【検証】オスバンSで駐車場のコケは効果的に除去できるか?

逆性石けん液オスバンSで駐車場のコケ取りができるか検証する

我が家の駐車場は北側に位置しているため、梅雨時から夏場にかけてコンクリ表面にコケが発生し、毎年一回は高圧洗浄によるコケ取りが必要になります。今回は墓石などのコケを効果的に取ると評判のオスバンSを使用して駐車場のコケ取りにチャレンジしました。高圧洗浄と比較したオスバンSのコケ取り効果は?下記リンクにて検証動画も公開していますので、興味がある方のご視聴をお願いします。【検証】#14 オスバンSを使って駐車場のコケを落とす -逆性石けん液の実力を検証

1.駐車場のコケ取りは年1回、高圧洗浄機で

北側駐車場のコンクリート表面に大量発生しているコケ

我が家のように家の北側に位置する駐車場には日光があまり当たりません。よって、梅雨時などの雨が多い時期に写真のようなコケが大量発生してしまいます。そして、駐車場などのコンクリートは表面がツルツルだと滑って危ないので、表面が凸凹したザラザラ仕上げになっており、発生したコケは凹部にこびりついて、デッキブラシなどで除去するのはなかなか大変です。

我が家では、年末の大掃除という体で(実際には寒くなる前の10月くらいに)1年に1回高圧洗浄機を使用してのコケ取りを実施します。しかしながら、私が所持しているのがケルヒャーのK2シリーズという今となっては古い仕様の高圧洗浄機になるため、コケをしっかり落とすためにはノズルをコンクリートにかなり接近させて洗浄する必要があり、結果として、駐車場全体のコケを落とすにはかなりの時間がかかっています。

2.細菌を死滅させる逆性石けん-オスバンS

駐車場のコケ取りをもっと効率的にできないか?と思案しているところに見つけたのが下記のオスバンSです。

オスバンSは逆性石けんとも呼ばれています。通常の石けんは”陰イオン”の働きで汚れを除去しますが、逆性石けんと呼ばれるオスバンSは”陽イオン”の働きで細菌を破壊して死滅させます。よって、オスバンSは「殺菌消毒剤」として取り扱われる薬品です。

その成分は「ベンザルコニウム塩化物液」です。コロナウィルスが流行り出して、店中から消毒液が消えた時にその名前を耳にした人もいるのではないでしょうか?ただ、逆性石けんには殺菌効果があり、医療の現場でも使用されておりますが、ウィルスを殺す効果はないらしいので、インフルエンザやノロウィルスなどへの効果は期待できないようです。(コロナウィルスに対する製造元の公式見解も「消毒効果は確認できておりません」でした。)

肝心のコケに対する効果ですが、結論からいうと、コケやカビを死滅させる効果はあるようです。私の視聴した動画では、オスバンSを墓石のコケ取りに使用していて、それはもう気持ちがいいくらいにコケを落としていました。今回はその墓石掃除に効果があるというオスバンSを駐車場のコンクリートに適用して効果を確認してみます。

3.高圧洗浄機による駐車場のコケ取り

オスバンSの効果を確認する前に、比較として高圧洗浄機を使用したコケ取り効果を確認します。

駐車場を高圧洗浄機で洗浄した後の状態。

上の写真が高圧洗浄機で洗浄した後の駐車場の表面です。右側が駐車場表面と高圧洗浄機のノズル先端を10cm以上離して”通常洗浄”した後の状態です。対して、左側は駐車場表面とノズルが5cmくらいまで接した状態で”接射洗浄”した後の状態です。接した状態で洗浄した方がより綺麗にコケが落とせていますね。

駐車場のコンクリート表面に高圧洗浄機のノズルを近づけて洗浄するとコケが効果的に除去出来る

写真が”接射洗浄”の様子です。ノズルと駐車場表面の距離が近いことがわかっていただけると思いますが、この方法で洗浄すればコケはかなり除去できます。

ただし、一度にコケを落とせる範囲が小さくなるので駐車場全体を洗浄するには非常に時間がかかります。

また、通常洗浄と比較するとかなり綺麗にコケが落とせていますが、目を凝らしてよく観ると、完全には落ちていないコケも点在しています。この辺が現状のケルヒャーK2の限界なのかもしれません。

4.オスバンSを使用した駐車場のコケ取り

続いてオスバンSを使用してコケを落としていきますが、私が視聴した動画でも「オスバンSを撒いただけで漂白されたようにコケが消える!」という訳ではなかったので、今回は「オスバンSを撒いてブラシで磨く!」という手法でトライしたいと思います。

そうなると、オスバンSの効果を確認する前に「ブラシでこする」だけでどのくらいのコケ取り効果があるか?確認しないと検証になりません。(ブラシが最強の可能性もあるので:笑)したがって、まずはオスバンSを使用せずにブラシのみで洗浄した場合の効果を確認します。

駐車場のコケをブラシでゴシゴシ磨いた後の状態を高圧洗浄機で洗浄した後の状態と比較

写真が「ブラシのみ洗浄」と、高圧洗浄機で「接射洗浄」した後の様子です。写真ではブラシで落としたコケが接射洗浄エリアにはみ出してしまっていますが、なかなかどうして、ブラシで磨いただけでもかなりのコケが落とせています。(高圧洗浄機の「通常洗浄」よりはずっと綺麗です。)ただし、久しぶりにデッキブラシで駐車場をゴシゴシしましたが…中年のおっさんには結構シンドイ作業ですね。

続いて、オスバンSを使用してブラシ洗浄してみます。ブラシだけでこれだけの効果があるのであれば、オスバンSと組み合わせればどれだけピカピカになっちゃうんだろう!?と期待が膨らみます。

オスバンSは通常、かなり希釈して使用するものなのですが、今回は既に駐車場が濡れている状態なので、キャップに原液を入れてそのまま撒くという荒業で対応します。その場合、皮膚に付着すると荒れてしまうようなので、ゴム手袋などを装着したり、使用後すぐに手を洗うなどして対応してください。(私は素手で作業してすぐに手を洗いました。)

オスバンSを駐車場に散布してデッキブラシで磨くと泡立ちます

オスバンSを撒いてブラシでこすると「逆性石けん」と呼ばれるだけあって、表面が少し泡立ちます。そして、しばらくこすり続けると泡立ちがなくなっていきます。通常の石けんは汚れを取り込むことで泡が少なくなっていきますので、その辺の感じが同じだとすると泡立ちがなくなることでコケが破壊されているのかも?と期待が膨らみます。

ブラシでこすって10分ほど放置し、表面の泡を洗い流します。さあ、結果はどうでしょうか?

駐車場のコンクリートをブラシで磨いただけの状態とオスバンSを散布してブラシで磨いた状態を比較する

結果は…確かに綺麗にはなっていますが、ブラシのみの状態と変わっていないような気がします。私が見た動画では、オスバンSでびっくりするくらい綺麗に墓石のコケが落ちていましたが…この結果の差は何なのでしょうか?

5.オスバンSを使用したコケ取りの考察

前述のとおり、オスバンSを使用して駐車場のコケ取りを実施しましたが、期待していたほどの効果が見られませんでした。(ブラシのみで洗浄した結果とあまり変わりませんでした。)何が間違っていたのでしょうか?

私のイメージしていたオスバンSの効果は、どちらかと言うとハイターやカビキラーなどのように、使用しただけでカビが消えてしまうような、漂白剤的なものをイメージしていました。しかしながら、調べてみると、オスバンSには細菌を死滅させる効果はあるものの、それを色素ごと消滅させてしまうような(漂白剤的な)効果はないようです。したがって、オスバンSの使用でコケは死滅する可能性はありますが、その除去にはブラシや高圧洗浄などの物理的な力に頼らざるを得ないということです。

もちろん、オスバンSの使用でコケが死滅していれば、その残骸が残っていたとしてもそれが成長することはありませんので、長期的に見れば効果があると言えます。また、死滅して数日経過した後であれば、コケが除去しやすくなっていたりするのかもしれません。ただ、その効果は使用してすぐに見た目で判別できるようなものではないようなので、検証方法を変えないと実際の効果は明確にできなそうです。(今回は、私の検証方法に問題があったということですね。)

オスバンSを散布して駐車場全体をデッキブラシで磨く

したがって今回は、今までどおり高圧洗浄機による”接射洗浄”を行って駐車場を綺麗にした後に、全体にオスバンSを撒いて残っているコケを死滅させるともに、今後のコケ発生に対する予防効果を期待して作業を終了しました。

・駐車場のコケ取りにオスバンSを使用した感想

今回は駐車場のコケ取りにオスバンSを使用しましたが、予想していたほどの効果は確認できませんでした。今回の私の検証で導き出せた結論としては「オスバンSはコケを死滅させる可能性があるが、散布するだけで除去するまでの効果はない」です。したがって、使用方法としては「高圧洗浄前にコケを死滅させてコケを落としやすくするために使用する」もしくは「高圧洗浄後に使用してその後のコケを予防する」になるかと思います。

この記事を書いている今は4月ですが、6月にはまたコケが発生する梅雨がやってきます。今年はその前にオスバンSを全体に撒いて、その「コケ発生予防効果」を確認してみたいと思います。

また、今年の年末に向けたコケ取りでは、漂白効果のある「ハイター」や「カビキラー」を投入して効果を確認してみます。(やはり散布しただけで除去できる方法がベストですもんね?)

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