【車-カーケア】ボディーの鉄粉除去①-スプレー式クリーナーで溶解

車ボディーの鉄粉を粘土を使わず鉄粉クリーナーで溶解除去

ボディー塗装面のざらざらの主原因”鉄粉”。放置すると塗装に食い込みボディーにサビ(錆び)を発生させてしまいます。今回はその厄介な鉄粉を溶かして除去するという KeePer技研 の鉄粉クリーナーを施工してみました。粘土を使わずにスプレーするだけで本当に鉄粉は落とせるのか?下記リンクにて動画も公開していますので、興味のある方はご参考にしてみてください。【車-カーケア】#4 ボディーの鉄粉は粘土でこすらずに除去できる?-キーパー技研 鉄粉クリーナー ボディー用

1.車のボディーに付着する鉄粉

車ボディーに付着する鉄粉を撒きあげる要因となる線路

普段はあまり意識することはありませんが、大気中には鉄粉が浮遊しています。(ということは空気として吸い込んだりもしているのかな?)発生原因は、車のブレーキダスト、鉄工所などの鉄関連の工場、線路を走る電車など様々な原因があるようです。ってことは、私の実家は幹線道路や線路が近くて、近所の屑鉄屋さんが屑鉄を毎日ガッシャンガッシャンと潰している環境だったので…今考えると、かなり鉄粉に囲まれた環境で生活していたのかもしれませんね。

大気中を浮遊していた鉄粉が車のボディーに降り注いだ場合、比重の重さから、雨や風などで自然に落ちることはありません。そして、ほこりや湿気などと結合して塗装に固着します。それを更に放置すると酸化して塗装に突き刺さっていき、ボディー塗装面の”鉄粉”として定着してしまいます。定着した鉄粉はカーシャンプーなどでは落とせませんし、鉄粉がサビ(錆び)ると最悪は塗装下の板金にまでサビ(錆び)を発生させてしまいますので、鉄粉は非常に厄介な奴です。

2.鉄粉除去のスタンダード:鉄粉取り粘土

車の鉄粉取りに関して、太古の昔から車愛好家さん達に使用されているのはトラップ粘土とも呼ばれる粘土クリーナーです。私も若いころに最初に買った車で使用し「こんなもんでどうして鉄粉が取れるんだろう?」と不思議に思った記憶がありますが、その辺の原理などについては、まだ別の記事でまとめたいと思います。

トラップ粘土とも呼ばれる鉄粉取り粘土は流水に当てて使用する

粘土クリーナーはボディーの表面を消しゴムように撫でて鉄粉を粘土内に取り込んでいくものなので、注意して施工しないと粘土クリーナーに取り込んだ鉄粉でボディーを傷つけてしまうという弱点があります。キズを防止するためには流水をボディーに当てながら施工したり、ある程度の面積を施工したら粘土クリーナーをコネ直して新しい面を出すなどの作業をしっかり行えば大丈夫なのですが、実際に使用したことがない方からしたら不安ですよね?(私もそうでした。)

3.スプレーするだけで擦らずに鉄粉を除去する

この令和の世の中には、そんな粘土クリーナーでのキズの不安を解消する商品が存在します。それがこちら。

KeePerコーティングで有名な、KeePer技研から販売されている鉄粉クリーナー(鉄粉除去剤) I-06です。KeePerラボの動画などでも使用されることが多い商品ですね。他にも色々と同じような製品が販売されていますが、今回はいつかはコーティングをお願いしたいKeePerさんが開発した鉄粉クリーナーを試してみたいと思います。

しかしながら、人を信じる心が少し欠如している私、右近次には少々思うことがあります。お風呂の洗剤とかで「擦らずに水アカがすっきり落とせます」とか、台所の洗剤で「油汚れも擦らずきれいに!」などと謳っている商品にはいつも騙されます。こちらの商品は果たしてどうなんでしょうか?

原理的には、鉄粉を化学的に溶かしてくれるという原理のようなので、であれば、触れずに除去出来ても不思議ではない気はします。(化学の力は偉大だと、人が石化する漫画でも言っていますし。^^) でも、そんな化学的に強力なものをボディーに噴射して本当に大丈夫なのか?とも思ったり。いずれにしても、まずは試してみないことには真実はわかりませんね。

4.鉄粉クリーナー(鉄粉除去剤)の施工

それでは早速、KeePer技研の鉄粉クリーナーを施工してみましょう。

車のボディー表面の鉄粉の状態は梱包フィルムを指に巻きつけて確認します。

その前にまずはカーシャンプー後のボディーで、現状の鉄粉付着状態を確認します。確認方法は、写真のようなお菓子の包装フィルムなどを指に巻いてボディー表面を撫でます。そうすることで、わずかな凸凹を感じられるようになり表面状態がはっきりわかるようになります。(私は SurLuster SPIRIT の付属スポンジが入っていたフィルムを使用しましたが、ツルツルの包装フィルムであれば何でも良いです。)

我が愛車の購入時のボディーは、雨染みがビッシリで状態があまり良くありませんでした。当然、鉄粉もたくさん付着している状態です。よって、フィルム確認の結果は”超ザラザラ”です。かなり大きなザラツキを感じます。これが鉄粉クリーナー(鉄粉除去剤)のスプレー噴射だけでどれだけ改善するか?見ていきます。

鉄粉クリーナー(鉄粉除去剤)の噴射口を”ON”にし、ボディー表面にたっぷりスプレーしていきます。鉄粉クリーナーの容器に写真が貼ってありますが、付着している鉄粉が鉄粉クリーナーに反応すると、紫色に変色するようです。しかしながら、我が愛車の塗装色は黒です。紫色になってもわからないと思われまずが、どのように見えるのでしょうか?

鉄粉クリーナー(鉄粉除去剤)に反応した黒塗装ボディー表面の鉄粉

使用方法に書かれているとおり、スプレー後5分放置します。その時の状態が写真の状態です。写真中央やや上に円状の模様が発生しています。この模様が鉄粉が反応して紫色に変色している部分の様です。このような円状の模様がボンネットやルーフにたくさん発生しました。やはり、かなりの量の鉄粉が付着していたようですね。(全体的に紫がかった感じにも見えます。)

鉄粉を徹底的に除去するためには、このまましばらく”鉄粉除去剤漬け”にしたいところですが、鉄粉を溶かすほどの液体です。あまり長くボディーに付着させるのは別の意味で心配になります。反応を確認した後、すぐに水で洗い流します。

鉄粉クリーナー(鉄粉除去剤)に反応した黒塗装ボディー表面の鉄粉を洗い流した状態

鉄粉クリーナーを洗い流した状態が写真の状態です。元々のボディーには撥水(疎水)製のコーティングを施工していますが、鉄粉が反応した部分はコーティングが剥がれて?細かい水滴が残っているようです。そのような箇所がたくさん見受けられますので…よくもまあ、こんなに鉄粉を付着させていたもんだという状態ですね。

この状態で、先ほどのフィルムを使って表面状態を再度確認します。”ザラザラ”から”ツルツル”に改善されていることを期待して確認します…が…ん?施工前とあまり変わらないような。。。いろんな箇所を確認してみますが結果は同じです。

あまりにも鉄粉量が多いのか?それとも鉄粉が成長して大きくなりすぎていたのか?ちょっと納得いかない結果になったので、再度 鉄粉クリーナーをスプレーします。スプレー量が足りないなんて言わせないくらいたっぷりとスプレーした結果、2回のスプレーで全部を使い切ってしまいました。

5分後の状態は先ほどと同じ感じです。やはり、たくさんの鉄粉が残留していたようです。それを再度水で流して表面の状態をフィルムチェックしますが…状態は1回目とそれほど変わりませんでした。3回目の”おかわりスプレー”を実施したいところでしたが、既に1本使い切ってしまったので、今回の施工は終了です。

5.鉄粉クリーナーの鉄粉除去効果は?

結果として、スプレーするだけで擦らずに鉄粉を除去することはできませんでした。鉄粉量がとても多すぎた可能性はありますが、2回で1本を使い切りましたし、これで使用量が足りないなんてことはないはずです。

KeePerの動画を改めて色々と確認してみたところ…「塗布後にクロスで拭き取ると効果的です!」などと言っている動画がありました。うーん。基本的には粘土クリーナーでキズが出来てしまうことを懸念してこちらの鉄粉クリーナーを購入しているのに「拭き取ると効果的」って??なんだかなぁって感じがします。

結論としては、付着している鉄粉が少量であればスプレーするだけで鉄粉を除去できる可能性はあります。しかしながら、付着している鉄粉の量が多い場合は、スプレーするだけでは鉄粉を完全除去することはできない!という結論で間違いなさそうです。

・鉄粉クリーナー(鉄粉除去剤)を使用した感想

重複しますが、鉄粉クリーナーをスプレーするだけで鉄粉が除去できるという、そんな甘い話はありませんでした。スプレー後も我が愛車のボディーは”ザラザラ”なので、後日、粘土クリーナーを施工したいと思います。

車のボディー表面をクロスで拭きあげる

でも、なんて言ったらいいんですかね。そもそも、鉄粉クリーナーをスプレーするだけで鉄粉が落ちるなんて謳われていないのかもしれませんが、クロスで拭かないと効果が小さくなってしまうのであれば、それをしっかり明記して欲しいですね。(容器は捨ててしまいましたが、実は明記されてたりして。笑)

また、擦らないで鉄粉が取れるというのがコンセプトのはずなので、鉄粉が多い場合は拭き取る前提なのであればコンセプトがめちゃくちゃです。最終的にクロスで拭き取る前提のコンセプトなのであれば「スプレーすることで鉄粉が柔らかくなり、クロスで拭き取ってもボディーにキズが付かない」とか、何かキズに対して明確に訴求できる商品を作って欲しいな、なんてことを思ってしまいました。

そして、効果に対して鉄粉クリーナーの価格が高すぎです。(¥1,500くらいで購入しました。)こんな感じの効果であれば、コスパ的に満足できる金額は¥500~600くらいです。それなら、粘土クリーナーを施工したボディーの鉄粉残留確認でこのような商品を使用できますから。

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