【車-カーケア】タイヤの空気圧が自然に下がる原因を調査する

車のタイヤの空気圧が自然に低下するスローリークの原因を調査する

TPMS(タイヤ空気圧測定システム)を装着している愛車から、タイヤの空気圧が1本だけ減っているというアラームが上がりました。今回はタイヤの空気圧が自然に減っていく原因として考えられる事象を改めて整理するとともに、空気圧が下がる原因を調査していきます。果たして、空気が抜けたタイヤに不具合はあったのでしょうか?下記にて動画も公開していますので、合わせてご参考にしてみてください。【車-カーケア】#20 空気圧が少しずつ低下するタイヤの原因調査と修理対応-パンクを自己修復するというコンチシール搭載タイヤがパンク!?

1.タイヤの空気圧がいつの間にか抜けていた…

海外には、日本の高速道路よりも制限速度が大きな道路が存在しています。(ドイツのアウトバーンでは制限速度がない区間すら存在します。)そのため、タイヤの空気圧を管理することがより重要視されており、車がタイヤの空気圧を検出して管理することを義務付けている国が多く存在します。

私の所有するフォルクスワーゲン車にも、空気圧を管理するTPMSと呼ばれるものが装着されており、エアバルブに装着されたセンサがBluetoothで車と通信してタイヤの空気圧を管理してくれています。(TPMSについての詳細は、過去記事【車-カーケア】輸入車タイヤの空気圧センサー-TPMSをご参考にしてみてください。)

助手席側のリアタイヤの空気圧が自然に下がってTPMSからアラームが挙がった

私の愛車の空気圧は、通常は”2.6kgf/㎠(bar)”、冬場はタイヤの接地面が少し増えるように”2.3kgf/㎤”を基準に管理していますが、ふと気が付くと、助手席側のリアタイヤの空気圧が”1.8kgf/㎤”まで減ったと車からアラームが挙がっていました。

まあ、1.8kgf/㎠くらいであれば、まだまだ普通に走行することが可能なレベルです。しかも、私の車にはランフラットタイヤ(と思い込んでいるタイヤ)が装着されていますので、仮に空気が抜け切ってもタイヤ屋さんまでくらいなら走行ができます。(ランフラットタイヤは空気圧が「0」になっても特殊なサイド補強ゴムが車を支えてくれるので、空気圧が減った状態で80kmまでの自走が可能なタイヤです。)

しかしながら、一旦70kgf/㎤を下回った状態で車を支えたランフラットタイヤは、サイドの補強ゴムがへたってしまうので、その後の使用ができない状態(パンク修理も出来ない状態)になってしまいます。そうなる前に可及的速やかな対応が必要です。

2.タイヤの空気圧が減る原因は?

取り急ぎ、車に装着している状態で空気圧が抜けたタイヤの表面状態を確認してみましたが、釘が刺さっているというような明らかな問題は確認することが出来ませんでした。では、空気が抜ける原因としては、どのようなものが考えられるでしょうか?考えられる原因から、自分の車に該当するか?考えてみましょう。

2.1 空気圧が減る原因①-パンク

車のタイヤの構造は接地面は頑丈に出来ているがサイドは比較的弱い

まずは、タイヤのパンクですね。タイヤの接地面は結構分厚い構造になっていますが、その厚みを超えるような尖ったもの(釘やガラスなど)が刺さってエアーが入っている部分まで到達してしまうと、パンクして空気が抜けてしまいます。

また、タイヤの接地面は頑丈ですが、サイド面はそれほど強い構造になっていないので、縁石でタイヤを強くこする等で、タイヤのサイド面に傷をつけてしまった場合などでは、意外と簡単にパンクしてしまうことがあるようです。しかも、サイドの損傷が原因でパンクした場合には、パンク修理も出来ないようなので注意が必要ですね。

ただ、サイドが擦れて損傷した場合などでは空気が一気に抜けると思いますので、私の車のように、じわじわ空気が抜ける感じはサイドの損傷ではない気がします。

取り急ぎは、車に装着した状態でタイヤの外観面に異常がないか?確認しましたが、確認時に接地している面や、内側のサイドなどは確認できません。やはり、最終的にはタイヤを外して詳しく確認する必要があります。

2.2 空気圧が減る原因②-エアバルブの不具合

続いて考えられるのが、タイヤに空気を入れる場所であるエアバルブの不具合ですね。

外筒が金属製になっている車用ホイールのバルブコア

エアバルブの空気を入れる部分はバルブコアという金属の筒になっていますが、その周りはゴムで出来ているものが多いです。 ゴムが経年劣化で弾力を失って亀裂が入ると、そこから空気が漏れる可能性があるようです。

しかしながら、私の車の場合、エアバルブがTPMSセンサーになっているので、外観にはゴムの部品が見当たりません。よって、外観のゴム部品から空気が漏れる可能性はありません。(金属の合わせ部分などから空気が漏れる可能性はあるのでしょうか?)

それよりも、エアバルブの空気の注入口に装着されているバルブコア(自転車で言うところの虫ゴム)が劣化している可能性があるので確認が必要ですね。

2.3 空気圧が減る原因③-ホイールの組付け不良

続いて考えられるのは、ホイールの組付け不良による空気漏れです。

タイヤはホイールを密着することで気密性を保ち空気圧を保持してくれますが、気密を取る面に少しでも隙間があると、空気漏れがおこります。

しかしながら、私の車は1年4か月ほど前に購入した中古車で、今回のタイヤは購入した時に装着されていたタイヤになります。タイヤとホイールを組み付けたのは少なくとも1年4か月以上前なので、それが今更おかしくなるかなぁ。という感じです。

ただし、空気が減り始めたと感じたのは、冬場の気温が下がったくらいからです。気温が下がることでホイールとの気密性が変化するとかがあるのか??いずれにしても、タイヤとホイールとの合わせ面を確認する必要がありますね。

2.4 空気圧が減る原因④-ホイールの変形

続いては、ホイールが何らかの外力によって変形し、タイヤとの気密性を保てなくなるケースです。

うーん。特に衝撃を与えるような乗り方はしていませんので、こちらは該当しない気がしますが、③と同様、タイヤとホイールとの合わせ面を確認しておく必要があります。

2.5 空気圧が減る原因⑤-自然な空気抜け

最後は、特に異常はないのだけれど、自然に空気が抜けてしまうというケースです。

ゴムは完全な気密性は持っておらず、わずかに気体透過性を持った材料なのだそうです。ゴムの中に存在する隙間に気体が入り込んで、その隙間を潜り抜けていくことで、最終的に気体がゴムの外に出ていってしまうんだそうな。

ゴムは自然に空気を通す材料である

確かに考えてみると、割れてない風船なども時間経過とともにしぼんでいくのを子供のころから何度も見ています。「口の縛り方が悪かったのかな?」なんて思っていましたが、風船の表面からも空気が抜け出ていた可能性もあったということですね。

もし、これが原因であるならば、タイヤに不具合がないということになりますので、少し下がったら空気を補充するなどで問題ないはずです。

しかしながら、年末年始に運転した時には、今回アラームが挙がった助手席側のリアだけ周りより1kgf/㎠程度低かったのを覚えているので、仮にその時の空気圧が 2.2kgf/㎤ だったとすると、そこから2週間で 1.8kgf/㎠ になったとしたら ▲0.4kfg/㎠ です。自然にそのくらいの空気圧が抜けるのか?は微妙な感じですね。。。

3.空気圧が下がったタイヤに空気を補充する

空気圧が自然に下がったタイヤを外して確認する前に、まずはタイヤに空気を補充して様子を見たいと思います。

以前のタイヤの空気入れには、中国メーカーの安価な電動エアコンプレッサーを使用していましたが、わずか1年(2回)の使用で故障が確認されました。まさに安物買いの銭失いです。(仕様などはリンク先で確認してみてください。)それで今回購入したのが、下記のフットポンプです。(フットポンプの使用感などは、過去記事【車-カーケア】タイヤに空気を補充する-BAL高圧フットポンプにて記事にしていますので、ご参考にしてみてください。)

取り急ぎは、このフットポンプで空気を補充していきます。

自然に空気が抜けてTPMSからアラームが挙がったタイヤの空気圧を空気圧ゲージで測定する

TPMSによる前回の測定では空気圧は 1.8kgf/㎠ を示していましたが…空気圧ゲージを使用して改めて測定してみると、その空気圧は1.3kgf/㎠ 程度を示しており、更に 0.5kgf/㎠ 程低下していました。(写真のとおりです。)これはいよいよやばい感じかも。。。

取り急ぎ、購入した高圧フットポンプで空気を注入し、空気圧ゲージでの測定値が 2.2kgf/㎤ になるまで空気を補充しました。

空気がしっかり入ったことが確認出来たら、まずはそのまま放置して、再び空気が抜けるのか?を確認していきます。(抜けないで欲しいとお祈りしつつ。。。)

4.空気を補充したタイヤの空気圧を経過観察

さて、TPMSから空気圧が下がったというアラームが挙がった助手席側のリアタイヤですが、空気を補充した後の空気圧が変化するか?を確認していきます。

空気を補充した日を含めた4日間、空気圧を測定した結果は下記のとおりです。

  • 補充日:2.2kgf/cm
  • 2日目:2.2kgf/㎠ 変化なし
  • 3日目:2.2kgf/㎠ 変化なし
  • 4日目:2.0kgf/㎠ ▲0.2kgf/㎠
空気圧が定期的にどんどん下がっていくのは怖い

2日目、3日目と空気圧が下がらず安心したのですが、4日目になったまた0.2kgf/㎠程空気圧が下がってしまいました。毎日均等に減っていくのであれば、少しづつ空気が漏れているのだと思いますが、陽によって変化があったりなかったりするのは一体どういうことなんでしょうか?現象からの原因推察が難しいですね。。。

取り急ぎは、2.3kgf/㎠ まで空気を補充して、再度その変化を3日間確認しました。

  • 再補充:2.3kgf/㎠
  • 2日目:2.2kgf/㎠
  • 3日目:2.0kgf/㎠

今度はコンスタントに空気が抜けています。やはりなにか空気が抜ける原因がありそうですね。

5.タイヤを取り外して確認した結果は…

空気圧がじわじわと低下するタイヤに空気を補充しましたが、その後の経過を観察しているとコンスタントに空気が抜けるようになりました。

車をジャッキアップして自然に空気が漏れるタイヤを交換する

疑わしいタイヤを車から外してスタッドレスへの履き替えを行い、空気圧低下の原因を調査したいと思います。(我が家のスキーブームがピークを過ぎたので、今シーズンはスタッドレスに履き替えない予定でしたが、娘からスキーに行きたいという要請があったので、ちょうどいいタイミングでした。)

取り外したタイヤを綺麗に洗浄し、改めて空気を充填してパンパンの状態にして、空気が漏れている部分がないか?を確認していきます。

確認に使用するのは石鹸水です。とても原始的な確認方法ですが、検出力はかなり高いです。(以前に、エアコンの冷媒漏れを確認した時にも重宝しました。)エアが漏れている箇所があれば、泡を吹きだして知らせてくれます。

空気が漏れてスローリークが発生しているタイヤに石鹸水を吹きかけて漏れている箇所を探す

まず疑ったのは、2項②の「エアバルブの不具合」です。エアが抜けたり抜けなかったりする原因は、エアバルブ(バルブコアの位置によっては漏れるなど)にあるのではないかと考えました。しかしながら、石鹸水は何の反応も見せてくれませんでした。

次に疑ったのは、③、④の「ホイール接触面の不具合」です。ホイールとの接触面に石鹸水を噴射して、状態を確認しますが…こちらもなんの反応もありませんでした。

最後は①の「パンク」です。外観については車装着状態で一通り確認していますが、タイヤの内側や設置面などは確認できませんでしたので、取り外した状態で改めて隈なく確認してみます。タイヤをぐるりと一回りさせて石鹸水を噴射しまくりましたが…異常を見つけることはできませんでした。

タイヤの接地面に石鹸水を吹き付けて調べた結果、空気が漏れている箇所を発見した

しかしながら、石鹸水を一度洗い流して「さて次は何を確認しようか?」と思案していた状態でふとタイヤに目をやると、きれいに洗い流したはずのタイヤに新たな泡が…

改めてよく確認してみると、タイヤの接地部から小さな泡がポコポコと出て来ています。漏れ出た空気が石鹸水の膜でシャボン玉を絶賛作成中のようです。

そして、その泡を流して、その部分を改めて観察してみると…釘ががっつり刺さっていました。(下写真のとおりです)

タイヤの空気が漏れていた箇所には釘が深く刺さっていたのでマーキングした

タイヤ面と面一になる状態で違和感なく刺さっていたので、外観から確認しても全く気が付かなかったようです。(こんな綺麗に刺さるとは驚きましたね。。。)しかも、かなり前から刺さっていたようで…ネジ頭の十字溝が綺麗になくなっていました。

見つけた時はかなりショックでした(膝から崩れ落ちました)が…結果的に原因が明確になってよかったのかな?原因がわかれば、あとはパンク修理するのみです。

取り急ぎは、釘が刺さっている箇所にマーキングをして、修理方法を決めるべく動き出しました。が…今回はそこでも難題が立ちはだかりましたので、その辺りの内容はは別記事にてご紹介します。(ランフラットタイヤだと思い込んでいたタイヤが実は…でした。)

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