バジルの苗はどのくらいの量を購入したらよいでしょうか?バジルは株分けして植えて挿し木で増やせばすぐにモリモリ増えます。よって、購入する苗は”1ポット”で十分です。今回は購入した苗をバラして株分けして植える方法から、挿し木で増やす方法までを紹介します。関連する動画も下記リンクにて公開していますので、興味のある方は是非ご視聴ください。【ガーデニング】バジルの苗はバラして植えて”挿し木”で増やす! 【ガーデニング】バジル苗は1ポット購入すれば十分です!
1.料理に使えるハーブとして人気のバジル
バジルはイタリア料理などに良く使われる香り高いハーブです。ピザの上に摘みたてのフレッシュなバジルが乗せられていたら最高ですよね!料理で色々と使えるため、我が家でもお庭の菜園に毎年植え付けて、パセリ、ローズマリーなどとともに大変重宝しています。
イタリア料理などで良く使われることから個人的にはヨーロッパ原産だと思い込んでいましたが、実際の原産地はインドなどの熱帯アジア地域で、アレクサンダー大王によってヨーロッパに伝えられたという説があるそうです。
また、一年草だと思い込んでいましたが、実際には多年草で日本では越冬できないために一年草として扱われているのだそうです。(なら温室栽培なら数年にわたって栽培できる??どこかで試してみたいですね。)
今回はそんな人気のバジルについて、1ポット購入するだけで株をモリモリ増やしていく方法を紹介したいと思います。株が増えていけばバジルペースト(ジェノベーゼソース)を作るのも夢ではありませんよ。(私も以前作ったことがありますが、大変美味しゅうございました。)
2.バジル苗の効果的な植え付け方法-株分け
バジルの苗はホームセンターなどで塩化ビニル製のポリポットで売られているものを購入すると思いますが、1つのポットの中に芽が5本程度は出た状態で売られています。通常、種をまく際には発芽しない種があることを想定して、1か所に複数の種をまきます。お店で売られている苗も、ポットに種を複数個を蒔いて育てますので、その種全部が発芽すれば、その種分の芽が1ポット内で成長し、結果として1ポットに5本程度の芽が出る状態になるわけです。
大多数の方は、その購入したポット苗をそのまま(ポリポットだけ取り除いて)畑やプランターなどに植え付けてしまうと思いますが、右近次的ガーデニングでは、まずその複数の株を1株ずつ株分けして植え付けます。それだけで、1ポットで購入した苗を5株程度に増やすことが出来ます。また、それぞれの株間をしっかり確保することができるので、それぞれの株が元気に育つことにもつながります。
ただし、その際の注意点は3点ほど。
「1.出来るだけ根を傷めないように株を分ける」 苗の成長具合にもよりますが、ポット内の根はそれぞれの根が絡み合っていて、分けるのが大変です。それを慎重にほぐして出来るだけ根を傷めないように分けていきます。根についている土が出来るだけ取れないようにしてあげると、植え付け後の定着率が上がると思います。
「2.成長の悪い株は株分けして植え付けても定着率が低い。そのような株はダメ元でトライする」 1ポットの中で、モリモリ成長している株は2~3株ほど。残りの株は、ヒョロヒョロと弱々しく生えていることが多いです。このようなヒョロヒョロ株は根張りも悪く、株を分けても思うように育たないことが多いので、すべての株を生かすことまでは期待せずにトライするくらいが良いかと思います。育って欲しい株を優先するイメージで株分けしてください。(全滅してしまっては元も子もないので。)
「3.植え付け後は水を切らさないこと」 方法を後述しますが、バジルは挿し木で増やせる生命力の強い植物です。株分けの作業で根を痛めてしまった株でも、水を切らさないようにすれば、その状態から新たに発根して定着してくれます。なので、植え付け後は出来る限り水を切らさない様にすると、株の定着率が上がると思います。
よって、私がバジルの苗を選ぶときのポイントは「株分けして植え付けた時に定着できそうな株が出来るだけ多いこと」になります。また、通常は徒長している(ひょろひょろと背だけが高い)株は嫌がられますが、バジルの場合はそれほど気にする必要はありません。徒長した部分は、次に説明する”挿し木”の材料になりますので。また、私が2021年に購入した苗は、徒長して”¥98”に値引きされて販売されていましたが、徒長した苗にはそのようなコストメリットが出る場合もあります。
3.バジルを挿し木で増やす方法
1ポットの苗を植え付け時に株分けすることで、バジルを5株程度まで増やすことが出来ました。そこからさらにどう増やすか?ですが、バジルの増殖に有効な方法は”挿し木”です。”挿し木”を繰り返すことでたくさんの「クローン・バジル」を作り出すことができます。
まずバジルはそのまま放置して育てるとひょろひょろと背が高く成長してしまいます。そうなると風で倒れやすくなったりしてあまり良くありません。よって、上に伸び続ける上部の芽を写真のようにカットしてあげる必要があります。それを敵芯と言います。
敵芯されたバジルは敵芯された箇所のすぐ下の葉の根元から新しい芽を出し、2股に分かれて成長していきます。それによって、横方向にもこんもりと育つようになり、風で倒れにくくなるだけでなく、葉の収穫量も増えます。
通常は「摘心する=料理に使う」になるのですが、摘心でカットした部分はそのまま挿し木に使用することが出来ます。挿し木にすることで、更に株を増やすことが可能となるわけです。
なお、先ほどバジルの苗を購入する際に、徒長した株があっても気にしないと説明しましたが、株分けして植え付けする際にも、徒長した株は植え付け時に摘心してしまいます。摘心した下の部分をそのまま畑に植え付け、摘心した上の部分を挿し木にしてしまうわけです。それがどちらも定着すれば、徒長した株を2株に増やすことが出来ます。
挿し木の方法はとても簡単です。まずは、育成床用の赤玉土とプランターを準備します。私はアクアリウムに赤玉土をよく使うので、粒の大きい赤玉土(中粒)を愛用していますが、挿し木のみに使用するのであれば挿し木との密着性が高くなる小粒の赤玉土を選択した方がよいかもしれませんね。
プランターはどんなものでも大丈夫です。なお、赤玉土は全体の保水性が高まるようプランターにたっぷり入れちゃってください。
その赤玉土が入ったプランターに、摘心したバジルを挿していきます。なお、どれだけ効果があるかはわかりませんが、右近次は茎のカット面の断面積が出来るだけ大きくなるように、カット面を斜めにしてから挿しています。(花瓶に挿すお花と同じで、断面積が大きいほど水を吸いやすくなるだろうという理屈です。)
そのプランターにたっぷりの水をあげ、赤玉土を十分に濡らします。赤玉土は濡れると表面の色が変わるので、吸水出来ているか?はわかりやすいです。全体が十分に濡れるようたっぷり水を与えてください。
そして、その後しばらくは半日陰くらいで療養させます。赤玉土が直射日光で乾かないようにする目的もありますが、挿し木直後のバジルは根がない状態なので、直射日光は刺激が強すぎます。なので、多少発根して覇気が回復するまで、半日陰で療養させてあげる必要があるのです。
また、赤玉土が完全に乾くと枯れてしまいますので、水は絶対に切らさないよう管理してください。心配であれば、プランターの下に水を張った受け皿を置いてあげれば、受け皿に水があるうちは赤玉土が完全に乾くことはなくなります。
挿し木後、2週間も経てば、それぞれの茎から発根が進み、植え付け可能な状態になります。(クローン完成です。)スコップで赤玉土ごと(根の塊ごと)取り出してあげれば、根が十分に出ているか?確認できると思いますので、十分な根が出ていることを確認してから、畑やプランターに植え付けてください。(夏場の直射日光は植え付け直後のバジルには厳しいかもしれません。その辺も考慮して植え付けしてあげてください。)
また、植え付け後しばらくは水が切れないよう注意します。一緒に植え付ける赤玉土を見れば土の乾燥具合はわかると思いますのでよく観察して対応してください。
植え付け後は、植え付けた分の赤玉土がプランターから減ってしまうので減った分を足します。そうすることで、次の挿し木をすることができるようになり、バジルの季節が終了するまで何度も挿し木を行うことができます。
・様々な植物に適用できる”挿し木”の魅力
今回はバジル苗を1ポットだけ購入し、株分けと挿し木で株を増やしていく方法を紹介しました。挿し木をどんどん繰り返せば、家庭では消化しきれないほどのバジルを収穫することができます。
また、挿し木ができるようになれば、いろいろな植物を挿し木で増やすことができるようになります。もちろん挿し木では増やせない植物や、発根する確率が低い植物も多いですが、剪定などを実施した際には、ダメもとで挿し木してみるのも面白いと思います。(発根したら儲けものくらいの感覚なら、失敗してもダメージはないです:笑)
写真は我が家のローズマリーです。ローズマリーも挿し木でモリモリ増やすことができる植物です。(昔は剪定の度に挿し木して、いろいろなご家庭に里子に出してました。)今では巨木になって、増やしても仕方がないので挿し木することは少ないですが、ローズマリーは料理に使えて重宝する植物です。お知り合いの方が育てていれば、枝を一本分けてもらって、挿し木すれば「¥0」で入手出来ます。ローズマリーは多年草でモリモリ育つ植物なので、「枝を1本分けて」と言われて断る人はいないと思いますし、逆に剪定した枝を毎年捨てていると思うので、ローズマリー的にも嬉しい活用方法になるはずです。^^