芝生の更なる成長を促す作業として必要なのは、コアリングやスパイキングなどのエアレーション、そして根切りです。今回は、2021年の芝生育成で不足していた根切りに焦点を当てて、その効果や実施時期、必要な道具などを調べて我が家の芝生に適用しました。下記リンクにて動画も公開していますので、ご参考にしてみてください。【芝生】10年放置した芝生を再生する -2022 2nd season- #2 芝生の根を切りまくる!
目次
1.芝生の生育に必要な作業-エアレーション
芝生に対する処置として真っ先に思い浮かぶのが”芝刈り”ですね。芝の生長点を刈りこむことで芝生の成長を促すとともに、芝生の外観を美しく保つ大切な作業です。
視点を土の中に向けるとどのような作業が必要になるでしょうか?芝刈りなどによって、芝生が順調に育っていくと、芝生の密度が上がっていきどんどん美しい芝生になっていきます。同時に、床土の中の根も密度があがり成長を続けていきます。しかしながら、根が密集し過ぎて十分な呼吸が出来なくなってくると、芝生が枯れたりしてします。そのような根の呼吸不足を解消するのがエアレーションと呼ばれる作業です。
エアレーションには、コアリング、スパイキング、ドリルエアレーションなど様々な方法がありますが、いずれも床土に穴を開けて通気性を良くし、根に十分な空気を送り込むという作業です。合わせて、床土に穴を開けることで踏み固められた床土を耕して柔らかくする効果も期待できます。
エアレーションの中でもコアリングは専用のガーデンパンチを床土に挿して、円柱状の土の塊を取り出し、芝生の根へのエアレーションを行うとともに、土を取り出して出来た穴に新たな目土を投入することにより、床土を新しいものに入れ替える作業です。少しずつにはなりますが、土壌の改良効果も期待できます。
スパイキングは専用のガーデンスパイクなどを靴に装着して芝生を踏んで回り、スパイクの裏についている”釘”で芝生の床土に小さな穴をたくさんあける作業です。コアリングは多少芝生にダメージを与える作業ですが、スパイキングは芝生の間から釘を床土に挿す作業なので、芝生へのダメージは極めて少ない作業と言えます。
また、エアレーションと効果が似た作業としてはサッチングがあります。サッチングは落ち葉を集める熊手のようなレーキと呼ばれる道具を使い、芝生の根元に溜まった枯れた芝生を取り除く作業です。枯れ芝を取り除くことにより芝生の根元が呼吸できるようになるので、効果としてはエアレーションに似ている作業ですね。
2.芝生の生育を促進する作業-根切り
芝生に必要な作業はエアレーション以外にもいろいろありますが、芝生の生育を促進する大事な作業が「根切り」です。
鉢植えで植物を育てる場合は、定期的に植え替えを行います。その際、古くて傷んだ根っこをカットして新しい土に植え替えることで、根の更なる成長を促して植物を成長させます。
しかしながら、芝生の場合は「地面に植えっぱなし」とならざるを得ない特殊な植物ですので、植え替えなどは基本的にできません。(芝生の張り替えなどを実施することも出来ますが、土木工事のような大掛かりな作業になってしまいます。)そうすると、芝生の根は傷むとその時点で成長をやめてしまい成長が止まってしまう可能性があります。
そのような状態を打破すべく、芝生の根をカットし芝生の更なる成長を促す作業が”根切り”という作業です。芝生の上からターフカッターと呼ばれる工具を芝生に突き刺し、芝生を切断すると同時にその下も根をカットします。根がカットされた芝生は、そこから更に根やランナー(地下茎)を伸ばそうとしますので、結果として、芝生の密度があがって芝生が元気を取り戻します。
3.根切りの実施時期や必要な道具
根切りの作業を行う時期の目安は15℃以上~25℃以下と言われているようです。要は休眠期の寒い時期や、芝生が暑さで弱っている真夏の時期を避けて根切りを行えばよいということですね。
使用する道具はターフカッターと呼ばれる専用の工具です。今回の根切りにあたり私が購入した工具は下記です。
根のカット性能(切れ味)にこだわったこともあり、上記のものを購入しましたが、届いた商品は想像よりずっと小さいものでした。その辺の使用感、今後に向けての話などは後ほど。。。
4.我が家の芝生の根切り-芝切り一番の使用感
早速我が家の芝生を根切りしていきます。芝切り一番を芝生に挿すと「ザクッ」という音とともに芝生とその下の根がザクザク切れていきます。切れ味は申し分ないです。
しかしながら…商品が届いた瞬間に予想はしていましたが、道具が小さいため芝生を根ごと切断するための力が入れにくいです。体重をかけることで何とか効率的にカットできるようになりましたが、その作業は芝生に膝をついて対応せざるを得ません。作業中に掌にはマメが2個ほど出来てズル剥けになりました。(こちらは軍手もしないで作業したせいもありますが。。。)最終的にはなんとか我が家の芝生全域を根切りすることが出来ましたが…この作業はもうコリゴリですね。(笑)
商品説明を改めて読んでみると、芝切り一番は芝生のエッジを綺麗にカットする道具の様です。芝生全体のカットをする前提の道具ではないので、作業性が悪くなるのは致し方ないですね。ただ、切れ味としては申し分ないので、今後は所定のエリアからはみ出した芝生などのカットに使用して行きたいと思います。
5.芝生の根切り後の様子-根切り面が枯れた
写真は我が家の芝生を根切りして2週間後の様子です。芝生ごと根を「ザクッ」と切断したので、やはり芝生には少なからずダメージがあったのでしょう。根切りしたラインが部分的に綺麗に枯れて、芝生が縦じま模様になってしまいました。
まだ根切り後2週間しか経っていませんし、作業したのは芝生の最盛期前の4月になりますので、根切りが芝生の成長に対してどれほどの効果があるのか?はまだわかりませんが、根切りしたことにより地下茎(ランナー)が増え、芝生の密度が昨年よりもUPすることを期待して今年の芝生の育成を続けていきます。
・根切りについての感想と今後の方針
昨年(2021年)の芝生育成に関しては、芝刈りやエアレーションなどの作業に注力していたため、根切りという作業を十分に行うことが出来ませんでした。芝生の密度を上げるためには、芝刈りを実施してきましたが、芝刈りで葉の数は多少増やせますが、一つのランナーに生える葉の数には限界があるはずです。多少の知識が身についた今改めて考えると、芝刈りは密度を上げる効果としてはあまり大きな期待はできない気がします。
対して、根切りを行うと地下茎(ランナー)が増えていくはずなので、地下茎が増えた分だけ芝生の密度が上がることが期待できます。したがって、芝生の密度を上げることに特化して考えるなら、その効果は 芝刈り< 根切り となると考えます。よって今年は「根切り」に焦点を当てて芝生の育成を行っていきたいと思います。
また、ターフカッターについては切れ味を気にするよりも足で踏み込んで作業できる”作業性”が重要なことを痛感しました。今後については、所持しているコアリング用パンチと同メーカ(ARC)の下記の商品を購入して対応していく予定です。使用感は改めてレビューしますが、切れ味については使用前に刃の部分に多少の加工を加えて向上させた上で使用したいと思っています。