電気工事で複数のケーブルを接続する場合は、リングスリーブを使用してリングスリーブ用圧着端子で圧着するのが最も安価な方法です。電気工事を生業とする場合はコストが非常に重要になるので、リングスリーブを使用する方が多いと思いますが、リングスリーブ表面は通電していますので、接続後にしっかり絶縁処理する必要があります。
DIYで電気工事を行う場合は、そんなに頻繁に施工することはないので、単価はそれほど重要ではありません。ケーブルを差し込むだけで作業が完了し、その後の絶縁処理が不要な差し込み型コネクタを使用した施工がベターだと思っています。(私見です)
本記事では、施工が極めて簡単な、差し込み型コネクタによるケーブルの接続方法を紹介します。
1.差し込み型コネクタの使用条件
差し込み型コネクタはケーブル芯線の径に適合したものを使用する必要があります。一般的な差し込み型コネクタは芯線1.6mm、及び2.0mmに対応したものが多いと思いますが、コネクタ表面に適合するケーブル径が記載されていると思いますので、それを確認した上で使用します。
当たり前ですが、差し込み型コネクタは電線管の内部など、電気的な接続が認められていない箇所には使用することが出来ません。基本的には写真のようなジョイントボックスを設置した上で使用します。
また、屋外では使用できないことになっていますので、防水型のジョイントボックス内であっても使用は避けます。(コネクタ内のケーブル固定パーツが腐食や劣化して接点不良が起こる可能性があるからとのことです)
2.差し込み型コネクタに接続するケーブルの加工
コネクタ表面にケーブル芯線をむき出しにする寸法がスリット(ストリップゲージ)で明示されていますので、その指定に合わせてVVFストリッパーなどでケーブル被覆を剥きます。
コネクタ(メーカ)にもよりますが、芯線をむき出し寸法は、11mm~13mm程度と言われますので、概ね12mmくらいで加工しておけば大丈夫だと思います)
3.差し込み型コネクタへのケーブル接続
差し込み型コネクタへのケーブル接続は極めて簡単です。ケーブル差し込み口にケーブルの芯線を奥まで差し込むだけです。
接続後は下記の2点をチェック項目として確認します。
- コネクタ先端から芯線が見えること(ケーブルが奥までしっかり挿入されていること)
- コネクタ外径(下端)から、芯線がむき出しになっていないこと
この項目が満たせていないと電気工事士の実技試験は不合格です。まあ、規定としてはかなりゆるゆるな基準なので、ケーブルが奥まで挿入されていれば、概ね問題はないと思いますが注意が必要です。