リビングの天井に設置しているスリム丸型蛍光灯が勝手に消灯するようになりました。故障の原因が蛍光灯にあるのか?照明器具(基板回路)側にあるのか?は、新たな蛍光灯を装着してみないとわかりません。そこで今回は、この故障したスリム丸型蛍光灯をLED化しました。現状ではスリム型照明器具に適合する丸型LEDが見つかりませんでしたが、その辺も考慮した改造になっています。下記リンクで動画も公開していますので、皆様のDIYライフのご参考になれば嬉しいです。【DIY】#34 スリム丸型蛍光灯をLED化する!-スリム型の丸型LEDは存在しないの?!
目次
1.丸型蛍光灯が勝手に消灯してしまう…
我が家のリビングに設置している蛍光灯が、勝手に消灯するようになりました。
27形と34形の2つの蛍光灯を備えた照明器具ですが、34形の接続ケーブルを抜くと27形は問題なく点灯するようになります。(写真のように内側の27形だけが点灯する状態になります。)どうやら、34形の蛍光灯に何らかの問題が発生しているようです。
前回、蛍光灯を交換したのがいつか?はよく覚えていません。少なくともかなり昔な気がしますので、状況的には蛍光灯が寿命を迎えたのだとは思いますが、片側がダメになると両方が点かなくなるという現象がちょっと気になりますね。
新しい蛍光灯に交換して点灯すれば、故障しているのが蛍光灯であったことが明確になります。しかしながら、新しい蛍光灯に交換して点灯しなかった場合は、その他のインバーター回路(基板)などに問題があることになり、新たに購入した蛍光灯が無駄になります。
新たに購入する蛍光灯が無駄になると勿体ないので、今回は、この故障を機に、蛍光灯をLED化していくことにしました。
2.故障した照明器具の仕様-スリム丸型蛍光灯
故障した照明器具に使用されている蛍光灯はスリム丸型蛍光灯です。
スリム蛍光灯の型番は”FHC~”で、インバーターで点灯するのでグローがありません。また、通常の蛍光灯よりも管径が小さく、高周波で効率よく点灯するので、同じ電力で比較すると通常の蛍光灯よりも光量が大きくなります。
良いこと尽くしの仕様になりますが、デメリットがあるとすればスリム丸型蛍光灯の価格でしょうか?通常の蛍光灯と比較すると、価格が若干お高めです。(下記商品リンクをご参照してみてください。)
3.スリム丸型蛍光灯に適合する丸型LEDのサイズ
まずは、スリム丸型蛍光灯と同径のスリムなLEDを探しますが…私の探し方が悪いのか?スリムな丸型LEDが見つかりません。。。LED化を検討するのであれば、通常の丸型蛍光灯と同径の丸型LEDを購入する必要がありそうです。
蛍光灯の”〇〇形”という規格は、消費電力やサイズなどを示すのだと思っていましたが、実際には「〇〇Wの白熱電球と同等の明るさ」を示す数値になるのだそうです。よって、通常の蛍光灯と比較すると電力効率が良いスリム丸型蛍光灯は、”〇〇形”が示す外径サイズが通常の丸型蛍光灯とは異なります。その辺りの関係を表にまとめると下記のとおりになります。
通常丸型蛍光灯 | スリム丸型蛍光灯 | |
20形 | Φ205mm | Φ225mm |
27形 | Φ299mm | |
30形 | Φ225mm | |
32形 | Φ300mm | |
34形 | Φ373mm | |
40形 | Φ375mm |
今回LED化を行うスリム丸型蛍光灯は27形と34型です。LED化を検討するのであれば、最低限、外径サイズくらいは合わせておかないと照明器具の改造が出来なそうなので、それに近しいサイズのものを選択する必要があります。
スリム丸型蛍光灯の27形と34形に相当する通常丸型蛍光灯の外径サイズは32形と40形です。今回は、通常丸型蛍光灯の32形と40形に相当するサイズの丸型LEDを購入して照明器具のLED化を実施していきます。
4.購入した丸型LED(32形+40形)の仕様
32形+42形相当という条件で、現在使用している蛍光灯と同じ昼光色のLEDを探した結果、購入したのは下記の丸型LEDです。(32形と40形のセット品です。)
32形と40形のセット品を購入したのですが、着荷したのは40形用の箱のみでした。。。発送ミス?と思って中身を確認すると、40形の箱に2個の丸型LEDが同梱されていました。40形用の箱に32形も一緒に詰め込むというパンチの効いた対応が行われているようです。(割り切り方がすごいですね。)
肝心のLEDの方は、外殻がプラスチックで、ガラス製の蛍光灯と比較すると重量がかなり軽いです。それほどしっかり固定しなくても照明器具へ固定することが出来そうですね。
また、昼光色仕様ででは照光側のプラスチックがクリア仕様なので、実装されているLEDチップがモロ見えです。蛍光灯が丸見えの器具に使用する際には注意が必要ですね。
LEDに電源を接続するためのケーブルは全部で4本同梱されていますが、32形と40形を2本セットでLED化する工事では上写真の中央に映っている(2股)ケーブルしか使用しません。
使用するケーブルの片側には、照明器具のアダプタに接続できるコネクタが取り付けられています。(差し込むだけです。)そして、2股に分かれた反対側には、丸型LEDに接続するコネクタ(写真)が取り付けられています。
丸型LEDと接続するコネクタは、通常の丸型蛍光灯用のコネクタと同じものが使用されているので、コネクタの穴(端子)数は4個です。しかしながら、ケーブルは2本しかつながっていないので、コネクタの4個あるの穴(端子)の内、2個(〇印側)が⊕及び⊖端子で、残りの2個(×印側)はダミー端子になります。
端子の極性(⊕⊝端子の向き)を気にする必要はないみたいですが、回路的には環状の丸型LEDの両端に⊕と⊖を接続する必要があるので、コネクタの嵌合向きは写真のとおり(もしくは、180°回転させた向き)になります。
穴(端子)のピッチを変えることで、間違った方向には嵌合できない仕様になっていますが、無理やりコネクタを嵌合させようとして、コネクタを破損することがないよう注意しましょう。(商品紹介ページに「点灯しない場合はコネクタの向きが間違っています。」などと書かれていましたので、間違って無理やり嵌合させてしまう人がいるみたいです。)
なお、今回使用しない他の3本のケーブルは写真のとおりです。片側だけに丸型LEDと接続するコネクタが付いたケーブルが2本、片側だけに照明器具のアダプタと同じコネクタ(オス側)が付いたケーブルが1本同梱されていました。(セットで購入した2個のLEDを別々に使用する方のために同梱されているようです。)
また、それぞれのケーブルに使用されているケーブル線は、Φ0.5mm(実測)程度のより線でした。100Vの電圧がかかるケーブルとしては心もとないので、ケーブルをもっとしっかりしたものに交換したかったのですが、コネクタの端子を組みなおすのが面倒なので諦めました。(本来は変えておいた方がいい気がします…)
4.スリム丸型蛍光灯のLED化工事
使用する丸型LEDの仕様が確認出来たら、早速、工事を実施していきます。
まずは、天井に固定している照明器具のアダプタに接続している電源ケーブルのコネクタを外します。
コネクタを外すと…流石15年以上使用した照明器具です。コネクタのロック部分がいとも簡単に砕けてしまいました。(UV劣化でしょうか…)破損したコネクタは流用しないといけない部分ですが、ロック機構が壊れただけであれば、電気的な接続は出来ます。固定方法は別途に考えましょう。
コネクタが外せたら天井から照明器具を下ろして、いよいよLED化の作業です。
まずは現状の照明器具から、「スリム蛍光灯」「インバーター基板」「常夜灯」などの不要な部品をすべて外していきます。(そのままでも良いのですが、余計なものをすべて撤去しました。)
不要な部品を撤去すると、残るのは照明器具の「土台」と「蛍光灯固定金具」のみになりました。外観部分だけがそのままで、中身は全く別の照明器具になる感じですね。
続いて、今まで「スリム蛍光灯」を固定していた金具も一旦外して、「丸型LED」が固定できる形状(通常の蛍光灯が固定出来るサイズ)に加工していきます。
ラジオペンチを使用して、蛍光灯固定部の曲率を「スリム蛍光灯」の曲率から、「丸型LED」=「通常の蛍光灯」の曲率に換えていきます。
前述のとおり、今回の「丸型LED」は重量が軽いので、固定具が3点で軽く引っかかってくれていれば、保持出来そうです。写真が矯正後の3本の固定金具になりますが、この辺はざっくり現物合わせで矯正しておけば大丈夫だと思います。(ぴったり合わせる必要はありません。)
固定金具が加工出来たら、照明器具の土台に再度取り付けて「丸型LED」を固定していきます。照明器具を逆さにして、「丸型LED」が落ちてこなければOKでしょう。「丸型LED」自体は本当に軽いので、3点で軽く引っかかっていれば保持できるはずです。(加工した曲率が小さ過ぎると「丸型LED」が引っかかってくれない可能性がありますので注意してください。)
最後に付属の二股ケーブルをLEDに接続すれば、照明器具のLED化工事は完了です。(とても簡単ですね。作業時間は30分かかりませんでした。)
5.LED化した照明器具の動作確認
改造が完了したら、改造したLEDの動作を確認します。
今回で蛍光灯のLED化は2回目です。(前回は【DIY】安定器が壊れた蛍光灯のLED化-HIVケーブル活用方法にて、直管式蛍光灯をLED化しました。)基本的に照明器具は天井の引掛けシーリングに接続しないと点灯しないのですが、設置するまで動作確認できないというのはとても不便です。(施工に不備があれば再度取り外して施工する必要があります。)
そこで今回は、天井に設置しなくても動作確認が出来る写真のような電源ケーブルを準備しました。
こちらのケーブルのプラグ側(写真右側)を延長コードに接続して、引掛けシーリングに電源を供給できるようにしていきます。(作成方法は別記事【DIY】照明器具を天井に設置する前に動作確認する電源ケーブルでご紹介していますので、ご参考にしてみてください。)
全てを接続させて動作を確認すると…無事「丸型LED」が点灯しました。工事は問題なく出来ていたようです。(写真のとおり、床面に置いた状態で動作を確認することが出来ました。)
ただ、「丸型LED」の表面側のプラスチック材料が透明なので、光源が目玉になって見えてしまっています。実際の設置では、半透明カバーで覆われますので、目玉感は概ね解消されると思いますが、「丸型LED」がむき出しになるペンダント型の照明器具に使用する場合はご注意ください。
6.LED化工事を実施した照明器具の設置
動作に問題がないことが確認出来たら、LED化工事が完了した照明器具を天井に設置して作業は完了です。
まずは天井の引掛けシーリングに照明器具のアダプタをしっかり固定して、そこに照明器具本体を固定します。電源ケーブルのコネクタを接続してカバーを取り付ければ設置完了です。
早速、スイッチをONにしてみると…無事点灯しました。(事前に動作確認済なので安心ですね。)
半透明カバーの装着で、光源の目玉感は大分解消されましたが…LEDは光の直進性が強いこともあり「丸型LEDがここにあるぜっ!」という主張が以前よりも強くなった気がします。
そして、商品紹介ページに「高輝度」と書かれていたので、部屋がより明るくなることを期待しましたが…元の蛍光灯が光量の大きいスリム丸型蛍光灯だったこともあってか、LED化で明るくなったという実感はありませんでした。むしろ、少し劣化した状態の(新品ではない)スリム丸型蛍光灯と同レベルといった感じでしょうか。
蛍光灯とLEDは光の直線性などが異なるため、光量を単純に数値比較するのが難しいことはわかっていますが、カタログ上の全光束を比較すると下記のような感じになります。
内側 | 外側 | 合計 | |
スリム丸型蛍光灯 | 27形:2,310Lm | 34形:2,880Lm | 5,190Lm |
丸型LED | 32型:1,750Lm | 40形:2,250Lm | 4,000Lm |
アイリスオーヤマLED | 32形:- | 40形:- | 3,700Lm |
数値だけで言うと、今回使用した丸型LEDの全光束(Lm)は、元のスリム丸型蛍光灯の80%です。ただ、同じく高輝度を謳っているアイリスオーヤマの製品はそれよりも全光束が低いので…まあ、こんなもんが標準的な感じなのかもしれませんね。ただ、次回の購入ではこの辺を踏まえて、もっと数値的に全光束が大きいものを探してみたいと思います。
なお、ロックが破損したコネクタについては、結束バンドなどで確実に固定したかったのですが、上手く固定することができませんでした。結果、ベタな対応となりましたが、写真のように嵌合した状態で白色のビニールテープを巻いておきました。
物理的に強固な固定ではありませんが、基本的に荷重がかかる部分でもかか可動する部分でもないので、なんとなく固定されていれば大丈夫でしょう。(コネクタが抜けたら、LEDが点灯しなくなるだけだと思いますので。)
*追記:本記事で紹介しているLED蛍光灯ですが、1年強で40形が点灯しなくなりました。。。LEDは寿命が長いことがメリットなはずですが、品質が悪ければそんなメリットは「0」(ゼロ)になりますね。まさに、安物買いの銭失い!気を付けないといけないです。
なお、後日UPしたこちらの記事【DIY】スリム丸型蛍光灯のLED化工事-光量25%UP品の検証にてご紹介したlumi-techさんの下記の商品は、1年経った今でも不具合はありません。中華製にありがちな、ただの”個体差”(品質のばらつき)なのかもしれませんが、ご参考にしてみてください。(楽天ではlumi-techの取り扱いがないようなので、写真は別のものですがAmazon、Yahooで購入できます)
以前、同様にアイリスオーヤマのLED化キットを使って既存の蛍光灯をLEDにしました。今回スリム蛍光灯の管が寿命になって、購入しようと調べたら2個合わせて5千円弱也。一方アイリスオーヤマのキットは6千円台。結局値段に負けて調光調色機能の付いた中華LEDシーリングライトになってしまいました。2600円也。
コメントありがとうございます。
そうなんですよね。スリム蛍光灯は明るくていいのですが、交換用の蛍光灯が高過ぎです。
あとは中華製のLEDにどれだけの耐久性があるか?ですが、瞬間的に点灯するLEDはやはりいい感じですね。