【DIY】窓の2重窓化 -ポリカ製プラダンによる引き戸式内窓

ポリカ材料プラダンと木枠の引き戸式内窓で2重窓化DIY

エアコンが効かず”夏は暑く””冬は寒い”我が家の吹き抜け玄関、階段、廊下エリア。今回は、階段中央の窓にポリカ製のプラスチック段ボール(プラダン)を使用した引き戸式の内窓を追加し、外の熱気・冷気を伝えにくい2重窓にしたDIYを紹介します。下記リンクにて動画も公開しておりますので、興味のある方はそちらも是非ご視聴ください。【DIY】階段の窓を2重窓化する

1.エアコンの効かない玄関・階段・廊下エリア

ここ数日は涼しい日が続いていますが、夏本番になると各部屋でエアコンが稼働し、その冷やされた空気を部屋から逃がさないよう、ドアを閉め切って生活しています。結果、エアコンが効かないエリア、玄関や階段、廊下などはその場に居続けることができないくらい温度が上昇します。

エアコンが効かないエリアの温度が上昇する原因は、屋根や壁、そして窓から伝わる外気の熱です。屋根や壁などには断熱材が入っていますので、多少は外気の熱を遮断してくれていますが、窓はガラス1枚で外気の熱をダイレクトに伝える場所になっており、エリアの温度上昇に与える影響は大きいです。

階段の窓は外の熱気や冷気を室内にダイレクトに伝える

そこで今回は、エアコンの効かないエリアの中で、一番大きなガラス面積を誇る西向きの”階段中央の窓”に、DIYで内窓を設置して2重窓化による断熱対策をしていきたいと思います。(外窓と内窓間に空気層を設けることにより、外気の熱がダイレクトに階段へ伝わるのを防ぎます。)

なお、このエリアにはもう一つ、吹き抜けの玄関上に縦長の窓が2個ありますが、北向きの窓で温度上昇に与える影響は比較的小さいと思われるので、今回の施工では材料だけを準備し、別の機会にDIYすることにしました。

2.内窓の設計と材料の準備

早速、内窓の構成を検討した結果、構成を下記としました。

  • 窓構成 :2枚構成の引き戸 *外窓と同構成
  • 窓部  :プラスチック段ボール(中空・透明)
  • フレーム:木製
  • レール :プラスチック製の既製品

窓部の材料は、材料内部に空気層を持ち断熱性に優れたプラスチック段ボール(プラダン)とし、採光は妨げない透明タイプとします。その条件で合致する材料を探した結果、耐候性(紫外線耐性)が優れて光透過性も良好な、4mm厚 1,820mm×910mm の”ポリカ中空ボード”を購入しました。(このサイズで、階段窓と玄関上窓の透明部を確保します)

フレームはホームセンターで適当な木材を購入します。ホームセンターに行ってラインナップを吟味した結果、階段部の内窓は人目に良く触れるので、表面の外観のよい30mm×15mmのヒノキ材を購入しました。(人目に触れにくい玄関上窓の材料はより安価なスギ材としました。)

レールは光モール製のプラスチック製レールの既製品(ホワイト)を、上レールと下レールの両方購入しました。なお、レールの巾が12mmなので、レールに嵌る部分のフレーム材料は、厚みを15mm⇒12mmに削り込む必要があります。

3.内窓用材料の加工-フレーム&パネル

まずはフレームサイズを明確にし、各材料の寸法を決めて加工していきます。

内窓のはめ込み設計 上下の隙間(遊び)は5mm設定

縦方向は上レールの深さが8.5mm、下レールの深さが3mm、そしてレールの材料厚みが1.5mmなので、「窓枠寸法-(1.5×2)-5mm」としました。最後の”5mm”は縦方向の”遊び”です。レールに内窓を組み付けるときに、上レール側にその遊び分を余分に突っ込んで、下レールを乗り超えることで上下のレールにフレームを嵌める設計です。(一般的な窓やふすま、障子などと同じ原理です。手書きですいませんが、図のようなイメージです。)

横方向は、閉じたときにフレーム同士が多少重なり、かつ、片方の窓を開いたときに外窓のカギが開閉できる寸法設定としました。(結果として、閉じ状態でフレームが14mm重なる設定となりました。閉じたときに30mm幅の木材が約半分重なる設定です。)

木材のフレームのカットには丸ノコを使用します。なお、右近次の木材DIYで寸法精度が必要なカットには必ず丸ノコを使用していますが、最近は各ホームセンターで指定寸法でカットしてくれるところが増えましたので、そのサービスを利用するのもよいですね。縦・横それぞれの材料を並べてF型クランプで固定し、同一寸法になるように一度にカットします。

プラダン製内窓の木枠 レール摺動部の断面形状

また、透明部(プラ段)は各フレームに3~5mm重なる(食い込む)設計とするので、各フレームには4mm厚のパネルが嵌る、巾と深さが5mmの溝を加工します。溝の加工と言えばトリマーの出番ですね。レールに嵌る部分の厚み調整(3mm削る)もトリマーを使用して削っていきます。加工が完了した下フレームの断面形状は写真のとおりです。(上の溝が透明のパネルが嵌る溝。右下の切り欠きはレール嵌合する部の厚み調整の切り欠きです。)

なお、右近次が使用している丸ノコやトリマーなどの電動工具は、【電動工具/その他の工具】 で紹介していますのでご参考にしてみてください。(記事が長くなりそうなので、今回の記事内では詳細を割愛します)

続いて、透明部の加工についてです。

材料が1,820mm×910mmととても大きいので、加工するには広いスペースが必要です。幸いパネルが到着したその日に他の家族が出かける予定が入っていたので、リビングにお店を広げて作業しました。前述のとおり、パネルをフレームに3~5mm重ねる設定としましたので、そのサイズになるようカッターでカットします。パネルの目に沿ってカットする際は、表と裏のポリカ材をカットするだけなので簡単ですが、パネルの目に垂直に切る方向は、材料が段々に重なっていて切りにくいので、怪我をしないよう注意して作業します。

プラダン端面の保護はマスキングテープで養生

また、カット後のパネルは、パネルの目に垂直に切った端面からはパネル内部にゴミが入ってしまう構造になっています。ゴミが深く入ってしまうと取り除くのが難しくなりますので、端面は写真のようにマスキングテープなどで保護しておいてください。(その後の作業も考えて、パネルの保護フォルムも外さない方が良いです)

レールについては、プラスチック用の刃が細かいのこぎりなどで必要な寸法にカットします。(私は100均で適当なのこぎりを購入して使用しています)

4.内窓の組み立て-フレーム&パネル

材料が加工出来たら、窓を組みたてていきます。

内窓木枠の組み立て コーナークランプで垂直(直角)出し

まずは下フレームと縦フレームを”コの字”に組み立てます。木材を垂直に組み立てる場合は、コーナークランプを使用して垂直に仮固定してからねじ止めすると、垂直がしっかり出せてよいです。垂直に固定した状態でドリルでビス用の下穴をあけてネジを打っていきます。(材料が薄いため、電動ドライバーを使用せずに手動でネジ打ちした方が、材料の割れが防げて良いと思います。)

内窓木枠のねじ止め ネジが食い込むようドリルで加工

また、ネジ頭がフレームに潜り込めるように、下穴の入り口にはねじ頭より径の大きな凹みを加工しておきます。この加工専用の工具も売られていますが、右近次は写真のように大きめのドリルにテープを巻いて、ドリルが奥に入って行かない状態にして加工しています。(近いうちに専用のドリルを購入するつもりですが、取り急ぎはこちらで十分な加工ができています。)ネジを隠す凹みは、後ほど木工用パテで埋めていきますので、最低限ネジが隠れるくらいの、極めて浅い凹みでOKです。

内窓木枠 コの字からロの字に 木枠完成

フレームが”コの字”に組めたら、フレームの上側から透明パネルをフレームの溝に嵌めていきます。ただ、この状態でパネルには保護フィルムが付いたままとなっておりますので、溝に嵌る分の保護フィルムをめくった状態で組み立てていきます。また、前述のとおりパネルの目に垂直にカットした面は端面を塞いでおかないとパネル内部にゴミが侵入してしまいます。でも、黄色いマスキングテープのままだと、パネル端面を溝に入れても光の反射などで見えてしまうことがわかったので、より目立たない透明のテープなどで蓋をし直しました。

パネルを”コの字”フレームに嵌めることができたら、上フレームを取り付けてネジで固定し、窓の形状を完成させます。

5.内窓の表面仕上げ-磨き&ワックス掛け

窓の形状が完成したら、外観を仕上げていきます。まずはネジ部を木工パテで埋めていきます。木工パテは乾燥すると痩せます(厚みが大きい部分が凹みます)が、乾燥したら紙やすりやサンダーで表面を仕上げていきますので、痩せることを想定して多少多めに(木材表面から凸するくらい)パテ盛りしておきます。

内窓木枠の表面をサンダーで仕上げる レール摺動部も平らに修正

パテが十分に乾燥したら、粗目の紙やすりで形状を整えたあと、サンダーを使用して表面を仕上げていきます。またこの際、組み付けの際にめくったパネル保護フィルムを可能な限り元に戻して、パネルの際までマスキングしておくとパネルが汚れなくてよいです。このサンダーによる仕上げが最後の仕上がり外観に大きく影響しますので、満足するまで”つるつる”に仕上げます。

また、レール嵌合部に段差などがあると窓の摺動性に影響が出るので、レール嵌合部も段差などがなくなるようきっちり仕上げておきます。

同時に、木工パテの表面も段差がなくなるよう、この作業でしっかり仕上げます。

表面加工が完了したら、木材の表面にワックスを塗っていきます。今回は下記のヴィンテージWAX(クリア)を塗布しました。使い捨てのビニール手袋を使用して、使い古しの歯ブラシで塗っていきます。クリアーなので塗った箇所が少しわかりにくいですが、WAXが染み込むことで多少色が変化しますので、そのような色の変化をよく見ながら塗り残しのないように塗布していきます。

WAXが塗り終えたら30分ほど放置し、余分なWAXを拭き取ります。その後さらに1日以上乾燥させ、表面が乾いたら完成です。

6.窓枠へのレール取付けと内窓の組付け

窓が完成したら、窓枠にレールを取り付けて窓を嵌め込んでいきます。

内窓用レールの窓枠への貼り付け

カットしたレールは両面テープで窓枠に取り付けます。両面テープは、汎用の両面テープとしてスタンダードな”Nitto 5000NS”を使用しました。まずはレール側に両面テープを取り付けて、パーツクリーナーなどで脱脂した窓枠に貼り付けていきます。

窓枠へ貼り付ける際には、上下レールの外窓からの距離を均一にし、かつ、それぞれを真っすぐに貼り付ける必要がありますので、外窓のサッシにスペーサーを当ててレールを貼り付けます。(今回は玄関上窓用に購入した木材をスペーサーとして使用しました:写真参照)

上下のレールを貼り付けたら、完成した内窓の保護フィルムを剥がします。しっかりマスキング出来ていたみたいで、パネルの汚れはほとんど見られませんでしたが、わずかに付着した汚れやテープの糊残りなどは、窓枠の脱脂で使用したパーツクリーナーを使用して洗浄しました。

保護フィルムを剥がしたら、いよいよ完成した窓をレールに嵌めていきます。(この瞬間が一番ドキドキします。)

内窓はめ込み状態で外窓のカギも開閉できる

奥側の窓から嵌めていきます…しっかり嵌りました。開閉の動きもスムーズで閉じ状態での窓枠との隙間もありません。(窓枠との間に隙間が発生したら、横にもレールを設置しようと思っていましたが、いらぬ心配でした。)

続いて、手前側の窓枠も嵌めていきます…出来は同じ奥側の窓と同レベルで開閉の動作も完璧です。

両側の窓を右側に寄せた状態で、外窓のカギも開閉できます(写真のとおりです)。結果として、すべて事前に想定していた通りに完成させることが出来ました!

・階段の窓を2重窓化した感想

今回は玄関からも見える階段窓の施工ということで、作成する内窓の外観にはかなりこだわりましたので、結果として非常に美しい内窓を作成することができました。閉じ状態での隙間などもなく外観としては完璧の出来になったと思っています。(娘も珍しく褒めてくれました:笑)

あとは断熱に対する効果ですが、設置した日はとても暑かったので、体感的には設置効果を実感できました。(階段の体感温度は確実に下がっていたと思います。)しかしながら、その翌日より雨が続いていて、温度上昇に対する数値的な検証ができておりません。暑い日が2日続くときにでも、「朝から内窓を開けていた時の温度」と、「朝から内窓を閉めていた時の温度」を確認して、検証してみたいと思います。

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