【芝生】芝生の考察④床土の土壌改良-部分的に床土を入れ替える

芝生の床土の土壌改良方法は芝生を部分的に剥がして床土を入れ替える

2020年秋より芝生の育成を始めて丸2年が経過しました。10年以上、雑草を抜く以外のケアをせずに放置してきたこともあり、床土が粘土質でまだまだ堅く、良好な芝生というにはほど遠い状態ですが、2シーズン通して芝生育成を続ける中で、作業については色々と理解を深めることができました。そこで今回は、その第4弾として「土壌改良」に焦点を当てて、今シーズンの作業方針などをまとめていきます。皆様の芝生育成のご参考になれば嬉しいです。

1.芝生の床土は土壌改良が重要!

10年以上雑草取りだけで放置してハゲが目立つ状態の育成を始める前の芝生

我が家の芝生は造成地に建てられており、土台となっている床土は激しい粘土質です。

新築時に芝生を植えてくれた外構屋さんが、もっと床土にふさわしい土を入れておいてくれれば…とか、芝生の植わっていないお家を購入して自分で芝生を植えていれば…とか、今更ながら強く思ったりしますが、我が家は建売で購入したので、あれこれ考えても仕方がないですね。(ただ、私が外構業者なら、プロのこだわりとしてそれなりの床土を入れたと思いますけど。)

そして、元々の床土があまりよくない上に、10年以上、その改善作業をしてこなかったので、我が家の芝生はところどころにハゲのある、貧弱な芝生となっていました。(隣の芝生は青く見えると言いますが…ご近所さんの芝生は、既にほとんど死滅してそうです。)

2020年秋に、ふと、お庭の芝生を綺麗にしたくなって芝生の育成を始めましたが、最初に実施した作業は、定番の「サッチング」「コアリング」「スパイキング」などです。その後、かなり頑張って作業してきましたが、床土が土壌改良されることはありませんでした。

目土を入れて表層の根張りは改善したが床土の深層部までは根が張っていない芝生

一方、芝生の上に撒き続けた目土は、地表でそれなりの厚みとなりましたので、その分だけは確実に芝生が根を張りやすくなりました。しかしながら、芝生を掘り起こしたりして根の状態を確認してみると、芝生の根はまだまだ浅いです。強く健康な芝生を目指すのであれば、もっと深く根を張らせることが重要になります。

芝生の根を深く張らせるには、床土の深い部分まで土壌を改良して、根が深部に張っていくような環境を作らないといけません。それが、我が家の芝生の最重要課題です。

2.エアレーションで土壌改良は可能?

芝生の育成を始めてからこの2年間は、主に芝刈りや、目土入れ、そしてエアレーションと呼ばれる作業を実施してきました。

取り出す土の塊を受け皿で回収できるようにDIYで改造したコアリング用ローンパンチ

エアレーション作業とは、スパイキング、コアリング、ドリルエアレーションなどの総称で、芝生に穴を開けて、芝生の根に空気を送り込む作業です。(写真はコアレーション作業)

中でも、コアリングやドリルエアレーションでは、芝生に開けた穴に新鮮な目土を入れていくので、エアレーションだけでなく、床土を土壌改良する効果もあると言われています。

しかしながら、2年間、芝生の育成作業を実施してきた感想としては、コアリングなどのエアレーション作業に土壌を改良する効果はほとんどないと感じました。というのも、コアリングで床土入れ替えできるのは床土の表層から10cm程度までです。既に芝生が根を張っている深さの床土を入れ替えたところで、「根の更新」はできますが、床土を土壌改良するまでの効果はほとんどないというのが私の結論です。

芝生にドリルエアレーションを実施して床土の深層部まで新しい土を入れると深層部への根張りが期待できる

一方、ドリルエアレーションについては、芝生が根を張っているエリアより更に真相まで床土を入れ替えることが出来るので、「根の更新」に加えて「根をより深層に誘引する」効果が見込めると思います。(図がドリルエアレーションで根を誘引したイメージ図です。)しかしながら、土壌改良という面で考えると、全体の床土の体積に対して入れ替えられる床土はほんのわずかです。土壌改良に対する効果は限定的だと考えています。

(エアレーションの土壌改良などについての効果は、過去記事【芝生】芝生のケアを考察③エアレーション-目的・効果や有効性にてまとめてますので、ご参考にしてみてください。)

3.床土の土壌改良に最も有効な作業は?

エアレーション作業に床土改善効果がないとするなら、一体どんな作業を実施していけばよいのでしょうか?

床土の土壌改良に最適な方法は芝生をすべて張り替える前提の床土の入れ替え

床土の土壌改良を行うのに最適な作業は、やっぱり「床土の入れ替え」(芝生の張り直し)でしょう。植えている芝生を一旦剥がして、その下の床土を総入れ替えしていけば、芝生の床土はすべて新しいものに入れ替わりますので、完璧に土壌が改良されます!(粘土や石も完璧に一掃できます。)

しかしながら、芝生の張り直しによる床土の入れ替えは、もはや「土木工事」です。芝生全面の床土をスコップのみで入れ替えていくのはとても大変な作業になりますので、芝生の規模によっては小型のショベルカーが必要でしょう。

また、特に都会では、作業後に取り出した古い床土をどうやって処理していくか?という問題も発生します。一般のご家庭ではなかなか実施が難しい方法になりますね。。。

4.芝生を張り替えずに床土を土壌改良する方法

コアリングやドリルエアレーションなどのエアレーション作業では取り出す床土が少なすぎて土壌改良の効果が小さいが、芝生を剥がしてすべての床土を入れ替えるのは、作業規模的に難しい。。。では、どのように土壌改良を実施していけばよいでしょうか?

それに対する私の答えは、その中間作業を実施していくことです。

とある芝生に詳しい方が動画でおっしゃってた内容としては、ある面積の床土を入れ替えると、その周りの4倍の面積の床土に入れ替え効果が及ぶとおっしゃっていました。

芝生を部分的に剥がして床土を入れ替えると入れ替えた4倍の面積にその効果が及ぶと言われている

その”効果4倍”理論を元にすれば、昨年実施したような「20cmx20cm」程度の面積の床土入れ替えを、80cm間隔で全面に実施することで、床土入れ替え効果の及ぶ面積は全体の「1/4」(上図参照)になります。このくらいの規模であれば、何とか人力でも実施できそうな作業範囲になりますし、床土入れ替え効果としてある程度の期待がもてます。

また、上記条件で実際に入れ替える床土の量は、床土全体の「1/16」です。「1/16」の床土入れ替えで、「1/4」の床土への効果が期待できるのであれば、配合する土を準備することを考えるとコスパがとても良いです。(まあ、1/16でも結構な量になりそうですが…)

よって今年は、昨年も実施した芝生を一旦剥がしての「床土の部分的な入れ替え」を、土壌改良のメイン作業として実施していきたいと思います。(芝生が育ち始めたシーズン序盤に実施したいと思います。)

5.今シーズンの床土入れ替え計画

今シーズンの芝生の床土に対する土壌改良計画は、20cm四方の芝生を80cmくらいの間隔で剥がして、その部位の床土を入れ替えることに決めました。(全体の1/16の床土を入れ替えて、1/4の範囲へその効果が波及するよう作業していきます。)

床土を入れ替えていく場所については、昨シーズンに入れ替えた場所をもう一度入れ替えても仕方がないので、その箇所を避ける前提で入れ替えを実施します。

昨年実施した箇所と重ならないように芝生を部分的に剥がして床土を入れ替える

昨シーズンに実施した床土入れ替え箇所は写真のとおりです。一部映っていない箇所もありますが、1回目の入れ替え作業で8か所、2回目の入れ替え作業で7か所、計15か所の床土入れ替えを実施しました。

なお、昨年は床土表面が硬くて芝生の生育状態が特に悪い箇所に限定して入れ替え作業を実施したので、結果的に人が歩いて床土が踏み固められる中央部を中心とした作業になっていました。

今シーズンは昨年実施したエリアを出来るだけ避けながら、80cm間隔で全体的に床土入れ替えを実施します。また、一度に全体への作業を実施すると大変なので、東側と西側でエリアを2分割(もしくは3分割)して作業を実施していきます。

続いて、床土の入れ替えに使用する道具についてですが、まず芝生を剥がす作業については、下記のターフカッターを使用しました。

清水製作所さんの”芝切り一番”です。

芝生を部分的に剥がす際には小型のターフカッターを使用すると便利

こちらの芝切り一番は、芝生の根切り用に購入したのですが、サイズが想像よりも大分小さく、芝生全体を根切りしていくには不向きでした。

しかしながら、小型ながら切れ味が鋭いので、芝生の切断能力はとても高いツールになります。部分的に芝生を剥がす床土入れ替え作業では大活躍しましたので、今シーズンも引き続き、こちらの”芝切り一番”を使用して、芝生を剥がしていきます。

続いて、古い床土の除去については、粘土質で堅い床土をドリルエアレーション用に購入した下記のアースドリルで粉砕して除去しました。

粘土質の芝生の床土を入れ替える際にはアースドリルで粉砕すると土が取り出しやすくなる

アースドリルを装着する電動ドリルにはコンクリートに穴を開けるために購入した電動ドリルを使用しているので、組み合わせた時のパワーは十分です。石混じりの硬い床土もなんのその、踏み固められてカチカチになった床土を難なく粉砕してくれました。

しかしながら、粉砕した床土を取り出すのは小回りの利く小さなスコップです。固い部分は粉砕したとは言え、取り出していくのは結構大変な作業です。

そこで今シーズンは、作業の様子を公開した動画の視聴者さんに教えていただいた、下記の製品を購入して、更なる効率化を図っていこうと思います。

土を掘りながらキャッチし、立ったままの姿勢でたて穴を掘ることが出来る”ダブルスコップ”(複式ショベル)という道具です。2023年2月現在、製品価格がかなり高騰しているので、価格が少し落ち着くのを待って購入を検討します。

・今シーズンの土壌改良方針を決めた感想

今回は、今シーズンの土壌改良方針を、昨シーズン同様に「部分的な床土入れ替え」にてを行うことに決めました。今シーズンも引き続き大量の床土や目土が必要となりそうですが…コスパの良いものを見つけて対応していきたいと思います。(理想の芝生を完成させるまでの道のりは、まだまだ長そうですね。)

芝生の重要なケア作業と言われているサッチングは刈れた芝生を取り除く作業

また、ここまでの芝生の考察は、①芝刈り、②目土、③エアレーション、④土壌改良という順番でまとめてきました。これまでの考察の中でまとめることが出来ていない芝生生育作業として残っているのは「サッチング」と「根切り」くらいでしょうか?次回の第5弾は「サッチング」に焦点を当てて、今後の方針などをまとめていきたいと思います。

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