前回記事【DIY】ガス給湯器ecoジョーズのエラーコード290の直し方では、我が家のガス給湯器に出た「エラーコード290」を中和器洗浄で解消しましたが、ecoジョーズ給湯器の中和器の関連のエラーには、他にも「エラーコード920」及び「エラーコード930」という有名な?エラーがあります。今回は、そのエラーコードがどんな条件で出るようになるのか?などをまとめるとともに、そのエラーの解除方法などを紹介していきます。ご参考になれば、嬉しいです。
目次
1.ガス給湯器ecoジョーズの中和器不良:エラーコード290
ある朝、息子がシャワーを浴びていると、「お湯が出なくなった…」とアラームが上がりました。取り急ぎは、電源プラグを抜いて給湯器をリセットし、なんとかその場をしのぎましたが、これから来る厳しい冬に向けて早急な対処が必要です。
対象のガス給湯器は、ノーリツ製ecoジョーズ GT-C2452(S)AWX-2です。丸8年使用した給湯器ですが、気持ち的にはまだまだ稼働して欲しい給湯器です。
リモコンの給湯温度を設定する「△」と「▽」を2秒間同時に押すと、給湯器のエラー履歴などの確認モードに入ることが出来ますので、そのモードに入って「91」~「98」の故障履歴が確認したところ、今回、給湯が停止したエラーは、”エラーコード290”であることがわかりました。
”エラーコード290”は、ecoジョーズ特有の「中和器」のエラーです。
従来の給湯器では、燃焼するガスで水を加熱し、その排熱は排気口からそのまま排出(排出温度は200℃程度)されていましたが、ecoジョーズでは、従来はそのまま排出していた200℃の排熱を、50℃くらいになるまで再利用してから排出します。(ecoジョーズの原理イメージは図のとおりです)
原理的にはとても理にかなったエコなecoジョーズシステムですが、その副産物として、排熱を再利用する(排気が冷やされる)過程で大量の結露水が発生します。そして、その結露水は、排気に含まれていた成分が溶け込んで酸性になりますので、そのまま排出することが出来ません。
そのために必要となるのが、酸性の結露水を中和する「中和器」です。”エラーコード290”は、そのecoジョーズ特有の「中和器」に、詰まりなどの異常が発生したというアラームになります。
そこで、前回記事【DIY】ガス給湯器ecoジョーズのエラーコード290の直し方では、給湯器から「中和器」を取り出して洗浄し、中和器の詰まりを解消しました。(写真の白いプラスチックの箱が中和器です)
また、中和器洗浄後の結露水が中性(PH7.0)であることも確認できましたので、これで、メインとなる給湯部分が故障するまで(給湯器本来の寿命が来るまで)この給湯器を使用することが出来そうです。(中和器みたいな、メインでない箇所が故障して、給湯器を交換するなんて嫌ですからね!)
2.ガス給湯器ecoジョーズが突然使用できなくなるエラー
我が家では、ecoジョーズの中和器が詰まったことを示す「エラーコード290」が出てしまったため、給湯器から中和器を取り出して洗浄し、問題なく使用できるよう整備しましたが…実は、ecoジョーズ給湯器の中和器に関するエラーには、他にも有名な(悪名高き?)エラーがあります。(下写真は、給湯器の故障履歴確認モードで表示した「エラーコード290」です)
それが、中和器の不具合を示す「エラーコード920」及び「エラーコード930」です。
まず、給湯器を10年くらい?使用すると、リモコンに「エラーコード920」が表示されるようになります。ただ、その状態では、エラーが表示されて煩わしいだけで、給湯器はそのまま使用できます。
しかしながら、「エラーコード920」が出た状態で1か月ほど?更に使用すると、リモコンに表示されるエラーが「エラーコード930」に変わり、給湯器が完全に使用できなくなります。
先ほどまで使用できていた給湯器が、不調などの予兆もなく突然使えなくなるなんてショックですよね。。。そして、その時は、給湯器を10年程使用すると、突然訪れるんだそうです。(本当に怖いエラーです。)
3.エラーコード920・930が出る原因は?
ecoジョーズのガス給湯器を10年ほど使用すると突然出てしまう「エラーコード920」、そしてその給湯器が使用できなくなってしまう「エラーコード930」ですが、このエラーが出てしまう原因は何でしょうか?
ecoジョーズ特有の結露水の中和に必要な「中和器」の不具合であることはわかっていますが…実は、何が検出されて出てくるエラーなのか?よくわかっておりません。(調べてもわかりませんでした)
我が家で対応した「エラーコード290」は、同じ「中和器」のエラーですが、「中和器の詰まり」を検出した時のエラーです。中和器に取り付けられた「水位電極」(イメージ図参照)が反応して「中和器内の結露水が溢れそうだよ!」ということを伝えるアラームになりますので、給湯器内の結露水の経路の詰まりを解消して水位が安定すれば、エラーは解消できます。(我が家の場合は、中和器内部が詰まり気味だったようです)
それに対して、「エラーコード920」及び「エラーコード930」は、何が原因で出るエラーなのか?よくわかっていないので、修理対応は「中和器を交換する」もしくは「給湯器を交換する」などになります。
更に、この「エラーコード920」及び「エラーコード930」が闇深いのは、中和器に異常がなくても出てしまう可能性があることです。(「エラーコード920」が出た方が、中和器の状態を確認した結果、全く異常がなかったことなどが報告されています。)
ここからは、私なりの私見(妄想)も含まれますが、恐らくは、中和器の状態には関係なく、給湯器の使用時間や燃焼時間などの何かの指標が一定のレベルに達すると「エラーコード920」が出るようになっており、さらにそれが累積されることで「エラーコード930」が出るシステムになっているんじゃないかと思っています。(重複しますが、私の妄想ですw)
そして、大部分のユーザーさんは「エラーコード920」が出た時点で、「このまま使用するのは危険かも?」と判断して、メーカーのサービス窓口に電話したり、ガス屋さんに連絡したりすると思いますが…そこで「中和器の異常に伴う、給湯器の寿命ですね…」などとそれらしいことを言われて、給湯器を交換する流れになっているんじゃないかと。(邪推が過ぎますかね??ww)
また、更にこの問題が闇深いのは、「エラーコード920」「エラーコード930」が、我が家で使用しているノーリツさんの給湯器だけではなく、ecoジョーズを採用している給湯器メーカーすべてにスルーした共通仕様になっていることです。
もちろん、給湯器が安全に使用できることが最優先かと思いますが、この状況は…都市伝説となっている「ソニータイマー」なんかより、よっぽど悪質では??なんて思ったりもしていますが、皆様はどう思われますか?(しつこいですが、あくまで私見ですw)
4.中和器異常のカウント数を確認する
10年程度使用すると、中和器に異常がなくても出る可能性がある「エラーコード920」及び「エラーコード930」ですが、エラーが出てしまうタイミングなどは予測できるのでしょうか?
実は、その状況を確認する方法があります!
前述した、給湯温度設定ボタン「△」「▽」を2秒間同時押しして、給湯器のエラー履歴を確認できるモードに入って、「13」の項目を確認すると、3桁の数字が確認できます。(下写真参照)
これが「エラーコード920」及び「エラーコード930」に連動している「中和器異常」のカウント数になります。この3桁の数字のカウントが進み、「121」になると「エラーコード930」が出てしまって給湯器が使用できなくなるんだそうです。
我が家の給湯器は、8年使用時点で「072」ですので、1年の使用でカウントが「9」進んでいる計算になります。単純計算であと5年ほどで、使用できなくなる感じ??
まあ、上記は単純計算なので、実際には最近になって急激にカウントが進んでいるという可能性もありますが、気が付かないうちにサイレントでカウントが進んで、そのうち前触れもなく給湯器が使用できなくなるなんて、ホントに怖いですよねー。(給湯器はお安い買い物ではないので。。。)
5.中和器異常のカウントをリセットする
「エラーコード920」及び「エラーコード930」が出るまでの、中和器異常のカウントがどの程度進んでいいるか?を確認する方法は分かりましたが、我々にはこのカウントが進むのを指を咥えて眺めているしかないのでしょうか?
実は、このカウントをリセットする方法があります。(サービスマンさんが、中和器を交換した場合などにリセットするために設定されているのでしょう)
その方法は、前述の故障履歴確認モードとは違うモードに入る必要があります。
まず、給湯器の電源をOFFにして電源プラグを抜き、10秒以上放置後に、再び電源プラグを挿し込みます。
そして、電源プラグを挿して10分以内に、電源が入っていない状態で「風呂自動」ボタンを2秒長押しすると、給湯器の設定を変更するためのモードに入れます。
そこで、温度設定ボタン「△」及び「▽」を押して、「40」の項目に移動すると(中和器異常が検出されている状態では)写真のように右側に「oF」と表示されていることが確認できます。
この状態で「風呂自動」ボタンを押すと、この項目の設定変更モードに入りますので、その状態で、温度設定ボタンの「△」を5秒長押しすると、右側の表示が「on」に変わって、カウントがクリアされます。(クリア自体は簡単ですね)
では、今の操作で中和器異常のカウントが本当にリセットされたか?確認していきましょう。
温度設定ボタンの「△」「▽」同時2秒押しで、故障履歴などが確認できるモードに入って「13」の項目を確認します。
結果は写真のとおりです。カウントされていた「072」が「000」に変わったことが確認できました。
これで、しばらくは中和器異常を示す「エラーコード920」及び「エラーコード930」の恐怖に怯えずに暮らすことが出来そうですw
ただし、今回の我が家の給湯器に関しては、中和器の洗浄を行い、中和器の性能に問題がないこと(結露水の中性のph7.0であること)を確認してからカウントのリセットを行っています。
今更言うことではないかもしれませんが、基本的にDIYは自己責任です。中和器異常のカウント数をリセットする際には、中和器の交換、もしくは洗浄などで、中和器が問題なく動作することを確認した上で実施することが重要になると思います。安易に中和器異常のリセットだけをすることがないよう、ご注意くださいませ。
6.給湯器のサービスマニュアル
今回は、給湯器の設定変更モードに入って、中和器異常のカウントをリセットすることで「エラーコード920」及び「エラーコード930」に対しての対策を行いましたが、実は、故障履歴モードや設定変更モードへの入り方や、その操作方法などに関しては、それを詳細に説明しているマニュアルがあります。
写真のように給湯器の前面カバーを外すと、給湯器の中に袋があり、その中にサービスマニュアル的なものが同封されています。(もしかしたら、メーカーで対応が異なる可能性がありますが、写真は我が家のノーリツ製の給湯器です)
サービスマニュアルはA1サイズの用紙で、故障診断の判定フローや、前述の故障履歴モードや設定変更モードへの入り方、その操作方法などが明確に記載されています。
まあ、中和器以外の部分に素人が手を出すのは危険です(資格的にダメかもしれません)ので、あまりむやみに手を加えるのは良くありませんが、何か問題が起きた時のことを考えると、備えあれば憂いなしです。何か問題が起きた時に備えて、確認しておくのがいいかと思います。
また、エラーコードには、10年使用、もしくは3,600H使用時に点検を促す「エラーコード888」なども存在しています。こちらは故障したアラームではありませんので、無視しても大丈夫ですが、出ても慌てないよう認識しておきましょう。(「エラーコード888」は、運転スイッチを5回押すことで簡単に解除できますが、1年後にまた出てくるようです。めんどくせーww)