車をクリーミーな泡で包んで優しく洗えるという「泡洗車」。今回は100均のダイソーさんで購入できる園芸用の噴霧器を改造して、泡洗車用のフォームガン化してみました。果たして、実使用に足るレベルに仕上がったのか?下記リンクにて動画も公開していますので、興味がある方にご覧いただきまして、ご参考にしていただければ嬉しいです。【車-カーケア】#10 ダイソーの園芸用噴霧器を泡洗車用フォームガンに改造する
目次
1.泡洗車は車を泡で包んで優しく洗う
車は洗車をしないとどんどん汚れていきます。そして、汚れたまま放置すると塗装が劣化してしまいます。定期的な洗車は、ボディーをコンディションの良い状態に保つためには非常に重要です。
しかしながら、ボディーに付着した砂埃を事前にしっかり落とさなかったり、シャンプーを十分に泡立てなかったりして洗車をすると、逆にボディーを傷つけてしまいます。
洗車前に砂埃をしっかり落とさないといけない理由は、洗車時にボディーとスポンジの間に砂埃などの異物が噛んでしまうと、砂埃などでボディーをこすりつける状態になってしまうからです。こちらは直感的に危険度がわかりますね。
ボディーが乾いた状態でも使用できるという「フクピカ」や「シュアラスター」などのウェット式洗車シートは、砂埃などをシート内に閉じ込めて傷がつかないように洗車出来ると謳っていますが、ボディーが乾燥した状態では使う勇気はないですね。
シャンプーを十分に泡立てる一番の理由は汚れを落とし易くするためですが、洗車時に砂埃などの異物が多少残っていた場合に、シャンプーの泡を異物との潤滑剤として機能させ、ボディーにキズが付くのを防止するという側面もあります。洗車時にシャンプーをしっかり泡立てることは非常に重要です。
そこで最近流行っている?のが「泡洗車」です。高圧洗浄機と専用のフォームガンを使用して、車にクリーミーな泡を吹き付けて、車を泡まみれにした状態で洗車します。クリーミーな泡がより長くボディー上に留まることで汚れをしっかり分解するだけでなく、泡が残留した砂埃をしっかり包んでくれることで、洗車傷などもつきにくくしてくれます。とても理にかなった洗車方法ですね。
2.園芸用の噴霧器を改造して泡洗車に使用する
最近では、高圧洗浄機をせずに、手動で容器内に圧力をかける蓄圧式のフォームガンも販売されているようです。(下記参照)洗車の度に高圧洗浄機を物置から引っ張り出してくるのは正直言って面倒なので、高圧洗浄機を使用しなくても泡洗車出来るというのは非常にいいですね。
また、上記と同じような蓄圧式のフォームガンが、ホームセンターなどでも販売されていますが、外観は園芸で除草剤を噴霧する時に使用する蓄圧式の「噴霧器」(写真)と変わらないように見えます。フォームガンと噴霧器の違いは何なんでしょうか?
調べてみると、フォームガンと噴霧器の大きな違いは、ノズル部分に泡立てする機構があるか?否か?だけの様です。Youtubeなどで検索してみると、園芸用噴霧器を泡洗車用フォームガンに改造している先達たちが多数存在しました。
そこで今回は、100均ショップのダイソーさんで購入できる¥300の園芸用噴霧器を購入して、先達たちが実践している改造にトライし、泡洗車用のフォームガンとして使用することが出来るのか?検証していきたいと思います。
3.ダイソーの蓄圧式噴霧器を泡洗車用に改造
蓄圧式の噴霧器は上部に取り付けられたハンドルを上下(ポンピング)することによって容器内部に圧力をかけることがが出来ます。皆さんの動画を観てみると、ダイソーさんの噴霧器では30回くらいのポンピングで十分な圧力を蓄圧できる感じです。
蓄圧した状態でハンドル上部のボタンを押すと、ノズル先端から霧状の液体を勢いよく噴霧することが出来ます。
先端についた真鍮製のノズルを締めたり緩めたりすることにより、噴射する液体の粒径もコントロールできます。先端のノズルを目いっぱい締めた状態では粒径の細かい霧状の液体が噴霧でき、緩めていくとより粒径が大きくなっていく感じです。
使用後は、ポンプ側面(ボトルの肩部分)に備え付けられている減圧弁を開放することで、蓄圧した圧力を開放することが出来る仕様になっています。
今回はこの噴霧器を泡洗車用フォームガンに改造していきますが、効果を確認するために使用するカーシャンプーは日頃から愛用している下記のカーシャンプー「WILLSON 泡仕立てシャンプー」です。泡立ちの良さを特徴とするシャンプーなので、泡洗車に使用するにはうってつけのシャンプーです。
標準の希釈率は、バケツ10Lに対してシャンプーをキャップ1杯(30ml)なので、0.3%ほどです。今回はその約3倍を狙って、水1Lに対してシャンプー10mlの約1%の希釈率で検証していきます。
まずは改造前の状態でどのような液体が噴射されるか?確認します。1%の希釈率でシャンプー液を作成して、30回ほどポンピングして噴射したのが写真の状態です。
うーん。改造前は多少泡立つ液体が噴射されているだけですね。これが今回の改造でどれほどの泡に変貌してくれるか?検証していきます。
3.1 改造STEP①:噴射液吸い上げチューブに穴を開ける
まずは、ボトル内部で噴射液を吸い上げるチューブに穴を開けます。
穴を開ける位置は噴霧器のキャップから5cmくらい下でしょうか?シャンプー液を1L程入れますので、ボトル内の液面より上になる(シャンプー液で塞がれない)位置で、出来るだけ液面に近い部分に穴をあけるという理解で良いと思います。
吸い上げるシャンプー液に空気を混ぜるのが目的だと思うので、穴径は小さすぎず大きすぎずです。Φ1mm程度を目安として針を反対側まで貫通させるよう穴を開けます。
チューブに穴を開けた状態で30回ほどポンピングして噴射した状態が写真の状態です。
先ほどと比較すると同じ希釈率のシャンプー液を使用しているはずなのに、泡の量は増えています。チューブで空気を混合させる効果は確かに出ていますね。
しかしながら、泡洗車用の泡としてボディーに密着してくれるような泡ではありません。噴射した瞬間に流れ落ちていってしまうシャバシャバな泡です。更なる改造が必要なようです。
3.2 改造STEP②:ノズル内にメッシュを挿入
続いての改造は、噴霧器先端のノズルにメッシュ状の物体を入れて、噴霧器が噴射液を放出する前段階で泡立てを行う改造を行っていきます。(この改造が噴霧器改造の一番のポイントになると思われます。)
先達たちが採用している「メッシュ状の物体」としては、ちょっと粗目の不織布などがちょうど良いみたいで、レンジフードのフィルターを2×10cm程切り取って、それを筒状に巻いて入れていく方が多いようです。ただし、粘着剤付きのフィルターを使用すると、後々粘着剤が詰まるなどの不具合が発生するようなので、粘着剤がない部分を使用するのが良いようです。
残念ながら、我が家にはレンジフードフィルターのストックがありませんでした。このためだけに買い出しに行くのも面倒なので、その他の「メッシュ状の物体」を探します。
先達が使用しているもので次に多いのが「激落ちくん」で有名なメラミンスポンジです。メラミンスポンジを2cm角ほどで切り取って中に入れていくのですが、メラミンスポンジはとても目が細かいイメージです。アクアリウムのフィルターとしてはすぐに目詰まりしてしまうレベルなので、別のものでの対応を考えたいと思います。
そこで見つけたのが「水切りネット」です。アクアリウムでろ材などを入れて使用しているものです。レンジフィルターと比較するとちょっと目が粗い感じもしますが、その分目詰まりの発生は防止できそうです。
ただし、レンジフィルターよりも目が粗いことも考慮して、2cmの幅で筒状にカットした水切りネットを筒状のまま使用して行きます。(筒状なので、ネットが2重になります)
カットしたレンジフィルターをくるくる巻いて、ノズルに格納します。
30回ほどポンピングして噴霧した結果が写真の状態です。かなりねっとりした泡を噴射することが出来ました。この状態の泡であれば、車の側面に泡を噴射した場合でも、簡単に流れ落ちることなく付着してくれそうです。
泡を触ってみた感じも”シルキー”で滑らかです。まあ、滑らかな泡立ちがセールスポイントのカーシャンプーなので、その影響も大きいと思いますが、この泡の状態であれば、何とか泡洗車が成立しそうです。
確認すべきは噴射範囲でしょうか?ノズル先端の真鍮パーツを締めて、霧状の液体が噴霧出来るように設定すれば、噴射液を広範囲で噴射できますが、粒径が細かすぎて泡になりません。泡を噴射するには、噴射される粒径がある程度大きくなるように設定しないといけませんが、それだと直線的な噴射となり、どうしても噴射範囲が狭くなります。この辺が実際の洗車でどうなるか?確認が必要ですね。
3.3 改造STEP③:噴射口の拡張
続いての改造はノズル先端の真鍮パーツの噴射口の改造です。Φ1mm程度の噴射口をドリルで広げて、噴射量を増やす改造になります。
こちらの改造については、改造にトライしている先達の中でも実施している人としていない人が両方いる感じです。今回は、STEP②である程度の泡が噴射出来たと思うので、STEP③の改造を見送って検証したいと思います。
4.改造したダイソー製噴霧器で泡洗車する
では、改造した噴霧器で泡洗車できるか?検証していきましょう。(検証には嫁さんの車を使用しました)
まずは十分な水でボディーの砂埃を洗い流して、標準の3倍(希釈率1%)で配合した泡仕立てシャンプーを入れた噴霧器を30回ほどポンピングして泡を噴射します。
結果は、ある程度シルキーな泡が、ある程度いい感じに噴射されて、ある程度その場にとどまってくれています。
しかしながら、事前にイメージした通り、泡の噴射がピンポイントで範囲が狭いため、ボンネットなどの広範囲を泡で覆うのは非常に大変です。隙間なく泡を噴射しようとしても、どうしても泡の隙間が出来てしまいます。残念ながら、私のイメージしていた泡洗車とは少し乖離がありますね。
ちょっと残念な結果になってしまいましたが、噴射した泡が流れ落ちてしまう前に、スポンジで優しくこすって水で流します。そして、ルーフや側面なども同じように洗車を行いました。
では、もう少し範囲を狭めて局所的に洗浄したらどうでしょうか?ホイールに噴射して状態を確認します。
こちらはとてもいい感じですね。ねっとりしたシルキーな泡がホイールに密着して汚れを浮き上がらせてくれる感じがします。局所的な噴射も隙間だらけのホイールにはぴったりです。
この状態で少しだけ放置して汚れを浮かし、ブラシで洗浄しました。こちらはとてもいい感じで仕上がりました。
・ダイソーの噴霧器は泡の噴射範囲が狭い!
ダイソーさんの噴霧器をフォームガンに改造した結果は…噴射範囲が狭くて車全体を泡洗車するにはちょっと厳しい!でした。
引き続き、蓄圧式の噴霧器を改造して泡洗車を検討するのであれば、少なくとももう少し噴射角度が大きなものを購入してトライした方が良いです。購入候補としては、コメリさんやコーナンさんの噴霧器になるでしょうか?
ダイソーさんの噴霧器を洗車に使用するなら、タイヤ・ホイール周りなどの限定した範囲の洗浄に使用するのが良いと思います。
いずれにしても、嫁さんの車がピカピカになりました。今日はそれで満足しましょう。^^(シュアラスターのウェットシートでピカピカにしてやりました。)