【DIY】キッチン用換気扇の電源コンセントにアース端子を追加する

台所換気扇レンジフード用電源にアース端子を追加する電気工事DIY

我が家のキッチン用換気扇が古くなり不具合が出始めました。近々新しいものへの交換が必要な状況ですが、その電源にはアース端子がついておりません。そこで今回は、台所の他の電源からアース線を分岐させて、換気扇用の電源にアース端子を追加する電気工事をDIYしました。天井点検口のない1階のケーブル引き回しには工夫が必要ですが、活躍したのは今回も釣り用の「ライン」と「おもり」でした。皆様のDIYのご参考になれば嬉しいです。

1.キッチン用換気扇(レンジフード)の寿命

設置から16年が経過し耐用年数である15年を超過したキッチン用換気扇(レンジフード)

写真は我が家のキッチン用換気扇(レンジフード)です。型番はPanasonic(National)の”S16AH2”で、2006年に製造された製品です。

換気扇の耐用年数は一般的には15年のようですが、10年を交換の目安にした方がいいという意見もありますね。

我が家の換気扇は、2022年時点で既に16年になりますので、耐用年数を既に超えてしまっています。

2年ほど前に、リビング(ダイニング)のエアコンの効きが極端に悪くなって調べたところ、エアコンの送風機の羽根であるクロスフローファンに、油汚れがこびりついていて、送風能力が著しく低下していることがわかりました。取り急ぎは、クロスフローファンにこびり付いていた汚れを除去することで送風力は回復しましたが、クロスフローファンが油で汚れた原因は一体?

キッチンの様子を確認すると、天井に近い部分が大分汚れています。(冷蔵庫の上面にも油汚れがべったりです。)どうやら、気が付かないうちに油煙がリビングの天井に充満し、エアコンを油で汚してしまったようです。そして、天井に油煙が充満させていたのは、換気扇の換気能力が著しく落ちていたことが原因でした。スイッチを入れると外側のシャッターが開いて換気扇が動作するのですが、スイッチを入れても外側のシャッターが開かない状態になっています。換気しようとしても外に空気が排出されないため、室内に油煙が充満していたのです。

換気扇を動作させても外側のシャッターが開かず換気ができないため、暫定対策としてシャッターを開けっぱなし改造

応急処置として、換気扇の外側にあるシャッターを少しだけ開きっぱなしにして、常に換気可能な状態にすることで換気性能を確保しました。しかしながら、常にシャッターが開きっぱなしの状態(写真のとおり、シャッターの内側から外の光が漏れて見える状態)ですので、換気が行われていない状態ではゴキブリなどの虫が入り放題です。(そんな状態なのは、嫁さんには内緒です:笑)

そこから2年ほどは、そのような状態のまま騙し騙し使用してきましたが、換気扇の耐用年数も超えましたので、そろそろ交換を検討する時期となりました。近々新しい換気扇に交換を検討中です。

2.キッチン用換気扇(レンジフード)の電源

キッチン用換気扇の電源は、通常の家庭用電源100Vです。扇風機と同レベル?のモーターを1つ回しているだけですので、機器の大きさの割には消費電力は小さいです。(我が家の換気扇の定格電力は、東日本の50Hzの使用条件で29.5Wほどです。)

台所用換気扇(レンジフード)の電源には埋め込み用の器具が使用されていてアース端子がない

エアコンなどでは分電盤からエアコン単独の電源ケーブルを配線すべきとされていますが、換気扇ではそのような対応も不要です。(実際には家庭用100V仕様のエアコンも、単独配線が必要なほどの電力は消費していないようですが。。。)

我が家の換気扇用の電源は上写真のような状態です。換気扇と天井との間の閉ざされた狭い空間に、本来は連用取付枠に固定して壁面埋め込みで使用する電源器具が無造作に置かれているだけです。プラグ抜け防止機能付きの器具になってはいますが、ちょっと無造作過ぎますよね。

台所用換気扇(レンジフード)の電源が送り穴で分岐して流し台の蛍光灯に使用されていることを示す配線図

しかも、その器具の”送り穴”からは、更に電源の分岐が行われていて”流し台 蛍光灯”に使用されています。(簡易的な配線図は図の通りです。)前述のとおり、換気扇の消費電力はそれほど高くないので、電源を分岐させても問題はないと思いますが、気持ち的にはちょっと微妙な感じですね。。。

そして、新たに購入を予定している換気扇の施工説明書には、機器をアースに接続して使用して欲しい旨が記載されていますが、我が家の換気扇用電源には、アース端子がついておりません。

3.キッチン用換気扇(レンジフード)にアース(接地)は必要?

新築時に備え付けられていた我が家のキッチン用換気扇(レンジフード)にはアース線が接続されておりませんが、そもそもキッチン用換気扇(レンジフード)にアース(接地)は必要なのでしょうか?

電気工事で設置する機器にアース工事をしなくてよいとされる条件は下記です。それぞれについて我が家の状況に当てはめて考えてみましょう。

  1. 使用電圧が交流対地電圧150V以下で、乾燥した場所に設置する場合
  2. 低圧用(600V以下)で、人が触れる恐れのないように(設置高さが2.3m以上)木柱、その他これに類するものの上に設置する場合
  3. 水気のある場所以外に施設する場合で、電気用品安全法の適用を受ける高感度高速形漏電遮断器(定格感度電流が15mA以下、動作時間が0.1秒以下の電流動作形のものに限る)を施設する場合

まず条件「1」について、一般的な家庭用電源は電圧が100Vなので150V以下です。電圧的にはアース工事不要な条件に該当しますが、キッチン用換気扇の設置場所が”乾燥した場所”か?と言われると、お鍋から水蒸気などが巻き上がる場所になりますので、アース工事が不要な条件には該当しない気がします。

条件「2」についても、高所設置ではありませんので非該当ですね。

分電盤の漏電ブレーカーの定格感度電流は30mAなので換気扇のアース工事が省略できる15mAを超えている

条件「3」について、我が家の配線回路上で漏電遮断器が付いているのは分電盤のみになりますが、その仕様は「動作時間:0.1秒以内/定格感度電流:30mA(定格不動作電流:15mA)」(写真参照)です。工事省略の条件である”定格感度電流15mA以下”を超えていますので、この条件にも該当しそうにありません。

こういう類のものは書かれている条文の”解釈”によって判断が分かれる(抜け道がある)のは理解していますが、条文を素直に解釈すると「キッチン用換気扇(レンジフード)にはアース工事が必要」になりそうです。

であれば、今後の新しい換気扇の設置に向けて、アース端子を追加しておきたいです。

4.キッチン用換気扇(レンジフード)へのアース端子追加方法

我が家の台所には、いくつかのアース端子がありますが、アース線の引き回し元である分電盤からは結構な距離があります。今回、換気扇にアースを追加するためには、既存のアース端子から”送り穴”を使用して、アース線を延長してあげるのが一番簡単な方法になりそうです。

台所のアース端子を持つ他の電源と換気扇の位置関係

換気扇の最も近傍にあるのは”冷蔵庫電源”のアース端子です。しかしながら、冷蔵庫の位置は図のとおりで、換気扇に正対した時の背面側に位置しています。冷蔵庫からアースを延長させるには、天井裏にアース線を通す必要があります。(図中の赤点線がアース配線経路のイメージです。)我が家の台所は1階ですが、天井裏に対する点検口がありませんので、天井裏にアース線を通すためは、天井点検口の設置が必要となります。

次に近いアース端子は、換気扇とは横並びとなる流し台の先に位置する”流し台横電源”です。

流し台の上には棚が設置されているが、その上には閉ざされた何もない空間がある

流し台の上には棚があり、その棚の上部には写真のとおり、かなり狭いですが、何もない空間があります。(写真の下端に見えているのが換気扇の電源で、その奥の棚の上に空間があります。)構造的にはその棚の上の空間を通り道にすれば、流し台の先の位置までアース線を通すことが出来そうです。(上図の赤実線がアース配線経路のイメージです)

課題は、”流し台横電源”が設置されている壁の中にどのようにアース線を引き回すか?になりそうですが、その辺は工事を始めて近傍の構造を確認しないとわかりません。

よって、今回のアース端子追加工事の方針としては、まずは「”流し台横電源”からアース線を延長する」ことにトライし、それでダメな場合に「天井点検口を設置して”冷蔵庫電源”からアースを通す」ことにします。

5.キッチン用換気扇(レンジフード)へのアース工事内容検討

工事の方針が決まったら、具体的な工事内容を検討します。今回工事する内容は以下の通りです。

台所用換気扇(レンジフード)にアース端子を追加する電気工事の配線図

まずは、現状の換気扇用電源の”送り穴”を使用した電源分岐を止めます。分電盤からの電源ケーブルは、新たに設置するジョイントボックスに配線し、そこから「換気扇」「流し台蛍光灯」それぞれに配線する構成に変えていきます。

アース線は”流し台横電源”から”送り穴”で分岐させて流し台の上を引き回し、ジョイントボックスを経由して換気扇まで引き回します。

また、換気扇用電源には下記の接地極と接地端子の両方を備えた露出型コンセントを準備し、今後、購入する新しい換気扇(レンジフード)のプラグがどのようなものであっても対応できるようにしておきます。

ジョイントボックス内でのケーブルどうしの接続には”差し込み型コネクタ”を使用して行きますが、今後の増設を視野に入れて、接続できるケーブル数に1個分余裕を持たせた設定とします。(ケーブルが3本接続される接続点には、4本接続用のコネクタを使用しておきます。)

配線的には特に難しい部分はありません。工事のポイントは”流し台横電源”から分岐させるアース線をどのように換気扇まで引き回すか?に尽きます。工事の中で家の構造を確認しながら施工していきたいと思います。

6.キッチン用換気扇(レンジフード)へのアース工事

まずは、流し台の上に設置されている棚上の空間に、アース線を通していく工事を行っていきますが、その前に、アース線の送り元となる電源を分解して、アースの分岐元を確認しておきます。

壁面埋め込み式電源コンセント器具のアース端子の送り穴

実は”流し台横電源”に関しては、既にその壁裏の電源(ウォーターサーバー用)に電源を分岐済です。(分岐工事の内容は【DIY】壁裏にコンセントを増設する-BOSCH製マルチツールをご参照ください。)そして、後日そのアースも壁裏への分岐を行いました。(アースの分岐工事は【DIY】パナソニック製配線器具-フルカラーとワイド21の違いをご参照ください。)

よって、”流し台横電源”のアース端子”送り穴”は既に使用済なので、実際にはその壁裏の分岐先電源(ウォーターサーバー用電源)の”送り穴”を使用して、更にアース線を分岐させていきます。

なお、アース用の”送り穴”は、アース端子付き電源器具裏面のアース線が接続されている端子の横に並んでいる(空いている)端子になります。(写真をご参照ください。間違えると大変です。)

アースの分岐元が確認できたら、いよいよアース線を通す工事を行っていきます。

6.1 流し台上の棚を一旦取り外してアース線を引き回す

アース線の通し方を色々考えましたが、何も破壊することなくアース線を通していくという条件で工事の内容を検討すると、流し上の棚を一旦すべて取り外して、その上にアース線を通していく方法しかなさそうです。元に戻すのが非常に大変そうですが、まずはこちらの方法にトライします。

流し台の上に設置されている蛍光灯は棚の下に直接取り付けられている

棚を取り外す前に、まずは棚の下に固定されている流し台上の照明器具を外します。(換気扇から”送り穴”で分岐している電源を使用した器具です。)

こちらの照明器具は引掛けシーリングを使用しておらず、照明器具に電源ケーブルが直接接続されています。今回も例によって、分電盤のブレーカーを落とさない”活線”の状態で作業をしていますので、ショートしないように慎重に作業します。

照明器具が取り外せたら棚を取り外していきますが、今回取り外す棚の中には、昇降するラックが取り付けられています。見た目的にも非常に重量がありそうなので、一人の作業でラック付きの棚を丸ごと取り外していくのは難しそうです。まずは、ラックを取り出して、棚の中を空にしていきます。

流し台の上の棚を取り外すために棚内に設置された昇降式のラックを取り外す

このラックの取り外し作業が非常に大変でした。安全が最大限考慮されて設置されていますので、固定しているネジが多く、そしてラックには結構な重量があります。想像の軽く7倍くらいは大変な作業でしたが、けがをすることもなく何とか一人で取り外すことが出来ました。

棚の中を空っぽに出来たら、隣の棚と連結しているネジと壁に固定していている長いネジを外して棚全体を外そうとしますが…なんと!ネジをすべて外したのに棚が全く動きません。インターネットで取り外し方(施工説明書)を探してみますが、見つかりそうにありません。

照明器具や棚の中のラックを頑張って外しましたが…無理に取り外して棚を破壊しては元も子もありません。棚の取り外しはギブアップし、とりあえず、すべてを元通りにすることにしました。(かなり無駄な作業をしてしまいました。)

6.2 流し台上の棚上部の化粧パネルに穴を開けてアース線を引き回す

続いては、棚上の空間を目隠ししている化粧パネルに穴を開けて、そこからアース線を通す方法にトライします。(化粧パネルの破壊を伴いますが止むをえません。)

流し台の上の棚の上に存在する閉ざされた空間を活用するため、空間を目隠ししている化粧パネルをマルチツールで切断する

まずはマルチツールを使用して、写真の矢印部に刃を入れて化粧パネルを切断していきます。

写真上で、棚の右側に見えるタイル面は、アースの分岐元である「流し横電源」が設置されている面です。その壁の中にアース線を引き回していきますので、壁の中にアクセスしやすくなるよう、棚の最も壁寄りの箇所の化粧パネルを外していきます。

構造的には化粧パネルの裏側に2本の木材が当てられていて、化粧パネルと木材が強力な接着剤で固定されている構造のようです。切断する箇所の工事後のリカバリーは別途考えていきますが、取り急ぎは裏側から当てられている木材と化粧パネルを一緒に切断していきます。

棚の上の閉ざされた空間の化粧パネル周りの断面図

化粧パネルを切断してその内部構造を確認すると、棚上空間は図のような構造になっていました。(接着剤で化粧パネルが固定されていた木材は、天井、及びそれぞれの木材どうしでネジ固定されていました。)

化粧パネルに穴を開けることが出来たら、換気扇側から棚上の空間にアース線を挿入し、化粧パネルに穴を開けた位置まで引き回します。

6.3 流し台横の壁内にアース線を引き回す

続いて、流し台横(棚の横)のタイル面の壁内にアース線を通していきます。

流し横の壁内にアース線を挿入するために、手を入れて壁内を確認するための穴を開ける

まずは、棚上の空間から見える石膏ボード上端の隙間から壁内にアース線を挿入してみますが…中で何かに当てってしまいアース線が全く入っていきません。

そこで、アースを挿入する壁内の様子が確認出来るよう、石膏ボード上端に写真のような穴を開けました。

開けた穴から壁内に手を突っ込んで、中の様子を(文字通り手探りで)確認した結果は下図です。(ちょっと解り難いかもしれませんが、下図は写真と同じ視点で、タイル面に正対して見ている図になります。)

流し台横の壁内には間柱があり、アース線が入っていくのを邪魔している

ケーブルを挿入しようとしている位置(開けた穴)の真横には間柱が配置されていました。挿入したアース線は、それにぶつかってしまって入っていかなかったようです。

間柱よりも上など含めてケーブルを通せる空間がどこかにないか?更に穴に手を突っ込んで確認してみると、間柱の横に小さな空間があることがわかりました。そのわずかな隙間にケーブルを通すことが出来れば、何とか”壁内空間”にケーブルを配線することが出来そうです。ただし、角度的に開けた穴からは壁内が視認できませんので、すべて手探りでの作業となります。果たして、うまくアース線が入ってくれるでしょうか?

流し横の壁内にアース線を通すために釣り用のラインとおもりを壁内に落とし込んで通しておく

このような難易度の高い壁内ケーブル配線で、いつも私を助けてくれるのは、釣り用の「ライン」(釣り糸)と「おもり」です。ラインに結んだおもりを壁内に落としていくことで、重力を利用して壁内にラインを通していきます。(今回はおもりをロストする可能性があるので、実際の釣りではあまり使用しないそろばん型のおもり(かなり安く購入)を活用しました。)

石膏ボードに開けた穴に、再度、手を突っ込んで、発見した小さな隙間におもりを入れて落としていきます。開けた穴が少し小さかったこともあって、おもりがなかなか上手く入ってくれませんでしたが、最終的には何とか壁内側におもりを落としこむことが出来ました。(いつもありがとう。おもり。)

おもりが壁内に落下したら、アースを分岐させる壁裏コンセントの穴から手を突っ込んで、落としこんだおもり(のライン)を手繰り寄せて取り出します。

おもりが上手く取り出せたら、そのライン(釣り糸)の反対側にアース線をくくりつけて、ラインを引っ張りながらアース線を壁内に通していくのですが…このラインを通す作業が、また大変でした。壁内のわずかな隙間にケーブルを通そうとしていることもあり、アース線がいろんな箇所に引っかかってなかなか壁内を進んでくれません。

壁内に通したラインに通したいケーブルを結び、反対側には大量のおもりをぶら下げてケーブルを送り込む

そこで、ラインを引っ張っていく側に、おもりを大量にぶら下げて作業しました。(おもりを袋ごとぶら下げました:笑)アース線の先端が進むと、ぶら下がったおもりが下がって上手く進んだことを知らせてくれますので、アース線の先端が順調に進んでいることを確認しながら作業することが出来ます。

おもりの助けを借り、なんとかアース線を目的の位置まで引き回すことが出来たら、分岐元のアース端子”送り穴”に引き回したアース線を接続して、分解したコンセントを元に戻します。(コンセントの分解、組み立て方法は、別記事の壁面設置コンセント・スイッチの分解(組込み)にて詳しく説明していますので、ご参考にしてみてください。)

分解したコンセントが元通りに出来たら、アース線の分岐と配線は完了です。(かなりの難工事となりました。)

6.4 アース端子付き露出型コンセントへのケーブル接続と設置

続いて、今回新たに設置する露出型コンセントにケーブルを接続していきます。

コンセントには⊕側のケーブルと⊖側のケーブル、そしてアース線を接続していきますので、3芯のVVFケーブルを使用して接続していきます。

アース端子付き露出型コンセントに芯線が3本のVVFケーブルを接続する

⊕側には黒線、⊝側には白線、そして、アース端子には赤線を接続します。ケーブルの接続端子への接続は、被覆を剥いた芯線をネジで挟み込むだけの構造になっているので簡単です。(芯線をリング状に加工する必要はありません。)

また、アースに接続する赤線は、⊖側の端子の上を通せるような構造になっていました。⊝側の端子に触れることなく端子上を配線できるので安心ですね。(写真参照)

ケーブルが接続出来たら、露出型コンセントを壁に固定していきます。4隅にネジ固定する穴があるので、その穴にネジを通して壁面に固定していきます。

台所用換気扇(レンジフード)用に新設するアース端子付き露出コンセントを壁のべニア板面に固定する

壁面に固定出来たら、カバーを嵌めて中央のネジでネジ止めします。(その状態が写真の状態です。)

更にその上から、全体を覆うカバーを被せれば換気扇用電源の設置は完了です。(カバーはツメ固定されているだけなのでネジはありません。)

なお、今回使用した露出型コンセントは、接地極と接地端子を両方備えているものになります。換気扇側のプラグにアース端子が付いている場合はプラグをそのまま挿せばいいですし、アース線を別途接続する場合には、一旦全体を覆っているカバーを外して、その中の端子にアース線をネジ止めします。

6.5 ジョイントボックスを設置し各ケーブルを接続する

露出型コンセントが設置出来たら、ジョイントボックスを設置して各ケーブルを接続していきます。

設置した露出型コンセントのケーブルやアース線などをジョイントボックスの土台周りに引き回して接続する

ジョイントボックスの設置は、台座をネジで2か所固定するだけです。(写真が台座のみを固定した状態です。上下2か所をネジ固定してあります。)

台座が設置出来たら、分電盤からの電源ケーブル、換気扇用露出型コンセントに接続したケーブル、流し台照明用のケーブル、棚の上を引き回してきたアース線を、事前に作成した配線図の通りに差し込み型コネクタで接続していきます。(差し込み型コネクタへのケーブル接続方法は、差し込み型コネクタによるケーブル接続にて詳細を記載していますのでご参考にしてみてください。)

設置した露出型コンセントのケーブルやアース線などを差し込み型コネクタで接続してジョイントボックスに格納する

すべてのケーブルが接続出来たら、ケーブルをコンパクトに折り畳んでジョイントボックスのカバーの中に収納します。

その状態でカバーの上下端を台座に取り付ければ設置完了です。(カバーは台座に上下のツメをひっかけるだけです。)

写真が設置後の状態になりますが、換気扇用の電源にアースが追加されて、その他の配線もすっきりと整理できました。これでいつ新しい換気扇が届いても大丈夫ですね。

6.6 アース線を通すために開けた穴の修復

最後にアース線を通すために開けた穴を修復していきます。

流し横の壁内確認用に開けた穴を、穴を開けた石膏ボードに添え木をして塞ぎマスキングテープで隙間をなくす

まずは、流し横の壁内にアース線を通すために、石膏ボードに開けた穴をふさいでいきます。穴を開けた時に切り出した石膏ボードで穴を塞いでいきますが、塞いだ石膏ボードが壁内に落ちないよう、穴を塞ぐ石膏ボードに木材の切れ端をネジ固定してストッパーを掛けます。それをマスキングテープで軽く固定して、今後もその穴を活用できるようにしておきました。

また、換気扇を動作させると、壁内から結構なすきま風が入ってくることがわかりましたので、天井と石膏ボードとの隙間もマスキングテープでふさいでおきました。

棚上の空間を活用するために化粧パネルに開けた穴は、化粧パネルをネジ止めして塞ぐ

棚上の化粧パネルに開けた穴は、穴の周囲に木材を配置して切り取った化粧パネルをネジ止めし、出来た隙間をモールで塞ぎました。(写真参照)

取り付けできそうなモールがホワイトしか準備できなかったので、外観的にはちょっと違和感がありますが、今後は化粧パネルを固定したネジを外すことで、棚上の空間にいつでもアクセスできるようになりました。(ネジ固定式の点検口みたいな感じになりましたね。)

以上で今回の施工はすべて完了です。

・キッチン用換気扇(レンジフード)にアース追加工事した感想

今回は1階のキッチン用換気扇(レンジフード)の電源にアース線を引き回してアース端子を追加しましたが、やはり1階のケーブルの配線工事はとても大変でした。(2階は屋根裏に配線できるので、普段から屋根裏スペースの開拓が出来ていれば、配線工事は比較的簡単です。)

1階のケーブル配線は、現状では新築で施工する電気工事屋さんの”思いやり”が追加配線工事の難易度をかなり左右します。家の工事にはいろいろな業者さんが携わり、電気工事屋さんだけでは決められないことも多々あるとは思いますが、今後に向けては「家屋全体の電気配線図の家主への明示」と「ケーブルの追加配線を可能とする建築方法」の義務化などを、法整備してもらいたいものですね。

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