15年乗ったトヨタのハイラックスサーフを楽天が主催するオークションで売却しました。相場より高く売れると評判のRakuten Car オークションの落札価格の”からくり”や、損をせずに契約を成立させるコツなどをまとめましたので、皆様の愛車をより高く売却するための参考になれば嬉しいです。セリの様子をキャプチャーした動画も下記リンクにて公開していますので合わせて参考にしてください。【検証】愛車をRakuten Car オークションで売却してみた -セリの様子と出品時の注意事項
目次
1.15年乗り続けた ハイラックスサーフSSR-G
我が”元”愛車のハイラックスサーフ。初年度登録2002年12月で、215系サーフが発売されてすぐの車になります。それを3年落ちで購入し、15年間乗り続けました。
最近は流石にエンジン音などが少し大きくなってきて衰えを見せていましたが、ボディーは結構綺麗な状態で乗ってましたし、トヨタ車の欠点であるヘッドライトの黄ばみも定期的に磨いて綺麗にしていたので、そんなに古い車には見えなかったと思っています。
しかしながら、ガソリン価格が高騰し、子供たちも大きくなってキャンプなどに行って大量の荷物を積む機会もなくなりましたので、時代にそぐわないRV車とはお別れすることになりました。
2.車一括見積もり(一括査定)のデメリット-鬼電!
売却を決意した右近次ですが、さてどのように売却するのが良いか?
まずは手始めに、中古車屋さんのサイトなどでよく見る「車一括見積もり」「車一括査定」に気軽な気持ちで申し込んでみました。
しかし、申し込んだ3分後には激しく後悔します。なんと、登録したスマホの電話が鳴りやまないのです。本当に次から次へと電話がかかってきます。かかってくる時間も容赦なく、中古車屋さんからの電話が目覚まし代わりになることもありました。本当にもう最悪です。
ネットで申し込んだら、各中古車屋さんから「相場はこんな感じですよー」ってメールが来るくらいだと思っていたのに。。。しかも、過去に一括査定に申し込んで出張査定してもらった人の実体験を聞いたところ、「売る」って言うまで帰らない勢いで、2時間近く居座ったそうです。
まあ、一括査定で上手く車が売却できた方もいるのでしょうが、右近次的には絶対におすすめしません。中古車屋さんに売却する場合は、面倒でも自分で複数の中古車屋さんに車を持っていって、相見積もりを取って価格を競わせることをおススメします。
そんな中、電話ではなくショートメールを送ってきてくれた営業さんがいらしたので、その方とショートメールで相場のお話をします。その方曰く「実際に車を見てみないことには何とも言えませんが、相場は状態が良くてMAX50万って感じでしょうか?」とのこと。裏を返せば、どんなに状態が良くても「50万以上では買わねーぜ!」と言うことです。「サーフは個人的に好きな車なので是非買い取りたいです!」という熱意は伝わりましたが、来てもらってもMAX50万、きっと難癖をつけられて叩かれると思うのでMAX価格には到達しないはずです。
3.海外で人気の日本製 四輪駆動 RV車-中古車の輸出
基本的に日本車は距離を乗っても壊れない車が多いので、年式が古くても海外では需要があります。特に東南アジアや中東などでは、四輪駆動のRV車の人気が高いようです。何年か前に仕事でタイに行った際には、走っている車の半数くらいが四駆のピックアップトラックだったような気がします。(右近次の体感です)
中でも人気なのはトヨタのランドクルーザーやランドクルーザープラドなど。年式の古い車でも高値を付けてくれるみたい。昔はオフロードっていえばパジェロのイメージがありましたけど、三菱ブランドはちょっと地に落ちちゃった感がありますねー。
プラドが海外で人気なら、ベースが共通のサーフだって同じように高値で買ってもらえるはず。そこで、知人の知り合いで鉄くずなどを海外に輸出する仕事をしているスリランカ人に声をかけてもらいました。結果は、「サーフであれば50万で買うよ!状態もよさそうだし是非売って欲しい!」との返事でした。
自分が愛した車が海外で第二の人生(車生)を歩むのもロマンがありますね。ランクルのような高級車ならドバイへ輸出されるようですが、サーフの場合はどこに輸出されるのだろう?などと想像が膨らみます。
なお、これで愛車が50万以上で売れることが確実になりました。スリランカ人に50万で売れば、自動車税の還付金¥22,700と合わせて¥527,700-が手元に入る計算になります。ここからは、この価格をベースにして更に高く売れる方法を探します。(より高く売る方法が見つからなければスリランカ人に50万で買ってもらえばいいので。)
4.オークション形式の中古車売却-Rakuten Car
早速、車を高く売る方法を探してみます。ガリバーなどの中古車買い取り業者で売られた車は、車屋さんが参加するオークションにかけられて売られています。実は今回のサーフもそのようなオークションで車屋さんに代行で落札してもらった車です。なので、そのオークションに出すのが最も高く売る方法なのはわかっていますが…出品料や代行料、そして落札されなかった時のリスクなどを考えると、総額がどうなるか?計算できません。
そんな中、車屋さんの参加するオークションに一般ユーザーが出品できる「Rakuten Car オークション」というものを見つけました。周りに聞いてもまだ実際に利用した人はいませんでしたが、ここは私が人柱になって挑戦してみるのも面白いと思いました。(高値が付かなければ、スリランカ人に売ればいいので。笑)
楽天のサイトで ”車・バイク” のカテゴリから ”Rakuten Car” をクリックしてRakuten Car のサイトに飛び、さらに”車を売る”タブから ”車売却” をクリックすると、写真の”Rakuten Car オークション”のページにたどり着きます。
そこで売却する車の情報、「メーカ:トヨタ」ー「車種:ハイラックスサーフ」ー「初年度登録:2002年」を記入して”申し込み”ボタンをクリックします。そうすると(ここからはうろ覚えですが)車情報の詳細を記載する画面に飛びますので、必要事項と出張検査の希望日などを入力して申し込み完了です。
ほどなくして、楽天さんの方から申し込み確認の電話があり「後ほど検査員から電話があるので、検査員と日程の詳細を決めてください」と言われまました。その後すぐ、検査員の方から連絡があり、出張で検査してもらう日程を決めました。(流石は楽天さん。仕事が早いです。)
5.中古車オークション出品のための出張検査-評価点
出張検査は既に暗くなった夕方でした。そんな暗い中で見映えの良い写真なんて撮れるの?と思いましたが、検査員さん曰く「写真は趣味で撮っていてそれなりの技術があるので大丈夫だとのことでした。(ほんまかいな…)
早速、わが愛車の検査が始まりました。ボディーにLEDライトを当てて傷を念入りに確かめたり、エンジンをかけたり、潜って足回りをチャックしたり。そんなLED当てたら小傷が見えるのは当たり前だっちゅーの!などと思いながら検査員さんが検査するのを見守ります。
検査員さんが言うには「足回りというか車体の底面が結構サビてますねー」と想像していた難癖?をつけ始めました。まあ、釣りが趣味で海にはよく行っていたので、サビが多めなのは致し方ないところです。そして「このサビの状況からすると、出品時の評価点は”RA”になっちゃいますね。」とのこと。
評価点とは、中古車業界共通?での点数のつけ方で、基準はざっくり下記のとおりです。(右近次認識です)
- 6:新古車
- 5:美品中古車
- 4.5:程度のよい中古車
- 4:普通の中古車
- 3.5:多少の難がある中古車
- RA:修復歴あり相当の中古車
- R:修復歴ありの中古車
上記の体で行くと、今回、私の車は”修復歴あり相当の中古車”である「RA」での出品となるということです。修復歴がないのにそのような設定になることは納得がいきませんが、古い車なので致し方がない感じでしょうか。(ぐずぐず言っても仕方がないので)
6.オークションへ出品する際の最低落札価格
出張検査は最大1時間半と聞いていましたが…かなり念入りにチェックし、写真を色々と撮りまくって既に1時間半を軽くオーバーしています。検査員さん曰く「RAでも写真がたくさん撮ってあって、どんな状態か?分かるようしておけば、評価点は関係なく値段は付きます。だから心配はしないでください。」とのこと。まあ、この辺は”人柱”として、”まな板の上の鯉”になるしかありません。
検査が完了すると、その場で最低落札価格の設定を求められます。(考えさせる暇は与えない感じなのでしょう。)最低落札価格とは「セリで入札額がこの価格を超えたら、無条件で車を売却しますよ!」と宣言する価格のことです。事前に「最低落札価格を超えたのに売らない場合は、違約金として¥10万支払います!」という誓約書にサインさせられているので、この価格の設定はとても重要です。
検査員さんのお勧めする設定価格は「¥58万円」とのことです。Rakutenに限らず、オークションでは出品手数料などがかかりますので、その辺を加味して、この¥58万が、スリランカ人や中古車屋さんに売る価格に対してどれだけお得か?(はたまた損か?)をしっかり確認する必要があります。
7.Rakutenオークション-落札価格の”からくり”
一般的に、中古車屋さんに車を売るときに手元に入ってくるお金は、車の売却金+自動車税還付金(売却時期により変動)+リサイクル料金 です。
スリランカ人に売るなどの海外に輸出する際には、一旦廃車登録して輸出する手続きになるので、手元に入ってくるお金は、 車の売却金+自動車税還付金 になります。(リサイクル料金は返ってきません)
対して、Rakuten Car オークションの落札金額は”車の売却金”だけを表す価格ではありません。落札金額の中に 自動車税還付金とリサイクル料金が「含まれて」いますので、中古車さんに売るよりも価格が高く見えて当たり前なんです。税の還付金をRakutenに没収されてしまうなんて、何とも納得がいかない感じがしますけど。
更に、落札価格から”落札手数料”を引いた額が手元に入ってくる額になりますので、その辺も考慮した上で、売却を考える必要があります。(額面に騙されてはいけません。しっかり理解した上で売却しましょう。)
よって、「売却額=落札金額:¥500,000」となった場合の、それぞれの取引方法における手元に入る金額は下記のとおりです。
売却方法 | 自動車税 の還付 | リサイクル 料金 | 手数料 | 売却額 | 手元に入る 金額 | |
海外への輸出 | ¥22,700 | ー | ー | ¥500,000 | ¥522,700 | |
中古車屋への売却 | ¥22,700 | ¥11,000 | ー | ¥500,000 | ¥533,700 | |
Rakutenでの売却 | ー | ー | ▲¥22,000 | ¥500,000 | ¥478,000 |
この辺が、Rakutenの売却価格=落札価格が他の取引よりも高く見える”からくり”ですね。同じ「売却額:¥50万」でも、中古車屋さんへ売るのと、Rakuten オークションでは、私のハイラックスサーフ(10月売却)で5万円以上の差額が発生します。
私の場合は、スリランカ人に¥50万で売却した時と同等のお金手元に残そうとすると、Rakuten Carオークションの落札価格を¥544,700 にする必要があります。
8.出品者が売却を選択できる最低落札価格の設定
前述の落札価格の”からくり”を踏まえた上で、改めて最低落札金額を設定します。
検査員さん提案の「58万円」で売れた場合に手元に入る金額は、「¥558,000」です。スリランカ人に「50万円」で売った場合のとの差額は、「¥35,300」です。まあ、手元に残るお金は増えますが、少し微妙な差額ですね。
ここでポイントとなるのは、Rakutenオークションの説明に明記されている「セリ終了後に最低落札価格に達しなかった場合は、その価格で売却する意思があるか?を確認します」というところ。つまりは、最低落札価格に達しなくても、終了後の意思確認の時点で売る意思を明確にすれば、その値段で売却することができるということです。
なので、この最低落札価格の設定で重要なポイントは、「自分が売却してもいいと価格より、少し高めの価格を設定しておく」ということです。そうすることで、微妙な落札価格になった時に、売却するか?しないか?を自らが判断することができます。最低落札価格に達したか?達してないか?はセリ中の表示でわかってしまうので、最低落札価格に達しないことで、最後の入札(競争)がなくなるというリスクはありますが、右近次的には自ら判断が出来る方法をとった方がメリットが大きいと思いました。
以上の理由から、提案された「¥58万円」でも売却はすると思いますが、それより少し高めの「¥60万円」で最低落札価格を決定して登録しました。
9.Rakuten Car オークション-実際のセリの様子
出品する車のセリの開催時間は事前に知らされます。各車のセリの所要時間はデフォルト2分で、終了直前に入札が入ると自動延長される方式なので、実際のセリ時間は”2分+α”とのことです。
検査員が作成する出品する車の情報(出品票)は、事前に確認できると聞いていたのですが、確認方法がわかりませんでした。(残念です)
そうこうしているうちにセリの時間が来ました。スタート価格は30万円に自動車税還付金を加えた:¥322,700でのスタートのようです。(こちらは勝手に決められてしまいます。)
セリが始まりました。スタート価格が低いこともあって入札が連続して入ります。入札単位は”¥5,000”みたいです。が、51万を超えたところで一旦入札がとまりました。「51万まで入れたけど、最低落札価格に到達しないなぁ。さあ、いくらまで入札しようか?」という入札者が悩んでいる心の声が聞こえてきます。(笑)
この後、しばらく膠着状態が続きます。少なくとも「55万」を超えなければ、Rakutenさんには売却しません。スリランカ人からもらったカラフルな名刺を探そうとした”残り時間0:42”に、再び入札が入り出しました。
その後、小刻みに1万円つづ値を上げていき、¥547,700まで上がって残り10秒!そこから更に1万円上がって¥557,700。とりあえず、売却目標額(スリランカ人同等)はクリアです。
その後、小刻みな入札と延長を繰り返して¥582,700まで上がりました。設定した最低落札価格まであと2万円です。
なお、入札が繰り返されると右側のゲージが上昇していき、最低落札価格を超えるとゲージが▲マークの位置を超えて売却決定となります。(画面がチカチカ点滅してフィーバー状態になります。)
なんとかゲージを上昇させて画面をフィーバーさせたい!欽ちゃんが説得してくれれば、あと1点くらい何とかなりそうです。
と、そんな願いもむなしく、このままの金額で終了しました。最終入札金額は、¥582,700-です。
実際のセリの様子に興味がある方は、以下の動画を参考にしてみてください。【検証】愛車をRakuten Car オークションで売却してみた -セリの様子と出品時の注意事項
10.Rakuten オークション終了後の交渉-商談
最終的な入札金額は ¥582,700- でした。7項で説明した内容で、手元に入る金額をスリランカ人売却と比較すると、差額は¥38,000です。まあ、それだけ差額が発生すればいいかなとも思ったのですが、今後のスリランカ人との付き合い方を考えると、ちょっと微妙な金額にも思えます。
そうして悩んでいると、Rakutenから「入札された価格で売る意思があるか?」を確認するための電話がかかってきました。通常の車のオークションでも同様ですが、最低落札価格に到達しなかった車の”商談”ってやつですね。
Rakutennの担当者に、ちょっと微妙な価格なので悩んでいる旨を告げると「オークション後の商談で購入価格のUpを交渉できる業者さんもいますが、今回入札した業者さんは過去にも価格Upに応じてくれていない業者さんなので、価格Up交渉をすることは難しそうですね。」とのこと。うーん。微妙だ。。。
どうしようか?と悩んでいると、Rakutenの担当者から「じゃあ、手数料半額でどうですか?」との提案が!元々の手数料が¥22,000なので、半額だと¥11,000。この差額は大きいです。スリランカとの差額も¥49,000まで跳ね上がります!ということで、この提案で即決することにしました。(っていうか、冷静に考えて50万クラスの取引で手数料2万は高過ぎですね。取引額に合わせて手数料を変えるべきだと思います。)
11.車の売買契約と車両引き渡し
売却を決めたらRakutenから車を譲渡するための契約書類が送られてきますので、譲渡に必要な印鑑証明などをそろえてRakutenに返送します。それと同時に引き取り業者さんからも連絡がありますので、車を引き取ってもらう日程を決めます。(この辺も楽天さんの仕事は早いですね)
そんなこんなで、車の引き取り日当日です。なかなか時間が取れず夜間の引き取りになってしまいました。いよいよ長年乗り続けたサーフともお別れの日です。私の心の様子を表すように雨も降ってきました。
引き取りは、車を積載できるトラックがやってきてサーフを積み込んで行くのかと勝手に想像していましたが…電車とバスを乗り継いで、女性のドライバーさんが一人で現れました。配送料は無料ですので、極力コストを抑えているのでしょう。楽天さんはその点も徹底して合理的ですね。
到着したドライバーさんは、配送前後でキズが変化してないことを明確にするためにキズをチェックし、引取証にサインをもらってサーフに乗り込みます。いよいよお別れの時です。
15年乗り続けたサーフが貰われていきます。トラックに乗せられて”ドナドナ”な感じになるものと思ってましたが、知らない人に運転されて走り去っていくのも、それはそれで切ないですね。さようならサーフ。次も大事にしてくれる人に乗ってもらえると嬉しいです。
・Rakuten Car オークションを利用した感想
全体を通して動きが早く、携わる人の対応もしっかりしていてよい感じでした。中古車買い取りのシステムとしてはよく出来ているんじゃないかと思います。
ただ、価格的にはどうなんでしょうか?自動車税が楽天側に没収されて、落札価格が高く見える”からくり”など、多少胡散臭い感じはしましたね。落札価格も、それほど高い値段が付いている感じはしませんでした。
でも、その辺をしっかり理解して、最低落札価格をうまく設定して安い値段で買い叩かれないよう注意すれば、中古車一括見積もりで嫌な思いするよりはよっぽど良い売却方法だと思います。出品した時に、その車のオーダーを受けている業者さんが複数いて、競争原理がうまく働けば、落札価格が跳ね上がるなどの”ワンチャン”もあると思いますし。
また、オークションなので、付いた価格は競争原理が働いた公正なものになると思いますので、納得感が出ます。(楽天さんの自作自演などがなければですが。)車を売ることなんてそうそうあるわけではありませんが、是非参考にしてみてください。