【DIY】お庭に屋外用防水コンセントを増設-DIY環境を快適に!

お庭に屋外用防水コンセントをDIYで増設し電源を確保する

今まで、我が家の庭には電源コンセントがなく、お庭で行うDIYの作業はリビングから延長コードを配線して対応していました。今回は、そんなDIY環境を快適にすべく、お庭に屋外用防水コンセントを増設しました。以下リンクにて動画も公開していますので、合わせてご参考にしてみてください。【DIY】#16 庭に屋外用防水コンセントを増設する -外壁に穴を開けて電源ケーブルを屋外に配線!

1.我が家のお庭には電源コンセントがない!

皆様もご存じのとおり?私はDIYを趣味としていますが、その作業場は専ら我が家のお庭です。しかしながら、我が家のお庭には電源コンセントがありません。電動工具を使用したい場合には、リビングから延長コードを配線して対応していました。

DIYは電源コンセントのない屋外で作業すことが多くとても不便

リビングから延長コードを配線することの一番の問題点は、延長コードの太さ分だけ窓が開いてしまうことです。その結果、空調が効いている夏や冬などでは、空調された空気が外に逃げてしまっていました。

また、窓を完全閉めることが出来ないことで、駆動音が大きい工具を使用するDIYでは音がリビングまで聞こえてしまっていましたし、ペンキなどの溶剤系を使用するDIYではその匂いがリビングに伝わってしまっていました。そんな感じで、私がお庭でDIYをしている間は、絶えず家族からの冷たい視線にさらされていました。

今回はそんな悲しい環境を改善すべく、お庭に屋外用防水コンセントを追加設置していきます。なお、今回ご紹介する内容は電気工事士2種免許が必要な工事となります。あらかじめご了承ください。(このために電気工事士の試験を受けたと言っても過言ではないです:笑)

2.屋外用防水コンセント増設工事の概要検討

DIY作業場近くには水道があり、その室内側の壁裏に既設コンセントがある

私のDIYにおける主な作業場はお庭の東側にあるパラソル(テーブル)付近です。その位置の外壁には写真の水道があり、その壁裏(室内側)には既設の電源コンセントがあります。今回はその壁裏側のコンセントから”送り穴”を使用して電源ケーブルを分岐させ、外壁に穴を開けて屋外に向けて配線したいと思います。

送り穴を使用した電源の分岐は、右近次の電気工事DIYでは毎回出てくる内容になりますので詳細は割愛しますが、電源を分岐させるための一番簡単な方法です。詳細は以下の過去記事などを参考にしてみてください。【DIY】屋根裏に電源ケーブルを配線し照明と電源コンセントを設置 【DIY】壁裏にコンセントを増設する-BOSCH製マルチツール 【DIY】屋根裏にケーブルを配線して対面の壁にコンセントを追加

屋外水道の壁裏にある室内の電源コンセントから送り穴を使用して屋外へ電源ケーブルを分岐させる

こちらが室内側の既設コンセントです。このコンセントの壁裏外壁に穴を開け、分岐させた電源ケーブルを最短距離で屋外に引き出すのが一番簡単な工事方法ですが、改めてその位置を確認して見てみると…先ほどの水道との位置関係が微妙な感じです。外壁に穴を開けた位置が水道と一致してしまったら”OUT!”です。

まずは、お互いの位置関係を確認します。結果、水平方向の位置はは10cmくらいズレていることが確認できました。(外壁に開けた穴と水道が完全に一致することはなさそうです。)しかしながら、高さ方向については、穴位置(=コンセント位置)が多少は上になりそうですが、せいぜい10cmくらいでしょうか。距離がどうこう言う以前に、水道の近くに電源コンセントがあるのはあまり良くありません。

以上のような状況から、今回の工事は下記のとおりで対応することにしました。

  1. 室内側の既存コンセントから送り穴を使用して電源ケーブルを分岐させる
  2. 分岐させた電源ケーブルを一度上方向に配線し、室内側に新設するスイッチに接続させる
  3. 新設するスイッチの壁裏外壁に穴を開け、スイッチを経由して電源ケーブルを屋外へ配線する

上記であれば、水道よりもかなり上方に増設するコンセントを設置することが出来ます。

また、新設するスイッチを増設コンセントの電源供給 On/Off 切り替えスイッチにすることで、屋外で電源を使用しない時には、スイッチをOFFにして電源供給を簡単にシャットダウンすることが出来ます。

分岐に使用する既存コンセントの送り穴が使用されていないことも確認できたので、今回は上記の方針で配線図を作成していきます。

3.増設する屋外用防水コンセントの配線図

あらかじめ準備していた部品、及び急遽新設することになったスイッチ部分の在庫部品を考慮して、今回の電気工事に関する配線図は下記としました。

お庭の屋外防水コンセント設置工事の電気工事配線図

基本は2項で決めた対応方針の通りですが、新設する室内側のスイッチ(屋外用主電源スイッチ)には、電源供給の状態がわかるように、電源Onで点灯する表示灯を設置します。

また、通常の電気工事は各電源ケーブルを接続する場所にジョイントボックスを設置してケーブル接続部を格納するのですが、今回はジョイントボックスを設置できない構成です。よって、今回は、新設するスイッチのコンセントボックス内に電源ケーブル接続部を格納して対応します。具体的には、既存コンセント、屋外コンセント、スイッチ表示灯から配線される ⊖側 の3本のケーブル(白)を差し込み型コネクタで接続し、コンセントボックス内に格納していきます。スペース的にギリギリになる可能性がありますが、ケーブルをコンパクトに収納して対応すればなんとか大丈夫でしょう。

以上が今回の工事内容の概要説明です。(以降は、具体的な施工内容の紹介になります。)

4.既存コンセントの送り穴から電源を分岐

まずは、送り穴を使用して電源を分岐させる既存コンセントを分解します。分解方法は毎回出てくる内容なので割愛しますが、以下のリンクで詳細を説明していますのでご参考にしてみてください。壁面設置コンセント・スイッチの分解(組込み)

なお、工事を始める前には、分電盤の工事範囲のブレーカーを落とし、工事個所に電気が来ていないことをテスターなどで確認してください。電気工事用の絶縁手袋などをして通電状態のまま工事される強者もいらっしゃるようですが、電源を落として作業する方が確実です。

電源コンセントの分岐に使用する送り穴

電源の分岐方法は写真の”送り穴”に分岐させる電源ケーブルを差し込んで接続するだけです。被覆を剥く量が機器に表示されているので、その指示に従ってケーブルの加工を行い接続します。

分岐させた電源ケーブルは、壁内を通して新設するスイッチに送り込みます。(スイッチを新設する箇所の壁に穴を開けてケーブルを通します。)

最後にコンセントを元の状態に戻して既存コンセントの電源分岐作業は完了です。(コンセントの組み込み作業も 壁面設置コンセント・スイッチの分解(組込み)のリンク先をご参考にしてください。)

5.室内側の壁と外壁に穴を開ける

続いて、マルチツールなどを使用して、室内側の壁にスイッチ設置用の穴を開け、既設コンセントから分岐させた電源ケーブルを通します。(壁の穴あけ作業の詳細は石膏ボードの穴あけとコンセントボックスの埋め込みのリンク先をご参考にしてください。)

電源ケーブルの配線用に外壁まで貫通した小さい径のドリル

室内側の壁にスイッチ用の穴が開いたら、いよいよ外壁にも穴を開けていきます。スイッチ用に開けた穴から長めのドリルを挿入し、断熱材もろとも外壁に穴を開けていきます。この時、いきなり径の大きいドリルで穴を開けようとすると、外壁側のサイディングが割れてしまいます。サイディングが割れてしまうとリカバリ作業が難しくなりますので、この作業は小さい径のドリルで慎重に行ってください。

写真は内側から径の細いドリルを入れて外壁に穴を開けたところです。外壁のデザインによっては開けた小さな穴が確認できない可能性がありますので、写真のようにドリルが貫通したままにして外壁側から確認すると確実です。

私が外壁に穴を開ける際に使用したドリルは下記です。この辺はお家の構造によって異なる部分になりますが、ドリルの長さなどをドリルを準備する際の参考にしてください。

電源ケーブルの配線用にブッシングが通せる25mm径の穴をホールソーで開ける

外壁に小さな穴が開いたら外壁側から電源ケーブルが通る大きさの穴を開けていきます。今回屋外用に使用する各パーツは後ほど紹介しますが、部品に指定されている穴径の大きさは24mm~26mmです。その中心値の25mmのドリルを使用して穴を開けていきます。この加工を実施する際も、サイディングが割れないよう十分注意して加工してください。

私が穴を開けるために使用したのは下記のホールソーです。ホールソーはいろいろなDIYで使用する機会がありますので、何種類かの径のものを持っておくことをおススメします。

外壁に穴が開いたら、室内側から屋外に配線する電源ケーブルを通します。

6.屋外用主電源スイッチ部の施工

スイッチ用に開けた壁の穴から電源ケーブルを引き出してコンセントボックスを壁内に格納する

続いて、スイッチ用に開けた室内側の穴に、既存コンセントから分岐させた電源ケーブルと、屋外へ配線する電源ケーブルを通し、コンセントボックスを壁内に格納して固定します。(コンセントボックス格納作業の詳細は石膏ボードの穴あけとコンセントボックスの埋め込みのリンク先をご参考にしてください。)

更に連用取付枠にスイッチと表示灯を固定して電源ケーブルを接続します。連用取付枠への機器の取り付けに関する具体的な施工内容は機器の連用取付枠への固定とケーブル接続のリンク先を確認いただきたいですが、各機器へのケーブル接続は配線図をよく確認しながら、間違いのないよう接続してください。今回は表示灯を連用取付枠の上側に、スイッチを下側に設置しました。

マイナス側のケーブルを差し込み型コネクタで接続しコンセントボックス内に格納する

最後に3項の配線図のところで説明した、⊖側の3本のケーブルを差し込み型コネクタで接続します。具体的な施工内容は差し込み型コネクタによるケーブル接続のリンク先を確認いただきたいですが、芯線を奥までしっかり挿入し、かつコネクタのケーブル挿入部から芯線が見えなくなるように接続してください。

すべてのケーブルの接続が出来たら、この差し込み型コネクタ部分も含めたスイッチ部のケーブルを”いい感じで”コンセントボックス内に格納して連用取付枠を壁(コンセントボックス)に固定します。そこにフレームやカバーを取り付けてスイッチ部の施工は完了です。(フレームやカバーなどの組み込み作業は 壁面設置コンセント・スイッチの分解(組込み)のリンク先をご参考にしてください。)

屋外用防水コンセントの主電源スイッチを入れて表示灯が点灯

室内側の施工が完了したところで、分電盤のブレーカーをOnにして、動作を確認します。スイッチを入れると…表示灯が点灯しました。スイッチを切ると表示灯が消えます。また、スイッチに連動して屋外側に電気が供給されることも確認できました。(事前に設計した通りに動作しました。)

なお、以降は屋外側の施工になりますが、屋外側の電源供給はこの屋外主電源スイッチで On/Off 可能です。分電盤は On のままで、このスイッチを Off状態にして施工していきます。

7.屋外用防水コンセント使用部品と構成

続いて、屋外側を施工していきます。今回、屋外防水コンセント用に購入した部品は下記です。

使用するコンセントはPanasonicスマートシリーズの2口防水コンセントです。旧型のものであればより安く手に入りますが、下記の露出ボックスとジャストで嵌合させたかったので、最新のものを選択しました。

裏面側に防水性を確保するための軟質樹脂(多分エラストマー樹脂)がパッキンとして配置されているので、露出ボックスと重ねてネジ止めするだけで、露出ボックスとの防水性が確保できます。

こちらの商品は今後の屋外電源に拡張性を持たせるために購入しました。(ビオトープ用電源に分岐させる予定です。)構成としては、こちらの露出ボックスを壁上に設置し、その上に先ほどの防水コンセントを重ねる構成です。壁との防水は裏面の軟質性樹脂(多分エラストマー樹脂)で確保できますが、壁に凹凸があるので、壁との接地境界には防水コーキングを追加工する予定です。

こちらは露出ボックスと壁との防水性を更に確実にするために購入しました。この商品の筒の部分を露出ボックスの内側から外壁の穴へ挿入し、中を通る電源ケーブルを防水・保護します。この辺の具体的な構成は、施工説明の中でも紹介していきますが、前述の露出ボックスのコーキングに加えてこの部品まで準備すれば、露出ボックスと壁との防水性は完璧になるはずです!

8.屋外用露出ボックスの設置施工

まずは露出ボックスの前加工を行います。今回は露出ボックスの裏面側(外壁側)から電源ケーブルを配線しますので、露出ボックスの裏面側の樹脂が薄くなっている部分に穴を開けます。(合わせて今後の拡張用に下面側にも穴を開けておきました。)

露出ボックスに水平器をあてて水平を確認しながら壁に固定する

続いて、外壁に露出ボックスを固定します。露出ボックスに防水ブッシングを装着した状態で壁に仮固定し、水平器で水平が出ていることを確認します。その状態でネジ止めする位置をマーキングし径の小さなドリルで壁に穴を開けます。

更に、今回はネジ部にアンカーを打ち込んで固定力を強化したいので、一旦、露出ボックスを壁から外して、アンカーが挿入できる径のドリルで穴を広げて、アンカーを打ち込みます。

その状態で再度露出ボックスを壁に固定し、ネジで本固定します。今回は万全を期す意味で、固定するネジにもコーキング材を塗布して打ち込んでおきました。

ブッシングの筒部は壁穴の深さに合わせてカットする

続いて、防水ブッシングを固定していきますが、厚みの大きい壁にも対応できるよう、壁に挿入する筒の部分が長めに作られていますので、壁に開いた穴の深さ(壁内の防水シートまでの距離)に合わせてカットします。(我が家の防水シートまでの距離は約50mmでした。)合わせて、ケーブル出口側に伸びている”ベロ”も今回は不要なのでカットします。

ブッシングの加工ができたら、露出ボックスとの合わせ面にコーキング材を塗布し、露出ボックスに固定していきます。なお、壁には25mmほどの穴を開けましたが、ブッシングの筒部には25mmよりも径の大きな薄いビラビラがついていますので、穴にブッシングを挿入するだけでも抜けなくなります。(上写真を参照してください)

9.屋外用防水コンセントの設置施工

露出ボックス内のケーブルは束線バンドでボックス内に固定しておく

いよいよ、防水コンセントを施工していきますが…その前に室内から出てきているケーブルを露出ケーブル内に固定しておきます。その目的は、今後、防水コンセント部の拡張工事などを行った際に、室内側にその影響(室外側でケーブルを動かした時の反力など)が伝わらないようにするためです。本来であれば、露出ボックス内にそのような機構を予め設けておいて欲しいのですが、そんな気が利いた構造にはなっていないようなので、露出ボックスの内側側面に束線バンド用の固定台を取り付けて対応しました。(こういう配慮が大切ですよね。)

続いて、防水コンセントに電源ケーブルを接続していきます。ケーブル先端の加工は芯線被覆を剥く寸法がコンセントにスリットなどで明示されていますので、その寸法通りになるように VVFストリッパー などで加工します。

露出ボックスに防水コンセントをネジ止めするがネジは付属されていないので自分で準備する

ケーブルの接続が完了したら、コンセント裏面のパッキンを所定の位置にしっかり嵌めて、露出ボックスに防水コンセントをネジ固定していくのですが…ここで1点問題が。。。この固定ネジ、露出ボックス側にナットが埋め込まれていて、機械ネジで固定する構造なのですが…その機械ネジが付属されていないんです。幸い、ありあわせのネジで何とか対応できましたが、Panasonicさんがこんなネジを付属しないだなんて信じられないです。クレームをつけるほどではないですが、高価なものではないと思うので、何とか付属する仕様にしてもらいたいですね。

最後に愚痴が入りましたが、防水コンセントの本体が固定出来たら、防水用のカバーを被せて取付は完了です。主電源スイッチをOnにして、テスターで100Vの電圧が来ていることを確認し、更に電動工具を接続して動作を確認し、問題ないことを確認しました。

10.露出ボックスと外壁の防水加工

防水コンセントと外壁の境界にマスキングをしてコーキングする

最後に露出ボックスと壁の防水性を確保するために境界をコーキングしていきます。

コーキングする部分の周辺をマスキングテープでしっかりマスキングして、コーキング材を塗布してきます。なお、今回は防水コンセントがサイディングの境界を跨いでいますので、その凹み部分にはたっぷりとコーキング材を注入しておきます。(写真でコーキング材を注入している箇所が凹み部です。)

その後1時間くらい放置し、コーキング材が完全に乾ききらない状態でマスキングテープをはがし、余分な箇所に付着したコーキング材などをきれいに拭き取れば施工完了です。(お疲れ様でした。)

・お庭に屋外用防水コンセントを設置した感想

今回はお庭に長年の悲願である防水コンセントを設置しました。これで電動工具も気軽に使用できますし、芝生の育成で長時間にわたって使用するバリカンなども家族の目を気にすることなく作業することができます。

屋外へのコンセント設置は大切な自宅の壁に穴を開ける”勇気”が必要ですが、施工自体はそれほど難しいものではありません。最初に注釈した通り、電気工事2種免許が必要な工事になりますが、皆様も是非トライしてみてはいかがでしょうか?便利ですよ!

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