【情報】ノートパソコン用ACアダプタの互換性-仕様確認ポイント

互換性のあるノートパソコン用ACアダプタの電気的構造的確認方法

私の使用しているノートパソコン用ACアダプタは、普段使用している机にコンパクトに固定されており、他のところで使用する場合には、その固定を解除して持ち運ぶ必要がありました。そこで今回は、その手間を解消するために予備となる互換ACアダプタを中古品で準備しました。互換ACアダプタを準備する際に必須となる電気的・構造的条件などをまとめて、下記リンクにて動画も公開しておりますので、皆様のご参考になれば嬉しいです。【DIY】#45 ノートパソコン用の予備ACアダプタを準備する-互換性のあるACアダプタの電気的・構造的な条件は?

1.ノートパソコンの電源ケーブルはACアダプタ

一般家庭に広く普及しているノートパソコンは小さくて軽い

今や多くのご家庭で使用されているノートパソコン。我が家にも私の在宅ワーク用、外出ワーク用、VW車のコーディング用(昔使用していた旧品)、娘のMMD用という感じで4台のノートパソコンが稼働しています。

ノートパソコンは本体がコンパクトで持ち運びが出来ることが最大の魅力ですが、バッテリーが内蔵されていますので、バッテリーに電池残量がある間は、コンセントに電源ケーブルを繋げなくても使用することが出来ます。逆にいうと、バッテリー残量がなくなるくらい長時間使用する場合には、電源ケーブルを接続する必要があるということになります。

コンセントにつなげる電源ケーブルは、ACアダプタと呼ばれる仕様になっており、家庭用の交流100Vを、それぞれのパソコンにあった直流の電力に変換してパソコンに供給するという機能を持っています。

ノートパソコン用電源ケーブルは交流を直流電力にするACアダプタ

そのため、電源ケーブルの中間には基板などが内蔵された、写真のような直方体の樹脂パーツを備えており、持ち運んで使用するには少々煩わしい仕様になっています。

私のノートパソコンは、主に私の仕事場である2階の寝室で使用していますが、リビングで長時間使用する場合はACアダプタも一緒に持ち運んで使用しております。

ノートパソコンのACアダプタを机に固定してコンパクトに!

しかしながら、私は電気製品のケーブルが乱雑に引き回されているのが好きではないので、2階の寝室では、電源ケーブルが出来るだけコンパクトになるよう、ACアダプタを写真のように机の筋交いに固定して使用しております。

よって、1階のリビングなどで長時間使用する場合は、その固定を外してACアダプタを移動させる必要がありますので…面倒くさがり屋の私にとってはかなり煩わしい状態です。

そこで今回は、ACアダプタの互換性を確認して代替となる2つ目のACアダプタを準備し、持ち運びの際の煩わしさを解消していきたいと思います。

2.ノートパソコン用ACアダプタの互換性

今回は、私が在宅ワーク用に使用しているノートパソコン(下写真・富士通製)に対して、本体付属の純正ACアダプタの他に、持ち運び用のACアダプタを準備していきます。

在宅ワークに使用している富士通製のノートパソコン

基本的には、付属品と全く同じ純正品のACアダプタを準備するのが一番安心ですが…メーカー純正品は高すぎるので、私の横着のためにそこまでの出費は出来ません。

そこで今回は、中古パーツ屋さんで安価なACアダプタを準備していきたいと思いますが、そもそもACアダプタに互換性はあるのでしょうか?

結論から言うと、互換性は”あります”!ただし、ACアダプタには様々な仕様がありますので、使用するノートパソコンに対して、電気的・構造的に適合するACアダプタを準備する必要があります。

3.ノートパソコン用ACアダプタの電気的な仕様

まずは、互換ACアダプタの電気的な仕様について整理していきましょう。

下写真は私のノートパソコン用ACアダプタに貼り付けられている銘板です。ここに電気的な仕様が全て記載されていますので、こちらの記載内容に合致した電気的仕様のACアダプタを探すことが出来れば、互換性のあるACアダプタとして使用することが出来ます。

ノートパソコン用ACアダプタの銘板に記載された製品仕様

電気的な仕様が書かれている場所は、上から2行目と3行目。「INPUT」と「OUTPUT」です。

まずは「INPUT」に書かれている内容ですが、これは適合する電源(コンセント側)についての条件の記載になります。今回のACアダプタには「100V-240V 1.5A 50Hz・60Hz」と書かれていますので、使用できる電源の条件は下記のとおりということになります。

  • 交流100V~240V
  • 電源周波数 50Hz or 60Hz

日本における一般家庭の電源は交流(AC)100Vで、周波数は東日本は50Hz、西日本は60Hzです。つまりは、日本国内であればどこでも使用できるACアダプタになります。

海外のコンセントはプラグ形状も電源の仕様も日本と異なる

そして、海外では電源の仕様が日本と異なりますので、使用できる海外の電源仕様が使用可能範囲として記載されているというわけです。(写真はCタイプと呼ばれる海外の電源プラグです)

例えば、中国の電圧は交流220V・50Hzです。220Vは定格電圧なので、品質の低い中国の電圧は実際には瞬間的にかなり上下して暴れているようですが…まあ、240Vまで許容できるACアダプタであれば、今までの出張などで問題が起きたことはないですww

また、世界的にみても、交流100V~240Vで50Hz・60Hzの範囲で使用できる製品であれば、主要な国であれば適合できる仕様になるようです。(電源として一番多いのは”交流220V・50Hz”らしいです)

なお、他に記載されている「電流1.5A」は、電流がMAX1.5A流せますよ!という表示になりますが、この辺りの数字はパソコンで使用する消費電力である「OUTPUT」の値で自ずと決まってくる数値になりますので、ここではあまり気にしなくてよいでしょう。

続いて「OUTPUT」の記載内容について確認していきましょう。(ポイントはこちらです)

記載内容は「19.0V-4.74A」です。

まず、前半の「19.0V」は、ACアダプタが変換してノートパソコンに出力する電源が「直流19.0V」であることを示しています。つまりは、ノートパソコンが駆動する電圧が「19.0V」であることを示していますで、互換品として使用するACアダプタは、OUTPUT(出力電圧)が「19.0V」であることが必須となります!(ここが一番のポイントですね。)

ACアダプタから出力された直流電圧をテスタで測定する

写真は私のテスターでメーカー純正品のACアダプタの出力電圧を測定した結果です。テスターの精度がよくわかりませんが、直流の19V後半の値を示してしました。(19.0Vより大きくズレているのは、私のテスターに要因があると思います)

そして、後半の「4.74A」は、このACアダプタが許容できる電流が「4.74A」であることを示しています。つまりは、接続するノートパソコンが、その値に準ずる最大電流を必要とする可能性があることを示していますので、互換品として使用するACアダプタの許容電流は「4.74A」以上であることが必要になります。(設計的には、実使用のMAX電流値よりも少し余裕をみた値で設定していると思いますが、その余裕度がわからないので”表示電流以上”で探すのが良いです)

よって、互換性のあるACアダプタの電気的仕様の条件としては、電源の「INPUT」仕様が海外の電源仕様をほぼ網羅する「100V-240V 50Hz・60Hz」となっていることを前提として、「OUTPUT」仕様が下記になるACアダプタということになります。

  • 出力電圧が記載値と同一であること
  • 許容電流が記載値以上であること

4.ノートパソコン用ACアダプタの構造的な仕様

続いて、互換ACアダプタに必要な構造的な仕様について整理していきます。

電源プラグ側が日本のコンセントプラグに対応している必要があることはもちろんですが、ポイントはノートパソコン側に接続するプラグの仕様になります。

まず、プラグの「形状」としては”筒状”になりますが、製品によってその径などが異なりますので、使用するノートパソコンの径に合う「寸法」のACアダプタを使用する必要があります。

ノートパソコン用ACアダプタのプラグの径はΦ5.5mmが多い

純正ACアダプタのプラグの「寸法」を測定したところ、概ね下記になることがわかりました。

  • 外形:Φ5.5mm
  • 内径:Φ2.5mm

中古パーツ屋さんで寸法まで測定するつもりはないですが、見た目的に同じようなものを購入できれば大丈夫でしょう。

あとは、プラグの電気的な仕様ですが、筒の外側と内側がそれぞれ⊕極と⊖極のどちらかになっていますので、仕様する機器にあった仕様のACアダプタを選択する必要があります。

ACアダプタの銘板にはプラグの極性が明記されている

純正ACアダプタの銘板には、写真(四角囲み)のような記載があります。これは、プラグの内側が⊕極で、外側が⊖極であること示していますので、その仕様と同一のものを探す必要があります。(ここも重要なポイントですね)

したがって、互換性のあるACアダプタの構造的な仕様(プラグ仕様)としては下記となります。

  • プラグ形状:筒状
  • プラグ寸法:外形Φ5.5mm・内径2.5mm
  • プラグの電気的仕様:内側⊕極・外側⊖極

以上が、今回、互換品として選択すべきACアダプタの仕様になります。

5.中古パーツ屋で互換性のあるACアダプタを探す

今回選択すべき互換ACアダプタの仕様は明確に出来ました。早速、中古パーツ屋さんで条件に合致するACアダプタを探していきます。

2個目となるサブのACアダプタを中古パーツ屋さんで購入

探しに行く中古パーツ屋さんは、みんな大好き”HARD OFF”さんです。(店内にいると、あの独特の音楽が頭に刻み込まれる”あの”お店です。売るならやっぱりハードオフ♪ハードオフ♪)

店に行くと、パソコン用のACアダプタは箱の中に無造作に入れられていました。そして、ACアダプタの箱は数個あり、それぞれのラベルに「富士通用」「NEC用」などと書かれていましたが…確認したお客が入れ替えたのか?元々間違って入れられているか?わかりませんが、ラベルの表記と内容物は全く合ってませんでしたww

調査を開始すると、まずノートパソコンと接続する側のプラグ形状及び寸法は、ほぼ統一されているような感じがしました。電気的な仕様も、ほぼすべてプラグの内側が⊕極になっていますので、陳列されているほぼすべてのACアダプタが仕様的に合致するように見えます。

しかしながら…今回の探索のポイントとなるのは、やはりACアダプタの「出力電圧」と「許容電流」ですね。

まず、「出力電力」の19.0Vは仕様的にはやや大きめの仕様となるようで…なかなか合致するものが見つかりません。また、「許容電流」の4.74Aも仕様的にかなり大きな値となるようで…適合するACアダプタの捜索は難航しました。

そんな中、最終的に何とか見つけることが出来たACアダプタが下写真のACアダプタです。

リサイクルショップで購入したノートパソコン用のACアダプタ

なお、ノートパソコンに付属されているACアダプタは、当然ですが、パソコンに接続するACアダプタ側(電圧を変換する四角い樹脂部品あり)とコンセントに接続する電源ケーブル側がセットになっていましたが…”HARD OFF”さんでは、二つがそれぞれ別で売られていました。(中古品として一緒に持ち込んでいるはずなのに…ちょっとセコイ対応ですね)

また、箱の中のACアダプタは、ほとんどが¥350(税込み)でしたが、今回選択したACアダプタは¥550(税込み)でした。やはり若干特殊な仕様?になっていたようで、他のものよりもお値段も少し高くなりましたが、何とか合致するものが見つかってよかったです!

6.互換ACアダプタの適合を確認する

それでは、HARD OFFさんで購入してきたACアダプタが、実際に私のノートパソコンに使用できるか?確認していきましょう。

まずは、ACアダプタの銘板(下写真)を確認します。

互換品として購入したCHICONY製ACアダプタの銘板で仕様を確認

このACアダプタのメーカーは「Chicony」と記載されています。調べてみると台湾のメーカーになるようです。部品の製造は中国のようですが、台湾メーカーが品質を管理しているのであれば少しは安心できそうですねww

「INPUT」の記載内容は、純正品と全く同じです。電流値も一緒なので、同じくらいの消費電力の機器に使用されていたACアダプタなのでしょう。

「OUTPUT」の記載内容も、純正品と全く同じです。プラグの電気的仕様も内側が⊕極なので問題はありません。

互換品として購入したACアダプタのプラグの仕様を確認する

プラグ側の寸法も、外形がΦ5.5mm、内径がΦ2.5mmなので、全く問題ありませんでした。

唯一純正品と異なるのはプラグ先端の色(純正品は黄色で互換品は黒)ですが、正直、色なんてどうでもいいですww(国によって決まりがあったりするんだろうか?)

これで、事前に確認した互換品に必要な仕様のチェックが全て完了しましたが…純正品と異なる点が一つ!それは、コンセントプラグがついた電源ケーブルと接続する側のACアダプタの仕様です。

互換品ととして購入したACアダプタの電源ケーブルプラグは3ピン

日本の一般的なACアダプタはアース(接地)を必要としないものが多いため、接続側は2ピンのプラグに対応したコネクタになっていますが、今回の台湾メーカーのACアダプタは、アース端子付きの3ピンプラグに対応したコネクタになっています。(写真参照)

しかも、写真のとおり、⊕極と⊖極の間の出っ張りが大きくて2ピンのプラグでは嵌らないような形状になっています。コネクタ側の出っ張りを削れば、なんとか2ピンのコネクタでも嵌めることが出来るようになると思われますが…電源ケーブルのコネクタを加工するのはちょっとリスクが大き過ぎます。

そこで、コンセントと接続する側の電源ケーブルは、このACアダプタのコネクタ仕様に合わせて、プラグが3ピン(下記写真)になるアース線が配置されたものを購入しました。

3ピン仕様の電源ケーブルは形状的に2ピンの仕様との互換性がない

結果、ケーブル内にアース線が配置されている分、ケーブルの太さが太くなってしまい、使用時の取り回しが少々悪くなりそうですが…まあ、常時使うケーブルではないので、この部分は許容することにします。

以上で、購入したACアダプタ、及び電源ケーブルの仕様に問題がないことが確認できました。

続いては、実際にコンセントに接続して、出力電圧がどうなっているか?確認していきます。

結果は下写真のとおりです。

互換品として購入したACアダプタの出力電圧を測定する

純正ACアダプタの出力電圧を同じテスターで測定した結果は「19.98V」でしたが、今回購入した互換ACアダプタの出力電圧は「19.56V」になりました。

測定値的には「0.42V」程の差がありますが…まあ、ノートパソコンの仕様的にも許容できる電圧には幅が設けられているでしょうし、電圧がより低い方向に振れている状態であれば、なんとか問題なく使用できるでしょう。(多分)

ということで、互換ACアダプタの出力電圧も確認できましたので、実際に私のノートパソコンに接続して使用できるか?を確認していきます。結果は下記写真のとおりです。

ノートパソコンにACアダプタを接続するとアイコンにプラグマークが追加される

ノートパソコンにプラグを挿すと、パソコン画面の電源アイコンの左上にプラグ形状の表示が現れました。パソコン側が電源ケーブルが接続されたことを認識したということです。これで、実使用上も問題がないことが確認できました。

今回は、私が在宅ワークで使用しているノートパソコンの持ち運び用ACアダプタとして、互換性のあるACアダプタを購入しました。ポイントは、「出力電圧」「許容電流」「プラグ形状、及び極性」です。ノートパソコンに関わらず、互換ACアダプタを準備する際のご参考にしてみてください。

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