浴室換気扇が壊れたことを機に、実家に「浴室暖房乾燥機」を導入することになりました。前回までの施工で200V電源の設置は完了していますので、今回の第四弾(④=Final)では、いよいよ浴室暖房乾燥機”三菱電機製 V-241BK5-RN”を据え付けていきます。下記リンクにて動画も公開していますので、皆様のDIYのご参考になれば嬉しいです。【DIY】#48 浴室暖房換気扇を設置する-単相200Vで駆動する換気扇を既存の換気扇から置き換える
目次
1.壊れた換気扇を浴室暖房乾燥機に交換する
実家の換気扇が壊れ、スイッチを入れても動作しなくなりました。また、実家は築50年近くでかなり古く、冬場のお風呂がとても寒いため、一人で住んでいる母の入浴時のヒートショックも心配です。そこで、この換気扇の故障を機に、実家の冬の浴室を温める「浴室暖房乾燥機」を導入することになりました。
新設する浴室暖房乾燥機は、下記の”三菱電機製 V-241BK5-RN”です。電力効率のよい200V電源を使用する機種になりますので、新たに単相200Vの電源ケーブル配線が必要になります。
ここまでの施工内容などは、過去記事【DIY】換気扇を浴室暖房乾燥機に交換する①-配線確認と工事計画、【DIY】換気扇を浴室暖房乾燥機に交換する②-設置前の準備施工、及び【DIY】換気扇を浴室暖房乾燥機に交換する③-200V化電気工事でご確認いただければと思いますが、前回までに下記配線図のとおりの単相200Vの電源ケーブル配線までの施工が完了しました。
200Vの電源が確保できたら、いよいよ壊れた浴室換気扇を撤去して、新たな浴室暖房乾燥機”三菱電機製 V-241BK5-RN”を設置していきます。
母親には「冬になるまでには絶対設置するから気長に待ってて!」と伝えてありましたが、何とかその約束を果たすことが出来そうです。
もう80歳を越えた母親に対する、あと何回出来るか?わからない親孝行ですので、最後までしっかり施工していきましょう!
2.壊れた浴室換気扇を撤去する
浴室暖房乾燥機”三菱電機製 V-241BK5-RN”を設置する前に、まずは壊れた浴室換気扇を撤去していきます。
ルーバー付きのカバーを外した換気扇本体の状態は写真のとおりです。真ん中にファンとモーターが格納されていて、そのフレームを上下2本ずつ計4本のネジで固定している構造なので、そのネジを外して本体を取り外していきます。
写真は既にネジを外している状態ですが、既に設置から30年くらい経過しています。固定していたネジはかなりサビていて痛みが激しい状況でした。(4本中1本は途中から折れました)
ネジを外せば、換気扇のフレームは壁の木枠に嵌め込まれているだけなので、手前に引き抜くことで取り外すことが出来ます。屋外側の電源プラグは既に抜かれておりますので、簡単に撤去することが出来ました。
3.浴室暖房乾燥機の取り付け位置を決める
壊れた浴室換気扇を取り外すと、下写真のような木枠の換気口が現れました。
換気扇を取り付けるネジはかなり痛んでいましたが、木枠はそれほど痛んでいる感じではないため、このまま使用していきます。ただ、今回の施工でポイントとなりそうなのが、設置する浴室暖房乾燥機と天井との距離です。
浴室暖房乾燥機の据え付け説明書には、設置後の本体と天井とのクリアランスは「100mm」開けるよう書かれていますが、既存の木枠を流用した場合、100mmの確保は絶望的に見えます。
クリアランスが「100mm」必要な理由は、本体の吸込口が本体上部にあるからですが、現状の木枠と天井のクリアランスは、上写真のとおり「30mm」しかありません。現状の木枠をそのまま利用した場合は、本体と天井のクリアランスが30mmに近い値になってしまうでしょう。
ちなみに、木枠に固定する換気扇付きのフレームは写真のとおりです。木枠の中にダクト部分を嵌め込む設計になっていますが、そのダクトの外径は、実測でΦ122mm程です。
それに対して、木枠の内寸は「横210mm×縦165mm」なので、木枠に入り込むダクトと木枠には縦方向で43mm程のクリアランスがあります。
そこで今回は、そのクリアランスに新たな木枠を配置して対応することにしました。追加した木枠に換気扇付きのフレームを取り付けることで、取り付け位置を少しだけ下げる作戦です。
その辺りを図にしてみました。木枠を追加することで、木枠の厚み分だけフレームの取り付け位置を下げることができます。据え付け説明書で指示された「100mm」を確保することは難しいですが、何とかその半分の「50mm」くらいは確保できるようになるでしょう。
また、本製品の使用時には、吸気口のフィルターを定期的に清掃する必要がありますので、上部にフィルターを交換するだけのスペースが必要となりますが…その辺りは仮設置した状態で改めて確認していきましょう。
4.換気口にフレーム固定用の木枠を追加する
浴室暖房換気扇の取り付け方針が決定しました。既存の換気口木枠の内側に、新たなフレーム固定用の木枠を追加して、そこに浴室暖房換気扇を固定することで、本体が可能な限り下方向に固定できるようにしていきます。
まずは、実家近くのホームセンター、みんな大好きジョイフル山新にGoです。このジョイフル山新は、ジョイフル本田ほどメジャーではありませんが、DIY用の部材の品ぞろえはかなり豊富なホームセンターです。
使用する木枠の材質ですが、今回は浴室への使用になりますので、サーモウッドなどの腐ることがない木材を購入したかったのですが…残念ながら、みんな大好きジョイフル山新にサーモウッドは置いてありませんでした。
そこで選択したのは、風呂桶などにも使用されていて、水気には強いであろう写真の「桧」の材料です。厚みは出来るだけ大きな28mmの材料を購入しました。
木枠のセンターに固定用のネジを打ってフレームを固定する前提で比較すると、既存木枠の厚みが20mm、そして追加木枠の厚みが28mmなので、それぞれの厚みの半分を足した距離”24mm”(=10+14)下方向に固定することが出来そうです。
既存木枠と天井のクリアランスが30mmなので、24mm足しても「54mm」ですが…まあ、吸気口から空気が吸えれば何とかなるでしょうww(もはやフィルターが交換出来ればOKと割り切っています)
追加木枠の材料が準備出来たら、寸法を測定して必要な寸法に加工し、既存木枠に固定していきます。
木枠を追加した状態は写真のとおりです。天井側の木枠が物理的に落ちないよう、左右の木枠が支えになる構成で固定しました。
しかしながら、自宅での材料カットは電動丸ノコを使用するので楽ちんなのですが、実家に電動丸ノコを持ってこなかったので、久しぶりのこぎりカットは少ししんどかったですねw
また、追加した木枠はコーススレッドで既存木枠に固定したのですが、木枠の内側にインパクトドライバー が入らず。。。狭い場所でもネジ締め出来る下記のドライバーを使用して固定したですが…高所の作業ということも重なって、ネジ締めはとても大変でした。
今後に向けては、スペースが狭くてもインパクトドライバー が使用できる下記のようなアダプターを購入すると心に誓いました!(一度楽を覚えてしまうと元には戻れません)
そんなこんなで、久しぶりに文明の利器に頼れないしんどい施工になりましたが、浴室暖房換気扇を取り付ける準備は完了しました。
5.木枠に換気扇付きフレームを固定する
木枠の整備が完了したら、いよいよ本体を固定するための換気扇付きフレームを木枠に固定していきますが、まずは、木枠の奥行寸法(換気扇が付いている壁の厚み)を確認します。
設計的に、換気扇の中に侵入した水分を、ダクトから屋外側に排出させる構造(図参照)になっており、ダクトの先端は壁よりも外側に出す必要がありますので、木枠の奥行寸法を確認して、ダクトの長さがそれ以上になるよう調整します。
木枠の奥行寸法(壁の厚み)は175mmでした。ダクトは調整ネジで135mm~185mmまで調整できる構造になっていますので、今回は最大長である185mmで調整しました。
また、調整用のネジがある都合上、ダクトにはネジ穴などの隙間が空いています。そのままの状態で換気扇を動作させると、その穴から空気が漏れて屋外への排気を阻害してしまいますので、ダクトの穴は写真のようにアルミテープで埋めて密閉します。
使用したアルミテープは、自宅のレンジフードをDIY交換した際に購入した下記のものですが、換気系のDIYを行う場合はどこかで必ず使用しますので、是非用意しておきたいアイテムですね。(レンジフードの交換DIYについては過去記事【DIY】レンジフード交換工事-プロペラファンをシロッコファンにをご参照ください)
また、今回は追加した木枠に耐水性に優れるという「桧」の材料を使用しましたが、木枠の間に隙間があったりするのはあまり良くないと思いますので、木枠の上をアルミテープを覆って気密性と耐水性をUPさせました。
この対応にどれだけの効果があるか?はわかりませんが、こういうこだわりの施工が出来るのがDIYのいいところですね。
さて、すべての準備が完了したら、換気扇付きフレームを木枠に固定していきます。
写真が固定後の状態になります。ネジ6本で木枠に固定する設計になっていますが、上側の2本は追加した木枠の中心にネジ打ちしました。結果、フレーム位置は既存木枠に対して2cm程下がった位置に固定することが出来ました。
また、中段・下段の4本は、既存木枠の中心を狙ってネジ打ちしましたが、更に自前のコーススレッド4本を使用して、追加した木枠側にも固定しました。(固定したネジは計10本です)ここまでしておけば、壁から木枠が丸ごと外れて来ない限り、本体が落下することはないでしょう。
なお、フレームの裏側には、万が一の落下を防止するチェーンが付いていますが、その固定は、屋外側を施工する中で実施していきます。(8項で施工します)
6.浴室暖房換気扇を壁に固定する
換気扇付きフレームが固定出来たら、いよいよ浴室暖房換気扇本体を取り付けていきます。
まずは、本体の電源ケーブルを換気扇の穴から屋外に送り込んでいきます。
電源ケーブルは想像していたよりも長いです。(据え付け説明書には有効長1.5mと書かれていました。)施工内容としては、本体を取り付ける前にケーブルをある程度屋外側に送り込んで、残りのケーブルを送り込みながら本体を設置していく感じになります。
フレームへの本体の固定は、フレーム上側の出っ張りに本体を引っかけて吊り下げ、下側を2本のネジ止めして動かなくする設計です。
ケーブルを屋外に送り込みながら、まずは浴室暖房換気扇本体をフレームに引っかけて吊り下げることが出来ました。
やはり、天井との距離は近いですが…吸気口からの吸気は何とかできそうです。(設計的には駄目でしょうが、大丈夫でしょう)
また、フィルターの交換も何とか出来ることが確認出来たので、私が帰省した時に清掃してあげるようにすれば、問題はないでしょう。
本体を吊り下げることが出来たら、本体と換気扇をケーブル接続させます。接続用のコネクタが本体の裏側に位置していて、かつ防水コネクタとなっているため接続には少しだけコツが必要ですが、コネクタをしっかり嵌合させて接続させます。
最後に、本体の下部と、フレームをネジ止めすれば本体の設置は完了です。
なお、本体重量は9kgほどです。私は一人で作業しても問題はありませんでしたが、誰か手伝ってくれる人がいるとベターですね。(レンジフードを一人で取り付けたことを考えれば余裕の重さでしたがw)
7.浴室暖房換気扇に電源ケーブルを接続する
浴室暖房換気扇が設置出来たら、電源ケーブルを接続していきます。(ここからは屋外作業です)
使用する単相200V電源ケーブルは、過去記事【DIY】換気扇を浴室暖房乾燥機に交換する③-200V化電気工事にて記事にしたとおり、写真の板金部分からケーブルを屋外に引き出し、換気扇用の”ひさし”(ウェザーカバー)の近傍で接続できるようジョイントボックス(矢印部)を設置しておりますが、前述のとおり、本体の電源ケーブルが1.5mの長さがあります。(もっと短いと思ってました)
また、本体のケーブルにはかなりしっかりとしたケーブルが使用されております。三菱電機の納入仕様書によると「HVVRケーブル」だそうです。HVVRの”H”にどんな意味があるのか?はよくわかりませんでしたが、特別なケーブルを使用しているのであれば、通常のVVFケーブルよりも耐候性は高いでしょう。
そこで、ウェザーカバー近傍のジョイントボックスは撤去して、ケーブルの屋外への引き出し口である板金部分のジョイントボックスで本体のケーブルを接続する構成としました。(写真の構成です)
また、HVVRケーブルという耐候性が高そうなケーブルが使用されていたので、ケーブルのすべてをPF管で覆うのもやめました。(PF管はケーブルをフォーミングする目的で少しだけ使用しました。)
そして、アース線も板金部分のジョイントボックスから分岐して、地面まで配線する構成としました。
各ケーブルの接続は、みんな大好き差し込み型コネクタです。アース線も含めて3個のコネクタを使用して接続しました。
なお、本体に使用されているHVVRケーブルは、3芯の芯線1.6mmのケーブルでした。据え付け説明書には、単相200V電源用の配線ケーブルには必ず芯線2.0mmのものを使用するよう書かれていましたが…本体側が芯線1.6mmだとは驚きですね。(配線に芯線2.0mmを強いるなら、本体側も芯線2.0mmでないとおかしいのでは?)
最後に少しだけ愚痴が入りましたが、以上で本体の電源ケーブル接続は完了です。
8.落下防止用チェーンの取り付け
本体の設置が完了したら、落下防止用チェーンを固定していきます。
本来であれば、屋外の丈夫な構造物にチェーンを固定するのがベストなのですが…実家の外壁はトタンで、近傍に丈夫な構造物がありません。
そこで今回は、写真のように木枠の外側にチェーンをネジ止めしました。
それでは、木枠部分が丸ごと落下した時の対策にはなりませんが、まあ木枠が丸ごと外れるなんて、母親がご存命の間はないでしょうw
ただ、少しばかりの対策として、チェーンの先端は、外壁に取り付けられている金属管に巻き付けておきました。
まあ、金属管はトタン外壁にネジ止めされているだけなので、強度は低いかもしれませんが、万が一木枠が丸ごと落下した場合には、金属管が換気口に引っかかって耐えてくれるでしょう。多分。
9.ウェザーカバーへの防虫網の取り付け
続いて、ウェザーカバーに防虫網を取り付けていきますが、あまり目が細かいと排気に支障が出るでしょうし、目が細かい網を選んだとて、虫の侵入を完璧には防止できないと思われます。
そこで今回は、鳥やコウモリなどがウェザーカバー内に巣を作らないようにすることを目的として、写真のような、目の粗い金網をウェザーカバーの出口に取り付けました。
取り付けは束線バンドという簡易的なものですが…まあ何とかなるでしょうww
まあ、この辺りは、帰省時に定期的に状況を確認して、問題があるようなら追加で対策します。
10.リモコンホルダの取り付け
以上で、大半の施工が完了しました。後は、リモコンホルダーを取り付けて、本体の動作を確認するだけです。
リモコンは生活防水仕様になっていますので、浴槽に落としたりしなければ浴室でも使用できます。
また、リモコンはリモコンホルダーにチェーンで連結されているので、本体が操作できる位置にホルダを固定する必要があります。
よって、本当は浴室内にリモコンホルダーを設置したかったのですが…今回はドリルを実家に持ってきていませんでした。結果、浴室の硬い壁にネジを打つことが出来ず、浴室内への設置は諦めました。
最終的には、ちょっと見栄えが良くありませんが、浴室の出入り口にホルダーを固定し、そこからリモコンを室内に持ち込んで操作する構成としました。(上写真参照)
なお、リモコンの信号は赤外線なので、操作する際にはリモコンの先端を本体に向ける必要がありますが、チェーンが付いたままで何とか操作できる位置に固定することが出来ました。
11.浴室暖房乾燥機の動作確認
すべての施工が完了したら、設置した浴室暖房換気扇の動作を確認していきます。
当たり前ですが電源は無事入りましたw
まずは換気扇を動作させてみますが、動作音はとても静かです。モーターもファンも小さいので排気性能はそれほど高くないかもしれませんが、排気せずとも乾燥までできてしまう製品ですので、問題はないでしょう。
続いて、暖房モードを動作させてみます。動作音はかなりうるさいですが、基本的な使用方法は、入浴前に浴室を温めて、入浴中は動作を止めるような使い方になると思いますので(入浴中に風が体に当たると寒いので)動作音は問題にはならないでしょう。
暖かい風は比較的すぐに出てきます。パナソニックの製品は長い間リニューアルされていない古い製品ですが、こちらはリニューアルしたばかりの製品なので、その辺りの性能には抜かりはないでしょう。
乾燥モードは暖房モードとの違いがあまりわかりませんでしたが、動作音はかなりうるさいですw母親からは「乾燥モードがあるんなら、これからは浴室に洗濯物が干せるね」と言われましたが、実家の古い浴室には物干し用のポールなどはありません。ということは、また私の仕事、いや親孝行の機会が増える感じですねw
いずれにしても、これで母親の入浴時のヒートショック対策が完了しました。換気扇が壊れたことを聞かされたのが夏なので、完成まで3カ月かかってしまいましたが、約束の冬までに施工が終わってよかったです。