【DIY】交流100Vを直流12Vに変換してビオトープに活用する

交流100Vをコンバーターで直流12Vに変換して屋外で使用する

ソーラーパネルの発電だけでは、慢性的な電力不足に陥っていた我が家のタナゴビオトープに対して、交流100Vを直流12Vに変換するAC-DCコンバーターを適用して電力不足を解消しました。下記リンクにて動画も公開していますので、ご参考にしてみてください。【DIY】#17 交流100Vを直流12Vに変換して屋外ビオトープに活用する!

1.慢性的な電力不足に陥るタナゴビオトープ

ソーラパネルで発電した電力をディープサイクルバッテリーに充電して使用する我が家のビオトープ

我が家の屋外ビオトープでは、ソーラーパネルで発電した電気を12V仕様のディープサイクルバッテリーに充電して使用しています。(ソーラー発電システムの詳細は下記の記事で2回にわたって紹介していますのでご参考にしてみてください。【アクアリウム】ビオトープ用ソーラーパネル発電・蓄電システム 【アクアリウム】ビオトープ用ソーラーパネル蓄電システムの更新

バッテリーに充電した電力は、タナゴビオトープには12Vのままで、メダカビオトープにはチャージコントローラーのUSB端子から5Vで送電していますが…ソーラーパネルの能力が20Wと低いため、曇りや雨の日が続いたりすると直ぐにバッテリーが空になってしまいます。(ソーラーパネルの発電能力が足りておりませんでした。)

我が家のソーラーパネルは20Wで発電能力が不足している

もっと能力の大きなソーラーパネルや、ソーラーパネルを増設してトータル的な発電量を増やしていけばよいのですが、ソーラーパネルは結構高価なものですし、設置するためのスペースが必要となります。また、仮にソーラーパネルを準備できたとしても、雨の日が続くとバッテリーが空になってしまうリスクは解消できません。

そこで今回は、以前の記事【DIY】お庭に屋外用防水コンセントを増設-DIY環境を快適に!で設置した防水コンセントの電源を分岐させて、タナゴビオトープの電源として活用するDIYを実施していきます。

2.家庭用の交流100Vを直流12Vに変換する

タナゴビオトープで使用しているポンプは、ディープサイクルバッテリーの電源を使用する前提で準備したので、直流12Vで駆動する仕様になっています。交流100Vのポンプを購入し使用することもできますが、それをしてしまうとこの12Vポンプは永遠にお蔵入りです。また、タナゴビオトープは家屋から少しだけ離れた屋根のない箇所に設置されていますので、100V電源をそのまま配線するのには抵抗があります。

家屋から少し離れたタナゴビオトープでは直流12Vの電源を使用している

そこで今回は、家庭用電源の交流100Vを直流12Vに変換して使用していきたいと思います。そのために準備した部品は下記です。

家庭用の交流100Vを入力すると直流12Vを出力してくれるコンバーターです。過信はできませんが、過電流保護機能もついていて、出力電圧の調整もできる優れものです。

こちらのコンバーターで直流12Vに変換した電源を、タナゴビオトープに送電したいと思います。

3.防水コンセント(交流100V)からの電源分岐

家庭用の電源は以前の記事【DIY】お庭に屋外用防水コンセントを増設-DIY環境を快適に!で増設した防水コンセントから分岐させていきますが、防水コンセントを設置する時点で既に今回のDIYを計画していたので、分岐するための下記の部品を既に組み込んであります。

防水コンセントの土台として組み込んだ上記の部品から、防水コンセントの”送り穴”で分岐させた電源ケーブルを引き出します。そのための引き出し用の穴も、既に開けてありますので、そこにPF管を接続して、ディープサイクルバッテリーの格納されているボックスまで電源ケーブルを配線していきます。

4.タナゴビオトープまでのケーブル接続概要

施工のメインパーツは2項、3項に記載したとおりですが、そこに多少の安全対策を加えて全体的な接続構成を下記としました(防水コンセントを起点に接続順にナンバリングしてます。)

  1. 防水コンセント … 送り穴で電源を分岐
  2. 露出ボックス … PF管コネクタからケーブル引き出し
  3. PF管 … 交流100Vケーブルを配線
  4. バッテリーボックス … PF管コネクタからケーブル引き込み
  5. 安全ブレーカ … 過電流対策(兼、12V電源のスイッチ)
  6. AC-DCコンバータ … 交流100Vを直流12Vへ変換
  7. PF管 … 直流12Vケーブルを配線(一部は土中配線)
  8. 電源ターミナルボックス … 12V機器への電源接続

3.のPF管には外形22mm(内径16mm)のものを使用しました。

それを接続するPF管コネクタは未来工業さんの下記部品を使用します。

5.の安全ブレーカーは、AC-DCコンバーターの過電流保護機能が上手く機能しなかった時に備えて、コンバーターに交流100Vを入力する直前の箇所に設置し、12V電源のスイッチとしても活用します。

7.のPF管の部分は、既に直流12V用としてディープサイクルバッテリーと接続されているものをそのまま流用します。PF管の一部は地中に埋設していますが、下記記事でその工事内容を紹介していますので、御参考にしてみてください。【DIY】屋外電源ケーブルの地中埋設工事-PF管コネクタの防水化

以上で今回の工事内容が明確になりました。以降で実際の施工内容について説明していきます。

5.AC-DCコンバーターと安全ブレーカーの設置

ディープサイクルバッテリーが格納されているバッテリーボックスの中に、新たに設置する”AC-DCコンバーター”と”安全ブレーカー”を設置していきます。

まずはバッテリーボックスの中身を取り出して、適当な木材で機器固定用の土台を作ります。既にボックスの手前側にはチャージコントローラー(青い部品)が設置されていますので、その奥側に土台をもう1列追加して、そこにAC-DCコンバーターと安全ブレーカーを並べて設置していきます。

チャージコントローラの背後に安全ブレーカーとAC-DCコンバーターの取り付け台を木材で作成する

ありあわせの端材を組み合わせて2列目となる土台を作りました。木材の表面がかなり汚れていますが、ボックスの中に隠れてしまうものなので気にしません。^^

固定部表面には金属板を貼るなどの防火対策をした方が良いのかもしれませんが、今回は安全ブレーカを設置しますので、そこまでは必要ないと判断しました。

土台が出来たら各機器をネジで固定して、相互を電源ケーブルで接続します。

なお、安全ブレーカーとAC-DCコンバーター間には、家庭用電源と同じ交流100Vの電気が流れます。よって、通常のケーブル配線で使用する1.6mm芯線のVVFケーブルを使用したいのですが…ここで一つ問題が発生しました。

安全ブレーカーとAC-DCコンバーターはVVFケーブルで接続した

芯線被覆を剥いて、コンバーターに接続しようとしたのですが…コンバーターの端子台が小さすぎて芯線が端子台に入りません。何とか芯線の先端をペンチで潰して押し込みましたが、AC100Vを接続する機器なのですから、芯線1.6mmのケーブルくらいは問題なく接続できる仕様にして欲しかったですね。

また、ネジを強く締め付けると、端子台ごと回転しそうです。端子台が小さすぎるんだと思います。機器をコンパクトにしたい気持ちはわかりますが、エンドユーザーが施工する部分はコンパクトにしてはダメです。折角よく出来ている商品なのですから、その辺をもう一歩踏み込んで考えて欲しいです。

なお、今回は何とかケーブルを固定することが出来ましたが、使用中にケーブルが抜けると大変です。ケーブルの端子接続近傍にて固定具と束線バンドを使用した”抜け防止処理”をしておきました。

6.PF管コネクタの防水化とPF管の接続

続いて、露出ボックス(防水コンセント)とバッテリーボックスをPF管で接続していきます。

PF管の先端にOリングと装着してPF管コネクタとの防水性を強化する

まずはPF管にPF管コネクタを装着します。屋外設置する場合はこのPF管接続部分も防水化したいので、PF管の先端にOリングを装着してコネクタと嵌合させます。

準備したのは「内径17mm、太さΦ2mm」の汎用のOリングです。PF管専用のものも購入できますが、お値段が高くなってしまうので、私はいつも汎用のものを使用しています。ジャストなサイズになっていないのでコネクタが嵌めにくいですが、Oリングがズレないように注意しながらPF管をコネクタにねじ込んでいきます。

また、未来工業さんのPF管コネクタは、PF管を挿入後コネクタをひねることでPF管が抜けないようロックできます。PF管を挿入したら忘れずにロックをかけておきましょう。

PF管コネクタが装着出来たらPF管の片側端(今回は露出ボックス側)を固定してPF管の引き回し方法と長さを決めます。

防水コンセントを露出ボックスから外した状態でPF管コネクタを露出ボックスに固定する

防水コンセントの電気供給を止めて電気が来ていないことをテスターなどで確認したら、露出ボックスから防水コンセントを外して、露出ボックスの中が見える状態にします。

その状態で露出ボックスのケーブル引き出し穴(今回は下面)に、PF管コネクタのネジ部を挿入して、露出ボックス内側から樹脂ナットで挟み込んでしっかり固定します。

PF管の片側が固定出来たらPF管の引き回し方法を決めて必要な長さにPF管をカットします。なお、この引き回しの際は、バッテリーボックスを多少移動できるように、余長を持たせるような引き回しにした方がよいです。

PF管を引き回す前にPF管内に電源ケーブルを挿入しておく

PF管を必要な長さにカットしたら、PF管の中にVVFケーブルを通していきます。PF管の両端を固定してからだと、PF管の屈曲部が多くなってケーブルが入りにくくなるので、PF管の片側のみを固定した状態で、PF管を出来るだけ真っすぐにしてケーブルを挿入します。

ケーブルが挿入出来たら、ケーブルを必要な長さにカットします。

続いて、PF管のバッテリーボックス接続側を固定してきます。まずはバッテリーボックスのPF管固定部にホールソーで穴を開けます。穴径はΦ22mmくらいで大丈夫です。

ボックスに穴が開いたら、先ほどと同じようにPF管にOリングを装着してPF管コネクタに挿入し、コネクタをボックスに固定していきます。ただし、先ほどの露出ボックス側はボックスの下面にコネクタを固定したのですが、今回はボックスの側面にコネクタを固定しますので、コネクタ外側からボックス内に水が浸入しないようコネクタ部の防水性を強化する必要があります。

PF管コネクタの防水性を強化するためにネジ部根元に平パッキンを装着してボックスとの間に挟み込む

そこで、PF管コネクタのネジ部根元に、内径Φ22mmの平パッキンを挟んでボックスに取り付けます。(写真のネジ根元に移っている黒い”輪っか”が平パッキンです。)その状態でボックスに開けた穴にコネクタのネジ部を挿入し、内側から樹脂ナットで固定します。

なお、防水性を確保するためには平パッキンをしっかり潰しておく必要があります。ウォーターポンプフライヤーなどを使用して樹脂ナットを増し締めしておくとより安心です。

7.防水コンセントからの電源分岐-送り穴

PF管内に電源ケーブルが配線出来たら防水コンセントの送り穴を利用して、電源の分岐を取ります。

コンセント裏面の送り穴にケーブルを接続すると電源が分岐できます

この記事を読まれているような方は、既に電気工事の知識をお持ちの方だと思いますので既知の内容かと思いますが、念のため送り穴の説明をしておきます。コンセントには電源供給するためのケーブルが白黒2本1組で接続されていますが、それとは別に接続されていない端子(穴)が存在しています。それが”送り穴”です。送り穴に電源ケーブルを接続するだけで、延長コードをつないだかのように電源の分岐が出来ます。分電盤からケーブルを配線しなくても電源増設が出来る非常に便利なものです。

今回は防水コンセント裏面の送り穴を利用して電源を分岐させます。送り穴へのケーブル接続は、防水コンセント裏面にケーブルの加工寸法(ケーブル被覆を剥いで芯線をむき出しにする寸法)が明示されていますので、それを確認してケーブルを加工し、送り穴にしっかり差し込みます。(”W”表示がある方に白線を差し込んでください。)

送り穴にケーブルが接続出来たら、防水コンセント(露出ボックス)側の施工は完了です。防水コンセントを露出ボックスにネジ止めして元通りにします。

8.安全ブレーカへの電源ケーブル接続

続いて、5項で組み立てたバッテリーボックスの中身をボックス内に格納し、先ほど分岐させた電源ケーブルを安全ブレーカーに接続して動作を確認します。

まずは、ケーブルの芯線被覆を10mm程剥いで、安全ブレーカーの端子に接続します。今回使用する安全ブレーカーは、「N」(ニュートラル)と記載されている側に安全保護機能がない仕様なので、「N」表示側にマイナス側の白線を接続します。

安全ブレーカに電源ケーブルが接続出来たら、防水コンセントへの電源供給をOnにして、安全ブレーカーの動作とコンバーターの動作を確認します。

AC-DCコンバーターの出力端子にテスターをあてて直流12Vが出力されていることを確認する

安全ブレーカーのスイッチをOnにして、コンバータからの出力端子にテスターを充てて出力される電圧を確認します。結果は…無事12Vを表示してくれました。コンバータは正常に動作してくれているようです。(一安心です)

また、安全ブレーカーをOffにするとコンバータの出力もOffになります。安全ブレーカーのスイッチとしての機能も問題ありませんでした。(電気工事士に実技試験練習用に買った古い部品でしたが問題なく使用できました。)

9.コンバーター出力端子へのケーブル接続

コンバーターから12Vの電気が出力されることが確認できたので、その出力端子にタナゴビオトープへ送電するケーブルを接続します。

AC-DCコンバーターの出力端子に出力側の電源ケーブルを接続する

タナゴビオトープまで配線しているケーブルは、2Aくらいまで使用可能な”より線”仕様のケーブルです。”より線”仕様であれば、コンバータの小さい端子台にも問題なく取り付けが出来ると思って作業しましたが…”より線”でも取り付けるのが大変でした。。。私が不器用なだけの可能性もありますが、この辺りはなんとか改善して欲しいポイントですね。(ホント勿体ない)

出力側のケーブルが接続出来たら、安全ブレーカーのスイッチをOnにして、タナゴビオトープのポンプが動作することを確認します。結果は…問題なく動作してくれました。^^

10.PF管を壁に固定する

電気的な作業はすべて完了しました。最後の仕上げにPF管を壁にしっかり固定していきます。

今回はPF管固定用の下記サドルを2個購入しました。こちらを使用して防水コンセント(露出ボックス)とつながっているPF管を壁にしっかり固定して、PF管に加わった外力が防水コンセント側にに伝わらないようにしていきます。

細長いものでPF管が垂直になっていることを確認してサドルでPF管を固定する

まずは細長いもの(今回は近くにあった木材)を使用して、PF管が垂直になっていることを確認しながらサドルの固定位置を決め、サドルのネジ止め部分にドリルでネジ用の穴を開けます。

いつものDIYであれば、壁内にアンカーを打ち込んでネジの固定力を強化しますが、今回は強度が必要ない部分なのでアンカーの埋め込みは省略しました。

その代わりに、ネジ用に開けた穴から壁内に水が侵入しないように、ネジにシリコン系接着剤を塗布してネジ打ちしておきました。(どのくらいの効果があるか?はわかりませんが、塗布することでの弊害はないはずです。)

以上で今回の施工はすべて完了です。

・交流100Vを直流12Vに変換して活用した感想

電力不足が解消された我が家のタナゴビオトープ

今回は家庭用電源である交流100Vを直流12Vに変換して、タナゴビオトープに活用するというDIYを行いました。これで電力不足に悩まされていた屋外ビオトープの電力不足が解消出来ます。現状では1台のろ過用ポンプしか接続しておりませんが、今後は他の機器も設置して、タナゴの育成環境の充実を図っていきたいです。

また、今回の施工で使用した交流100Vを直流12Vに変換するコンバーターは、お値段もお手ごろでとても良い商品でしたが、ケーブル接続用の端子台が小さ過ぎるのが実に惜しい。安全性や耐久性などの部分が評価できるのはこれからですが、端子台がもう少ししっかりしていれば、設置段階では文句のつけようのない商品になっていたと思います。(実に惜しい)

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