プランターで養殖した芝生を安心して越冬させるため、100均材料を使用した簡易的な温室を自作しました。作成した温室の10月時点の温室内温度はMAX40℃。効果の大きい温室が簡単に作成できました。下記リンクにて動画も公開していますので、皆様のガーデニング、およびDIYのご参考になれば嬉しいです。【芝生】#14 プランター養殖芝生を植え替えて、100均材料で自作した温室で越冬させる
目次
1.プランターで養殖した芝生の越冬
以前に、過去記事【芝生】芝生をプランターで育てて養殖する-移植用芝生の育成にて、芝生育成の中で発生した芝生の”かけら”をプランターに植え付け、芝生張り替え用の芝生を養殖するという内容を紹介しました。
そして、過去記事【芝生】プランターで養殖した芝生の移植-プランター芝生の成長記録にて、養殖した芝生を植え付けるという内容を紹介していますが、植え付けできるレベルに芝生を育成するには3か月以上の期間が必要で、5月(春)に養殖を開始した芝生が張り替えできるようになったのは8月(晩夏)でした。9月(初秋)に一部の植え付けを行いましたが、その後は気温が下がって植え替えには厳しい季節になりましたので、養殖した芝生を本格的に活用するのは来シーズンとなりそうです。
今シーズンに養殖した芝生を来シーズンに使用するためには、芝生をプランターや鉢植えの状態で越冬させる必要がなります。冬の間の芝生は、地上の葉を枯らせて土の中で休眠します。東京の場合、地植えであれば、雪が降ろうと霜が降りようと枯れないことが実証済ですが、プランターや鉢植えで越冬させた場合はどうなるのでしょうか?
2.プランター養殖芝生の越冬を温室で!
プランターや鉢に植えられた芝生が、そのままで冬を越せるか?は、実際に鉢植え状態のまま越冬させてみれば答えが出ます。恐らく、問題なく越冬できるのでしょう。しかしながら、養殖開始後、初めての冬を無策で迎えて、万が一すべてを枯らせてしまったらもったいないので、しっかりと保険を掛けて対応したいと思います。
そこで今回は、簡易的な温室をDIYで自作して、養殖芝生の大部分をそちらに入れた状態で越冬させます。そして、残りを「霜が当たらない屋外(軒下)」「霜が当たる屋外」にて放置し、下記3パターンで芝生の越冬にについての検証を行っていきます。(その結果は、春先に改めて記事にします。)
- 温室
- 霜が当たらない屋外(軒下)
- 霜が当たる屋外
そして、温室で越冬させた芝生は春先にも元気な状態を維持できているはずなので、その元気な芝生を春先の張り替えに活用していきます。
3.100均の材料で温室を自作(DIY)する
自作する温室は、材料を100均(今回はseria)で探して、材料費を抑えて作成します。店内を隈なく物色した結果、使用する材料は下記としました。
- 布団圧縮袋(100cm×110cm)
- マルチ用支柱(3本セット)
- 針金支柱(2本) *再利用品
- プラダン(32cm×70cm) *再利用品
- 結束バンド(10cm) *常備品
今回、100均で新たに購入したのは、「布団圧縮袋」と「マルチ用支柱」の2品です。
補強に使用する針金支柱は家庭菜園で使用していたものを再利用します。温室の底板に使用するプラダンも、以前に別案件で使用していたものを再利用し、結束バンドも常備しているものを使用していきますので、今回新たに発生した材料費は¥200です。
材料が準備出来たら、温室を作成していきます。
3.1 布団圧縮袋の底面を平らにする
まずは、温室の底板となるプラダンが、布団圧縮袋の底で水平にぴったりはまるよう、布団圧縮袋の底面を平らにしていきます。
布団圧縮袋の底にプラダンを入れた状態で、左右の余った部分を写真のように中心方向に三角に折り返して、PPテープなどの粘着力の高いテープで固定します。
そうすることで、袋の底面が平らになって底板がぴったり嵌るようになり、平面だった袋を立体的な形状にすることが出来ます。お店で商品を購入した時に入れてもらえる紙袋などと同じような形状ですね。
3.2 プラダンにマルチ用支柱を固定する穴を開ける
続いて、プラダンの両端に、支柱を固定するための穴を開けます。
穴を開けるのに使用する道具は”はんだごて”です。プラダンの端面ギリギリに穴を開けていきますので、穴を開けた箇所の強度を確保するためにも、穴あけ加工は、材料を溶かして穴を開けることが出来る”はんだごて”がBESTです。
今回は、温室の骨組みとして、U字型のマルチ用支柱を3本固定していきますので、底板となるプラダンには支柱固定用の穴を6個開けていきます。
穴の大きさは、支柱が圧入して挿入できるくらいの感じで少し小さめに開けるのが良いです。
3.3 プラダンにマルチ用支柱を固定しする
底板となるプラダンにマルチ用支柱を固定する穴を開けたら、プラダンにマルチ用支柱を固定していきます。
プラダンの穴にマルチ用支柱を挿しただけの状態が写真の状態です。この形状が温室の基本的な骨組みになります。
3.2項で固定用の穴を小さめに開けておくと、この状態で形状がある程度安定しますので、その後の作業がやりやすくなりますね。
3.4 骨組みを針金支柱で補強する
続いて、針金支柱の両端をペンチでU字に曲げて、両端のマルチ用支柱に引っかかるように固定していきます。
その状態で、マルチ用支柱と針金支柱を結束バンドでしっかり固定し、骨組みを補強します。
マルチ用支柱に針金支柱が巻き付いていない(接しているだけの)真ん中部分も、結束バンドをたすき掛けするなどして、しっかり固定しておきましょう。
なお、結束バンドは、今回のような強度がそれほど必要ない部分を固定するのに非常に便利です。施工が極めて簡単なので我々DIY師の強い味方ですね。
ただ、固定した結束バンドは固定後に余長をカットしますが、カットされたバンド端面は結構エッジが鋭いです。布団圧縮袋に刺さって穴を開けてしまう可能性がありますので、バンド端面が外を覆う袋にあたらないよう、内側に向けておきます。
3.5 マルチ用支柱を結束バンドで抜け止めする
続いて、マルチ用支柱がプラダン(底板)を貫通して裏面から飛び出している部分に結束バンドを巻き付け、支柱がプラダンから抜けないよう加工します。
なお、この結束バンドは、支柱がプラダンから抜けなくなるようにするのが目的なので、結束バンドの余長は、あえてカットせずに残しておきました。
以上で、温室の骨組みは完成です。
3.6 骨組みに布団圧縮袋を組み付ける
最後に、完成した温室の骨組みを布団圧縮袋の底面に設置して、袋の口を閉じれば、温室の完成です。
4.温室を設置して鉢植え芝生を格納する
温室が完成したら、温室を設置して鉢植え芝生を入れていきます。
温室の設置場所は、リビング用エアコンの室外機の上としました。ベランダの軒下に位置し、陽当たりも良いので、温室の設置には適した場所と言えます。
しっかり散水した鉢植え芝生を温室内に格納して、袋の口をチャックして密閉します。(布団圧縮袋を使用しているので、しっかり密閉することが出来ます。)
これまでの処理で対応できていないのは、散水時に鉢底から出てくる水の排出方法ですが、その辺は、運用を開始してみて、対応方法を考えていくことにしました。
5.温室の効果確認と結露水の排出方法
設置して2日後。久しぶりの晴れ間となりましたので、日中の温室効果を確認していきます。
まず、設置した温室の外観は写真のとおりです。袋の内側に結露した水がびっしり付着しています。温室内と外気でかなりの温度差があることが見て取れます。
続いて、温室内に設置した温度計で温室内温度を確認します。外気の温度は10月ではかなり高めの25℃を表示していますが、温室内の温度はどうでしょうか?
温室内の温度計は40℃を表示していました。外気温との差は+15℃です。かなりの温室効果があることがわかりましたね。
しかしながら、今まで外気で育てていた芝生をいきなり40℃の環境に置くのは良くなさそうです。びっくりして枯れてしまう可能性もあるので、取り急ぎは袋のチャックを開けて外気を入れます。外気を少し入れて落ち着いた状態で見てみると、表示した温度は32℃です。日常の管理としてはこのくらいで管理できると良い気がします。
また、袋の前面では結露した水が袋内に溜まって、袋が垂れ下がっています。結露水がこれほど出るとは想定外でした。(無人島で飲料水を確保するのに使えそうなレベルですね。)
元々、芝生に給水を行ったときに鉢底から出てくる水をどう排出させるか?を考えなければいけないのは認識していましたが、それよりも日々の結露水をタイムリーに排出させてあげる必要があります。
温室としてはかなりの温室効果があり、袋を密閉せずに少し外気を入れるくらいでも30℃を超えてくれることがわかりましたので、袋の密閉にそれほどこだわる必要はなさそうです。そこで、袋に小さな穴を開けて、結露水を排出していくことにしました。
具体的には、袋の左右を洗濯ばさみで固定して少し上に引っ張った状態にして、結露水が出来るだけ中心付近に集まるようにします。その結露水が溜まる袋の中心部に針で小さな穴を開け、結露水を排出させます。
そうすることで、結露した水や給水時の水が、穴から少しずつ排出できるようになりました。(ぽたぽたとゆっくり水が排出されていくことが確認できました。)
以上で、温室の初期設定は完了です。
6.温室内温度の管理方法
温室の設置は完了しましたが、残る課題は日常の温度管理をどうするか?です。
袋を密閉すると日中は室温が40℃にまで上がることが確認出来ましたが、40℃ではちょっと温度が上がり過ぎる気がします。
また、袋を全くチャックせずに折り畳んだだけの状態で、陽が暮れた後の室内温度を確認すると20℃でした。これでは、日中蓄えた熱を逃がしすぎて、夜間に温度が下がりすぎてしまう気がします。
よって、今後は、袋の口はある程度チャックして閉じておき、チャックされない部分を少しだけ作って”いい感じ”の放熱と保温ができるよう調整していきたいと思います。
季節の移り変わりによる外気温も踏まえて調整する必要があるので、調整が難しそうですが、温度計の状態を観ながら試行錯誤してみます。(真冬は完全チャックでも大丈夫でしょう。多分。)