我が家のお風呂(Panasonic製 ユニットバス)にて、浴槽のお湯を排水すると、洗い場の排水口からそのお湯が溢れるという現象が発生しました。そこで今回は、ユニットバスの排水口の構造を改めて確認して、排水口(排水トラップ部分)の清掃と、その先の排水管の高圧洗浄を行っていきます。定期的な清掃・メンテナンスって重要ですね!下記リンクにて動画も公開していますので、皆様のご参考になれば嬉しいです。【DIY】#33 ユニットバスの排水性を改善する-洗い場の排水口から浴槽からの排水が溢れてきた!?
目次
1.浴槽の排水が洗い場の排水口から溢れる
しばらく前からですが、浴槽に張ったお湯の排水に時間がかかるなぁ?と感じてました。
また最近では、浴槽のお湯を排水しながら洗い場でシャワーを使用すると、洗い場の排水口から水が溢れるようになっていました。「ゆっくりお風呂に浸かったし、最後にシャンプーして上がろうかな。」なんて具合にお風呂の栓を抜いてシャワーを使うと、足元の排水口にどんどん水が溜まっていくような感じです。
まあ、シャワー使用中にお風呂の栓を抜かなければ溢れることはありませんので、浴室から出る時にお風呂の栓を抜くことで、実害はありませんでした。
しかしながら、ついにはお風呂の栓を抜いて、浴槽に張ったお湯を排水するだけで、洗い場の排水口から水が溢れてくるようになってしまいました。。。
写真は修理(排水口の清掃)を実施する前に、浴槽に少し水を張って排水した時の様子です。(排水口の上にぶら下がっているのが、浴槽から抜いたお風呂の栓ですね。)ちょっと解り難いですが、メッシュ状の蓋よりも上まで水が溢れてきています。
浴槽にそれほど多くの水を張っていないので、溢れてきている水の量が少ないですが、浴槽内にもっと水を張れば、排水口の穴を超える位置まで水が溢れます。
しかも、この排水口は浴室ドアの下に設置されているフラップ部分ともつながっているようで…気が付けば、そのフラップ部分からも水が溢れて浴室外側の洗面所も水浸しになっていました。
これは可及的速やかな対策が必要ですね。
2.ユニットバスの排水構造-排水の仕組み
対策を実施するにあたって、まずはユニットバスの排水構造を理解しましょう。
上図がユニットバスの配管概要図です。(矢印が水が流れていく方向を表しています。)やはり、浴槽と洗い場の排水口は、完全につながっていたんですね。
浴槽から排出された水(お湯)は排水口の”排水トラップ”に流れます。そして、下水につながる排水管が排水トラップ内のやや高い位置に接続されていることで、排水トラップに流れ込んだ水の、”上澄み”的な部分のみが排水管に流れていくという仕組みです。万が一、浴槽側から大きなゴミが流れてしまった場合には、排水トラップ内に留めて排水管が詰まるのを防止するという設計ですね。
また、排水管がやや高い位置にあることで、排水トラップ内には常に水(水封の水)が張られるような構造になり、排水管から上がって来るにおいなどをシャットダウンすることが出来ます。
浴室ドア下のフラップからの排水口も、浴槽からの排水と同じような仕組みになっているのでしょう。
であれば、今回清掃を行うポイントは2か所。「排水トラップ」とその奥の「排水管」ということになりそうですね。
3.洗い場排水口の排水トラップを清掃する
まずは、排水口のパーツを分解して、排水トラップの中を清掃していきます。
排水トラップの入り口には写真右側にあるような、「メッシュ状の蓋」と「筒状パーツ」が装着されています。まずはそれらを取り出して、排水トラップ内に手を入れることが出来る状態にしていきます。(汚い画像ですいません。)
各パーツの取り出し方法はユニットバスのメーカー・種類によって異なる可能性はありますが、基本的には部品を少し回転させてあげればロックが外れるので、その状態で上に引き抜けば取り出せると思います。
早速、排水トラップに手を入れて状態を確認すると…図のような排水口からは目視しにくい排水トラップの側面などに、髪の毛やら石鹸くずやらのゴミがたくさん付着していました。
取り出したごみの画像は控えますが、上写真の右端に映ったビニール袋に入っているのが、排水トラップ内から取り除いたゴミです。(大漁でした。)
いやはや。排水トラップ内には想像の5倍くらいのゴミが溜まっていました。それが、排水管への流れをどのくらい阻害していたか?はわかりませんが、取り除いたゴミの量から考えれると、排水性が悪くなった主原因はこの排水トラップ内のゴミでしょう。
4.排水管を高圧洗浄する
続いて、排水トラップよりも奥にある、排水管を高圧洗浄していきます。今回の排水性悪化の主原因は、その量からも「排水トラップのゴミ」だと思われますが、折角なのでその先の排水管も高圧洗浄して、更に排水性を良くしていきます。
使用するのは、以前に洗濯機からの排水管を高圧洗浄する際に購入した下記の洗浄ホースです。(洗濯機の排水管を高圧洗浄した様子は、過去記事【DIY】排水管を高圧洗浄する -ケルヒャー用配管洗浄ホースにまとめていますので、ご参考にしてみてください。)
こちらの洗浄ホースは、ケルヒャーのK2~K7までの幅広いシリーズに適合すると謳われている商品です。本当に適合するか?は若干不安でしたが、前回の清掃で私のK2に取り付け出来ることは確認済です。
ホースの先端には、写真のようなバネを持ったノズルがついていて、配管の屈曲部にも追従しやすい形状になっています。(直角配管を通過させるにはちょっとコツが必要ですが…)
スズランノズルと呼ばれるホースの方が屈曲部の追従性には優れているようですが、まずはより安価なこちらを購入して使用しています。(このホースが壊れたらスズランノズルを試してみたいですね。)
ホースの先端からは、下写真のようにいろいろな方向に高圧水が噴射されますので、挿入した配管内部全体を隈なく綺麗に高圧洗浄することが出来ます。
また、ホースの挿入方向とは逆方向に噴射される高圧水は、ノズルがより奥まで入っていくための推進力になります。高圧水をノズルの推進力に利用するなんて、考えた人は賢いですね。
こちらの高圧洗浄ホースを前述のケルヒャーK2に装着して配管内を洗浄していきます。
なお、ケルヒャー本体からも少し水が漏れたりするので、本体は玄関先(外)に設置して、高圧ホースをお風呂場まで引き回して高圧洗浄していきます。
我が家のお風呂場は浴槽が奥にあって、洗い場が入り口側(手前側)にあります。排水管は入り口側に向かって接続されているようなので、今回は高圧洗浄ホースを入り口側(浴槽とは逆方向)に挿入して洗浄していきます。
排水管の入り口をしっかり確認し、ノズルをその中に入れていきます。その状態で高圧洗浄機(ノズルガン)のスイッチを入れると、ノズルから高圧水が噴射され、配管内部が清掃されます。
しかしながら、このバネ方式のノズルを、配管屈曲部の奥まで挿入していくにはかなりのコツが必要です。(ノズルが屈曲部にぶつかると、それ以上入らなくなります。)
屈曲部よりも奥までノズルを入れていくコツは、屈曲部にぶつかって止まったら、力を入れて無理やり奥に入れていくのではなく、一度手前に引いて、勢いをつけてノズルを屈曲部にぶつけるイメージです。なかなか簡単にはいきませんが、配管にぶつかって先端のバネが”いい感じ”に曲がってくれれば、ノズルがその先の配管まで入っていきます。
しかしながら、お風呂の排水管はあまり太くはないのでしょうね。屈曲部にぶつかるたびに止まり、なかなか奥まで入ってくれません。最終的には、排水口から1.0m~1.2mくらい入ったところまで洗浄して終了としました。(その先で洗濯機の配管とつながっていますが、洗濯機から先の配管は1年半前に高圧洗浄しているで、その付近まで清掃出来れば概ね十分だろうと判断しました。)
5.洗浄した排水口の排水性を確認する
配管の洗浄が完了したら、浴槽に少し水を入れて排水性(洗浄の効果)を確認します。
写真が浴槽から水を流している状態の写真になりますが、手前側の排水管に滞りなく水が流れていくようになり、排水口に水が上がってくることがなくなりました。排水性はしっかり改善されたようです。
また、排水トラップ内の”水封の水”も透明でクリアになりました。トラップ内も綺麗に清掃したので気持ちのよい外観になりましたね。
「排水が遅いなぁ」などと思いつつも、何もアクションを起こしてきませんでしたが…定期的な清掃・メンテナンスはやっぱり重要ということですね。
6.パーツを洗浄して排水口を元通りにする
排水性が改善されたことが確認出来たら、清掃前に分解したパーツを清掃して、排水口を元通りにしていきます。
この手のパーツ洗浄で、いつも大活躍してくれるのは、歯磨きする使命を終えた、使い古しの”歯ブラシ”です。
貧乏性の私は、使い古しの歯ブラシを大量にストックしていますので、それを使用してピカピカに磨いていきます。(たまにしか清掃しないものは徹底的に綺麗にします。)
パーツがピカピカになったら、排水口を元に戻して作業完了です。
以降、浴槽のお湯を排水しながらシャワーを使用しても、水が溢れてくることはなくなりました。めでたしめでたしです。(家族からクレームが出る前に対応するのが、父さんが平和に生きていくための秘訣ですね!)