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【車-カーケア】オイルフィルター形状と適合レンチサイズ-日本車編

日本車のエンジンオイルフィルター形状と適合レンチサイズを調査 メンテナンス

以前にオイルフィルターの固着についての記事を公開していますが、その中で、オイルフィルター形状、及びそれに適合するオイルフィルターレンチのバリエーションが多岐にわたることに触れました。今回は日本車(純正品)限定にはなりますが、実際にそのバリエーションがどの程度か?まとめました。フィルターレンチを選択する際のご参考にしてみてください。

1.オイルフィルターの形状バリエーション

カートリッジ式VW用オイルフィルターの外観

車が運転を続けていると、エンジンオイルは熱や酸化などよって劣化するだけでなく、エンジン内のスラッジなどの不純物が混入していきます。そのような不純物をろ過してエンジンオイルの効果を維持するのがオイルフィルターオイルエレメントです。(写真はフォルクスワーゲン純正のオイルフィルターです)

エンジンに不純物が堆積すると、エンジン性能を落とすだけでなく、エンジン寿命を縮めてしまいます。エンジンのコンディションを良好に維持するためにはオイルフィルターは重要なパーツになりますので、定期的に新しいものに交換することがとても重要です。

しかしながら、車のオイルフィルターはその形状だけでも実に様々なバリエーションがあるようです。オイルフィルターの固着についてまとめた下記の記事でも触れましたが、各オイルフィルターに適合するフィルターレンチを準備するのはとても大変です。

そこで今回は、日本車(純正品)限定にはなりますが、純正のオイルフィルターサイズとそれぞれに適合するレンチサイズをまとめてみました。(すべてのバリエーションを確認できているわけではありませんので、記載漏れなどはご容赦ください。)

2.オイルフィルター適合レンチサイズ-TOYOTA

まずは世界の大企業、TOYOTAさんの状況です。

メーカーフィルターサイズ
(径×高さ)
レンチサイズ
(対辺寸法)
  
(角数)
レンチ
パターン
TOYOTAΦ65×7764mm14角
Φ65×85 ↓ ↓
Φ65×65.5 ↓ ↓
Φ74×8772.5mm ↓
Φ74×97 ↓ ↓
Φ80×12679mm15角

オイルフィルターのバリエーションは6種類レンチパターンは3種類。一定レベルの共通化設計が行われている感じがしますね。(このレベルが共通化設計の基準になるのでしょう。)

各部の寸法設定も切りの良い数字で揃えられていますので、こういう部分を見ても、やはりTOYOTAさんは開発部全体で意思統一が図れているように感じられますね。

3.オイルフィルター適合レンチサイズ-NISSAN

続いて、日産さんの状況です。

メーカーフィルターサイズ
(径×高さ)
レンチサイズ
(対辺寸法)
  
(角数)
レンチ
パターン
NISSANΦ65×7064mm14角
Φ65×86.3 ↓ ↓
Φ65.1×86 ↓ ↓
Φ80×7379mm15角
Φ93×10392mm ↓

オイルフィルターのバリエーションは5種類レンチパターンは3種類。TOYOTA同様それなりの共通化設計ができている気がします。

しかしながら…何ですか?Φ65.1って?こんなのはΦ65で統一できないはずがないです。こういうところは元技術者の私としても非常に残念な設計ですね。(レンチが①で共通なのは救いですが。)

4.オイルフィルター適合レンチサイズ-HONDA

続いてはHONDAさんの状況です。

メーカーフィルターサイズ
(径×高さ)
レンチサイズ
(対辺寸法)
  
(角数)
レンチ
パターン
HONDAΦ65×6764mm14角
Φ65×85 ↓ ↓

オイルフィルターのバリエーションは2種類レンチパターンは1種類に統一されています。素晴らしいですね。

径の大きいフィルターが必要となるような大型車がないのかもしれませんが、こういった共通化設計を当たり前にやるのが開発・設計者の腕の見せ所な気がします。

5.オイルフィルター適合レンチサイズ-MAZDA

続いてはMAZDAさんの状況です。

メーカーフィルターサイズ
(径×高さ)
レンチサイズ
(対辺寸法)
  
(角数)
レンチ
パターン
MAZDAΦ65×5364mm14角
Φ76×9575mm15角
Φ80×77.379mm ↓
Φ90×12889mm ↓
Φ93×9892mm ↓
Φ102×126100mm ↓

うーん。これはかなりの問題児ですね。。。オイルフィルターのバリエーションは6種類。適合するレンチパターンも6種類で共通化設計がほとんど行われていない感じがします。しかも、レンチパターン⑥⑦は特殊な仕様です。(⑦はMITSUBISHIさんと共通仕様になるようですが。)

この結果は元技術者としてかなりショックかも。。。「最適化設計」などと言って、各機種で独自の設計を行う手法があるのは知っています。(その昔、そんなことを言う会社に所属していたことがあります。)ただ、「最適化設計」って言うと聞こえはいいですが、それを安易にやってしまうと、製造部門やサービス部門の人たちが長年に渡って苦労するんですよね。。。そういう想像力が働かずに目先の「楽」を選択してしまうのはホントによくないです。(MAZDAさんでは特別な事情があるのかもしれませんが…)

車に関していうと、全国の整備士さん、そしてDIYで車を整備するMAZDA車愛好家さん達にも苦労をかけてしまうので、こういう配慮はとても大切だと思います。(元技術者として熱くなってしまいましたけどww)

6.オイルフィルター適合レンチサイズ-MITSUBISHI

続いては三菱自動車さんの状況です。

メーカーフィルターサイズ
(径×高さ)
レンチサイズ
(対辺寸法)
  
(角数)
レンチ
パターン
MITSUBISHIΦ67.9×8566mm14角
Φ68×100 ↓ ↓
Φ82.2×6679mm15角
Φ102×127100mm ↓

フィルターのバリエーションは4種類レンチパターンは3種類。それなりの共通化設計ができている気はしますね。

しかしながら、特殊なレンチが2種類必要なのが気になりますね。「我々は独自の設計をするぜ!」というちょっとした”プライド”が伝わってきますが、そんな”プライド”や”こだわり”なんかより、レンチパターンを他社と共通にしてくれた方がエンドユーザー的には100倍有益ですよね。。。

7.オイルフィルター適合レンチサイズ-SUBARU

続いてはスバルさんの状況です。

メーカーフィルターサイズ
(径×高さ)
レンチサイズ
(対辺寸法)
  
(角数)
レンチ
パターン
SUBARUΦ68×6866.5mm14角

フィルターバリエーション、レンチパターンともに1種類に統一されていて素晴らしいですね。

レンチが独自仕様なのが少しだけ気になりますが、「スバル車にはこのレンチ」と認識できるので全く問題ありません。その辺の”設計思想”を社内でしっかり共有化出来ているんでしょうね。

8.オイルフィルター適合レンチサイズ-DAIHATSU

続いてはDAIHATSUさんの状況です。

メーカーフィルターサイズ
(径×高さ)
レンチサイズ
(対辺寸法)
  
(角数)
レンチ
パターン
DAIHATSUΦ65×7164mm14角
Φ68×5266mm ↓

フィルターのバリエーションは2種類レンチパターンも2種類です。

⑧はMITSUBISHI車、及び後述のSUZUKI車と共通ですが、小型車同時の共通設計があるのでしょうかね?基本的には問題ないレベルと思います。

9.オイルフィルター適合レンチサイズ-SUZUKI

最後はSUZUKIさんの状況です。

メーカーフィルターサイズ
(径×高さ)
レンチサイズ
(対辺寸法)
  
(角数)
レンチ
パターン
SUZUKIΦ65×5364mm14角
Φ65×67 ↓ ↓
Φ68×8866mm ↓

フィルターのバリエーションは3種類レンチパターンは2種類です。

DAIHATSUさんと同じ感じで、全体的には問題ないレベルではないでしょうか?

10.フィルターレンチサイズ-まとめ

トルクレンチに装着されたオイルフィルターレンチ

日本車に限定してまとめてみた結果としては、オイルフィルターレンチのバリエーションは9種類という結果になりました。(あくまで私の調査結果です。)9種類程度であれば、車の整備を生業にされている方なら、十分手が届く数ですね。

ただし、注意が必要なのはMAZDA車ですね。結果だけで判断すると、共通化設計されているようにはあまり見えないので、MAZDA車所有でDIY整備をなされる方は注意が必要です。

次に注意が必要なのが、NISSAN、MITSUBISHIあたりでしょうか?独自設計をしたいという”プライド”が見え隠れするので、DIY整備する際には仕様を良く確認された方がいいと思います。

その他のメーカさんは特に問題ないレベルな気がします。SUBARUさんは独自路線を走ってますが、社内の統一化が図れていますので、どんどん独自の道を突き進んでもらえると楽しいですねw

なお、本記事は私が調べた結果になりますが、誤った記載になっている可能性もあります。実際に各自でフィルターレンチをご準備される際には、ご自身で仕様を良くご確認いただきまして、ご購入いただけるようくれぐれもよろしくお願いします。

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