
前回記事【DIY】デザインアンテナの設置-外観とメンテナンス性の向上-にて、屋根上にあった地デジアンテナを壁面取付デザインアンテナに変更しましたが、今回は、今までリビングでしか視聴できなかったBS放送を、全部屋視聴できるようDIYで分配する方法を紹介します。下記リンクにて動画も公開していますので、皆さんのDIYのご参考になれば嬉しいです。【DIY】地デジ用デザインアンテナとBSアンテナを設置する
目次
1.リビングのみで視聴可能なBS放送を全部屋に
我が家のBSアンテナは、以前に2階のベランダにDIYで設置したものです。当時は地デジのアンテナが屋根上にあり、ブースターで地デジの電波と混合するのが難しい環境だったため、エアコン設置用の穴から1階リビングへケーブルを引き込み、リビングのテレビのみに直接接続していました。
前回記事で、屋根の破損を契機に屋根上の八木式アンテナを撤去し、ベランダに壁面取付のフラットアンテナ(デザインアンテナ)を設置した内容を紹介しました。結果、BS電波を地デジ電波と混合するのが容易な環境となりましたので、今回はリビングのみで視聴可能だったBS放送を各部屋で視聴できる環境に変えていきます。
2.BSアンテナをDIYで設置する方法
まず、以前にDIY施工したBSアンテナの設置(リビングのテレビのみへの接続)方法について紹介しておきます。
BSアンテナの設置は南側の2Fベランダとし、アンテナはマスプロ製”BC45R”を購入しました。今では既に生産終了?になっていますが、通常のBS放送であれば今でも問題なく視聴できます。現在は、4K・8K放送に対応した下記の後継品が出ているようなので、そちらを購入するのがよいでしょう。(私も近いうちに買い替えます。)
固定金具は同じマスプロ製の下記を購入しました。ベランダの”手すり”ではなく、構造的に頑丈な”柵”の部分を跨いでしっかり固定でき、金具自体の作りもしっかりしているので、強風にもびくともしない信頼性の非常に高い商品です。
あとは接続に必要なF型接栓コネクタ、同軸ケーブルなどを購入します。ケーブルの規格はノイズに強い5Cで統一し、ケーブルの長さは施工状況に合わせて準備します。(2階のベランダから1階のリビングに直接ケーブルを引き回したため10mのものを準備しました)

部材が準備出来たら、まずは固定金具にアンテナをセットして、アンテナ先端部の接続端子にF型接栓コネクタを装着した同軸ケーブルをつなぎます。(F型接栓コネクタの装着方法は 【DIY】地デジ用デザインアンテナとBSアンテナを設置する の動画の中でも紹介していますので参考にしてみてください。)
屋外の接続端子に同軸ケーブルをつなぐ際には、防水キャップを必ず装着します。更に、ケーブルを伝った雨水が接続端子側に流れていかないようにケーブルを下側に配線してたるみを持たせます。(写真では、たるみを輪っか状にして、ケーブルを伝った雨水を落とす配線にしています。)アンテナの構造上、端子が下側を向いているので、普通に接続すれば下側に配線されますが、無理やり上側にケーブル配線したりすると、端子に雨水が垂れていく可能性が出てくるので注意が必要です。
アンテナと固定金具をベランダにしっかり固定したら、単独のテレビに接続する場合は、エアコン用の穴などを利用して室内にケーブルを引き込んでいきます。こちらもケーブルをつたった雨水が、室内引き込み口の手前で落ちるよう、引き込み口の手前でケーブルにたるみ(雨水トラップと言います)を持たせて配線します。私のようなDIY初心者が忘れがちなポイントなので、ケーブルを雨水が伝っていくとどうなるか?をイメージしながら配線するといいですね。
ケーブルを室内に引き込み、テレビに接続出来たら、アンテナに電源を供給していきます。接続するテレビの設定メニューに”BSアンテナに電源を供給する/供給しない”を選択できるメニューがあるので、その設定を”供給する”に変えます。この設定をすることで同軸ケーブルを通してBSアンテナに電源が供給されるようになります。(BSアンテナは電源供給が必要なんです。)

設置が完了したら、アンテナの向きを調整します。
アンテナを向ける地面に対する角度(仰角)は、地域によって決まっていて、東京は38.1°です。その角度にしっかり合わせてるのがBESTですが、アンテナ側に主要地域のセッティング位置が明記されていますので、それを目安に角度を合わせれば十分視聴できるレベルに調整できると思います。

アンテナを向ける方向(方位角)は、北を0°、南を180°とした時に東京では224.4°になります(ほぼ南東ですね)。スマホのアプリなどを使ってしっかり合わせてもよいですが、こちらもテレビ設定メニューで受信強度を確認しながら向きを調整すれば問題ないレベルに調整できます。(私は受信強度調整のみで調整しました。この辺は性格が出ますね。)
単独のテレビにBSアンテナを直接接続する施工内容は以上です。壁にエアコンの穴がない場合は、壁に穴を開けるという大掛かりな工事になってしまいますが、引き込み口があれば施工は極めて簡単です。(電波のレベルチェッカーなどの専用の器具は一切不要だと思っています。)
3.BS電波の地デジ電波との混合と各部屋への分配
ここからが今回新規に施工する内容になります。
まず、現在のアンテナ設置状態を整理すると、BSアンテナはベランダに設置してリビングのテレビのみに配線されています。地デジは壁面設置のデザインアンテナがベランダに設置され、各部屋に分配されている状態です。(デザインアンテナ設置の詳細は前回記事【DIY】デザインアンテナの設置-外観とメンテナンス性の向上- をご参照ください)

今回は、BS電波をリビングのテレビのみへの配線から、各部屋への分配に変えていきます。
地デジの電波は、地デジアンテナ裏面のブースターで増幅されて室内に引き込まれ、分配器などを経由して各部屋に分配されています。そして、そのブースターは地デジ電波とBS電波を混合できる仕様になっています。
よって、リビングのテレビに直接接続していたBSアンテナのケーブルを、デザインアンテナ裏面のブースターに接続すれば、二つの電波がブースターで混合されて屋内の各部屋に送信出来るようになります。

まずは、エアコン穴からリビングに引きこんでいた同軸ケーブルを回収し、地デジアンテナ裏面のブースターへ接続するだけの長さにカットします。(両方のアンテナがベランダに設置されているので、ケーブルは大幅に短くなります。)
デザインアンテナを壁面から一旦取り外して、裏面に取り付けられたブースターのBS入力端子にBSアンテナのケーブルを接続します。(我が家のブースターではBS入力は真ん中の端子です。)接続方法はBSアンテナにケーブルを接続した時と同じで、F型接栓コネクタを装着したケーブルを端子に接続して防水キャップを被せるだけです。
ケーブル接続が完了したらアンテナを壁面に固定し直し、屋外側の施工は終了です。(やはりベランダにすべてが集約されていると施工が楽です。)
続いて、BSアンテナへの電源供給方法を確認します。屋内に1本のケーブルで引き込まれた電波信号は屋内のどこかに設置された分配器で各部屋に分配されています。(我が家の分配器はお風呂場の天井裏に設置されていました。)分配器には、①すべての部屋のテレビからBSアンテナへの電源供給可能なもの、②特定の(部屋の)テレビからのみ電源供給可能なもの、(③どこからも電源供給できないもの)があるので、自宅の分配器がどの仕様になっているか?確認します。

我が家の分配器は、5分配が可能な仕様で、②特定の(部屋の)テレビからのみ電源供給可能なタイプでした(写真)。そして、電源供給可能な端子(通電表示あり)にはリビングに向かうケーブルが接続されていました。(どのケーブルがどの部屋に接続されているか?は、分配器のケーブル接続を外した時にどの部屋のテレビが見れなくなるか?などで確認します。)
よって我が家では、リビングのテレビの電源供給設定を”供給する”に設定すれば、テレビからBSアンテナに電源を供給することが出来るようになります。
また、屋外の地デジアンテナに取り付けられたブースターで地デジ電波とBS電波を”混合”させて屋内への送り込みを行いましたが、各部屋では地デジ電波とBS電波を”分波”してテレビの各入力端子に接続する必要があります。したがって、各部屋で電波を2つに分波する”分波器”が必要となるので、下記のような分波器を準備します。(ケーブル付き、かつ電源供給可能で4K・8K対応のものを選択しました。)
分波器を経由してテレビなどのチューナーにケーブルを接続し、BS放送が視聴ができることが確認出来れば施工は完了です。
4.4K・8K衛星放送に向けての設備確認
今回の施工で、通常のBS放送が各部屋で視聴できるようになりました。しかしながら、今後は4K・8Kの衛星放送が充実していくと思いますので、その対応に向けての準備を明確にしておく必要があります。我が家の各パーツの4K・8K対応状況をまとめると下記のとおりです。
- 衛星放送用アンテナ : 非対応 ×
- ブースター : 対応 〇
- ケーブル(5C) : 対応 〇
- 分配器 : 非対応 ×
- 分波器 : 対応 〇
- チューナー : 非対応 ×
BSアンテナやチューナーは4K・8Kの放送コンテンツが充実したところで別途購入を検討したいと思いますが、分配器については、新築時に設置されていた古いもので4K・8Kには非対応です。今のうちに4K・8K対応の下記のものに替えておけば、準備は万端ですね。
・BSアンテナを全室へ分配施工した感想
今回の施工で今までリビングのみでしか視聴できていなかったBS放送を各部屋でも見れるようになりました。とはいえ、今現在リビング以外でテレビが設置されているのは私の寝室だけなので、私以外に喜んでいる人がいませんが。(笑)
そして、今回の施工を通じて改めて強く感じたのは、やはりアンテナ設備一式が容易に手が届く”ベランダ”にあることの便利さです。屋根の上に上がって、命を懸けたDIYをするのはいかがなものかと思いますので、自分でいつでもメンテナンスができる今の設置環境は、DIY好きな私にとって非常に大きなメリットになりました。電波環境のよいお家であれば、是非アンテナ一式をベランダに設置することをお勧めします。