長年乗り続けた車を手放し、新たに中古車を購入しましたが…購入した車のボディーには酷い雨ジミ(雨染み)がびっしり…今回は水性塗料の輸入車にとっては禁断の リンレイ 水アカスポットクリーナーを使用して雨ジミ(雨染み)の除去にトライしました。下記リンクにて動画も公開していますので、興味のある方にご覧いただきまして、皆様のカーケアのお役に立てれば嬉しいです。【車-カーケア】#6 ボンネットの雨ジミを除去せよ!part2- リンレイ 水アカスポットクリーナー
目次
1.中古車のボディーに付着していた雨ジミ(雨染み)
長年乗り続けた車を手放し、新たに中古車を購入しました。インターネットの写真と車の情報(評価点:4.5点)を見て購入を決めたのですが、洗車されていない状態で納車された車のボディーを、洗車して改めて確認してみると…ボンネットなどには通常の洗車では落ちない雨ジミ(雨染み)がたくさん付着していました。(個人的に、〇阪の中古車屋さんからは2度と買いません。)
ここまでの記事【車-カーケア】ボディーの雨ジミ(雨染み)除去①-SILQ編、及び 【車-カーケア】ボディーの雨ジミ(雨染み)除去②-SPIRIT編 では、コーティング前の下地剤のようなボディーを磨く商品( Voodoo Ride SILQ や SurLuster SPIRITクリーナー)を使用して雨ジミ除去にトライしましたが…我が愛車の頑固な雨ジミを取り切ることはできませんでした。
そこで、今回は”磨く”という発想から一旦離れて、化学(ケミカル)的に除去できないか?という趣向で雨ジミ(雨染み)除去にトライしたいと思います。
2.リンレイ 水アカスポットクリーナ を輸入車に?
今回、準備したのは下記の商品です。
リンレイ社の水アカスポットクリーナーです。昔から存在している商品ですね。
水アカ分解成分が配合されていて、頑固な水アカでも綺麗に落とす!と謳われている商品です。商品名に「水アカ」というキーワードが入れられているところから見ても、リンレイ社として”水アカ”は特に自信を持っている商品だということがわかりますね。
また、見てのとおり無色で無着色の製品なので、すべての塗装色に使用でき、コンパウンド成分が入っていないので「塗装を傷めない!」とのことです。ただし、液体の成分はアルカリ性で、肌に付着すると肌が荒れてしまうほどケミカル的に強い製品なので、スプレータイプにはなっていますが、ボディーに直接吹きかけるのではなく、クロスに吹きかけてから使用する前提となっています。また、シミになる可能性があるので、目立たない部分で試してから使用するよう注意書きされています。
商品名に「水アカ」と書かれている製品なので、雨ジミ(雨染み)に悩んでいる右近次が、真っ先にトライするべき商品のように思いますが…右近次が手を出さなかった理由が、注意書きに”2つ”書かれています。それは下記です。
「輸入車には使用しない」「水系塗料には使用しない」
これは一体どういうことでしょうか?
3.輸入車の塗装に採用されている水性塗料とは?
輸入車(特に欧州車)に関しては、環境に対する意識が早い段階から高かったこともあり、かなり前から”水性塗料”と呼ばれる塗料が使用されています。
通常の塗料はシンナーなどの揮発性の溶剤と混ぜて塗布し、塗装後にその溶剤が揮発することで塗装膜として出来上がります。対して、水性塗料ではシンナーなどの溶剤の代わりに”水”が使われていて、塗布後に水が蒸発することで塗膜として出来上がります。
詳しい部分まではよくわかってませんが、シンナーのような溶剤を使用した方が塗料として扱いやすく、塗布もしやすいのだと思います。溶剤の代わりに水を使用する場合は、塗料として安定しなかったり、塗装後に熱を加えて水分を蒸発させないといけなかったりで、管理も施工も仕上げも難易度があがるのだと思われます。(すべて右近次の推測ですが、以前に樹脂塗装のお仕事に関わっていた経験があるので、そんなに間違っていないと思います)
4.水性塗料に水アカスポットクリーナーは使用できる?
町中を走る年式の古めの輸入車で、ボンネットの塗装が剥がれてきている車を見たことはありませんか?右近次の近所にも、ちょっと古めのアルファロメオが止まっていて、その塗装は既にところどころが白くなって剥がれかけていてボロボロです。(写真のアルファロメオは本記事とは関係ありません:笑)
通常の経時変化で”そんな感じ”になってしまうところをみると、昔の輸入車の水性塗料は品質があまり良くなかったことが推測できます。なので、ケミカル的に強めのリンレイ 水アカスポットクリーナーを少し痛み始めた塗装面に使用して「塗装が剥がれてしまった!」「塗装が変色した!」などの事象が発生して、リンレイ社にクレームが入ったことは容易に想像できますね。
さて、最近の塗装はどうでしょうか?詳しいことはわかってませんが、最近ではトヨタでも水性塗料への切り替えが進んでいるようです。環境問題が強く叫ばれている時代ですから、日本のトップに君臨する車業界がそれに対応しないわけがないですもんね。
その状況で考えると「リンレイの水アカスポットクリーナーは最近の日本車にも使えない!」ということになってしまいますが…世の中には注意書きなど読まずにいきなり使っちゃう人もいる(そちらの方が大多数?だと思う)ので、本当に最近の日本車にも使えないような商品なら、市場で問題が頻発してお店に並ばなくなるはずです。よって、そのような状況から判断すれば「最近の日本車に採用されている水性塗料には十分使用可能!」なのだと判断できます。
次に、輸入車について考えてみるとどうなんでしょうか?確かに、前述のアルファロメオのように、過去の塗装品質が良くなかったのは事実なのでしょう。ただ、最近は私も含めて輸入車に対する購入の敷居はかなり下がっているので、街中でも輸入車はごく当たり前のように見かけます。そんな状況で、水アカスポットクリーナーでの問題発生が聞こえて来ない状況を見ると、最近の車の塗装品質はかなり向上しているのだと判断しています。
特に私の車はフォルクスワーゲンなのでドイツ車です。戦争をともに戦ったあのドイツが、私と同じでビールが大好きなあのドイツが、そんな品質のものを世界市場に投入し続けるとはとても思えません。(笑) よって、右近次的には”最近の”輸入車であれば、日本車の塗装とそん色ない品質になっていると考えます。ということで、今回は水アカスポットクリーナーによる雨ジミ除去を決断しました。(まずは目立たない部分でお試ししますが)
ちなみに…今回は(ビールを愛する)ドイツ車ということで決断しましたが…輸入車の中でもアメ〇カ車や韓〇車などでは右近次的な信用度の違いで決断できなかったかもしれませんね。(笑)
5.リンレイ 水アカスポットクリーナー での雨ジミ除去
水アカスポットクリーナーの投入が決断できたら、早速施工していきましょう。
まずは洗車をして水気を軽く拭き取ります。その状態でクロスに水アカスポットクリーナー(原液)をスプレーしてボディーを拭いていきます。
以前にリンレイ製品で水アカ除去効果を謳っているシャンプーを使ったことがありますが、その商品は少し灯油のようなにおいがしました。今回の水アカスポットクリーナーも同様に灯油のような少しツンとした匂いがあります。クリーナーの液体自体はボディーに塗ると揮発してなくなってしまいますが、ボディーにはそれなりの残留成分があると思われるので、施工後はすぐに水で流した方がよさそうです。
心配していた塗装に対してのAttackは…大丈夫そうです。塗装は無事に見えます。^^
拭き取りが終わったら、都度水で表面を洗い流します。(ドイツ人を信用していてもやっぱり少し不安なので:笑)
すると、洗い流した状態に変化が。この車には疎水性のコーティング剤 Voodooride SEALANT を施工していたので、ボディー表面に水をかけると軽く撥水して水玉が出来る状態だったのですが、水アカスポットクリーナーで拭き取った部分は、疎水性のコーティング剤がリセットされて、水切れが悪くなっています。ボディーの表面処理のリセット剤としてはかなり優秀に見えますね。
さて、肝心の雨ジミ(雨染み)はどうなったでしょうか?光の反射でしか見えない雨ジミ(雨染み)を写真でとらえるのはすごく難しいので、掲載した写真ではわからないかもしれませんが…残念ながら、憎っくきあいつ(雨ジミ)は残っているようです。
やっぱり我が愛車の雨ジミは頑固です。水アカスポットクリーナーを投入するリスクを冒しても除去出来ないということは、愛車の雨ジミは塗装の内部にまで浸食しているくすみ(曇り)である可能性が高いですね。リンレイ製品としては、もう一段階強力な”ウルトラハードクリーナー”というものもあるようです(Yellow hatの店頭でCMがずっと流れていました)が、恐らくそのリスクを冒してもケミカル的には取れない雨ジミなのでしょう。
・水アカスポットクリーナーを輸入車に使用した感想
今回は、愛車の頑固な雨ジミ(雨染み)を除去すべく、リンレイの水アカスポットクリーナを使用しましたが、残念ながら、愛車の雨ジミは除去できませんでした。磨いてもダメ、(ケミカル的に)溶かすのもダメ、となるとこの雨ジミ(雨染み)は塗装内部まで浸食しているくすみである可能性が高いので、残る方法は一つ”削り取る”しかなさそうです。素人には少しリスクがある気がしますがトライしてみます。
リンレイ水アカスポットクリーナー自体は、使い方も簡単で、輸入車にも問題なく使用することができました。(これからの時間経過で問題が発生する可能性は”0”ではありませんが。)最近、洗車ばかりしている右近次にはそのクリーナーとしての実力がはっきりとは実感できませんでしたが、施工後の状態を見た感じではクリーナーとしてもかなり優秀な感じがしました。少なくとも、ボディー表面に施工したコーティングのリセット剤として十分使える商品だと思います。(Keepeeなどの業者で施工するコーティングに対する効果(影響)はわかりません)
価格的にも¥1,000未満で購入できる商品なので、コスパも良好です。ただ、大丈夫とは思っていても、輸入車に対してはやっぱり”塗装がダメになるリスク”があるのがマイナス点ですね。その辺を考慮して、輸入車持ちの右近次的評価は ★★★ としました。
普段の洗車をあまりしていない車に施工した場合、その洗浄力はかなり優秀だと実感できると思います。是非、一度試していただきたいですが、その際には肌荒れには十分ご注意ください!