長いこと使用することがなかった充電式ニッケル水素電池用の古い充電器、Panasonic製の”BQ-320”と、SANYO製の” NC-TGR01”(eneloop用)について、現行のTOSHIBA製充電乾電池” IMPLUSE 2,450mA”を購入して、その充電動作とメーカー互換性などを検証しました。下記リンクにて動画も公開しておりますので興味がある方のご視聴をお願いします。【検証】ニッケル水素電池用の古い充電器の動作と互換性を確認する
目次
1.充電式ニッケル水素電池-繰り返し使える乾電池
ゲーム機器用のリモコンやコンパクトデジカメなど、使用頻度の多い乾電池電源機器では、充電式の電池がとても重宝されました。我が家でも子供たちが小さかった頃は、Nintendo Wii用のリモコンに使用する充電式乾電池を常備していましたね。
しかしながら、子供たちが大きくなるにつれてWiiが使用される機会も減り(リモコンもUSB充電式になり)、スマホの普及でコンパクトデジカメなどを持ち歩くこともなくなりました。そして、充電池も繰り返し使用で充電量が減ってしまい、普通の乾電池と間違えて捨てられてしまったりして…結果として今現在は、充電器のみが存在しているご家庭も多いのではないかと思います。
今回は、テレビ台の引き出しの中で長いこと使用されずに眠っていた充電式ニッケル水素(NI-MH)電池用の2つの充電器 ”Panasonic製BQ-320”と ”SANYO製 NC-TGR01”(eneloop用)について、今でも充電できるのか?を確認して、異メーカー電池の互換性なども含めて検証したいと思います。
2.Panasonic製 急速充電器 BQ-320
今回検証する1台目の充電器は、Panasonic製の急速充電器 BQ-320です。既に(とっくの昔に)生産が終了している商品です。変色したケースが時間を感じさせますね。^^
製品のスペックは下記のとおりです。
- 適合電池:ニッケル水素電池 単三(HHR-3SPS 2400mAh/HHR-3GPS 1700mAh)
- 充電本数:1~2本
- 定格出力:DC1.5V 1.4A
- 充電時間:HHR-3SPS 2400mAh-約120分/HHR-3GPS 1700mAh-約85分
取扱説明書に適合電池として明記されているのは、Panasonic(自社)製の2種類の電池のみですが、まあ、充電式のニッケル水素電池であればどれでも使用できるでしょう。ただし、現在流通しているニッケル水素電池の定格電圧は1.2Vとなっていますが、この充電器は1.5Vで充電する仕様のようです。この辺が仕様としてどうか?ですね。そして、充電電流は1.4Aとまあまあの高電流を流す仕様になっています。
重複しますが、かなーり古い充電器です。今も使用できるか?は正直半信半疑です。
3.SANYO製 充電器 NC-TGR01
2台目の充電器は、SANYO製 eneloop用充電器 NC-TGR01です。こちらも既に生産が終了しています。っていうか、SANYOという会社も既にない気がしますが、電池のブランドとしては残っているのかな??充電器の見た目は綺麗ですが、こちらもかなり古い製品です。
製品のスペックは下記の通りです。
- 適合電池:ニッケル水素電池 単三・単四
- 充電本数:1~4本
- 定格出力:DC1.2V 通常-560mA/倍速-1120mA/3倍速-1680mA
- 充電時間:1900mAh 通常-約220分/倍速-約110分/3倍速-約75分
こちらは単三と単四の両方に対応していて、同時に4本充電できる充電器です。充電する本数や電池を設置する場所によって充電電流が異なる仕様になっていて、両サイドに2本のみ充電した場合は倍速充電、サイドに1本だけ充電した場合は3倍速充電になる仕様です。充電電圧は1.2Vと控えめですが、3倍速充電では、1680mAとPanasonic製の急速充電器よりも大きな電流を流す仕様になっています。
こちらはPanasonic製の急速充電器と比較すると見た目が随分と綺麗なので、恐らく使用できるかな?と思っています。
4.充電式ニッケル水素電池-東芝製 IMPULSE
各充電器の動作確認用に購入した充電式ニッケル水素電池は下記です。両方の充電器で使用可能な単三にて、充電器と違うメーカのTOSHIBA製電池を購入して互換性を確認します。
なお、検証する充電器がかなり古いため、今回は電池の品質にはこだわって、安心の日本製を購入しました。同じIMPLESEでも容量によって日本製と中国製が存在していて、上記と近い高容量タイプでいうと2400mAh仕様は中国製です。日本製は2450mAhになるので購入の際は注意してください。ただし、日本製の方は価格は高いです。(信頼をお金で買う感じですね。)
5.充電器の動作確認-電池を充電できるか?
日本メーカが販売している充電池は購入時にはしっかり充電されているので、まずは購入時点での電池電圧を確認します。
テスターの測定レンジを直流モードにして測定した初期電圧は1.3Vでした。(電池の定格電圧は1.2Vですが、満充電状態ではそれ以上の電圧が出るようです。)
それを単三電池で駆動する携帯用のエアーポンプ(釣行時に釣った魚を活かしておくために使用する”ぶくぶく”)にセットして30分稼働した後の電池電圧は1.25Vになりました。(0.05V程電圧が下がりました。)
今回は、この状態で各充電器で充電を行って、充電後の電圧が1.25Vから上がったか?で充電できたかを判断したいと思います。
その前に、各充電器に通電状態で電池をセットして「充電中」の状態になるか?を確認します。(これが出来なかったら検証は終了です。)
まずはPanasonic製の急速充電器から確認します。コンセント挿しただけで点灯するLEDなどはありませんが、電池をセットすると電池横のLEDが点滅し「充電中」の状態になりました。第一関門は突破です。なお、こちらの充電器は充電が完了すると点滅していたLEDが常時点灯状態になります。
次にSANYO製の充電器を確認します。コンセントに挿すと各LEDが順番に1回だけ点灯し「通電」したことを知らせてくれました。そして、電池をセッティングすると電池をセットした箇所のLEDが常時点灯し「充電中」の状態となりました。こちらも問題ないですね。なお、こちらの充電器は充電が完了すると点灯していたLEDが消灯します。
各充電器が「充電中」になることが確認できましたので、電池をすべて1.25Vにした状態で、各充電器で2本ずつ充電していきます。なお、4本充電できるSANYO製の充電器については、中心側に2本をセットして通常充電モード(560mA)で充電しました。
各電池が満充電状態になった状態で、電池電圧を測定した結果は下記の通りです。
充電前電圧 | 充電時間 | 充電後電圧 | 充電結果 | |
Panasonic製 | 1.25V | 約1時間 | 1.45V | OK |
SANYO製 | 1.25V | 約1時間 | 1.45V | OK |
4本すべての電池で充電後の電圧に上昇がみられました。結果として、どちらの充電器も無事に充電が行われたと判断してよいと思います。
しかしながら、充電時間については急速充電のPanasonic製の方が充電電圧、充電電流ともに高いはずでしたが、電池が「充電完了」を示すまでの時間にほとんど差が出ませんでした。充電後の電池表面の温度も、SANYO製はほんのり暖かい感じなのに対して、Panasonic製は熱々です。まあ、日本メーカーの充電器なので破裂したりはしないでしょうが、電池へのダメージ(繰り返し使用回数に影響)などを考えると、今後はSANYO製の充電器を使用して、通常モードでじっくり時間をかけて充電した方が良いですね。
いずれにしても、どちらの充電器もしっか動作(充電)してくれました。そして、異なるメーカーの充電式電池でも問題なく充電することが確認出来ました。
・眠っていた古い充電器の動作を確認した感想
今回はテレビ台の中で長いこと使われることなく眠りについていた2種類の古い充電器の動作を確認し、両充電器ともに問題なく動作することを確認しました。以降の釣行ではエアーポンプに繰り返し使用して有効活用したいと思います。
しかしながら、電池に余計な負荷をかけない充電方法は「弱電流をじっくり」だと思っていますので、今後はPanasonic製は使用せずに、SANYOさんの”遺品”を使用して行きたいと思います。(単4電池も追加で購入します。)
また、今回は敢えて各充電器のメーカとは違うメーカー製の電池を購入してメーカー互換性があることを確認しましたが…実はこの結果はなんとなくわかっていました。というのも、電池については各メーカ(東芝・Panasonic・富士通・etc.)からいろいろな種類の電池が販売されていますが、製造している電池メーカはほぼほぼ共通だと聞いています。もちろん例外はあると思いますが、各社の電池はロゴなどが印刷されているパッケージが違うだけで中身が一緒の場合が多いので、互換性があるのはある意味当たり前だったりします。