【検証】ボタン電池SR44仕様のノギスにLR44は使用できる?

SR44仕様のデジタルノギスにLR44は使用できるか?違いは?

右近次のDIYに使用しているミツトヨ(Mitutoyo)製デジタルノギスの電池が切れました。使用していたボタン電池は”SR44SW”だったのですが、そのサイズが大量ストックしている”LR44”と同じに見えたため、その仕様差(違い)や互換性を調査して、右近次のDIY使用条件において代用は可能か?考察してみました。皆様のDIYのご参考になれば嬉しいです。(なお、考察はあくまで個人の感想になります。^^)

1.DIYで活躍のMisutoyo(ミツトヨ)製デジタルノギス

長年愛用しているミツトヨ(Mitutoyo)製デジタルノギスの電池が切れた

前職で使用していたMitutoyo製デジタルノギス。職種が変わってお仕事で使用しなくなったので、自宅に持ち帰ってDIYで使用していますが、DIYで各部の寸法を計測するのに大変重宝しています。

お仕事で使用することがなくなり、校正などをかける機会がないので、現時点で正確な寸法が測れているか?は、もはやわかりませんが、DIYで使用するのに十分な精度はKeepしていると思っています。

今回はDIYで重宝し続けているデジタルノギスの電池が切れたので、新しい電池を準備していきます。

2.デジタルノギス用ボタン電池:SR44SW

ミツトヨ(Mitutoyo)製デジタルノギスで使用していたボタン電池はSR44SW

電池蓋を取り外して、使用されている電池を確認すると、型番が”SR44SW”となるボタン電池が使用されていました。

サイズ的には、大量に購入してストックしている”LR44”と同じように見えます。価格を調べてみると、”LR44”がアホみたいに安く売られている状況に対して”SR44SW” はとても高価です。

となると「無駄なお金は極力消費しない」右近次の血が騒ぎます。「これってLR44で代用できるんじゃね?」と。(笑)

まずは、”SR44SW”の仕様を確認します。型番としては、”SR44”と”SR44SW”(更に”SR44W”)が存在するようなので、それぞれの仕様、及び価格を確認します。

 型番 種類 サイズ 厚み 電圧  特徴 用途 価格
SR44酸化銀電池約Φ11.6mm5.4mm1.55V高精度
/高耐久
精密機器20個
¥1,500程度
SR44W酸化銀電池約Φ11.6mm5.4mm1.55V高精度
/高耐久
デジタル腕時計
SR44SW酸化銀電池約Φ11.6mm5.4mm1.55V高精度
/高耐久
アナログ腕時計10個
¥3,000程度

仕様的には精密機器に使用する高精度・高耐久電池が”SR44”シリーズで、更に時計に特化した最高級品が”SR44W”及び”SR44SW”になるようです。ということは、私のノギスは本来であれば”SR44”で良いところを、最高級品の”SR44SW”が使用されていたということでしょうか?(参考までに、商品リンクを下記に貼っておきます)

3.安価なボタン電池:LR44 *SR44シリーズとの比較

それでは、私が大量にストックしている”LR44”のスペックを、”SR44”(SR44SW)と比較してみましょう。

 型番 種類 サイズ 厚み 電圧 特徴 用途 価格
LR44アルカリ電池
(二酸化マンガン)
約Φ11.6mm5.4mm1.5V安価版一般機器20個
¥300以下
SR44酸化銀電池約Φ11.6mm5.4mm1.55V高精度
/高耐久
精密機器20個
¥1,500程度
SR44SW酸化銀電池約Φ11.6mm5.4mm1.55V高精度
/高耐久
腕時計10個
¥3,000程度
ボタン電池SR44SWとLR44の外観 サイズは同じ

仕様を比較すると、電池のサイズは同じです。異なるのは”電圧”と”精度・耐久性”です。

電圧差はたったの0.05Vです。0.05Vの差圧で動作しない機器を探す方が難しい気がしますので、”LR44”を使用しても。ノギスの動作自体は可能と思われます。

問題はノギスの精度ですね。0.05Vの電圧差、及びその電圧精度がどの程度測定精度に影響するか?を考慮する必要がありそうです。  

耐久性としては、価格差がまとめ買い条件で実に5倍以上の値差がありますので、”SR44”の耐久性が”LR44”の5倍以上なら長い目で見た時の価格は同等と言えます。しかしながら、右近次のDIYではノギスの使用頻度がそれほど高くありません。機器を動作させる時間より放置している時間の方が圧倒的に長いと思われますので、電池のほとんどが自然放電に使われることを考えると、右近次のような使用環境では安価なLR44で十分な気がします。LR44は十分なストックがあるので、電池がなくなれば、即時新しい電池に交換できますし。(参考までにLR44の商品リンクを下記に添付します)

4.Mitutoyo製デジタルノギスはLR44でも動作するか?

では、実際のノギスで動作を確認していきましょう。

ミツトヨ(Mitutoyo)製デジタルノギスはLR44でも動作しました

結果は…予想していたとおり、ちゃんと動作しました。(笑)

しかしながら、前述したとおり問題は精度です。電圧差、及びその精度がどの程度測定結果に影響するか?を考慮する必要があります。

デジタルノギスの動作原理を簡単に調べたところ、ノギスの可動部が測定によってズレるのを”静電容量の変化”で検知して、デジタルの数値に変換する原理なのだそうです。そうなると、0.05Vの違い、及びその精度がどの程度測定結果に影響するのか?ということがポイントになりそうです。

前職の測定では、樹脂成型品の出来を0.01mm単位で測定して管理するということをやっていました。よって、電圧差による測定誤差が致命的になる可能性がありました。(”LR44”では、測定器として校正に合格できない可能性がありますね)

ただ、右近次のDIYでは「使用する管の径はΦ25mmなの?Φ26mmなの?」というレベルでの測定でしか使用しません。仮に0.01mmの領域を精度で測定できたとしても、その精度での加工ができませんので、そのレンジの誤差は全く問題になりません。

よって、右近次の出した結論としては「DIYレベルの測定で使用するノギスでは、LR44でOK!」になります。(本来は、”SR44”と”LR44”で同じものを測定し、結果を比較するべきですが、電池容量のある”SR44”が手元になかったため、比較測定を省略しました。性格が大雑把ですいません。)

ただし、”SR44”は電池が少なくなってきても安定的に電圧を保持することが出来るようですが、安価な”LR44”では、劣化時の電圧低下が著しいようです。電池残量が少なくなったら早めに交換するよう心掛けていきます。

・LR44とSR44の違いを調べた感想

まず、今回の調査結果で一番疑問に感じたのは、”LR44”と”SR44”で、なぜ電圧が0.05Vだけ違っているのか?という部分です。技術的なことはよくわかりませんが、そんな意地悪しないで同じ仕様にすることができるような気がします。その辺はもう少し親切にしてもらいたいですね。

仮に、消費者が機器によって使い分けれるように電圧差を設定したのだとすれば、その辺も大きなお世話です。「動作の互換性はあるけど精度が違うよ」というのを明記した上で、その辺の選択肢は消費者にゆだねればいいんじゃないかと思います。精度や耐久性が許容できる人がたくさんいると思うので。

逆に、「”LR44”の電圧精度が1.5V±〇Vで、それによって測定値に与える誤差は±Xmmです」などと明確にしてもらった方が、消費者が選択しやすいです。その辺を業界として考えてもらえたらなーなんてことを思いました。(八王子のおっさんがそんなことを一人で考えても何も変わりませんがね:笑)

あと”SR44”を”LR44”で代用するにあたり、注意しなきゃいけないのは液漏れですかね。SR44シリーズの方が液漏れしにくい仕様になっているようなので、”LR44”を高価な機器に使用する場合は電池を小まめにチェックする必要があります。ただ、私のノギスでは、長期放置していた”SR44SW”でも多少の液漏れ?(端子の緑青)が発生していたので、その辺のリスクは放置したら変わらないような気もしてます。

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