【DIY】自宅2階の有線LAN化工事 -通信速度大幅UP-

自宅2階を有線LAN化するDIY工事で通信速度を大幅向上

Wi-Fiの中継器を駆使してなんとか通信を確保していた自宅2階をDIYで有線LAN化。通信速度を大幅UPさせることができましたので紹介します。(施工後の通信速度は”DOWNLOAD 800Mbps超”です。)下記リンクにて動画も公開しておりますので、皆さんのDIYのご参考になれば嬉しいです。【DIY】自宅2階の有線LAN化工事 通信速度大幅up!

1.現状の自宅2階における通信環境

現状は1階リビングにWi-Fi内臓のルータがあり、そこから飛ばした電波を2階のWi-Fiルータを中継器にして機器の通信を確保していました。また、2階の自室を専らの生息地とする息子がインターネットゲームをストレスなく堪能したいと言うので、5G帯のWi-Fi通信は息子専用とし、2.4G帯を家族みんなで割り当てて生活していました。

しかしながら、コロナ禍で父さんの在宅勤務が増え、子供たちも休校などで在宅することが増えたため、現状のWi-Fi通信環境では不都合が生じ始めました。そこで、父さんが日中仕事をしている2階の寝室を有線LAN化して、自宅全体の無線LAN(Wi-Fi)環境に余裕を持たせることを決意しました。

2.自宅のケーブル接続用パイプ(CD管)の配置確認

2階の有線LAN化にあたり、まずは屋外から光回線が引き込まれているリビングと、その他の各部屋がどのようにケーブル接続することを想定されているか?を確認します。比較的新しいお家であれば、電話線などを通すための樹脂製パイプ(CD管)が各部屋間に接続されていると思いますので、その配管状況を確認します。(我が家は2006年建築の家ですが、CD管が各部屋間に配置されていました。)

有線LANコンセント

確認方法は、まず、1階リビングのネット回線が屋外から引き込まれている部分(モデムが接続されている部分)のコンセントカバー(ツメ固定されているだけ)を外し、その下でネジ固定されているフレームを外します。更にその中の連用取付枠(上下2か所でねじ止め)を取り出してコンセントボックスの中を確認します。なお、連用取付枠は列ごとに取り外し出来るので、今回の施工で取り出すのは、LANの施工に必要な部分のみで良いです。(コンセント部分やテレビの同軸部分は取り出す必要ありません。)コンセントの分解方法は下記リンクでも詳しく説明していますので、ご参考にしてみてください。壁面設置コンセント・スイッチの分解(組込み)

スイッチボックス内のCD管

連用取付枠を外すと、その奥に箱状のスイッチボックスがあり、そのボックスに各部屋に接続する樹脂パイプ(CD管)が接続されていると思いますので、その存在(有無)及び状態を確認します。我が家では、オレンジ色の樹脂パイプの中にワイヤーが通された状態で配管されていました。

接続先となる各部屋でも同様の確認を行い、各部屋がどのように配管されているか?を確認します。

我が家で今回有線LAN化したいのは2階の寝室なので、まずはリビングと寝室でワイヤーを引っ張りあって、相互の接続を確認しました。…が、残念ながら、リビングと寝室は直接接続されてはいないことが判明しました。そこで、リビングの真上にあたる娘部屋(今は空き部屋)や息子部屋を含めた配管状況を確認した結果、我が家の配管は下記のようになっていることがわかりました。(確認した結果は、ワイヤーにラベリングするなどで明確にしておき、同時に各部屋間の配管長さをワイヤーの長さで確認しておきます。)

自宅のCD管配置図
我が家の配管図

3.配線と部材の選定-ぐっとす情報モジュラジャック

各部屋間の接続配管状態が正確に把握できたので、次は具体的な配線方法を設計して、使用する材料を準備します。

まず、接続ルートについては「1階リビング-2階寝室」をダイレクトに接続することは諦めて、「1階リビング-2階娘部屋-2階寝室」というルートで、2階娘部屋を中継して接続することにしました。娘部屋にはスイッチングハブを設置して、将来的に息子部屋にも配線可能な構成とします。(ハブはGiga対応の5ポートの下記としました。)

また、各部屋のモジュラージャックは、特別な工具を使用しないPanasonic製のぐっとす情報モジュラージャックLAN表示付き(下記)を使用します。配線部の樹脂カバーが接続工具となり、専用工具がなくてもLANケーブルとモジュラージャックを接続できる素晴らしい商品です。コンセントカバーの色に合わせた製品がラインナップされていますので、カバーと同色のものを発注します。LANの規格は後述のケーブル含めてCAT6に統一しました。(現在の通信環境では、CAT6以上のLAN性能は必要ないと判断しました。)

ただ、”ぐっとす”は素晴らしい製品ですが、若干割高になります(私見)。よって、接続する各部屋に”ぐっとす”を配置すると”ぐっとす”が4個必要になり、コストを極力抑えることをポリシーとしている右近次のDIYにしてはコストがかさみ過ぎます。そこで、両側にコネクタがついた長めのLANケーブルを1本購入して2本にカットし、ケーブルに元々ついていた2つのコネクタは娘部屋のハブに2個とも接続し、カットした側をリビング、及び寝室に引き回して”ぐっとす”に接続するという下記の構成としました。(結果、”ぐっとす”の購入は2個で済みました。我ながら良案かと。)

LANケーブル接続設計

なお、LANケーブルはCAT6 10mの下記のものを購入しました。

4.LANケーブルの引き回し と ”ぐっとす”への接続

まず、LANケーブルを必要な長さで2本にカットします。(今回は少し余裕を見て、それぞれを4.5m、3.5mでカットしました。)CD管へのケーブル挿入はケーブルをカットした側から実施する必要があるので(コネクタ側は樹脂管に通せないため)今回のケーブルは2本とも娘部屋からの挿入となります。ケーブルとワイヤをしっかり固定した状態で、リビング、および寝室側からワイヤーを引っ張ることでCD管の中にケーブルを通していきます。(下図参照)

LANケーブルのCD管挿入方向
LANケーブル引き出し用穴
最初にケーブルを通しておく

なお、CD管にケーブルを挿入する際には、挿入前にハブ設置側(娘部屋側)の配線引き出し用の穴にLANケーブルを通しておく必要があります(カット側からでないと穴を通せないので。)私はこれを忘れてしまい、ケーブル配線をやり直しましたので注意です。(ケチケチDIYの宿命でしょうか。。。)また、ケーブル引き出し用の穴(写真)があらかじめ連用取付枠に取り付けられていないない場合は、別途購入する必要があります。(コンセントカバーに穴を開けるという荒業もありますが、右近次DIYは外観の仕上がりにはこだわっています。)

  

LANケーブルを無事に目的地まで配線出来たら、リビング、および寝室側のケーブル先端を連用取付枠に固定した”ぐっとす”に接続していきます。接続は初めて施工する私にも全く問題なくできました。ケーブルの細線(8本)をばらして、それぞれの線を配線図に示された色の通りにそのまま(被覆は剥かずに)スリットに差し込みます。それを、カバーの先端部を使って、「グスッ」っとスリットの奥まで押し込んで、カバーを被せて完了です。(とてもよく出来ている商品だと思います。)

ぐっとす情報モジュラージャック

なお、スイッチボックスに取り付けられている連用取付枠には、モジュラージャックなどのインターフェース部品が上下に3個取り付けられる構造になっていますが、元々真ん中に1個だけ取り付けされていたものを2個に変える際には、中央に取り付けられた1個を外して、2個を上と下に取り付ける必要があります(電気工事上の施工ルールみたいです)。よって今回は、下記に紹介する安価なスペーサーを真ん中に配置して対応しました。

また、インターフェース部品を1個⇒2個にした場合はコンセントカバーの開口位置が合わなくなってしまいます。穴位置の合うコンセントカバーの購入が別途必要となりますが、今回は開口をカッターで広げて活用しました。(あるものはできるだけ活用します。)

連用取付枠への固定とコンセントカバーの加工

5.室内接続 と 通信速度の確認

LANケーブルのルータへの接続

各部屋への有線LANの配線が完了したら各部屋内でケーブルを接続します。各部屋間のケーブル類をCAT6で統一したので、各部屋の配線ケーブル類もCAT6規格で統一して準備しました。

リビングに設置されている我が家のルータは、auひかりのレンタル品”Aterm BL1000HW”です。ルータへのLANケーブルの接続は”10GB”と書かれている通信が最も早そうなLANポート(写真矢印)に接続しました。

すべての接続が完了したら、中継地点のHUB電源を入れて、寝室のパソコンがインターネットに接続できるか?確認します。結果は…問題なく通信できていることを確認しました。(ぐっとすの接続も問題なかったようです。)

最後にインターネット回線スピードテストを利用して接続速度を確認します。施工時の測定結果(5回測定の平均)は下記です。測定ごとに数値が上下しますが、どんなネトゲでも対応できる通信速度になったと思います。

 ・DOWNLOAD :805.78 Mbps ・UPLOAD:460.52 Mbps ・PING:3.51 ms ・JITTER:0.33 ms

・2階の有線LAN化DIY後の感想

今回は、我が家のWi-Fi 5GHz帯が息子のネットゲーム用に独占されている状況があり、父さんは2.4GHz帯しか使用できない状況にあったため、なんとか通信速度を速くしてみたいとの思いから有線LAN化を検討しました。

結果は前述のとおりで、Wi-Fiとは比較できないレベルですべてにおいて快適な通信環境を構築出来ました。(Amazon Primeもサクサク観れます。)やっぱり物理的につながる有線と目に見えない無線では、現時点では通信速度に大きな差があることを実感しました。

家の構造など(CD管の有無)によって難易度が変わってしまう工事になりますが、CD管が通ってないご家庭でも、家(壁)の構造と、電気工事に関する知識があれば施工の難易度はそれほど高くないと思います。(1階⇔2階間を上下に垂直に壁内配線するのは比較的簡単ですので。)施工の効果が非常に大きい工事になると思いますので、興味がある方は是非トライしてみることをお勧めします。

なお、最後の通信速度の測定結果はネトゲに夢中な息子(登校に支障あり)には秘密にしてます。「俺の部屋にも接続してくれ!」となって、これ以上ネトゲに夢中になられては困るので。ただ、そうは言いつつお願いされたら息子部屋にも追加可能な前提で娘部屋にハブを設置しまうところは…甘い父さんですね。。。^^

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