最近のDIYでは、天井に設置された照明器具を取り外して、LED化工事などを実施する機会が増えましたが、工事が完了した器具は天井に設置する前に動作確認したいですよね?そこで今回は、天井設置用の照明器具を天井に設置することなく動作確認できる電源ケーブル(治具)を自作しました。とても簡単な治具ですが、その実用性は高いと思います。皆様のDIYのご参考になれば嬉しいです。
1.天井設置する照明器具の動作確認は天井で?
我が家の照明器具は、故障などが発生したものなどから、順次LED化を進めていますので、最近では天井設置されている照明器具を取り外して工事することが増えました。
最近実施したのは、過去記事【DIY】安定器が壊れた蛍光灯のLED化-HIVケーブル活用方法にて紹介した、1階和室に天井設置された照明器具のLED化工事です。写真のように、4灯中1灯が点灯しなくなったので、点灯しない蛍光灯を含む、内側の2本をLED化しました。
また、先日もリビングの照明器具(スリム丸型蛍光灯)の2灯中1灯が点灯しなくなったので、LED化工事を実施しています。(その内容は近日中に記事にする予定です。)
今後も蛍光灯が寿命を迎えた器具などから、順次LED化を実施していく予定なので、天井の照明器具に対する工事頻度は、今後ますます増えていくでしょう。
天井設置の照明器具を工事する際にちょっと面倒なのは、工事が完了した後の動作確認です。天井設置の照明器具は電源接続部が”引掛けシーリング”になっているものが多いので、基本的には照明器具が元々あった場所(天井)に設置してから動作確認する流れになります。
それで問題なく動作すれば全く問題はないのですが…もし工事に欠陥などがあって、天井設置後に動作しなかった場合は、今一度、天井から器具を外して工事し直しするという手間が発生します。2度手間というのは気持ち的にとても嫌ですよね。。。
2.天井設置照明器具の動作確認用電源ケーブル
工事が完了した照明器具を、天井に設置してから動作確認する場合は、工事の欠陥が発覚した場合に再度取り外して作業するという手間が発生します。天井に設置することなく動作確認が出来れば、その手間の発生リスクがなくなってとても良いですね。
そこで今回は、天井に設置することなく照明器具を動作確認出来る電源ケーブル(治具)を作成していきます。
準備したのは写真の3部品です。
まず、ケーブルには電気工事で使用するVVFケーブル(芯線Φ1.6mm)の端材を使用します。見るからに電気工事士実技試験の練習に使用したケーブルですね。^^
照明器具との接続部分にも、電気工事士実技試験の練習用に使用していた引掛けシーリングを使用します。(新たな照明器具を購入すると、引掛けシーリングも付属されてくることが多いので、使用することなく眠っていました。)
そして、上記のケーブルを家庭用コンセントの100V電源に接続できるようにするために、下記のような平型プラグを購入しました。(どんなものでもいいですが、最近ではオーム電機さんのものがとても安価ですね。)
上記の3部品を使用して、照明器具の動作確認用電源ケーブルを自作していきます。
3.照明器具の動作確認用電源ケーブルの作成
それでは、照明器具の動作確認用電源ケーブルを作成していきます。
まずは、VVFケーブルのケーブル被覆を剥いて、電気工事士試験の実技試験でも必ず出題される「リング加工」を実施していきます。
リング加工の詳細は、ケーブルのリング加工と露出型機器へのケーブル接続にてまとめていますので、ご参考にしていただければと思いますが、ケーブルの芯線を20mmほど露出させた状態で、芯線先端を ホーザン製VVFストリッパー”P-958”でつまんで”くるりんぱ”です。(上島竜平さんのご冥福をお祈りします。)
リング加工が出来たら、平型プラグのケースを固定しているネジを外して分解し、中にある端子にケーブルのリング部分をネジ止めしていきます。(下写真参照)
なお、こちらの平型プラグは、市販の延長コードなどに使用されるような、芯線がより細い平型ケーブルの使用を前提としているので、VVFケーブル(芯線Φ1.6mm)を接続して、プラグのケースがしっかり閉まるか?心配でしたが、全く問題なく接続することができました。(問題なくネジ止め出来ました。)
まあ、多少ケースが浮いていたとしても、動作確認にしか使用しないので問題ないとは思ってましたが。^^
続いて、ケーブルの反対側に引掛けシーリングを接続していきます。
こちらの作業も、詳細を引っ掛けシーリングへのケーブル接続にてまとめていますので、ご参考にしていただければと思いますが、作業の内容は極めて簡単です。
ケーブル芯線をむき出しにする寸法を、引掛けシーリングに刻印されているストリップゲージで確認し、その通りに被覆を剥きます。(概ね10mm程度です。)それを、引掛けシーリングの接続端子(穴)にしっかり挿入して接続完了です。(どなたでも出来る簡単な作業ですね。)
以上で、照明器具の動作確認用電源ケーブル(治具)は完成です。
完成した電源ケーブルは写真のとおりです。プラグに挿しこんでいるIVケーブルの芯線被覆が露出していて、ちょっとみすぼらしい感じにはなりましたが、動作確認にしか使用しないものなので、良しとしましょう。
4.動作確認用電源ケーブルで照明器具を動作確認
では、作成した動作確認用ケーブルを使用して、照明器具の動作確認を実施してみましょう。
動作確認に使用するのは、先日LED化工事を実施したリビングの丸型蛍光灯です。
まず、作成した動作確認用電源ケーブルの引掛けシーリング部分を、照明器具のアダプタと接続させます。(写真をご参照ください)
その状態で、アダプタと照明器具の接続を行い、動作確認用電源ケーブルの平型プラグと家庭用電源コンセント(延長コード)を接続させれば、照明器具に電源(100V)が供給されるようになります。
さて、LED化工事を実施した照明器具(リビング蛍光灯)は問題なく動作するでしょうか?
結果は…2灯とも無事に点灯させることが出来ました。(LEDの光で、周りが相対的に暗く映っていますが、床置き状態で照明器具を点灯させることが出来ています。)
動作確認用に作成した電源ケーブルも、今回LED化工事した照明器具もしっかり工事できたことが確認できましたね。
照明器具を天井に設置する前に動作確認する電源ケーブル(治具)の作成方法は以上になります。とても簡単に作成できますので、照明器具をDIYで工事しようと考えている方は、事前に一つ作成しておくことをおススメします。(以降、ずっと使用できますので。)