我が家の屋根裏への点検口(出入口)は屋根裏収納にありますが、荷物を絶えず置いている場所に位置しており、かつ開口が小さいため、出入りが非常に大変でした。そこで今回は、今後の屋根裏開発を念頭に、出入りのし易い新たな点検口(出入口)をDIYしていきます。下記リンクにて動画も公開しておりますので皆様のDIYのご参考になれば嬉しいです。【DIY】屋根裏点検口の追加設置 -断熱性を考慮した扉の作成(なお、点検口への扉追加は、別記事【DIY】屋根裏点検口に断熱性の高い扉を追加するでまとめていますので合わせてご参考にしてください。)
目次
1.現状の屋根裏点検口が出入りし難い
我が家の2階の寝室の上には屋根裏収納(屋根裏部屋)があり、その中に屋根裏点検口(屋根裏への入り口)があります。
しかしながら、その点検口の位置は図の黄色で示す通りで、屋根裏収納の奥の方に位置しています。そのため、点検口の前には常に荷物が置かれており、出入りするためには置いてある荷物を退かせる必要がありました。
また、開口が40cm×40cmと小さく、その扉(蓋)が多数のねじで固定されているため、出入りがとても大変です。
そして、生活していると嫌でも荷物が増えていきます。駐車場に1基、庭には2基の物置を設置していますが、住み始めて15年以上たった今では、物置は既に満杯で、屋根裏収納も荷物で一杯の状況です。どこかに荷物を収納するスペースを拡張する必要があります。
そこで今回は、屋根裏収納から屋根裏への新たな点検口(出入り口)を作成し、屋根裏に新たな収納スペースを確保していきます。
また、点検口の開口を大きくとって屋根裏への出入りをしやすくすることで、今後、屋根裏で行う必要がある2階の電源ケーブルの配線などを施工しやすくしていきます。
2.新たな屋根裏点検口の設置場所
まずは、新しく作成する屋根裏点検口の位置を決めます。出来るだけ出入りしやすい場所がいいので、荷物を置くことのない場所に設置するのがいいでしょう。
検討した結果、新たな屋根裏点検口の位置は、図のとおり寝室の昇降口から屋根裏部屋に上がってすぐ横(右手)に設置することにしました。
屋根裏収納に昇ってすぐ、ダイレクトに屋根裏にアクセスできるので、屋根裏に荷物を搬入出するのも容易になるはずです。
また、新たな点検口を追加した場合には、屋根裏からの熱気や寒気が屋根裏部屋に入って来ないよう、扉を設置する必要がありますが、その工程は別の記事 【DIY】屋根裏点検口に断熱性の高い扉を追加するでまとめていきます。
3.屋根裏点検口 追加箇所の壁内構造
屋根裏点検口を設置する場所が決まったら、その箇所の壁内構造を確認していきます。
基本的に、壁内には柱と柱の間に300mm~450mm間隔で”間柱”が設置されていますので、壁面の石膏ボードに穴をあけるだけでは人が出入り出来る開口が確保できません。よって、今回は一部の”間柱”もカットして開口面積を確保していきますので、まずはその間柱の配置状態を確認します。
間柱の配置状態は、現状の小さな出入り口から屋根裏に入り、壁の裏側から確認する方法もありますが、今回は、DIY初心者が壁の構造を勉強するという意味も込めて、対象部位の石膏ボードを丸ごと外して確認していきます。
まず最初に石膏ボードに貼られている壁紙をはがし、その下面の巾木を外します。我が家の巾木は写真のような樹脂製のもので、接着剤と隠し釘で固定されていましたので、力ずくで剝がしました。
なお、巾木を除去した後には、壁に隠し釘が残っている場合があるので、その後の作業でケガをしないよう、ペンチでしっかり除去しておきます。
壁紙をはがすと、石膏ボード上にパテ埋めされている下記写真のような部分が確認できます。
そのパテ埋めされている箇所に石膏ボードの”つなぎ目”が隠れています。石膏ボードはその”つなぎ目”部分などで、裏側の間柱にねじ止めされていますので、そのネジを全て探して外していきます。
なお、石膏ボードを止めているねじの数はかなり多いですが、パテで隠れたねじ頭を一つずつ探して頑張って全てを外します。
すべてのネジを外せば、石膏ボードを壁から外すことができるようになります。石膏ボードを割らないよう慎重に外していきます(全てのねじを外さずに石膏ボードを外そうとするとボードが割れて再利用できなくなります。)
石膏ボードを外すと柱や間柱が露出し、壁内の状態を確認できるようになりました。結果、今回、確認が必要なエリアの間柱配置構造は下図の通りであることがわかりました。
我が家の屋根裏収納は、柱と柱の間に作られており新たな点検口を作成しようとしている屋根裏収納の壁には3本の間柱が配置されています。(貼られている石膏ボードは2枚です)
今回は、その内の図中左側の石膏ボードを剥がしましたが、図の点線で示す部分に点検口を作成していきますので、今回の具体的な作業内容は、外した石膏ボードに穴を開け、更に間柱の一部をカットして新たな点検口の開口を確保していくという作業になります。
4.新たな屋根裏点検口の構造を検討する
壁の構造が明確になったら、点検口の具体的な構造を検討していきます。
今回新たに作る点検口には、後追いで扉を設ける予定ですので、扉の外枠に相当する木枠を配置して作成する前提とします。
扉の外枠(下図中のオレンジ色)はコスパ重視で安価な1×4材で作成しますが、1×4材は材料にゆがみがあるので、周りの構造物にしっかり固定して、水平度、垂直度が出せるよう施工します。
枠の下側は、カットした間柱の両脇に間柱カット面までの端材を配置し、その端材上に下枠を固定することで人が乗っても問題ない強度を確保します。
そして、枠の左側はすぐ横にある柱にネジで直接固定し、枠の右側は間柱に端材を固定して、その端材に固定することで点検口の幅を調整していきます。(端材の厚みで点検口の幅が調整出来る構造ですね)
枠の上側は間柱カット面と枠を固定するだけでは強度が足りなさそうなので、左側の柱と右側の間柱を角材でつなぎ、その角材に上側の枠を固定する構造で強度を確保します。(文章では解りにくい部分は上図を参考にしてください)
5.新たな屋根裏点検口の施工
構造が検討できたらいよいよ施工していきます。
まずは間柱を必要な寸本だけカットして、4項で設計した通りに木枠などを固定していきます。木枠の水平度、垂直度が出ていないと、扉を嵌めたときに干渉したり隙間が出たりしてしまうので、水平器などを使用して正確に作業することが重要です。
木枠が固定出来たら。木枠の外形に合わせて石膏ボード穴を開けます。石膏ボードは100均ののこぎりなどでも十分加工ができますが、下記のような専用ののこぎりがあると仕上げがきれいです。
石膏ボードに狙った寸法通りの穴が開いたら、元々固定されていたように間柱(および柱)へねじ止めしていきます。
壁面に石膏ボードが固定出来たら石膏ボード上に壁紙を貼っていきますが、壁紙表面に歪みを発生させないためには、ねじ部や石膏ボードの合わせ(段差)に下記のような専用のパテを塗布して段差をなくし、サンドペーパーで磨いてから壁紙を貼る必要があります。(この辺りがちょっと面倒な工程ですね)
新たに貼る壁紙は元々のものと同じものを準備するのが難しいので、屋根裏収納に眠っていたあり合わせのもので対応しました。(屋根裏収納の壁なので、その程度の対応で十分と判断しましたww)
壁紙の貼り付けには下記のような専用ののりを使用します。
のりの塗布にはローラーを使用するのがよいみたいなのですが、今回は壁紙の貼り付け面積が小さく、ローラーが入らないような細かい部分が多いので、刷毛や筆を使って塗布しました。(のり付きの壁紙も販売されていますので、そちらを購入した方が簡単かもしれないです。)
また、壁紙を貼る際は、内部に空気だまりができないようスキージ(100均のゴムベラで代用)を使ってしっかり空気抜きすることが重要です。
そして、木枠や既存の壁紙との合わせはカッターで現物合わせしてカットします。この辺りの仕上げは器用さが如実に反映されますが…私のカットは写真のとおりで微妙ですね。
壁紙まで貼れたら、壁の下端に外しておいた巾木を取り付けて完成です。
巾木は下記のような接着剤で貼り付けて、隠し釘で固定するのが通常の施工方法ですが、私は小さい釘のみの固定で済ませました。(上写真中央の巾木の溝の部分に釘が打たれています。)
以上で、新たな屋根裏点検口の施工は完了です。
・屋根裏点検口を新たに追加した感想
今回の施工で屋根裏へ出入りするための新しい点検口が完成し、屋根裏への出入りが容易となりました。大きさもやや大柄な私が出入りするのに十分な大きさです。
完成した写真をよく見ると既存の壁紙と新たに貼り付けた壁紙の色が違っていてツートンカラーになっていたり、石膏ボード合わせ部の壁紙が波打っていて「ここに石膏ボードの合わせ面があるよ!」と主張していたりと、外観に多少の難がある仕上がりにはなりましたが、今後の利便性を大きく向上させる施工になったのではないかと思います。
次の施工では完成した入り口に扉をつけていきます。(入り口が開けっ放しだと屋根裏収納に屋根裏の熱気が入ってきてしまうので。)
そして、その次の施工では、点検口から屋根裏に出てすぐの場所に、足場となるようなスペースを作成して、照明とコンセントを設置していく予定ですので、その辺の施工内容も順次紹介していきたいと思います。
最後に一点ご参考までに。今回は石膏ボードに穴を開けるという施工を実施しましたが、その際に出た石膏ボードの切りカス(粉)を全てダイソンで吸い取りました。その結果…使用後にダイソンのフィルターが詰まってしまい吸い込みが極端に悪くなるという問題が発生しました。(通常レベルの分解では全く改善されないレベルでした。)
最終的には、破損覚悟でフィルター部分を細部まで分解して清掃し、元の吸い込み力まで回復させることが出来ましたが、石膏ボードの粉状の切りカスをダイソンで吸うのはリスクが伴うようです。今後は初心に帰ってほうきとチリトリを駆使し、仕上げはウェットティッシュで!という工程で対応していこうと誓いました。(危うく嫁さんの逆鱗に触れるところでした。)