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【DIY】切れ味の悪いノミを砥石で刃研ぎする-ノミの刃研ぎ方法

中砥石と仕上げ砥石を使用してノミをDIYで刃研ぎする DIY

我が家には安価に購入した3本のノミがありますが、動画などで観る大工さんのものような切れ味がありません。そこで今回は、刃研ぎ用の砥石(中砥#1000仕上げ砥石#6000)を購入して、ノミの刃研ぎを実施してみました。結果としては、大工さんのノミのようにはなりませんでしたが、木の表面を軽い力で削ぎ取れるくらいの切れ味に改善することが出来ました。初めてノミの刃研ぎにトライされる方のご参考になれば嬉しいです。

1.切れ味が悪い安価なノミ

3本セットで購入した安価なノミ

我が家には写真のような3本セットで購入した安価なノミがありますが、切れ味が悪くほとんど使い物になりません。

最近の木工DIYでは、カンナ(鉋 )を使用して木材の表面を削ることを覚えましたが、今後のDIYの幅を更に広げていくためには、木材の”ほぞ継ぎ”などが出来るようになりたいです。”ほぞ”を作るためにはノミをしっかり使いこなすことが必須になります。

また、包丁などの刃物も同様ですが、切れない道具を使用して対象物を加工するためには、より大きな力が必要になり、結果的に切れない道具を使用することは、よりケガをしやすくなると言えます。

そこで今回は、この切れ味の悪いノミを刃研ぎして、DIYに支障なく使用できるレベルに仕上げていきます。

2.ノミを刃研ぎする砥石

ノミを刃研ぎするためには、刃研ぎ用の砥石が必要です。

刃の切れ味を復活させるために、最低限必要な砥石は下記の2種類です。

  • 中砥石(#800~#2000)
  • 仕上砥石(#3000~)

刃こぼれなどがある状態が悪い刃には、上記よりも目の粗い”荒砥石”(80~#400)が必要になりますが、今回のノミはそこまでの状態ではないと思います。まずは上記2種類の砥石で刃研ぎしていきます。

結果、今回準備した砥石は下記です。

1個の砥石の表面が中砥石(#1000)、裏面が(#6000)になっている両面砥石です。(どんな作り方をしているんだろう?)

刃研ぎする際に砥石がズレないようにする滑り止め用のゴム台や、砥石の研ぐ面が凸凹になってしまった時に面を平らに修正する”面直し砥石”も付属していますので、刃研ぎを初めて行う入門者用としては十分なセットでしょう。

今回は、こちらの砥石セットを使用して、ノミを刃研ぎしていきます。

3.砥石でノミを刃研ぎする方法

それでは、切れ味が悪くて使い物にならないノミを砥石を使用して刃研ぎしていきます。

砥石を使用する際には中から気泡が出てこなくなるまで水に浸す

まずは、使用する砥石を水に浸します。水に浸すと写真のように砥石の中から気泡が出てきますので、その気泡がなくなるまで、5分以上は水に浸していきます。

刃研ぎに使用していく砥石(面)は、目の粗い砥石からです。まずは、中砥石(#1000)を使用して刃研ぎしていきます。

刃研ぎする順番は、しのぎ面(角度が付いている面)裏面(平らな面)ですが、今回は状態の悪いノミを刃研ぎしていきますので、まずは両面の全体を中砥石で研いで、面出しをしていきます。(本来は荒砥石で行った方が効率が良さそうですが、今回は中砥石を使用します)

また、裏面は出来るだけ削らない方がよいと言われていますが、今回のノミは本当に仕上げが雑な安価なノミです。(いくらで購入したか?覚えていませんが、3本で千円台の商品です。)裏面側も多少削って、刃先をより出していきます。

砥石で刃を研ぐ際には刃が砥石から浮かないようにする

刃研ぎの方法は、刃研ぎする面の全体が研磨できるよう、水平に研いでいくことです。

方法として合っているのか?はわかりませんが、指先が砥石にも触れる感じで刃先に置いて、指先が砥石から浮かないことを意識して刃研ぎすると、研ぐ面が砥石に密着して浮かなくなると思います。

また、刃研ぎを行うと砥石側も削れていくようなので、砥石側も全体的に削れるように、位置を変えながら変えながら研いでいくのが良いでしょう。

両面の面出しがなんとなく出来たら、ここからは切れ味を復活させる刃研ぎです。引き続き、中砥石を使用して、しのぎ面を研いでいきます。

ポイントは、しのぎ面が平らになるよう均一に研いでいくことですが、前述のとおり刃先が浮かないことを意識して、かつ水平がぶれないように腕(もしくは体)全体を移動させる感じで研いでいけば良いと思いました。

刃のしのぎ面を研いで裏面側に刃返しと呼ばれる突起が出来たらしのぎ面の刃研ぎは完了

刃研ぎの終了の目安は「刃返し」と呼ばれる裏面へのわずかなめくれが刃先から出てくるまでです。刃返しが発生すると、写真のように刃の先端を指で触れた際に、先端裏面側にわずかな突起を感じられるようになりますので、その突起を感じることが出来たら、しのぎ面の刃研ぎは完了です。

しのぎ面の刃研ぎが完了したら、刃研ぎで出来た刃返しを、刃の裏面から研いで除去していきます。刃返しはわずかな突起なので、中砥石で数回研げばなくなるようですが、であれば、仕上砥石(#6000)でも除去できると思いましたので、今回は仕上げ砥石を使用して除去しました。

裏面の刃研ぎ方法もしのぎ面と同様、研ぐ面が砥石から浮かないようにして研いでいきます。

刃返しが除去出たら、今度はしのぎ面を仕上げ砥石で研いでいきます。しのぎ面が鏡面になるまで研げばノミの刃研ぎは完了です。(意外と簡単にできました)

4.刃研ぎしたノミの効果を確認する

刃研ぎが完了したら、その効果を確認していきましょう。

刃研ぎをしてしのぎ面がピカピカになったノミと刃研ぎ前のノミ

まず、刃研ぎ後のノミの刃の外観は写真のとおりです。どちらが刃研ぎした刃か?は一目瞭然ですね。そもそもの商品の出来が悪すぎるという話もありますが…刃のしのぎ面がピカピカになりました。(鏡面にはなってませんけど)

指先で触れた時の刃先の感触も随分と変わりました。刃先の角については、かなり角が出ていい感じになりました。

続いて、木材に対しての切れ味を確認してみましょう。

刃研ぎ前のほぞ穴の加工などでは、かなづちで叩かないとなかなか木材に刃が通らなかったのですが、刃研ぎ後は手の力だけで、ある程度刃が入るようになりました。

刃研ぎしたノミは木材の表面が削げるくらいの切れ味が復活した

木材の表面の削れ具合は写真のとおりです。力を入れなくてもカンナ(鉋 )のように木材の表面が削れるようになりました。これは刃研ぎの効果がかなり出ていますね。ちょっと感動です。

まあ、まだまだ大工さんのノミのようにはなっていませんが、元々のノミの実力(ポテンシャル)の差もありますので、安価なノミでは切れ味の向上には限界があるでしょう。

また、安価なノミはそれなりに錆びやすかったりすると思うので、今回の刃研ぎに関しては、このレベルで切れ味が改善出来ば十分でしょう。特にかなづちで叩かなくても木材が加工できるようになったのは大きいです。

ということで、刃研ぎの効果(有効性)が確認できましたので、残りの2本に関しても同じような手順で刃を研いでいきます。そして、研ぎ終わった刃の表面に錆止めの油を塗布すれば、刃研ぎの作業は完了です。

5.ノミの刃研ぎ方法-まとめ

刃研ぎしたノミは錆止め用の油を塗布して刃を保護して保管する

今回は初めてノミの刃研ぎを実施してみましたが、刃研ぎ前の状態が悪すぎたこともあり、かなりの切れ味改善効果が確認できました。プロの方から見れば色々とご指摘をいただくような部分もあると思いますが、右近次的ノミの刃研ぎ方法をまとめてみましょう

ノミの刃研ぎ手順は下記のとおりです。

  1. 砥石を十分に水に浸す
  2. 刃の全体を面出しする(粗磨き) *通常は不要
  3. 中砥石(#1000)でしのぎ面を研ぐ *刃返しが出るまで
  4. 裏面から刃を研いで刃返しを除去する(中砥石 or 仕上砥石)
  5. 仕上砥石(#6000)でしのぎ面を研ぐ *鏡面になるまで
  6. 刃に錆止めの油を塗布して保管する

2の面出しについては、今回は状態の悪いノミだったため実施しましたが、刃の裏面は出来るだけ研がない方がよいと言われているので、通常状態のノミでは不要な作業でしょう。また、使用する砥石は、中砥石ではなく荒砥石(#80~#400)を使用した方が効率が良さそうです。

今後の木工DIYに向けては、もっと切れ味がよい高品質のノミを購入して対応したいと思っていますが、高品質品でもお手入れ方法は変わりません。今回覚えた刃研ぎの方法で、良い状態が長くキープできるようにしていきたいですね。

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