【DIY】天井裏の断熱材を2重にして断熱性を向上-その効果は?

天井裏のグラスウール断熱材をDIYで2重にして効果を確認する

我が家の2階廊下・階段エリアは夏になると灼熱化します。窓からの熱は内窓追加による2重窓化で対策していますが、それだけでは対策が不十分なようです。そこで今回は、天井裏(屋根裏)に配置している断熱材(グラスウール)を2重にして断熱材に発生していた隙間を減らし、部屋と部屋とを仕切る内壁の上端に断熱材(グラスウール)で蓋をするという、屋根裏と2階天井との断熱対策を実施しました。下記リンクにて動画も公開していますので、皆様のご参考になれば嬉しいです。【DIY】#42 天井の断熱材を2重にして内壁の上端に断熱材の蓋をする-2階廊下・階段エリアの断熱性を向上!

1.真夏に高温になる2階の廊下・階段エリア

図は我が家の2階の配置を表した図になりますが、2階には部屋が3部屋あり、その他は「廊下」「階段」「トイレ」に「吹き抜け」という構成になっています。

各部屋にはエアコンが設置されているので、夏場も特に不都合を感じませんが、その他のエリアはエアコンが効かないので、夏場は常に高温です。

基本的に、家の外壁には断熱材が配置されており、外気からの熱気や冷気は、外壁からはほとんど入って来ないはずなので、外気からの熱気や冷気が”ダイレクトに”入ってくるのは、主に「窓ガラス」からなります。よって、窓から入って来る熱気や冷気を軽減することが出来れば、それだけで断熱性はかなり良くなるはずです。

そこで、過去記事【DIY】窓の2重窓化 -ポリカ製プラダンによる引き戸式内窓では、階段と吹き抜けの窓に、写真のようなポリカ製のプラダンで作成した内窓をDIY設置し、窓からの熱気や冷気がダイレクトに入って来ないよう対策しました。

しかしながら、内窓を設置しても、まだまだ夏の廊下・階段エリアは灼熱のままです。外気からダイレクトに入って来る熱気に対しては、内窓で対策ができているはずですが、これだけではまだ対策が足りていないということですね。

そこで今回は、窓以外から入って来る熱の経路を考察して、それぞれの箇所に対して対策を行っていきます。

2.2階の廊下-階段エリアが灼熱となる原因は?

2階の廊下-階段エリアに対し、窓からダイレクトに入って来る熱は、内窓(2重窓)の設置で対策しましたが、他に熱が入って来る可能性がある経路はどこになるでしょうか?

結論として、影響として最も大きいのは「屋根裏」(天井裏)から伝わってくる熱だと思われます。

屋根裏は屋根で受ける直射日光による熱で、かなりの高温になります。夏場の日中であれば、常時40度を超えていると思って間違いないでしょう。

そんな屋根裏と2階天井の境界構造(概略図)は下図のとおりです。

2階の天井は屋根裏側の柱に吊られた木材(吊り木など)に石膏ボードなどの天井材が固定されている構造です。そして、その上にグラスウールのような断熱材が敷き詰められて、屋根裏と室内の空間が断熱されています。

しかしながら、屋根裏側には、図にもあるような天井材を吊るための「吊り木」や、照明器具用の「電源ケーブル」などが配置されています。職人さんの断熱材の敷き詰め方が雑な場合は、断熱材にかなりの隙間が発生してしまう場合があります。(後述しますが、我が家の断熱材の状態は…それはもう散々たるものでした。。。)

断熱材に隙間が発生していると、屋根裏側からの熱が上図の矢印のように石膏ボード側に入ってしまう状態になりますので、屋根裏からの熱気がダイレクトに室内の天井に伝わるようになります。大げさに言えば、40℃を超える放熱板が、天井に配置されているような状態ですね。(大げさかもww)これでは、全く断熱になりませんので、屋根裏側に配置する断熱材を隙間なく敷き詰めることが重要になります。

また、下図は部屋と部屋との仕切る内壁の天井部分の概略図(断面)です。

内壁の基本構造は、天井と床の間に「間柱」と呼ばれる柱が等間隔で建てられていて、それの両側に石膏ボードなどの壁材が固定されているだけです。間柱の入ってない部分の壁内空間(間柱と間柱の間の空間)は、両側に石膏ボードがあるだけの、完全な”空洞”になっています。

よって、内壁の上端から図の矢印ような感じで熱が入ってしまうと、内壁の空洞を伝って、各部屋にダイレクトに熱が流れ込んでしまう状態になりますので、基本的には、内壁の上端に断熱材で蓋をして天井裏からの熱が伝わらないようにする必要があるのですが…この施工が実施されていない場合がかなり多いんだそうです。

我が家の状態はと言うと…すべての内壁上端に断熱材が配置されていませんでした。これはちょっと酷いですね。。。(最近、家をDIYしていて思うことは…我が家を施工した大工さんの作業はかなり適当ということです。悲しいですね。)

以上をまとめると、天井裏から熱が室内に入ってくる経路は下記です。

  • 屋根裏(天井裏)側に敷き詰められた断熱材の隙間
  • 内壁上端の開口部

今回は上記2経路に対して断熱対策を行っていきます。

3.屋根裏(天井裏)の断熱材を2枚重ねて隙間をなくす

まずは屋根裏側に配置されている断熱材に発生している隙間を(出来る限り)埋めていきます。

現状の我が家の断熱材の配置状況は写真のとおりです。断熱材は一面に敷き詰められていますが…一部は無造作にただおかれているだけだったり、めくれ上がったりしています。前述のとおり、酷い有様です。

最初にこの”酷い有様”の断熱材を綺麗に並べ直していきます。

なお、無駄に重なっている断熱材ははさみでカットして一旦取り除き、他の箇所に活用しました。

写真が断熱材を並べ直した状態です。出来る限り隙間がなくなるよう、かなり綺麗に並べ直すことが出来ました。

ちなみに、屋根裏では柱の上以外には乗れません。柱以外のところに乗ってしまうと、天井の石膏ボードと一緒に2階へ落下してしまいますので、屋根裏に入る際には十分に注意してください。(我が家の屋根裏は現在、床板を貼る工事をDIYを実施中です。近日中に記事にします。)

とりあえず、出来る限り隙間がなくなるよう断熱材を並べ直すことが出来ましたが…それでも吊り木や電源ケーブルがある部分にはどうしても隙間が残っているように見えます。そこで、今回は更に追加の断熱材を準備しました。

旭ファイバーさんのグラスウール”マットエース”です。厚さ100mm、430mm×2,740mmサイズのものが14枚入っている商品です。今回は、この追加購入したグラスウールを、並べ直した断熱材の上に重ねて(2重にして)配置していきます。

しかしながら、ここで1点注意点があります。グラスウールは単純にそのまま重ねて使用してはいけません。

図はグラスウール(単品)の断面図になりますが、グラスウールには向き(方向性)があり、室内側に”防湿フィルム”面を、屋根裏側に孔の開いたフィルム面を配置することにより、グラスウール内に湿気がこもってカビたりすることがないような構造になっています。

よって、そのままの状態で断熱材を重ねて使用してしまうと、下側になったグラスウールの湿気が抜けなくなるので、重ねて使用する場合は、上側に重ねるグラスウールの防湿フィルムを除去する必要があります。

ただ、片側の防湿フィルムを全て取ってしまうとグラスウールが剥き出しになってしまい、短冊形状を保持できなくなる可能性があります。それでは、施工時に取り回しがし難いです。

そこで今回は、写真のように防湿フィルム面に大きな穴を開けていき、全体構造が保持できるような状態で重ねていくことにしました。(ちょっと無理矢理感がありますが、理論的にはこれで問題はないはず!)

なお、細かくなって飛び散ったグラスウールが肌に刺さるとしばらくチクチクして痒くなりますので、グラスウールの加工作業をする際は、長袖を着用した方がいいです。

また、アスベストとは異なり、グラスウールは肺の奥にまで入っていくほど細かくはないようですし、仮に肺に入っても、自然に排出される安全な物質なのだそうです。アスベストと混同して勘違いしやすいですが、グラスウールで健康を害する心配はないようなので安心して作業してください。(ただし、”チクチク”対策だけはしっかり実施しましょう)

かなりの格闘の末、今回の作業で断熱材を重ねたエリアは図のとおりです。(ピンクのエリアの断熱材を2枚重ねにして敷き詰めました)

2階の廊下+階段エリアに関しては、430mm×2,740mmサイズをそのまま4枚並べて敷き詰め、最後の1枚だけ半分にカットして横向きに並べました。結果、完璧に隙間がなくせたわけではないと思いますが、隙間はかなりMIN化出来たはずです。(カットしたグラスウールの端面はホッチキスで軽く塞いでおきました。)

なお、今回購入した断熱材(グラスウール)は14枚です。2階廊下エリアに5枚使用し、4項の作業で追加使用しても十分な量がありましたので、私の寝室の上(屋根裏収納から南側)にも4枚の断熱材を重ねておきました。ただ、子供部屋すべてに断熱材を追加するには量が足りませんでしたので…そちらはまたの機会ということでww(すべてのエリアの並べ直しは実施しています。)

いずれにしても、屋根裏での作業は本当に大変です。2×4材で仮の足場を作りながらなんとか屋根裏の奥まで断熱材を敷き詰めましたが…かなり体幹が鍛えられました。(落下しないよう細心の注意が必要ですね)

4.内壁上端に断熱材で蓋をする

続いて、内壁(部屋との部屋との仕切り)の上端側を、断熱材で蓋をしていきます。

蓋をする方法は図のとおりです。内壁の上端に断熱材を挟んで、壁内空間の上端側を密閉していく作業です。

なお、前述のとおり、断熱材には向き(方向性)がありますので、内壁空間側を防湿フィルム面にして使用していきます。

蓋として詰めていく断熱材には、断熱材の敷き直しで除去した断熱材を使用し、足りない分は新たに購入した断熱材で補います。

断熱材を両側のポリエチレンフィルムごと適当な幅でカットし、内壁上端の隙間に入れていきます。(くれぐれも、チクチク対策は忘れずに…)

改めて確認した内壁上端の状態は写真のとおりです。すべての内壁上端に断熱材がありませんでした。(少なくとも、施工主にすぐにばれるような箇所くらいはしっかり施工しておいて欲しいものですね。。。)

この断熱材が欠損しているすべての空間にカットした断熱材を入れて蓋をしていきます。(敢えて”欠損”と表現しました)

なお、3項での断熱材の2重化作業は、屋根裏の端まで断熱材を配置する必要があったのでかなり大変な作業でしたが、内壁上端への作業は屋根裏の奥まで入る必要がないので比較的楽です。(ただし、足を乗せる場所には十分注意が必要です)

写真のように、すべての内壁上端にカットして断熱材を入れて蓋をしていきます。

なお、この作業を実施しておけば、屋根裏側から内壁に入り込む気流がなくなりますので、理論的にはコンセントなどからの隙間風がなくなるはずですが…現状は床下側から入って来る気流がまだ残っていますので、冬場の隙間風はなくならないでしょう。(屋根裏の施工状態を見る限り、床下側の気密も取られていていない可能性が高いです。。。)

すべての内壁上端に断熱材で蓋が出来れば、今回の作業は全て完了です!

5.天井裏からの断熱効果を確認する

施工が完了したら、その効果を確認していきます。

「室内」(2階)側の下図中☆印部の温度と、「屋根裏」の温度を測定し、その温度差の変化で効果を確認していきます。(「室内」側は天井付近の温度を測定しました。)

まず、今回の対策を実施する前の「外気温」(ベランダ温度)と「屋根裏温度」、そして「室内(☆印部)の温度」は下記のとおりです。

  • 外気温   :26.3℃
  • 屋根裏温度 :33.9℃
  • 室内廊下☆印:30.6℃
  •   寝室☆印:31.6℃

「屋根裏」と「室内」(天井付近)の温度差は、2℃~3℃しかありませんでした。

対して、断熱対策後に測定した温度は下記のとおりです。

  • 外気温   :31.6℃
  • 屋根裏温度 :36.3℃
  • 室内廊下☆印:29.0℃
  •   寝室☆印:33.1℃

対策前とは測定時の外気温が違うので、単純比較は難しいですが「屋根裏」と「室内」(天井付近)の温度差は、3℃~7℃に改善されました。

また、上記のうち「寝室」については南側のベランダに面しているので、窓から入って来る熱の影響が大きいと思われます。よって、窓から入って来る熱を既に内窓で対策している「廊下」に限定して結果をまとめると下記の通りとなります。

 屋根裏 
温度
廊下天井
温度
屋根裏との
温度差
対策前33.9℃30.6℃▲3.3℃
対策後36.3℃29.0℃▲7.3℃

対策前は ”3.3℃” ほどだった「屋根裏」と「室内」(天井)の温度差が、対策後は ”7.3℃” に改善しました。

温度としては”たったの”4℃ほどの差ですが、体感的にはそれ以上で、かなり涼しくなったような感じがします。(あくまで体感ですが)

本格的な効果が実感できるのは、梅雨が終わってから暑さが本格化する7月ー8月になると思いますが、この感じだとかなりの効果が期待できそうです。今からその効果確認が楽しみですね!

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