5月も中旬になりました。バナナの吸芽達はどうなったでしょうか?

暖かい日も随分と増えてきたので、刺激を与える意味も込めて、三男は屋外に移設しましたが…状態は写真の通りで、成長再開の兆しがまだありません。
ただ、元々あった2枚の葉が弱々しくはありますが、枯れたりはしていないので、このまま苗自体が枯れてしまう心配はないとは思いつつ、流石に少々焦りが出てきました。
出来るだけバナナの生命力(=成り行き)に任せていきたいと思っていますが、そろそろ何らかのアクションを起こす必要があるのかも?
カットバックなどのストレスには耐えられる状態にはあると思いますが、なかなか悩ましい感じですね。
一方、四男はと言うと…

状態は写真のとおりで、春になってから出てきた葉が更に開いてきました。そして、その葉が開ききる前に、次の新しい葉が伸びてきて開こうとしています。(もう、我慢できなくて次の葉が出てきた感じですねw)
こちらの状態はすこぶる順調だと思われますので、こちらもそろそろ屋外に出して様子を見ていきましょう。
ということで、5月の状況として、四男は更に成長し始めて”心配なし”ですが、三男は依然として成長再開の兆しを見せてくれません。気温も段々と上がってきていますので、6月に入っても同じ状況であれば、そろそろ何らかの対応を考えていきます。
4.4 冬越しした吸芽-6月
6月になりました、今年の梅雨は、始まるのが遅く終わるのが早そうですが…バナナの吸芽の様子はどうなったでしょうか?
結論から言うと、ここでやっと、心配していた三男にも成長再開の兆しが現れました。

写真が6月を迎えた三男の様子になりますが、なんと、幹の中ほどから新しい葉と思われるものが顔を出しました!
恐らくは、先端側が成長不全のまま冬を迎えて新たに伸びることが出来なくなってしまっため、先端部が激しい渋滞を起こして新たな葉が出れなくなっていたのでしょう。(可哀そうなことをしました)
そして、業を煮やした新たな葉が、中間部分から幹の側面をぶち破って出てきたということですね。
なにはともあれ、これで三男も一安心ですね。まずはこの葉をしっかり開いてもらって、順調に成長してもらいましょう。

四男については相変わらず順調です。5月中旬時点からは更に新しい葉を出して順調に成長してくれています。
こうなると、冬前から存在している2枚の葉は不要ですが、前述の通りの幹を保護する効果を期待して、このまま成り行きに任せたいと思います。
今回、6月に入り、やっと三男の成長再開が確認出来ましたので、三男も無事冬越し出来たことが明確になりました。
結果、最終的には、昨年の夏から秋にかけて株分けした4個の吸芽に関して、2個の吸芽を無事に冬越しさせることが出来ました。
なお、長男と次男の失敗の原因は明確になっています。吸芽の株分けのタイミングや方法、そして冬越しするために必要なこともなんとなく把握できましたので、今年の冬越しにフィードバックしていきます。(何事も自分でやってみるって大切ですね!)
5.今年のバナナの栽培方針
6月も中旬となりました。今年は2年間育てたバナナの親株の冬越しには失敗しましたが、昨年株分けした2個の吸芽(三男と四男)を冬越しさせることが出来ましたので、今年はこの2株を活用してバナナ栽培を行っていきます。

まず、三男に関しては、写真のとおりに屋外で地植えにしてのびのび育てていきます。(失敗した屋外での冬越しにリベンジします!)
なお、昨年はお隣さんとの境界に近すぎる場所に植えてしまい、開いた葉が越境してお隣さんにご迷惑をかけてしまったので、今年は少々中ほどに入った場所に植え付けました。
また、植える場所の底には砂を少々配合して水はけを良くし、更に有機肥料となる草木くずを混ぜ込んで植え付けました。
これから来る夏に向けて、モリモリ育ってくれれば嬉しいですね。(何個かの吸芽が取れるまで成長してくれれば100点です!)
四男に関しては、引き続き鉢植えで育てていこうと思います。(下写真のとおりで植え付けました)

ただし、成長に合わせて鉢の大きさを変えていくのも大変なので、あらかじめたっぷりとした容量の土で伸び伸び育てていきます。
今回は、そのために「60号」という今まで使用したことがない鉢植えを購入してきましたので、これであれば、ほぼ地植えのレベルで成長できると思います。
なお、大きいとはいえ鉢植えなので移動が可能です。冬には室内に入れて冬越しさせたいと思っておりますが…こんな大きな鉢を寝室まで運ぶのは難しそうなので、この子は我が家のリビングにて冬越ししてもらう感じになりそうです。(土を入れて持ち上げてみましたが、一人ではお庭内を移動するのが精一杯でした。。。)
こんな大きな鉢をリビングに置いて、家族からのクレームが心配ですが…既存のパキラ鉢を寝室に移動させたりして、家族のクレームをかわしながら対応していきたいと思うとりますw
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