ネットの写真で購入したわが愛車。納車して磨いてみると結構な雨染みが…納車から1年が経過し、これまでに、Voodoo Ride SILQ、SurLuster 社のSPIRITクリーナー、リンレイ 水アカスポットクリーナーなど、様々な雨ジミ除去にトライしましたが、頑固な雨ジミを落とすことは出来ませんでした。そこで今回は、3M製のコンパウンド「ハード1-L 5982」と「ハード2-L 5985」を使用して雨ジミ除去にトライしました。果たして雨ジミは除去できたのか?磨き後の仕上がり具合なども含めてまとめています。下記リンクにて動画も公開しておりますので、皆様のカーライフのご参考になれば嬉しいです。【車-カーケア】#16 ボンネットの雨ジミを除去せよ!Part.3【FINAL?】
目次
1.ボディーの頑固な雨ジミ(雨染み)
私が現在乗っている愛車は、インターネットの写真をみて購入したのですが、洗車していない状態で納車された車を磨いてみると、ボンネットとルーフにはけっこうか雨ジミ(雨染み)が…(写真ではわからないようにしていた傷などもありましたので、ヤフオクなども含めて、金輪際、大〇府の業者とは取引しないことを誓いました。)
愛車の購入から1年と3か月。これまでにいろいろな方法で雨ジミ除去にトライしてきましたが、未だに雨ジミを除去することができておりません。
まずは、水アカを強力に落としてくれると評判のVoodoo Ride SILQでの除去にトライしました。追加でVoodooRide SEALANTも併用することで、ボディーは写真のとおり、かなりピカピカな状態になりましたが…わが愛車の頑固な雨ジミを落とすことはできませんでした。(トライの様子は、過去記事【車-カーケア】ボディーの雨ジミ(雨染み)除去①-SILQ編をご参照ください。)
続いて、以後、下地処理でお気に入りとなったSPIRITクリーナーでの除去にトライしました。こちらもボディーの小傷を見えなくしてくれたりして、ボディーをピカピカにする効果はありましたが…雨ジミを除去するには至りませんでした。(トライの様子は、過去記事 【車-カーケア】ボディーの雨ジミ(雨染み)除去②-SPIRIT編をご参照ください。)
その後は、磨き系でダメならケミカル系で!ということで、水系塗料の輸入車には使用できないと言われているリンレイ 水アカスポットクリーナーでの除去にもトライしました。リスクを冒してトライしたのですが…わが愛車の頑固な雨ジミはビクともしませんでした。(トライの様子は、過去記事【車-カーケア】ボディーの雨ジミ(雨染み)除去③-リンレイ編をご参照ください。)
結論としては、わが愛車の雨ジミ(雨染み)は、イオンデポジットと呼ばれる塗装表面に付着した状態ではなく、塗装に焼き付いて、塗装表面まで浸食した状態だということが明確になりました。
2.塗装表面のクリア層を削って磨く-コンパウンド
表面を磨いても除去できず、ケミカル系で処理しても除去できない、塗装まで浸食した状態の雨ジミを除去するには、もはや表面のクリア層を雨ジミごと削り取るしかなさそうです。そんな時に活躍するのが”コンパウンド”です。
コンパウンドとは、研磨粒子が配合された液体やペースト状の「磨き剤」です。 コンパウンドをスポンジやクロスに適量つけて磨くことで、ボディー表面のクリア層を磨いて(削り取って)傷などをなくしたり、薄くしたりすることが出来ます。
私も過去に”傷けし”を目的としてコンパウンドを使用したことがあります。傷が深くて白く見えるような傷は全く消すことが出来ませんでしたが、クリア層の表面のみの薄い傷などに関しては、消したり薄くしたりすることが出来ました。
コンパウンドは配合される研磨粒子の大きさなどによって種類や用途などが異なります。コンパウンドメーカー各社で表現がまちまちだったりするので線引きするのは非常に難しいですが、ざっくり分類すると下記のとおりになります。
粒径サイズ | 用途 |
粗目 | 下地作りなど |
中目 | 深い傷けし/擦り傷けし |
細目 | 浅い傷けし/雨ジミ除去 |
極細目/微粒子 | 磨き跡の除去 |
超微粒子 | つや出し/くすみ取り |
上記の分類で考えると、雨ジミなどを除去したいなら「細目」のコンパウンドを使用する感じになりますね。しかしながら、コンパウンドはクリア層を削ってしまうものです。目一杯削れば傷は消えますが、その分塗膜が薄くなってしまいますので、その辺のバランスをしっかり考える必要があります。
以前に傷けし用の「細目」と呼ばれるコンパウンドを使用したことがありますが、使用した面には細かい磨き傷がたくさん出来て、磨いたエリアのクリア層が白っぽく曇りました。その後、小さい粒径のコンパウンドで磨いてピカピカに仕上げましたが、その磨き作業は結構大変でした。(曇りがなくなるまではかなりドキドキしました。)
今回は雨ジミ除去ということで、かなり広い範囲にコンパウンドをかける必要があります。「細目」を広範囲に使用して、それをしっかり磨き上げる自信はないので、慎重な検討が必要です。
3.3M製コンパウンド:ハード1-L/ハード2-L
今回はボンネットやルーフに広範囲に存在する雨ジミを除去するためにコンパウンドを使用していきます。「細目」などのコンパウンドでがっつり磨けば、クリア層をごっそり削って雨ジミを除去できる可能性は高くなりますが、その場合はその後の仕上げ作業が大変になります。
しかも、今回は電動ポリッシャーを使用せず、手磨きで対応していきますので、「細目」による磨きで出来てしまう磨き目を、その後の処理でしっかり磨き上げる自信は全くありません。
そこで今回準備したのは下記のコンパウンド、3M製の”ハード1-L 5982”、及び”ハード2-L 5982”です。
ハード1-Lの研磨粒子の平均粒径は4μm程です。使用目的を「削る」とした場合には、それほど大きな粒子ではありませんが、「細目」にも引けを取らないような高い切削力を持っているとのことです。しかも、淡色系の車であれば、これだけで最終仕上げにまで使用できると謳われている?商品ですので、その触れ込みが事実であれば、クリア層の表面を曇らせることなく、ピカピカを維持しながら雨ジミを除去することが出来そうです。
一方、ハード2-Lの研磨粒子の平均粒径は2μm程です。使用目的を「最終仕上げ」とした場合は、それほど小さい粒径ではありませんが、ハード1-Lで磨き上げたボディー表面を、更にピカピカ艶々にしてくれると評価されているコンパウンドになります。
3Mの商品ラインナップとしては、研磨粒子が更に小さい”ウルトラフィーナプレミアム”というものもありますが、私の研磨レベル(手磨き)では使いこなせない(そこまでの効果が引き出せない)と判断し、今回はハード2-Lで仕上げていくことにしました。
よって、今回の「雨ジミ除去作戦」は、まずは「細目」にも匹敵する切削力を持つというハード1-Lでボディー表面の雨ジミを除去し、ハード2-Lを使用してそれをピカピカに仕上げるという作戦になります。
なお、3Mの通常品はそれぞれ750mlの大きなボトルで販売されていますが、DIYで愛車に施工する我々にはそんな量は到底必要がありません。(使い切る前に保管期限を超過してしまうと思われます。)そこで今回は、それぞれを小分けして販売している業者さんから100mlのものを購入しました。(3Mさんが小分けを認めているのか?はわかりませんが、多くの業者さんが小分け販売しています。)
また、ポリッシャーなどの工具を使用して磨けば、より強力に磨くことが出来ると思いますが、その場合は局所的に磨き過ぎてしまうなどの”失敗リスク”が伴います。そこで今回は、下記のスポンジを使用して”手磨き”することにより、低リスクで施工をしていきます。(基本的にはビビりです:笑)
大きめのスポンジが2個セットになっている商品ですので、使用するコンパウンドごとにスポンジを分けて使用することが出来ます。(スポンジの色も異なっているので、明確に区別できます。)
4.3M”ハード1-L”での雨ジミ(雨染み)除去
それでは、3Mのコンパウンド”ハード1-L 5982”を使用して、ボディーに付着した頑固な雨ジミを除去していきましょう。
事前処理として、まずはシャンプーで表面の汚れや砂を落とします。基本作業ですね。(私の愛用しているシャンプーはWILLSON 泡仕立てシャンプー ダークカラー用です。)
続いて、鉄粉除去粘土を使用してボディー表面に付着した鉄粉を除去していきます。以前使用したのは、近くのカーショップで購入したSoft99 ねんど状クリーナー ミニですが、下記のシュアラスターさんの粘土の方が柔らかくてより使いやすくておススメですね。(真冬でもコネコネすることが出来ました。)
使用方法は、作業中に傷が付かないようボディ表面に流水を当てながら、粘土でボディー表面をこすっていくだけです。たまに粘土に引っかかる感触がありますので、それが粘土が鉄粉を絡みとった合図になります。(多分ですけど。)
また、絡みとった鉄粉でボディーを傷つけることがないよう、時々粘土をコネて、こする面を変える必要があります。鉄粉が降り注いでそのまま付着してそうな、ボンネットやルーフを中心に作業していきます。
なお、鉄粉取りについては、別記事【車-カーケア】ボディーの鉄粉除去①-スプレー式クリーナーで溶解や【車-カーケア】ボディーの鉄粉除去②-鉄粉は粘土に取り込むべし!でも紹介していますのでご参考にしてみてください。
鉄粉除去が完了したら、表面の水気をふき取ります。(ブロアーがある方は、ブロアーで水分を吹き飛ばせるとなお良いですね。)
水気がしっかり拭き取れたら、いよいよ3M製コンパウンド”ハード1-L”を使用して雨ジミを除去していきます。
スポンジにコンパウンドを適量塗布したら、磨く範囲を決めてその範囲内にコンパウンドを満遍なく塗りつけます。そして、スポンジを縦横交互に動かしながら、研磨粒子が使い切れる(ある程度表面が乾いて綺麗になる)まで磨いていきます。
よく聞くのは「スポンジ表面に10円玉くらいのコンパウンドを塗布して50cm四方くらいを磨く」ですが、コンパウンドの伸びにも固定差がありますので、この辺のさじ加減は難しいところですね。
スポンジでボディーを磨いてコンパウンドが乾いてくると、表面から「キュッ、キュッ」と音がしてきます。それがしっかり磨けているサインみたいです。(なら、濡れていて音が出てない状態はどういう状態なの?って疑問が湧きましたが、その辺はよくわかりません。)
力加減としては、あまり強く力を入れなくても磨けるようなので、スポンジに手の自重を乗せるくらいで磨くと良いらしいです。洗車屋さんの動画などを見ると「手数」という言葉が良く出てきますので、手数を意識して、軽くスピーディーに磨くのがコツになるようです。(「手数」と聞くとガッツ石松解説を思い出すのは私だけ?)
注意するポイントとしては、一か所を局所的に磨き過ぎないことです。特に板金の曲げ部(プラスライン)を磨く場合は、局所的に大きな磨き力がかかりやすいです。塗装の性質上、曲げ部(プレスライン)には塗装があまり乗っていないことから、曲げ部(プレスライン)を強く磨いてしまうと表面が削れて下地が見えてしまうリスクがあります。基本的に曲げ部(プレスライン)は磨かない方が良いですね。
磨き終えたら、乾いた綺麗なクロスで残ったコンパウンドを綺麗に拭き取ります。ポリッシャーを使用した場合は、磨き過ぎるとコンパウンドがボディーに焼き付いたりするようですが、手磨きであれば、その辺の心配はないと思います。
さて、肝心の雨ジミ除去に対する効果ですが…うーん。写真のとおりボディーの表面はピカピカになりましたが、雨ジミは少し薄くなっている??そんなレベルの変化です。全体的な雨ジミの状態としてはあまり変わっていないように見えます。(その辺の変化は映像で表現することが出来ませんでした。すいません。)
あまり削り過ぎないことを意識しながら、全体にもう一度磨きを入れましたが…状態はあまり変わりませんでした。
なら、ハード1-Lの傷けし効果についてはどうでしょうか?傷が付いている部分を局所的に磨いてみます。
結果は、写真のとおりです。傷が少し薄くなったようにも見えます?が、劇的な傷けし効果はなさそうに見えます。
むしろ周りを磨いて綺麗にしたことで、傷が一層目立っている気さえします。元々、傷隠し効果のあるVoodoo Ride SILQや、SurLuster 社のSPIRITクリーナーなどを施工していましたので、それが完全に取り除かれたことで、隠れていた傷が目立つようになったのかもしれません。(車磨きは奥が深い。)
以上の結果から、ボディー全体をハード1-Lで磨いた上での「3M製ハード1-L(手磨き)」に対する右近次的評価は下記です。
- 塗装に浸食した頑固な雨ジミは除去できない。
- 傷を消すほどの切削力はない。
- 表面をピカピカに磨き上げる効果はある
手磨きにて塗装に浸食した雨ジミを削って除去するためには、やはりもっと粒径の大きな「細目」と呼ばれるコンパウンドを使用する必要がありそうです。
5.3M”ハード2-L”での表面仕上げ磨き
残念ながら、3Mのハード1-L 5982(手磨き)では雨ジミを除去することはできませんでしたが、気を取り直して、ハード2-L 5985(手磨き)でボディー表面を仕上げていきます。
使用方法はハード1-Lと同じです。コンパウンドを一定量スポンジに塗布して磨き、乾いたクロスでふき取っていくだけです。
ただし、使用するスポンジ、及びクロスは、ハード1-Lで使用したものとは別のものを使用します。ハード1-Lに使用したスポンジやクロスにはハード1-Lの研磨粒子がたっぷり付着しています。そのまま使用してしまうとハード2-Lの効果が引き出せませんので、注意が必要です。(基本的にスポンジは使用するコンパウンドの数だけ用意した方が良いです。)
さて、その磨き効果は下記写真のとおりとなります。
写真で違いを感じていただけるか?はわかりませんが…ハード1-Lによる磨きである程度ピカピカになったボディーが、ハード2-Lによる磨きで更にピカピカになりました。
表現としては、クリア層表面のくすみが取れて、更に艶々テカテカになったという感じですね。ハード2-Lの仕上げ効果は半端ないです。
また、ハード2-Lで磨いたあとの、車全体の様子は下記写真のとおりです。
もちろん、ハード1-Lで除去できなかった雨ジミや傷などはそのまま残っていますが、全体的にはかなりヌルヌルのテカテカに仕上がりました。
以上の結果から、ボディー全体をハード2-Lで磨いたうえでの「3M製ハード2-L(手磨き)」に対する右近次的評価はシンプルに下記です。
- 仕上げ磨き効果は最高レベルっ!
全てのコンパウンドを試した上での評価ではありませんが、このハード2-Lの仕上げ磨き効果は、今まで使用したどのコンパウンドよりも優れていました。3M製では、その上に”ウルトラフィーナプレミアム”というもっと粒径の細かいコンパウンドがありますが、手磨きでハード2-Lを超えるはっきりとした効果を出すのはかなり難しいと思います。
・3M”ハード1-L”と”ハード2-L”の総評
最後に、今回使用した3M製”ハード1-L”と”ハード2-L”を「手磨き」で使用する前提で総評します。
まず、ハード1-Lには塗装まで浸食した雨ジミを除去できるほどの切削力はありませんでしたが、ボディーをかなりピカピカにする効果がありました。雨ジミを本気でやっつけたいと思うなら、研磨粒子の粒径がもっと大きな「細目」と呼ばれるコンパウンドを使用した方が良いですが、あまりリスクを負わずに「雨ジミが消せればラッキー!」くらいの感じでトライするなら、とても良い選択肢になりそうです。(磨きで失敗することはほとんどなさそうです。)
ハード2-Lは仕上げ磨きに使用するなら最高のコンパウンドになると思います。かなりおススメのコンパウンドだと、自信をもって言えますね。(”ウルトラフィーナプレミアム”までは使用する必要はないと思います。)
以上が、今回のトライ結果による右近次的総評です。ポリッシャーを使用すると結論は変わってくるかとは思いますが、ご参考にしてみてください。
また、研磨後はボディーが真っ裸の状態になります。その後は風邪をひかせてしまう前に、コーティングするなどして服を着せてあげましょう。(私はこの後ガラスコーティングを施工しました。その内容は別記事で紹介する予定です。)