【DIY】BSアンテナの設置とブースター混合による全部屋への分配

BSアンテナをDIY設置し全部屋へ分配 4K8K放送への準備

前回記事【DIY】デザインアンテナの設置-外観とメンテナンス性の向上-では、屋根上にあった地デジ用八木アンテナを撤去し、ベランダに壁面取付のデザインアンテナを設置しましたが、その結果、BS放送の電波と地デジ放送の電波を混合するブースターへのアクセスが容易になりました。そこで今回は、今まではリビングでしか視聴できなかったBS放送を、我が家の全部屋で視聴できるよう分配していきます。BSアンテナのDIYでの設置方法含めて、下記リンクにて動画も公開していますので、皆さんのDIYのご参考になれば嬉しいです。【DIY】地デジ用デザインアンテナとBSアンテナを設置する

1.リビングで視聴していたBS放送を全部屋に!

我が家のBSアンテナは、2階のベランダにDIYで設置したものですが、設置当時は地デジのアンテナが屋根上にあり、ブースターで地デジの電波と混合するのが難しい環境だったため、エアコン設置用の穴から1階リビングへケーブルを引き込み、リビングのテレビのみに接続していました。

そんな中、前回記事【DIY】デザインアンテナの設置-外観とメンテナンス性の向上-では、屋根の破損を契機に屋根上の八木式アンテナを撤去し、壁面取付のフラットアンテナ(デザインアンテナ)をベランダに設置しました。

デザインアンテナとセットで設置したブースターは下記で、地デジとBS放送の電波を混合出来る仕様になっています。(2024年現在は下記ブースターは廃盤で後継品が出ているようです)

そこで今回は、ベランダにフラットアンテナを設置したことで、ブースターへのアクセスが極めて容易な状況となったことを受けて、BS放送の電波と地デジ放送の電波を上記ブースターで混合して、リビングのみで視聴可能だったBS放送を各部屋で視聴できるよう分配していきます。

2.BSアンテナをDIYで設置する方法

各部屋へのBS放送の分配方法を説明する前に、まずは以前にDIYで施工したBSアンテナの設置(リビングのテレビのみへの接続)方法について紹介します。

BSアンテナの設置は南側の2Fベランダとし、アンテナはマスプロ製”BC45R”を購入しました。今では既に生産終了?になっているようですが、通常のBS放送であれば今でも問題なく視聴できます。(現在は、4K・8K放送に対応した下記の後継品が出ているようなので、そちらを購入するのがよいでしょう。)

固定金具は同じマスプロ製の下記を購入しました。ベランダの”手すり”ではなく、構造的に頑丈な”柵”の部分を跨いでしっかり固定でき、金具自体の作りもしっかりしているので、強風にもびくともしない信頼性の非常に高い商品です。

あとは接続に必要なF型接栓コネクタ、同軸ケーブルなどを購入します。ケーブルの規格はノイズに強い5C規格で統一し、ケーブルは施工状況に合わせた長さのものを準備します。(我が家の場合は、2階のベランダから1階のリビングに直接ケーブルを引き回すため10mのものを準備しました)

部材が準備出来たら、まずはBSアンテナを固定金具のポールに固定し、ベランダにしっかり取り付けます。(固定金具が優秀なので、流石にしっかり固定されました。)

続いて、使用する同軸ケーブルに防水キャップを通してから、F型接栓コネクタを装着していきます。防水キャップは屋外に設置するアンテナには必須のものですが、F型接栓を取り付けてしまうと装着できないという残念なパーツなので注意が必要です。

F型接栓コネクタの装着方法は図のとおりです。(リンクの動画 【DIY】地デジ用デザインアンテナとBSアンテナを設置する の中でも紹介していますので参考にしてみてください。)

まず、被覆を剥いて指定の寸法に加工した同軸ケーブルにリングを通し、ケーブルの先端部分にF型接栓を圧入します。(外側の黒い被覆の内側に挿し込んでいきます)

その状態でリングの出っ張りをペンチでカシメてF型接栓を固定し、余分な銅線をカットすれば装着は完了です。(少々パワーのあるペンチがあればカシメも簡単です)

F型接栓が装着できたら、アンテナ先端部の接続端子に同軸ケーブルを接続していきます。

BSアンテナ接続ケーブルの配線

なお、同軸ケーブルを伝った雨水が接続端子の方に流れていかないように、アンテナに接続するケーブルは接続部から下側に向かって配線してたるみを持たせます。(写真では、たるみを輪っか状にして、ケーブルを伝った雨水を落とす配線にしています。)

まあ、アンテナの構造上、端子は下側を向いているので、普通に接続すれば下向きに配線されますが、ケーブルを伝っていく雨水があることを意識して施工することが重要です。

アンテナに接続した同軸ケーブルは、今回のように単独のテレビに接続する場合は、エアコン用の穴などから室内に引き込んでいきますが、その場合もケーブルをつたった雨水が、室内引き込み口の手前で落ちるよう、引き込み口の手前でケーブルにたるみを持たせて配線します。(私のようなDIY初心者が忘れがちなポイントなので注意です。)

同軸ケーブルを室内に引き込み、テレビに接続出来たら、アンテナに電源を供給していきます。テレビの設定メニューには”BSアンテナに電源を供給する/供給しない”を選択できるメニューがあるので、その設定を”供給する”に変えれば、同軸ケーブルを通してBSアンテナに電源が供給されるようになります。(BSアンテナはブースターと同様に電源の供給が必要です。)

アンテナに電源が供給出来たら、アンテナの向きを調整していきます。

BSアンテナ角度調整

アンテナを向ける地面に対する角度(仰角)は、地域によって決まっていて、東京は38.1°です。写真のように、アンテナ側に主要地域のセッティング位置が明記されていますので、それを目安に角度を合わせれば視聴できるレベルに調整できるでしょう。(我が家ではそれで問題なく視聴できています)

アンテナを向ける方向(方位角)は、北を0°、南を180°とした時に東京では224.4°になります(ほぼ南東ですね)。スマホのアプリなどを使ってしっかり合わせてもよいですが、下記写真のようなテレビの設定メニューで受信強度を確認しながら向きを調整すれば、視聴に問題ないレベルまで調整できます。(推奨36に対し、50を超えるレベルが確保できました)

BSアンテナレベル確認

単独のテレビにBSアンテナを直接接続する施工内容は以上になります。

壁にエアコンの穴がない場合は、壁に穴を開けるという大掛かりな工事が必要になりますが、引き込み口さえあれば施工は極めて簡単です。(電気屋さんが使用しているような、電波のレベルチェッカーなどの専用の器具は一切不要だと思います。)

3.BS電波と地デジ電波との混合と各部屋への分配

続いては、BS電波を各部屋へ分配する作業を紹介していきます。(ここからが今回新規に施工する内容です。)

まず、現在のアンテナ設置状態を整理すると、BSアンテナはベランダに設置してリビングのテレビのみに配線されています。地デジは壁面設置のデザインアンテナがベランダに設置され、各部屋に分配されている状態です。(デザインアンテナ設置に関する詳細は前回記事【DIY】デザインアンテナの設置-外観とメンテナンス性の向上- をご参照ください)

今回は、BS電波をリビングのテレビのみへの供給から、各部屋へ分配する状態に変えていきますが、その実現方法はいたって簡単です。(単独のテレビに接続するより簡単なんじゃないでしょうか?)

現状で、地デジの電波は、地デジアンテナ裏面のブースターで増幅されて室内に引き込まれ、分配器などを経由して各部屋に分配されていますが、そのブースターは地デジ電波とBS電波を混合できる仕様になっています。

よって、BSアンテナに接続している同軸ケーブルを、デザインアンテナ裏面のブースターに接続して、2つの電波がブースターで混合されるような状態にすれば、2つの電波を同時に屋内の各部屋に分配出来るようになります。(上図を参照してください)

まずは、エアコン穴からリビングに引きこんでいた同軸ケーブルを回収し、地デジアンテナ裏面のブースターへ接続出来るだけの長さにカットします。(両方のアンテナがベランダに設置されているので、同軸ケーブルは大幅に短くなりますね。)

BS/CS共用ブースターへの接続

そして、カットした同軸ケーブルに防水キャップとF型接栓コネクタを装着し、デザインアンテナ裏面に取り付けられたブースターのBS入力端子に接続していきます。(我が家のブースターではBS入力は真ん中の端子:写真矢印部です。)

ケーブル接続が完了したらアンテナを壁面に固定し直して、屋外側の施工は終了です。(やはりベランダにすべてが集約されていると施工が超楽です。)

続いて、BSアンテナへ電源を供給していきます。

ブースターで混合されて屋内に引き込まれた電波信号は、屋内のどこかに設置された分配器によって各部屋に分配されていますので、まずはその分配器を探し出します。(我が家の分配器はお風呂場の天井裏に設置されていました。)

分配器が発見出来たら、その分配器の仕様を確認しますが、分配器は大きく分けて下記3種類の仕様となっていますので、自宅の分配器がどの仕様になっているか?を確認します。

  1. すべての部屋のテレビからBSアンテナへの電源供給可能なもの
  2. 特定の部屋のテレビからのみBSアンテナへの電源供給可能なもの
  3. どの部屋のテレビからもBSアンテナへ電源供給できないもの
分配器の電源供給確認

我が家の分配器は、5分配が可能な仕様で、「2」の「特定の部屋のテレビからのみ電源供給可能」なタイプでした。(写真の黄色矢印のケーブルからのみ電源が供給できます。)

分配器のタイプが明確になったら、電源供給可能なケーブルがどの部屋に接続されているか?を確認します。(対象のケーブルの接続を外して、どの部屋のテレビが視れなくなるか?確認すればOKです)

確認の結果、電源供給可能な端子(通電表示あり)にはリビングに向かうケーブルが接続されていました。よって我が家では、リビングのテレビの電源供給設定を”供給する”に設定すれば、テレビからBSアンテナに電源を供給することが出来るようになります。

続いては、各部屋でのテレビとの接続方法です。

BS放送の電波は、屋外のブースターで地デジ電波と”混合”させて屋内への送り込まれています。電波が混ざったままではテレビで映像を見ることができないので、各部屋では地デジ電波とBS電波を”分波”してからテレビに入力する必要があります。

その”分波”を行ってくれるのが、下記のような分波器です。今回は、ケーブル付き、かつ電源供給可能で4K・8K対応のものを購入しました。BSアンテナに電源を供給するテレビに接続する分波器は”電源供給”機能が必須になるので注意してください。

各部屋の同軸ケーブルに分波器を接続し、二股に分かれたそれぞれの端子を、テレビのそれぞれのチューナーに接続します。その状態で、地デジ放送、BS放送の両方が視聴ができることが確認出来れば、施工は完了です。

4.4K・8K衛星放送に向けての設備確認

今回の施工で、今までリビングでしか視聴出来なかったBS放送が各部屋で視聴できるようになりましたが、今後は4K・8K放送に移行していくと言われています。まずは専用のチューナーがないと視聴することは出来ませんが、来たるべき時に備えて、自宅の設備の何をどう変えれば4K・8Kに対応できるのか?しっかり認識しておきたいと思います。

我が家のBS放送用部品に関して、4K・8K放送への対応状況をまとめると下記のとおりです。

  • 衛星放送用アンテナ : 非対応  ×
  • ブースター     : 対応   〇
  • ケーブル(5C)  : 対応   〇
  • 分配器       : 非対応  ×
  • 分波器       : 対応   〇
  • チューナー     : 非対応  ×

BSアンテナやチューナーは4K・8Kの放送コンテンツが充実したところで別途購入すればいいと思いますが、その他の部品に関しては、分配器が4K・8K放送に非対応のようです。

この辺りは、忘れてしまわないうちに4K・8K対応の下記のものなどに交換しておきましょう。

・BS放送の電波を全部屋へ分配してみて

今回の施工で今までリビングのみでしか視聴できていなかったBS放送を各部屋でも見れるようになりました。とはいえ、今現在リビング以外でテレビが設置されているのは私の寝室だけなので、私以外に喜んでいる人がいませんけどww

そして、今回の施工を通じて改めて強く感じたのは、やはりアンテナ設備一式が容易に手が届く”ベランダ”に設置されていることの利便性ですね。DIYは屋根の上にまで上がって、命を懸けてまでやるものではないと思っていますので、自分でいつでもメンテナンスができる今の設置環境は、DIY好きな私にとって非常に大きなメリットです。電波環境のよいお家であれば、是非アンテナ一式をベランダに設置することをお勧めします。(4K・8K対応も全てDIYで出来ますよ!)

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