最近は車関連の記事が続いてしまっていますが、もうすぐ2022年の芝生シーズンが開幕します。シーズン開幕を前に、昨年1年間の芝生育動の中で学習した芝生の目土について考察してみました。また、右近次的に安価に購入出来て効果も期待できるおすすめの目土配合材は”発酵牛糞”です!牛糞配合の目土を投入した動画を下記リンクにて公開していますので、合わせて参考にしてみてください。【芝生】10年放置した芝生を再生する #10 牛糞を投入する
目次
1.目土の効果①-芝生床土の痩せ防止
植物を育てるにあたって土は非常に重要です。植物は土の中に含まれたいろいろな成分を土から吸収して成長しますので、プランターで野菜を育てる場合でも、その翌年はその古くなった痩せた土は使用せず新しい土で育てた方が良いです。
芝生に関してはどうでしょうか?芝生は基本的に土一面に張ってしまう多年草です。何年もその床土の上に植えられたままにせざるを得ない植物なので、何も手入れをしない場合には、芝生がその床土内の栄養を吸収し続け、床土はどんどん痩せていきます。不足する栄養を補うために、肥料を撒きますが、大体の肥料は窒素、リン酸、カリウムなどの植物に最も必要な主要成分が多く配合されていて、本来土に含まれるすべての成分まで含んでいるわけではありません。よって、新しい土と入れ替えるほどの劇的な効果はなく、肥料を撒いても土はどんどん痩せていきます。
そこで、土が痩せることに歯止めをかけるために実施される芝生育成の作業が、コアリングです。コアリングは、芝生から円柱状の土の塊を取り出して、その穴に新しい土(目土)を入れることにより、芝生の値に空気を送り込むとともに、床土を少しづつ新しい土(目土)に入れ替えていくという芝生の育成に欠かせない作業です。もちろん、土の塊を取り出す量には限界がありますので、すべての床土を新しいものにすることはできませんが、部分的にでも繰り返し目土を入れ替えていくことにより、土が痩せるのを防止することができます。(コアリングについては過去記事で何回か触れていますのでご参考にしてみてください。【芝生】初心者のコアリングとカタバミ駆除 【芝生】コアリングで抜く土を自作の受け皿で自動回収-DIY )
2.目土の効果②-枯れ芝(サッチ)の分解促進
芝生は植物ですので、一度成長した葉がいつまでも永遠に存在しているわけではなく、古い葉が枯れて新しいものに入れ替わります。したがって、芝生の根元には枯れ芝(サッチ)が堆積していきます。
枯れ芝(サッチ)は普通の有機物ですので、通常は土の上に堆積しても土壌中の微生物に分解されて芝生の栄養となりますが、その量が多すぎると枯れ芝(サッチ)の分解が追い付かず、根が呼吸できなくなって芝生が弱ったり、根元が蒸れて病気になったりします。その余分な枯れ芝(サッチ)を取り除く作業がサッチングですが、枯れ芝(サッチ)を取り除いた芝生の根元は無防備にむき出しの状態となり、目土などでしっかり保護してあげないと、乾燥して芝枯れの原因となったりします。(私はそれで何回か芝生を枯らせてしまいました)
一方で、適切な芝刈りを実施し良い環境で育てられている芝生では、過剰な枯れ芝(サッチ)が発生することは少ないので、サッチングの頻度は極々少なくて済みます。(そのはずです。)当然ながら一定量の枯れ芝(サッチ)が発生しているとは思いますが、床土の微生物にしっかり分解されているはずですので。
そのようなバランスの取れた環境を作り出すのに貢献するのが目土です。床土の表面が乾燥してしまうと微生物が生息できる環境ではなくなってしまうので、表面を目土で適度に覆って乾燥などから守ってあげることにより、枯れ芝(サッチ)を分解する環境を保ってあげるのです。
右近次的には、サッチングで枯れ芝(サッチ)を取り除いて良好な状態を保つよりは、適切な目土を入れて枯れ芝(サッチ)を出来るだけ分解してもらう方が、より自然な芝生育成方法だと理解していますので、シーズンの初めや芝生が広範囲に枯れた場合になどを除きサッチングは極力行わないようにしています。
3.目土の効果③-芝生の不陸(凸凹)修正
芝生を育成していくと、芝生が枯れてしまった場所などが凹んだりして、床土表面が凸凹になっていきます。床土が凹んだ部分は、前述のサッチング後の芝生と同様に根元がむき出しになってしまうので、芝生にはよくありません。よって、目土を入れて根元を覆ってあげる必要があります。
また、凹んだ箇所に目土を入れることで芝生の凸凹が修正され、芝刈りのしやすい平らな芝生にすることができます。
4.目土の効果④-芝生床土面の高さ上げ(排水性up)
雨が降った後に芝生に水が溜まってしまうような芝生では、目土を入れ続けていくことで、芝生の床土面がかさ上げされ、雨が降った後にも水が溜まらない芝生に出来る効果があります。
ただし、あまり床土面を上げ過ぎると、芝生以外の部分との高さのバランスが取れなくなってきますので、その辺は全体的なバランスを見て調整する必要がありますが。
-以上が右近次が認識している目土の効果になります。
5.目砂の効果-目砂は状態の良い芝生用
続いて目砂についての右近次的な考え方をご紹介します。
いろいろな方の記事で「目土より目砂を使った方が良い」という内容をよく見ます。それを読んで私も目砂を使ってみたのですが…結論を言うと、目砂は芝生をしっかり育成できている芝生上級者(成功者)が用いるべきものだと理解しました。
昨シーズンまでの右近次の芝生は、10年以上雑草取り以外のケアをしてこなかったので、ところどころにハゲている部分があり、凹みもたくさんありました。そのような芝生に目砂を投入してしまうと、ハゲや凹みに砂が溜まってしまい、雨が降ると固まってしまうのです。
芝生が高密度で生えていて状態のよい芝生に目砂を投入した場合には、芝生の隙間に細かい砂が入り込んで適度な隙間を作ってくれることで、芝生の通気性や排水性などが向上し、更に状態のよい芝生になっていくのだと思います。しかしながら、右近次の芝生のように、良化途上でスカスカの部分がある芝生には、細かい目砂を投入するより、芝生がランナーを自由に伸ばして育成出来ることを優先した栄養価の高いふかふかの目土が良いと思います。(私見ですが、昨年の経験で出した右近次的結論です。)
何が最適か?は芝生の状態によって違うということですね。
6.おすすめの目土配合材は”発酵牛糞”!
ここまで目土の効果を色々と説明しましたが、右近次が重要視しているのは ”①芝生床土の痩せ防止” と ”②枯れ芝(サッチ)の分解促進” です。④の排水性などを重要視した場合は、目砂などを使用するのが最も効果的なのだと思いますが、①②は土の力を蘇らせることが趣旨になりますので、④とは目的のベクトルが全く異なります。(③はどちらでも実現できますけど)
右近次が使用している目土は、近隣のケイヨーD2で購入できる細粒タイプのごく普通の目土ですが、その目土が売り切れで買えないことがあり、その時に購入したのが下記の土のリサイクル材です。
土のリサイクル材には肥料成分が配合されているので、その影響が多分にあったとは思いますが、使用後の芝生の状態が極めて良好だったので、やはり”土の力”を向上させるのが成功の近道なのだと実感しました。
しかしながら上記”土のリサイクル材”は、常時使用するには価格が高すぎます。木片などの不純物が入っているのもマイナスポイントです。そこで、”土の力”を向上させるためは何がいいか?と考えた末にたどり着いた答えが”発酵牛糞”です。
”発酵牛糞”は文字通り発酵が進んでいるので、床土の微生物に良い影響を与えることは間違いないです。また、芝生にとって良好な有機肥料にもなりますので、芝生に与えて悪い要素が見当たりません。
ただし、牛糞を使用したことがある方はわかると思いますが、発酵が進んでいるとはいえ、牛糞の中には大きな塊がゴロゴロあり、芝生にそのまま投入するのには難があります。そこで、右近次が牛糞を投入する際にはふるいにかけて大きな塊を取り除くようにしています。ふるいにかけた後の牛糞は細かくふかふかで使い勝手がとても良いです。
更にその細かい牛糞に、右近次愛用の細粒タイプの目土を混ぜることにより、しっとりした牛糞と乾燥した目土が適度に混ざり合い、芝生に撒きやすい”牛糞配合目土”が完成します。
写真のように、事前にトロ舟で混ぜないといけないのは手間ですが、2022年度はこの”牛糞配合目土”を与え続けて状態を見ていこうと思っています。
・2022年の目土についての方針
2022年の目土は前述のとおり”牛糞配合目土”で決まりです。”牛糞”の袋が家族に見つかった際の家族の反応が少し気になりますが、あまり目に触れないようにコソコソと使っていきたいと思います。
なお、匂いは想像しているほどの匂いは感じませんでした。”鶏糞”などと比較すると何倍もましなので大きな問題にならないと思います。(”鶏糞”はその匂いで候補から消えました。)
それと、牛糞を購入する際の注意点が1点。牛糞を買いに行くときは雨の日(の次の日くらいまで)には行かないこと。屋根のあるところでガーデニング用品を販売しているホームセンターは問題にはならないのですが、大概のホームセンターは園芸コーナーが屋外です。雨の日は袋が濡れて、少しでも破れている袋があったりすると袋が牛糞まみれになります。私はそれで購入を断念したことがあります。注意しましょう。(笑)