我が家の芝生はリョービ(京セラ)製 電動バリカン AB-1620で芝刈りしていますが、常にしゃがんだ状態での作業になるため、夏場は作業がとても大変です。そこで今回は、芝刈りの作業を楽にする”ポール&スライダーセット”を購入したので、その使用感などをレビューしたいと思います。下記リンクにて”ポール&スライダー”初使用の動画も公開していますので、合わせてご参考にしてみてください。【芝生】10年放置した芝生を再生する #12 芝刈り用電動バリカンにポール&スライダーを装着して芝刈り作業を楽にする!
目次
1.電動バリカンでの芝刈り-リョービ(京セラ) AB-1620
我が家の芝刈りは、リョービ(京セラ)製の電動バリカン AB-1620にて行っています。
広い芝生をお持ちのお宅では、大部分をロータリー式の芝刈り機で芝刈りして、際刈り限定で電動バリカンを使用されると思いますが、我が家の芝生は面積が狭いこともあり、芝生の全エリアを電動バリカンで芝刈りしています。
電動バリカンでの芝刈りは、基本的にはしゃがんで行うことになります。面積が狭いと言っても、全エリアをしゃがんで刈りこむのは意外と大変です。
また、我が家では刈り高さを少し高めの25mm設定で芝刈りをして、長めの芝生を楽しんでいるため、1方向から刈っただけでは芝生が逃げてうまく刈れません。いろいろな方向から電動バリカンを入れて刈りこむ必要があるため、1回の芝刈りで1時間以上の時間がかかることが多く、夏場の暑い時期の芝刈りはとても厳しい作業となっていました。
芝刈りが重労働だと、芝刈りをする頻度がどうしても低くなります。芝生の育成には良くない悪循環となってしまうので、芝刈りの作業を楽にして頻度を高くすることが課題となっていました。
2.電動バリカンの作業性を向上させるポール
以前の記事【芝生】バリカンの替え刃交換と刃研ぎ-リョービAB-1620にて、リョービ(京セラ)製 電動バリカン AB-1620の刃研ぎをご紹介しましたが、その”替え刃”の販売状況を調べていく中で、電動バリカンを立った状態で使用できるようにする”ポール”が、オプション部品としてラインナップされていることに気が付きました。(よく見たら、本体の箱にも記載されていましたけど…)
また、その商品は”ポール”単品でも購入できますが、電動バリカンの下部に装着できる”スライダー”と呼ばれる部品とのセットでも販売されています。今回は下記の「ポール&スライダーセット」を購入して、芝刈りの作業性がどれほど改善するのか?確認するとともに、その使用感などをレビューしていきたいと思います。
3.電動バリカン AB-1620用 ポール
まずは、電動バリカン用ポールの仕様や取り付け方などをレビューします。
3.1 電動バリカン用ポール:電動バリカン取り付け部
電動バリカンの取り付け部は写真のようになっていて、取り付けた電動バリカンとポールの角度を変えることが出来る仕様になっています。掃除機のや床掃除用のワイパーのヘッドのようなイメージですね。
ただし、調整可能な角度は5段階で、電動バリカンとポールが水平になる状態を0°(ポールが垂直になる状態を90°)とした時に、0°~60°くらいになるイメージです。正直、あまり広い角度に調整できるようにはなっていません。安全性などを考慮して、自分の足元の芝生は刈れない(前方しか刈れない)仕様になっているのだと思われます。
なお、取り付け角度は、可動軸の写真裏側に設けられた蝶ボルト(ネジ)を締め付けることで、固定することが出来ます。(角度を変える場合は蝶ボルトを緩めて調整します。)
ポールに対するバリカンの向きは変えられません。安全性を考慮してのことでしょうが、この辺が作業性に対してどう影響するか?が確認のポイントになりそうですね。
電源ケーブルは本体と接続するためのケーブルが写真のように固定されています。(ポールからは外せない仕様です。)電動バリカンの電源ケーブルをこちらに挿すだけで本体に通電できるので、接続した電源ケーブルを誤って切断しないよう考慮された仕様になっていますね。
3.2 電動バリカン用ポール:グリップ部
グリップ部分の構造は写真の通りで、スイッチは電動バリカン本体と同じくダブルスイッチ方式です。写真の親指のところにあるセーフティーロックボタンを押した状態で、ハンドル部のトリガを握りこむことで動作するという、安全性が考慮された仕様になっています。
なお、セーフティーロックボタンは電動バリカンを”始動”させる際に使用するボタンになります。動作させたまま連続運転させる場合は、押されたままの状態になるので、押し続けなくても(押している指を離しても)OKです。
電源ケーブルは、電動バリカン取り付け部とポールを介してつながっている電源ケーブルがポール端から出ていて、本体側の延長コード(10mのものが付属)と接続できるようになっています。
3.3 電動バリカン用ポール:電動バリカンの取り付け
ポールへの電動バリカンの取り付けは簡単です。(説明書を読まずに取り付けできました。)
まず、電動バリカンの持ち手のパーツ(ハンドルカバー)を写真のようにスライドさせて取り外します。(今まで長くこの電動バリカンを使用してきましたが、こんなところが外せるなんて知りませんでした。)外したハンドルカバーは、電動バリカン単体で使用する時に必要となるので、なくさないようにしましょう。
ハンドルカバーを取り外してできた溝にポール先端のジョイント部をスライドさせて嵌め込み、電源ケーブルを接続すれば取り付け完了です。
なお、ポールの取り付け部の両側には電動バリカンの取り付けをロックする”つまみ”がついています。(下記写真の表面がギザギザになった部品です。)取り付けの際には、その”つまみ”が「カチッ」と嵌ったことを確認してください。
電動バリカンをポールから取り外す際は、ロックしている両側の”つまみ”を2本の指で挟むように押さえてロックを解除し、電動バリカン本体をスライドさせて取り外します。
なお、本体取り付け部の構造をよく確認できてませんが、ポールを装着した状態では電動バリカン側の電源は「常時ON」の状態になっていると思われます。本体側の電源が「常時ON」になることで、ポール側のスイッチでの「ON/OFF」が可能となるはずなので。
4.電動バリカン AB-1620用 スライダー
続いて、スライダー側の仕様と取り付け方などをレビューします。
4.1 電動バリカン用スライダー:スライダー仕様
まず、スライダーの外観は写真のような感じです。スノーモービルみたいな”そり”のような形状ですね。
電動バリカン本体側には、刈り高さの調整と刈りこんだ芝生を集める”グラスレシーバー”というパーツが取り付けられていますが、それを外した箇所に取り付ける製品になります。
用途(役割)もグラスレシーバーと同じで、刈り高さの調整と刈った芝生の収集です。
刈り高さはグラスレーシーバーと同様に、15mm、20mm、25mmの3段階に調整できます。刈り高さ(電動バリカンの位置)を調整したら、スライダーの裏面にその状態を保持する”固定レバー”(写真参照)が付いているので、その”固定レバー”を「固定」側にひねって、芝刈り中にズレないように固定します。(高さを変える時は”解除”側にレバーをひねります。)
刈った芝生を集める機能については、本体側の”グラスレシーバー”は、サイズが小さくて芝生がほとんど集められませんでしたが、こちらのスライダーはサイズが大きいので、収集キャパが大幅UPしていることを期待しましょう。(結果は後ほど)
また、スライダー前面には、刃が芝生周りの障害物に当たることを防止するための”バー”(刃物ガード)が装着されています。本体側にも既にブレードガード(刃の直下にあるオレンジ部品)が装着されていますが、ポールを介して芝刈りすることで、目線が遠くなって、細かい調整が難しくなることを考慮して、ダブルで刃を保護できる構造になっているのだと思います。
4.2 電動バリカン用スライダ:電動バリカンへの取り付け
電動バリカンへの取り付けは、4.1で説明した通り、本体側の”グラスレシーバー”を外して取り付けます。(写真はグラスレシーバーを取り外している写真です。)
本体側の”グラスレシーバー”は、写真の親指部を押すことで着脱や刈り高さ調整が出来る仕様でした。しかしながら、スライダーに関しては、その場所に”固定レバー”があって、それが押せるような形状になっていないので、取り付け時にちょっと戸惑いました。
構造をよく確認したところ、グラスレシーバを着脱する際に押す部分の本体側には、スプリングで上下するロック機構が付いています。そのロック機構を押し込まないとグラスレシーバーやスライダーの着脱が出来ない構造です。しかしながら、スライダーのその部分にある”固定レバー”は単体では押し込めない構造ですので…スライダーを着脱する際には、スライダー全体を電動バリカン本体側に押し込んで、ロック機構が押し込まれた状態にして着脱する必要があります。ちょっとコツが必要な解り難い作業ですね。
構造を理解したうえで、いろいろと試行錯誤してみた感じでは、スライダ側を地面の上に置いた状態で、電動バリカンを上から押しこむ感じで装着すると、ロック機構も押し込まれて、うまく装着できるようです。
リョービさんの電動工具類は、電動トリマー、サンダー、ジグソーなど複数種類の工具を愛用させてもらっていますが、どれも作業がわかりやすく「流石!」と言える仕様になっていました。それに対して、このスライダーの装着性はちょっと残念ですね。そんなに頻繁に着脱する部品ではありませんが、改善が必要なレベルです。(クレームが来てもおかしくないです。)
5.電動バリカン用ポール&スライダーの使用感
各部品の確認が終わったら、実際に芝刈りに使用してみます。
使用してみて最初の感想は…「何と言っても作業が楽!」になりますね。しゃがんで這いつくばった状態での芝刈りと比較すると差が明確です。人間は一度楽を覚えてしまうと元には戻れませんので、このポールはもう手放せそうにないですね。
スライダーも元々の”グラスレシーバー”より底面積が大きい分だけ安定性に優れ、水平に動いてくれるので、刃が斜めになって芝生を刈りすぎてしまうことが防止できそうです。
しかも、”そり”のように芝生の上を”するする”滑ってくれるので、刈込み作業中も余計な力が不要でとても快適です。
刈った芝生は、刃の上に乗ってしまう構造なので、一度電動バリカンをスライドさせただけでは回収することはできませんが、芝生の上を繰り返しスライドさせることで、スライダー内に回収することが出来ます。(刈った芝生が刃の下をくぐって回収されていきます。)収集キャパはグラスレシーバーと比較すると確実に向上していますが…それでもまだ足りない気がしましたね。(グラスレシーバーはとにかく芝生を回収しなさ過ぎました。:笑)
以上が、ポール&スライダーを使用して芝刈りした時の”ファーストインプレッション”になります。使用感は概ね良好です。(おすすめはできると思います。)
以下には、ポール&スライダーを使用した芝刈り作業を実施していく中で感じた、不満点や気が付いた点を挙げてみます。
まずは、小回りが利かない点が少し不満に思いましたね。スティック掃除機で掃除するかの如く楽に掃除できますが、掃除機と異なる点は、掃除機のヘッドにあたる電動バリカン部分が自由に動かないことです。ポールの角度だけは5段階で調整できますが、3.1で説明した通り、可動範囲が狭く、最大となる角度に設定しても、足元付近の芝生は刈れません。日本メーカーの製品なので、安全性を最重視した仕様になっているのは理解していますが、掃除機のようにヘッドが自由に動いてくれると作業が圧倒的に楽になると思いました。蝶ボルトを緩めてポールの角度固定をしない状態で作業することで、少しだけ作業性が改善されたような気がしますが…やはりどうしても掃除機などの作業性と比較してしまうので、小回りが利かない感はとても強く感じてしまいます。
あとはこちらは慣れの問題かもしれませんが、芝刈りの加減がし難いです。今までは「あ、ここはちょっとそのまま刈ると軸刈りになりそうだから、ちょっと刈込みを甘くしておこう。」というような、その場での微調整が出来ていたのですが、ポール付きでの芝刈りでは、立ったままで芝生を見て刈りこむので、そのような微調整ができなくなります。特に使用になれるまでは少し注意が必要な点ですね。(写真は今回の芝刈りで軸刈り気味になってしまったエリアです。)
最後は、刃物ガードが大きすぎて細かい部分が刈りにくいことです。ポールを介しての芝生はどうしても雑になりがちなので、その分だけ安全性を高めてガードを大きくしたい!という設計思想は理解できるのですが、安全性を高めることで作業性が悪くなったりするのであれば、それをどうするか?をユーザーにゆだねられるようにするべきなかと思いました。例えば、刃物ガードを着脱可能な仕様にしておいてくれれるだけでも、ユーザーがその辺を選択することが出来てよかったと思います。
上記を踏まえて、ポール&スライダーを使用して芝刈りした時の良い点、悪い点をまとめると下記のとおりとなります。
- 良い点
- 作業が圧倒的に楽になる
- 刃が斜めにならないので刈り高さが安定する
- 刈った芝生の収集能力が高くなる
- 悪い点
- 小回りが利かない(ヘッドとなる電動バリカンが動かない)
- 芝刈りが雑になって微調整が利かなくなる
- 刃物ガードが大きくて細かい部分が刈れない
まあ、総合的に考えれば「作業が圧倒的に楽になる」点が大きいので、右近次的には”是非、使用したい部品”と言えます。しかしながら、やはり掃除機のヘッドにあたる電動バリカンが動かないのは非常に残念ですね。(しつこくてすいません。笑)
・電動バリカン用ポール&スライダーを購入した感想
今回、ポールとスライダーを購入したことで、芝刈り作業が格段に楽になりました。こんないいものはもっと早く購入しておくべきでしたね。そして、今年の芝生の育成シーズンはもう終盤です。最盛期となる夏前くらいにに購入しておけばよかったなと強く後悔しました。
また、作業が楽になったことで、今までよりも芝刈り頻度を上げることが出来そうです。それにより、芝生の密度も上がる可能性があるので、その辺の効果を、来シーズンの芝生育成の中で確認して行ければと思っています。