【芝生】プランターで養殖した芝生の移植-プランター芝生の成長記録

プランターで養殖した芝生を植え付ける-プランター芝生の成長記録

以前に紹介した記事【芝生】芝生をプランターで育てて養殖する-移植用芝生の育成にて、芝生のメンテナンス作業で発生した芝生の”かけら”を利用して、移植(張り替え)用芝生の養殖を始めた内容を紹介しました。今回、その養殖芝生が移植可能な状態にまで育ちましたので、一部を移植するとともに、その成長過程をまとめて今後の養殖方針について考察しました。下記リンクで動画も公開していますので、皆様のご参考になれば嬉しいです。【芝生】10年放置した芝生を再生する -2022 2nd season- #13 プランターで養殖した芝生を植え付ける -養殖芝生の成長記録’22

1.芝生の育成で発生する芝生の”かけら”を養殖

コアリング根切り床土の入れ替えなどの芝生のメンテナンス作業を実施していくと、捨ててしまう芝生の”かけら”が発生します。以前の記事【芝生】芝生をプランターで育てて養殖する-移植用芝生の育成では、その捨ててしまう”かけら”をプランターに植え付けて養殖する内容を紹介しました。

10年以上放置してハゲがある芝生

我が家の芝生は10年以上、雑草を抜いて伸びすぎた芝生をカットするだけで放置されていて、ところどころ”ハゲ”が出来ている状況でした。その状況を改善すべく、2020年秋より”芝生の再生”を掲げて芝生の育成を開始しています。

芝生が剥げた部分は、新しい芝生を購入してきて張り替えてしまえば早いのですが、それでは”補修”となり、”再生”にはなりません。新しい芝生を購入することなく、現有する芝生だけで再生したい!そんな理念を逸脱することなく芝生を張り替える方法として、「養殖」という方法を選択しました。

芝生の育成作業で発生した芝生のかけらをプランターに植えて養殖して活用する

養殖方法は、プランターに芝生を植え付けて育てるというシンプルなものです。鉢底石を敷いたプランターに園芸用の土を入れて、そこに芝生の”かけら”を植え付けます。

今年は、芝生を部分的に一旦剥がすなどの大がかりな作業を実施したこともあり、作業の中で大量の芝生の”かけら”が発生しました。それを養殖用のプランターに一つずつ植え付けて育てました。

2.プランターで養殖する芝生の育て方

プランターで養殖する芝生の育て方はいたって簡単です。水を切らさないよう定期的に散水して育てるだけです。芝生は陽当たりが良ければモリモリ育ってくれる植物ですので、陽が当たって水さえ切らさなければそれだけでしっかり成長してくれます。

ただし、プランターの置く場所を変えると”陽当たり”が大きく変化しますので、その辺の”陽当たり”の変化には十分な注意が必要です。(その理由は後述します)

まず、植え付け直後は芝生が”かけら”になって弱っているはずなので、しばらく半日陰で育てて状態が落ち着くのを待ちます。芝生の成長が始まったことが確認できたら根が張ったサインなので、日当たりのよい場所に移して本格的に育てていきます。

芝生の育成作業で発生した芝生のかけらをプランターに植えて養殖した芝生の4か月後

しかしながら、我が家の狭いお庭では、4つのプランターすべてを陽当たりがよい場所に置くのは難しく、端に置いたプランターが、若干、陽当たりが悪い状態で養殖されていました。(すぐ横に群生した茗荷の葉で日陰が出来ていました。)

それをしばらくしてから改めて日当たりのよい場所に移動させたところ…最も陽当たりが悪かったプランターの芝生が枯れてしまいました。突然、陽当たりが良くなったことにびっくりして枯れてしまったようです。

幸い、完全には枯れてはいなかった(葉だけが落ちて根は生きているようだった)ので、現在はリカバリ療養中ですが、プランターで育てる際には、移動による”陽当たり”の変化には十分注意してください。

3.プランターで養殖する芝生の成長記録

プランターで養殖した芝生の成長の様子は以下のとおりです。使用する培養土の栄養や陽当たりなど、育成環境によって結果が多少異なるとは思いますが、成長の一例としてご参考にしてください。

芝生の育成作業で発生した芝生のかけらをプランターに植えつけて養殖を開始した直後の状態
芝生の育成作業で発生した芝生のかけらをプランターに追加で植えつけた直後の状態

まず上記は、芝生の”かけら”を植え付けた5月後半時点(上写真)と、その2週間後に”かけら”を追加で植え付けた時(下写真)の様子です。”かけら”状態の芝生を植え付けているので、芝生はまばらな状態です。

芝生の育成作業で発生した芝生のかけらをプランターに植えつけて養殖を開始し1か月が経過した状態

”かけら”の植え付けから約4週間(1か月)が経過した6月後半の様子です。個々の芝生が少しずつ成長してきましたね。

芝生の育成作業で発生した芝生のかけらをプランターに植えつけて養殖を開始し2か月が経過した状態

”かけら”の植え付けから9週間(2か月)が経過した7月後半の様子です。随分と芝生っぽくなってきましたが…一番奥のプランターには陽があまり当たってませんね。。。(この時点で手を打つべきでした)

芝生の育成作業で発生した芝生のかけらをプランターに植えつけて養殖を開始し3か月が経過した状態

”かけら”の植え付けから13週間(3か月)が経過した8月後半の様子です。葉もだいぶ伸びて植え付けできそうな状態まで育ちました。ただ、一番奥のプランターは陽があまり当たっていない影響からか、葉の数も少なくちょっと寂しい状況です。

なお、本当はこの時点で一部を植え付けしたかったのですが、8月後半で残暑が厳しかったこともあって自重しました。

芝生の育成作業で発生した芝生のかけらをプランターに植えつけて養殖を開始し4か月が経過した状態

”かけら”の植え付けから16週間(4か月弱)が経過した9月中頃の様子です。葉色も良くなり元気に育ちましたが…前述のとおり、プランターの置き場所を変えたことで日照状態が変化し、1つのプランターの芝生を枯らしてしまいました。(現在、絶賛リカバリ中ですが…)

以上が現在までの成長記録です。結論としては、芝生の”かけら”から、植え付け可能な状態まで成長させるには、少なくとも13週間(3か月)程度は必要という結果となりました。

真夏は芝生への負担が大きくて植え付けが難しいことなどを踏まえると、やはり、春先に養殖を開始した芝生は、秋口に植え付けできるようになる感じですね。

4.プランターで養殖した芝生の植え付け

今回は養殖した芝生の一部、4つ育てたプランターのうちの1つを植え付けてみます。

植え付ける場所は、はるか昔に芝生が絶滅してしまっていたエリアで、しばらくの間、勢力をどんどん拡張する茗荷の成長に任せて”茗荷畑”としていた場所です。お庭の南端になるので、陽当たりはあまりよくありませんが、人があまり踏んでいない場所なので、土壌はそれほど堅くありません。

育成作業で発生した芝生のかけらを植え付けてプランターで養殖した芝生を、庭に植え付けるために開けた穴

まずは、芝生を植え付けるための穴を掘ります。プランターに園芸用の土を入れてそこに芝生を植え付けましたので、今回はその根付いた土ごと植え付けて行きます。

土壌は予想したとおり柔らかいです。掘るとミミズも出てきていい感じです。(我が家の芝生では、床土の土壌改良が当面の課題となっているため、ミミズは益虫扱いです。)

穴が掘れたら、養殖芝生をプランターから取り出し、根に絡まった鉢底石を取り除きます。

育成作業で発生した芝生のかけらを植え付けてプランターで養殖した芝生を、庭に植え付ける

鉢底石が除去出来たら、土の塊が崩れないよう注意しながら掘った穴に投入し、十分な土をかぶせていきます。

最後に散水したら植え付け完了です。散水すると土中の隙間がなくなり、表面の土が凹んで(痩せて)いきますので、被せる土はちょっと多めにしておくくらいでちょうどよいと思います。

ちなみに、写真の左奥に植えつけられている芝生は、実験的に別容器で育成していた芝生です。今回、プランターで養殖した芝生と同じタイミングでお庭に植え付けましたが、その様子は実験した内容含めて、別途記事にしていきます。

5.芝生の養殖に関する今後の方針

今回、プランターで養殖した芝生を植え付けて感じた、今年の芝生養殖の課題は下記です。

  • 使用した園芸用の土が柔らかいため、植え付け時に形が崩れてしまう
  • 植え付ける芝生のサイズが大きすぎる
  • 根が絡まった鉢底石を除去するのが少し面倒

以上を踏まえて、来シーズンに向けての芝生の養殖方針は下記です。

5.1 芝生の養殖に使用する容器

芝生の養殖に使用する容器は、植え付けを考えるとプランターでは面積が大き過ぎます。

また、ホームセンターで購入する芝生のように薄っぺらい状態ではなく、深くまで根を張った芝生をそのまま植え付けるためには、容器にはある程度の深さが必要です。

育成作業で発生した芝生のかけらを植え付けて実験的に培養した芝生を、庭に植え付ける

よって、来シーズンの養殖では、底面積が「10cm×10cm」から「15cm×15cm」程度で、深さが「10cm~15cm」くらいの、出来るだけ直方体に近い容器を使用していきたいと思います。

写真は実験的に別容器で育成した芝生を実際に植え付けた時の写真ですが、このようなコンパクトな直方体であれば、多少厚み(深さ)があっても植え付けやすかったです。

また、芝生の張り替えでターフカッターを使用して芝生を剥がす作業を考慮すると、容器の底面形状は植木鉢のような円形状よりも、やはり四角形状の方がよいです。小さいお庭に養殖芝生を効率よく並べることを考えても、より効率のよい底面形状は四角なので、来シーズンに向けてはその条件に合う、直方体に近い容器を探して使用していきます。

5.2 芝生の養殖に使用する培養土

芝生の養殖に使用する培養土は、園芸用の土など通常の土で問題なさそうです。(別途行った実験では、カチカチに固まってさえいなければ、粘土質の土でもしっかり成長してくれるという結果が出ました。)

育成作業で発生した芝生のかけらを植え付けてプ養殖したプランター芝生はサイズが大きくて扱いにくい

ただ、今回のように園芸用の土を容器に”ふわっと”入れるだけでは土が”フカフカ”になり過ぎて、植え付け時に土が崩れてしまうことがわかりました。来シーズンに向けての養殖では、容器に入れた状態で土を多少圧縮して、若干固まった状態で使用していきたいと思います。(5.1項の直方体の芝生のように土がある程度固まってくれるのが理想です。)

また、底に鉢底石を入れると芝の根が絡んでしまって、植え付け時に除去するのが面倒となるので、今後は鉢底石を使用せずに養殖していきます。養殖用の容器を地面から少し浮かせるようにすれば、排水性を確保できると思いますので。

6.来シーズンの芝生の養殖に向けて

今シーズンは4つのプランターを使用して養殖を行いましたが、植え付けにはそのうちの1つしか使用できませんでした。3つのうち1つは葉が枯れてしまってリカバリ中ですが、残った3つのプランターは、直方体の容器に入れ替えた状態で越冬させて、来春の張り替えに使用していきたいと思います。

熊は冬眠する真冬の越冬

ただ、プランターをそのまま屋外に放置して越冬できるか?がわかっておりませんので、その辺も「屋外放置(霜があたる場所)」「屋外の軒下(霜が当たらない場所)」「温室状態(ラッピング)」などで越冬環境を分けて、結果をご報告出来ればと思っています。(全部越冬できなかったら泣きますが。)DIYで芝生越冬用の簡易的な温室を作成しても面白いですね。

(後日、温室を作成した様子を【ガーデニング】100均材料で温室を自作する-養殖芝生の越冬準備にて記事にしました。合わせてご参考にしてみてください。)

追記:植え付けしやすい容器への植え替え

プランターで養殖していた芝生を植え付けしやすいサイズの容器に植え替えました。

プランターで養殖した芝生を移植しやすいサイズの容器に植え替えるために、容器の底にはんだごてで水抜き用の穴を開けて対応

使用する容器のサイズは「10cm~15cm」のくらいの立方体を想定していましたが、複数の100均で容器を物色した結果、ちょっと大きめの「1辺17cmの立方体」の容器で対応しました。

ただし、使用した容器が園芸用のものではなく、ただのバケツ的なものだったため、容器の底には”はんだごて”で水抜き用の穴を開けて使用しています。(給水が最小限で済むよう、開ける穴は小さめにしておきました。)

そして、植え替えた芝生は【ガーデニング】100均材料で温室を自作する-養殖芝生の越冬準備にて作成した温室で越冬させ、来春の芝生の張り替えで活用していく予定です。

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