【ガーデニング】バナナの吸芽を株分けする-適切なタイミングや時期

お庭で育てているバナナ苗から新芽である吸芽(キュウガ)が出始めました。そこで今回は、バナナの吸芽を株分けする方法を紹介するとともに、我が家の吸芽を4個株分けした結果から、株分けに適切なタイミング(葉の数や樹高)及び、時期(季節)などを考察しました。下記リンクにて動画も公開していますので、合わせてご参考にしてみてください。【ガーデニング】バナナ苗の吸芽を株分けする -関東で最適な株分けタイミングを検証!

1.種のない植物”バナナ”の増え方

一般的な植物は、花が咲いたら「雄しべ」と「雌しべ」が受粉して種が出来ます。そして、その種から芽が出て増殖する、俗にいう「種子植物」が多いです。(中学の理科で習いましたねw)

しかしながら、我々が普段食べているバナナは、バナナの苗(木)に結実した「実」ですが、皆さんご存じのとおり、種がありません。(一部、種があるバナナもあるみたいですが、ここでは一般的なバナナについて述べます)

では、種がないバナナはどうやって増殖するのでしょうか?その答えは「株分け」です。花が咲かない観葉植物などにも多い増殖方法ですね。

例えば、観葉植物として人気のあるサンスベリアなどは、順調に育つと葉がたくさん増えるので、根が付いた葉を複数に分けて植えなおすことで、株を増やすことが出来ます。

バナナの増やし方も基本的にはサンスベリアなどと同じです。親株が育ってくると、株の脇から「吸芽」(キュウガ)と呼ばれる新芽を出し始めますので、それを親株から切り離して植え付けることで、株を増やすことが出来ます。(写真は私が購入した吸芽です)

なお、バナナは実を付けると枯れてしまうので、単純に株を増やす「株分け」ではなく、次世代に引き継ぐ意味もありますが、「吸芽」は1つの親株から何個も出てくるので、結果的には”増える”ことになりますね。

2.バナナの吸芽を株分けする方法

バナナは親株の根元から出てきた「吸芽」を「株分け」して増やしますが、具体的にはどのように行うのでしょうか?実際に私が実施した方法を紹介します。

写真は我が家のバナナから出てきた吸芽です。

吸芽は親株が十分に成長してくると出てくるようです。我が家のバナナでは栽培2年目の8月頃から出始めました。

新たに出てきた吸芽達には、我が家の狭いお庭ではなく、実家のお庭で伸び伸び育ってもらいたいです。(そこで美味しいバナナをたくさん収穫します。)そこで今回は、実家に運搬できる鉢植えになるよう株分けしていきます。(冬越し出来たら実家の庭に植えます)

さて、株分け(親株からの切り離し)の方法ですが、まずは吸芽の根元を掘り起こして、吸芽の全容(根元の大きさ)を確認します。

写真は掘り起こした吸芽の根元になりますが、親株の根の間を縫って生えて来ています。我が家の親株はまだバナナの収穫が出来ていないので、出来るだけ親株の根を傷めないように掘り起こしたいですが、親株の根はかなり入り組んで生えているので、全く根を傷めずに掘り起こすのはとても難しそうですね。(2~3本の根は犠牲にならざるを得ないでしょう)

なお、実の収穫が終わっているバナナであれば、親株はどうせ枯れてしまいます。大胆に掘り起こして吸芽をしっかり活かしてあげた方がよいですね

吸芽の全容が把握出来たら、親株と吸芽の境界にナイフや鎌などの刃を入れて、親株から切り離していきます。吸芽を重視するなら、出来るだけ大きく切り取るのが良いと思いますが、両方を活かしたい場合は、そのバランスを考える必要があります。我が家の場合は親株へのダメージも最小限にすべく、境界の上から垂直に刃を入れました。

写真が実際に切り取った吸芽の根元です。

想像していたより根元の膨らみが小さかったですが、吸芽側に根が何本か生えています。この状態であれば、植え付け後もこの根から水分や養分を吸収することが出来ますので、根付く確率も高くなるでしょう。

一方、株分けのタイミングが早かったりして吸芽側に根が生えていない場合は、その吸芽の生命力に委ねるしかありません。

よって、吸芽側に根が生えるタイミングを見極めるのが株分けの重要なポイントになりそうです。

また、吸芽を切り離す際には、根のふくらみの部分を出来るだけ傷つけないようにすることも重要です。

写真は親株から切り離した別の吸芽になります。黄色矢印面で親株から切り離したのですが、刃を入れる深さが足りなかったようで…吸芽の下の部分が折れてしまいました。(赤矢印部分の肉がなくなっています)

折れた部分に根があったのか?はわかりませんが、他に生えている根もありませんので、その後の定着はかなり難しい状況になりそうです。(10月の現時点で、完全に枯れてはいませんが、葉は全て枯れてしまいました)

さて、親株から切り離した吸芽は別の場所に植え付けます。(今回は鉢植えです)

培養土には、市販の園芸用培養土をそのまま使用しましたが、水はけが重要となりますので、砂を配合するなどして工夫すると良いかもしれません。(吸芽の植え付けは、過去記事【ガーデニング】バナナ苗の植え付け-関東で最適な時期や土の配合でもまとめていますので、ご参考にしてみてください)

なお、植え付け直後は、環境の変化によるダメージがありますので、すぐに直射日光に当てるのではなく、数日は半日陰くらいで養生して、その後に陽に当ててあげるくらいが良いです。

また、植え付け時に既に吸芽に根が付いている場合はそれほど気にする必要はないと思いますが、植え付け時に根が付いていない吸芽には更に注意が必要です。

根が付いていない吸芽には養分を吸い上げる機関がないので、根付くまでは、親株との切断面や根元の表面から養分を吸い上げる感じになるはずです。(もしくは、新たな根が出るまで絶食かも??)

水はけが重要な植物なので、水挿しにするのも微妙ですし、どうしようか?迷いましたが、植え付け後に土が湿った状態をキープ出来るよう、しばらくは写真のように受け皿を設置して、常に水を張った状態にして対応しました。(長くやり続けると水が腐りますので注意してください)

結果、この受け皿にどれだけの効果があったか?はわかりませんが、株分け時に根がなかった吸芽も、この記事を書いている10月時点で何とか枯れずに育ってくれています。根がないという最初の試練は何とか乗り切ってくれたようです。

以上が、私が実施したバナナの株分け方法です。

3.バナナの吸芽を株分けするタイミング

2項のとおり、バナナの吸芽を株分けする際には、吸芽側にも根が付いてから株分けするのが理想ですが、そのタイミングはいつぐらいになるでしょうか?

この辺りはバナナの種類、及び親株の生育状態によっても変わってくると思いますが、我が家の「ドワーフ・ナムワ」種にて、4個の吸芽を株分けして検証した結果を下記にまとめました。確認したパラメーターは、株分けまでの「吸芽育成期間」「葉の数」「樹高」そして、親株から切り離した時に吸芽側に根が付いていたか?(「根の状態」)です。

吸芽
育成期間
 葉の数  樹高  根の状態 定着可能性
長男3週間2枚30cmなし
次男3週間3.3枚40cmなし*折れ
三男3週間3.5枚70cm2~3本
四男2週間2.8枚50cmなし

結果の詳細を説明します。

まず、「長男」は8月頭に最初に顔を出した吸芽です。(見つけた時は嬉しかったww)

吸芽が顔を出し始めてから3週間目に、葉の数2枚(極小の葉はカウントしていません)、樹高30cmの状態(写真右側)で株分けしましたが、親株から切り離したところ、吸芽からの根は全く生えておりませんでした。

10月下旬現在、植え付けた苗は枯れていませんが、8月に株分けしたにも関わらず樹高は低いままで、その後の成長は全く観られておりませんので、結論としては「株分けが早すぎた」という感じになるでしょう。

ただ、今後の管理で定着してくれる可能性はあるので結果は「△」としました。

「次男」は、「長男」から遅れること1週間後、8月中旬に顔を出した吸芽です。タイミング的には「長男」と同様、発見から3週間後に株分けしました。

親株がモリモリ成長する時期だったこともあって、同じ3週間でも「次男」の方が生育が早く、葉の数3.3枚(開いていない葉は小数点でカウント)、樹高40cmで株分けしています。(植え付け後の状態は写真のとおり)

ただ、吸芽に根は確認できませんでした。更に、2項で失敗例としてご紹介したとおり、吸芽の下部を折ってしまった吸芽になるので、植え付け時にかなりのダメージを与えてしまいました。

結果、10月下旬現在、葉は全て枯れてしまい、定着はかなり難しそうな状況です。よって、結果は「✕」としましたが、私の株分けが上手出来ていれば定着できたかもしれない株です。(ごめん。次男。)

「三男」は、8月下旬に出始めて、3週間後の9月中旬に株分けした吸芽です。

写真の左側が「三男」ですが、3週間で葉の数3.5枚、樹高は70cmまで成長した状態で株分けしました。(右側は在りし日の「次男」です)

また、この「三男」を親株から切り離したところ、2項でご紹介したような根が数本確認出来ました。結果として、株分けした4個の吸芽のうち、根が確認出来たのはこの「三男」のみですので、この辺りのタイミング、及び成長具合が株分けの目安ということになりそうです。

なお、植え付け後は既にある根を活用して、モリモリ成長してくれることを期待していましたが…株分けの時期が9月中旬だったこともあって、その後の成長が確認できませんでした。(4枚目の葉は巻いたまま開いていません)

ただし、枯れている様子はないので、結果は「〇」としましたが、株分けの時期としては、やはり8月までに行うのが良いということになるでしょう。(もっと早く出て来てくれていれば…)

続いては「四男」です。「三男」から1週間遅れで出てきた吸芽ですが、株分けが遅いと寒くなるまでに根付けないので、「三男」と同じタイミング、発見から2週間後に株分けしました。

この「四男」は出て来てからの成長が早く、2週間で3枚目の葉が開き始め、樹高50cmまで成長しています。(2週間で「次男」の40cmを超えました)

ただ、親株から切り離して確認したところ、根は生えてませんでした。いくら成長が早いと言っても、2週間では根は出て来ないということですね。

10月現在で枯れてはいませんので、結果は「〇」としましたが、植え付け時に開き始めていた葉は、少し丸まって開かないまま成長が止まっています。やはり株分けのタイミングが9月になったことが影響しているかもしれません。

以上の結果から、吸芽の株分けを実施するタイミングの目安は下記のとおりと結論付けました。(1シーズン経験しただけの、ゴリゴリの私見ですw)

  • 吸芽育成期間:3~4週間(以上)
  • 葉の数:4枚開いてからが望ましい
  • 樹高:50cm以上
  • 実施月:8月までに実施するのがよい

前述のとおり、親株の生育状態や季節などによって大きく変わってくるとは思いますが、ご参考にしてみてください。

4.株分け後の吸芽と新たな吸芽

下写真は、植え付けた吸芽たちの10月に入ってからの様子です。

左から「長男」「次男」「三男」「四男」で並んでいますが、次男以外はなんとか植物本来の緑色をキープしています。ただ、どの株も植え付けてからの成長がほとんどありませんので、安心して冬越し出来るくらい根付いているか?はわかりません。これから室内に移動させて何とか1つでも無事に春を迎えられればと思っています。

可能性が低い「次男」はカットバックして枯れている部分を除去し、しばらく様子を見ていますが、どうなることやら。(写真ではほぼ枯れているように見えますが、根元にわずかに緑色の部分が残っています)

また、株分け後も新たな吸芽が5個程出てきました。(写真では4個ですが、親株の裏にもう1本あります)

今から株分けしても冬までに根付けないので、この5個は親株と連結したまま冬越しさせることにしましたが、何とか春まで生き延びてくれたら、それぞれをまた株分けして実家に植え直す予定です。(実家の裏庭をバナナ・ワニ園にする予定。あ、ワニはいねーかww)

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