以前に購入した中国製の電動コンプレッサーがわずか1年で壊れました。コンプレッサーが手元で暴走するのは想像していたより恐ろしいものでしたので、そんな怖い思いはもうこりごりです。そこで今回は、基本に立ち戻り、安心、安全な足踏み式のエアーポンプ”BAL(大橋産業)高圧フットポンプ 1924”を購入したので、その仕様や使用感、空気の入り具合などレビューします。下記リンクにて動画も公開していますので、皆様のご参考になれば嬉しいです。
1.電動エアコンプレッサーはとても便利だけど…
通常のタイヤから冬用タイヤ(スタッドレスタイヤ)などにタイヤを履き替えた後には、外したタイヤ内の空気を少し抜いて、空気圧が少し下がった状態で保管した方が良いです。
よって、履き替えたばかりのタイヤは、空気圧が少し低くなっている状態なので、乗り回す前に走行に十分な空気を補充してあげる必要があります。

以前の車、トヨタのハイラックス・サーフを所有していた際には、足踏み式のフットポンプを使用してタイヤに空気を入れていました。
サーフは大きな車でしたが、タイヤの標準の空気圧設定は 2.0kgf/㎠ と、それほど高くない空気圧設定でしたので、フットポンプで特に苦労することなく空気を入れることが出来ていました。
しかしながら、ある時期にそれまで使用していたフットポンプの金属フレームが破断して殉職してしまい、それ以降は、タイヤを交換したらスタンドで空気を入れるという日々を過ごしていました。

そんな中、一昨年に車の買い替えを行い、昨年には嫁さん用の車も追加購入しました。結果的に、空気圧設定の高い輸入車(空気圧設定は 2.6kgf/㎠)を2台所有することになりましたので、タイヤ交換の頻度も増えたから…ということで購入したのが、写真の中国製電動エアコンプレッサーです。
使用方法は、空気圧を設定してスタートボタンを押すだけ!です。足でポンプを何回も踏む煩わしさなどはありませんので、「なんて便利なツールなんだろう」と、文明の利器に感動しました。
しかしながら、その感動も長くは続きませんでした。今年の冬のタイヤ交換をすべく充電をしてみると、充電を開始したとたんにコンプレッサーの電源が勝手に入って動作し始めました。そして、電源を off することも出来ない状態となりました。
その時、私の手元で暴走しているのは、小型ながらもコンプレッサーです。内部に圧力がかかった状態でコントロールが効かなくなっているのは、かなり恐ろしい状態でした。(爆発する可能性も「0」ではないと思います)
そのまま電池が空になるまでしばらく放置して(リセット状態にして)、再度充電を試みますが暴走は止まりません。。。本体が破裂などしたら本当に危ないので、電池がなくなるまで再度放置し、その製品は廃棄しました。
結果、中国製の電動エアコンプレッサーは便利な商品でしたが、わずか1年、使用回数で2回ほどで殉職しました。まさに安物買いの銭失いですね。(お勉強になりました。)そして、あんな怖い思いはもうこりごりですww
2.安全・安心の足踏み式エアーポンプ

今回は、タイヤ交換を終了して「さて、空気を補充して作業完了だ!」という時に電動エアコンプレッサーの殉職が判明したので、取り急ぎは空気圧が低いままスタンドまで走行し、空気を入れました。
このままタイヤ交換の度にスタンドに通う生活を続けることも出来るのですが、車2台分のタイヤ交換を実施する父さん的には、その都度スタンドに空気を入れに行くのは、やはり面倒くさいです。
また、タイヤに不測のトラブルが発生した時のことを考えても、自宅のガレージで空気を補充できる環境は整えておきたいです。
新たな”エアーポンプ”の候補としては、やはり電動エアコンプレッサーが最有力候補となります。あの手軽さはやはり魅力的ですのでw(一度楽を覚えると、元に戻れないのが人間の性です)
しかしながら、動作したまま暴走するような中国製品はもうこりごりなので、購入するなら信頼のマキタなどの日本製品でしょう。
しかしながら、新たな電動エアコンプレッサーを購入しようとネットで吟味しだすも、年に2回ほどしか使用しない製品としてはマキタはちょっと高過ぎ(晋作)です。。。互換性のあるバッテリーや充電器などを既に持っているのであれば話は別かもしれませんが、年に2回の空気入れのために一式を揃える金額は出せないというのが私の結論です。
そこで今回購入したのが、下記の商品です。
BAL(大橋産業)さんの高圧フットポンプです。製造は中国なのかもしれませんが、日本の会社が販売しているものであれば、日本市場に求められる品質になっているでしょう。(現地でしっかり指導されていることを信じましょう)
ということで、今後は、暴走などする可能性のない、安心・安全の足踏み式のフットポンプを使用する生活に戻ることになりました。(安全って大事です。)
3.BAL(大橋産業)高圧フットポンプの仕様
まずは、購入したBAL(大橋産業)さんの高圧フットポンプ 1924の仕様を確認してみましょう。

ポンプには小型のシリンダーが2本ついていて、1000kPaという高圧の空気まで注入出来る仕様になっています。
私が購入した輸入車の標準空気圧は 2.6kgf/㎠ なので、その程度の空気圧であれば、小指でも入れられるでしょう。というのは冗談としても、仕様に余裕があるのは助かりますね。
ただし、あくまでもカタログ上の数値なのでそこまでの空気圧には耐えられない(足が踏み込めない)可能性はありますが、私的には2.6kgf/㎤ が問題なく注入出来ればOKです。(それ以上は求めません。)ただし、2.6kfg/㎤ が余裕をもって入れられないようであれば、即返品しますww
注入中の空気圧はフットポンプ本体についている空気圧ゲージ(メーター)で確認できます。1,000kPaで使用できることを謳っている製品なので、1,000kPaまでの目盛りがありますが、表示値の正確性についてはしっかり確認しておく必要がありそうですね。(以前に使用していたフットポンプは、常に数値が低めに出ていましたし、殉職した電動エアコンプレッサーも正確性に欠けていました。)
足踏み回数と注入できる空気の量(空気圧の上昇)との関係などは、カタログには記載がないので、使用する中で確認していきましょう。

空気の注入口は2か所あり、上側は車用、下側が自転車用になっています。また、その近傍にはアタッチメントがぶら下がっていて、ゴムボートやお庭プール、ボールなどにも空気が入れられる仕様になっています。
使用する前の率直な感想としては…この空気の注入口が2か所あるのはよろしくないですね。ホイールのバルブは少々奥まったところに存在しているものがあるので、この注入口のサイズが致命的になって使用できないケースもありそうです。(注入口はスマートな方が良いです)
また、使用時は足で踏む部分がせりあがった状態になりますが、収納時には、踏む部分を畳んで固定出来る仕様になっているので、収納性はしっかり考慮されています。
なお、以前に使用していたフットポンプは、収納時にはチェーンのついた金具で踏む部分を引っかけて固定する方式でしたが、本製品はつまみを回すだけで踏む部分を固定出来るので、この辺はかなりスマートになりましたね。
4.BAL(大橋産業)高圧フットポンプの使用レビュー
仕様が一通り確認出来たら、実際に空気を入れて使用感を確認していきましょう。
まずは、現在、2.2kgf/㎠ のタイヤに空気圧が 2.3kgf/㎤になるまで空気を入れてみます。(実際の空気圧は、エアゲージで測定します)

フットポンプを接続した状態で、本体の空気圧ゲージは 2.0kgf/㎠ を表示しました。実際の空気圧は 2.2kgf/㎠ のはずなので、既に 0.2kgf/㎠ 程ズレていますね。(まあ、この辺のズレは想定内です。)
そして、事前に懸念していたとおり、注入口がエアバルブに装着し難いです。自転車は普通の空気入れが使用出来るので、こちらは車用に特化してもらいたかったですね。(ちょっと残念な点ですね。)
いきなり悪い点が2個露呈してしまいましたが、気を取り直して、15回ほど足踏みして空気を入れてみます。が…ん??空気圧ゲージの値が全く変化しませんけど。。。値がずっと 2.0kgf/㎠ のままで、空気が全く入っていない挙動を示しています。まさか、空気を入れることが出来ない完全不良品を掴まされてしまったのか??
一旦、フットポンプを取り外して、実際の空気圧をエアゲージで測定してみますが、空気圧が注入前からほとんど変化していません。これはいよいよやばい?

もう一度フットポンプを接続して追加で50回ほど踏んでみますが、本体の空気圧ゲージの値は写真のとおりで相変わらず 2.0kgf/㎠ のままです。(合計で65回踏み込みました)
踏み方が悪いのか?とも思い、ちょっとゆっくり目に更に31回踏んでみますが、空気圧ゲージの値はほとんど変わりません。(ここまでで、合計96回踏み込みました)
再度、フットポンプを外して、実際の空気圧をエアゲージで測定すると…2.5kgf/㎠ を示しています。本体の空気圧ゲージが全く機能していなかっただけで、空気はしっかり注入されていたようです。
そして、計96回(=15+50+31)ポンプを踏み込んで注入できた空気圧が +0.3kgf/㎠ という結果となりました。(最初の15回では踏む回数が足りなくて、数値に現れるほど空気圧が変化していなかったということですね。)
ということは、このフットポンプで0.1kgf/㎠ の空気を入れるためには約30回程度踏む必要があるということになります。本体の空気圧ゲージが全く使い物にならないのは想定の範囲を超えていましたが、まあ、空気がしっかり入れば返品するほどではないでしょう。(期待値が低くて良かったですww)
なお、空気を入れすぎてしまったタイヤは、エアゲージで2.3kgf/㎠ まで空気を抜いて調整しました。本体の空気圧ゲージが使い物にならないこのフットポンプでは、足踏み回数を目安に少し多めに空気を入れて、別のエアゲージを使用して空気を抜いて調整するしかないでしょう。(まあ、使用のコツがわかれば良しです。)

さて、次はもう少し空気圧が下がっているタイヤに空気を入れていきます。エアゲージで測定すると、現在の空気圧は1.3kgf/㎠ 程度です。こちらにも 2.3kgf/㎠ 程度になるまで空気を入れていきます。
空気圧が 1.3kgf/㎠ のタイヤの空気圧を 2.3kgf/㎠ にするためには、30回×10=300回程度の足踏みが必要ということになりますが、頑張って足踏みすること266回。(途中で数がわからなくなり、映像を見返して回数を数えたので中途半端な回数になりました。)エアゲージで測定した値は 2.2kgf/㎠を示しました。
結果、足踏み回数と空気圧変化量の関係は下記のとおりになります。
初期 空気圧 | 足踏み 回数 | 注入後 空気圧 | 空気圧 変化量 | 空気圧+0.1kgf/㎤に 必要な足踏み回数 | |
タイヤ① | 2.2kgf/㎤ | 96回 | 2.5kgf/㎤ | 0.3kgf/㎤ | 32回 |
タイヤ② | 1.3kgf/㎤ | 266回 | 2.2kgf/㎤ | 0.9kgf/㎤ | 29.5回 |
以上の結果から、「空気圧+0.1kgf/㎠に必要な足踏み回数は30回」を目安にして空気を入れていけば、目標の空気圧に近い状態にすることが出来そうです。
5.BAL(大橋産業)高圧フットポンプの評価結果
”BAL 高圧フットポンプ 1920”の実際の使用感を確認した結果をまとめてみましょう。フットポンプとして当たり前の部分などは評価を割愛するとして、特筆すべきポイントは下記3点ですかね。
- 本体の空気圧ゲージは全く機能しなかった
- 空気の注入口はサイズが大きくエアバルブに嵌めにくい
- 空気圧を+0.1kgf/㎤させるための足踏み回数は30回くらい
信頼の日本メーカー品を購入したのに空気圧ゲージが全く機能しなかったのは非常に残念でしたが、年に数回しか使用しないようなものなので、しっかり空気が入ってくれればOKです。別のエアゲージを駆使して、上手く使いこなしていきたいと思います。

ただし、注入口のサイズはユーザーの工夫でどうにか出来る部分ではないので、ちょっと残念なポイントですね。
タイヤのエアバルブへの着脱がしにくいので、装着する時、外す時に中の空気が結構漏れます。自転車に空気を入れるユーザー層も取り込みたかったのかもしれませんが、自転車好きはもっといい空気入れを買うと思います。ユーザー層を欲張り過ぎて肝心の製品価値を落としている感じが強くて非常に残念です。
また、空気圧を+0.1kgf/㎠させるための足踏み回数が30回という部分は評価が分かれそうなところですが、足踏みの負荷はそれほど大きくないので、100回踏むくらいであれば、それほど大変な作業ではありませんでした。さすがに、300回(+1.0kgf/㎠)となると人によっては多少しんどく感じるかもしれませんが、個人的には問題のないレベルと感じました。
以上が、今回購入した”BAL 高圧フットポンプ 1920”の評価結果です。この製品に星を付けるとするなら★★★くらいでしょうかね。いたって普通のフットポンプになります。後は耐久性に期待しましょう。

そして、久しぶりにフットポンプを使用した感想としては、やはりいつかは日本メーカー製の電動エアコンプレッサーを購入したいと改めて思いました。(圧倒的に楽なので。)
ただし、バッテリー駆動の電動工具はバッテリーと充電器が別売りとなっているものが多いので、一度に一式を揃えようとすると価格が膨れ上がります。
なので、まずは14.4V、もしくは18V仕様のインパクトドライバーを購入して、それとバッテリーを共通使用できる電動エアコンプレッサーを追加購入する形で考えていますが…今現在、インパクトドライバーの購入を検討しているHi-kokiさんの製品ラインアップに電動エアコンプレッサーが見当たらないんですよね。。。Hi-kokiさん。なんとかしてくださいw
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