【DIY】部屋の換気口を換気扇に交換して、煙草の煙の拡散を防止

DIYで換気口を換気扇に換えて部屋からの煙草の煙の拡散を防止する

法律で定められている24時間換気システムによる屋内の空気の流れは、各部屋の換気口(通気口)から給気され、廊下などを通ってトイレやお風呂場から排出されるよう設計されています。よって、各部屋で吸った煙草の煙は廊下側に漏れてしまうことになり、家族間での紛争につながります。そこで今回は、煙草を吸う部屋の換気口を換気扇に交換し、煙草の煙が部屋から直接排気されて、廊下などに漏れないよう改良していきます。下記リンクにて動画も公開していますので、ご参考にしてみてください。【DIY】#38 使用していない換気口を換気扇に換えて、煙草の煙が廊下に漏れるのを防止する

1.24時間換気システムの空気の流れを変える

以前の記事【DIY】24時間換気システムの住宅で換気口を閉じた時の給気は?では、法律で定められている24時間換気システムにて、家全体の空気の流れがどうなっているか?をまとめました。

結論として、24時間換気システムが適用されている建物の、屋内の空気の流れは、24時間換気が行われるトイレやお風呂場から空気が排気されるのを前提としているため、各部屋の換気口(通気口)から空気が給気されて、各部屋からトイレやお風呂場に向けて空気が流れていく設計になっていました。

したがって、その空気の流れの中では、各部屋で汚れた空気は、廊下などに流れて屋内全体に拡散されることになります。もし、その部屋の一つで煙草を吸った人がいた場合は、その煙や匂いが家全体に広がるということですね。

では、部屋の汚れた空気(や煙草の煙)が、部屋から拡散しなくなるようにするにはどうしたらいいでしょうか?

その答えは1つです。汚れた空気(や煙草の煙)が発生した部屋から、直接排気が行われるようにするしかありません。

そこで今回は、煙草の煙が廊下側に流れて、家族からのクレームが入っている2階西側の部屋(上図の1番上に位置する部屋)に換気扇を設置して、家族からのクレーム問題を解消していきます。

2.換気口(通気口)に設置可能な換気扇(パイプファン)

我が家では過去記事【DIY】使用していない換気口を換気扇(パイプファン)に交換するにて、父さんの在宅勤務が増えたことで仕事場となった寝室に対し、換気口(通気口)を換気扇に交換するDIYを行っています。

その際に使用したのは下記のPanasonic製パイプファン ”FY-08PDEPD”です。

こちらのパイプファンシリーズは換気口(通気口)に使用されるΦ100mm塩ビパイプにピッタリ適合するの換気扇なので、換気口(通気口)からの置き換えに最適です。

更に、スイッチをオフにすると電気式のシャッター(写真参照)が閉まるので、換気扇が稼働してない状態でも、ゴキブリなどの侵入を許しません。

電源ケーブルを端子に直接接続するタイプになるので、壁内に電源ケーブルを配線してあげる必要があり、スイッチをオン・オフするための「スイッチ」も別途必要となりますが、各部屋で積極的な排気を行うためには最適な製品ですね。

そこで今回は、煙草の煙でクレームが入っている部屋にも、このシャッター付き換気扇(パイプファン)を設置していきます。

3.換気口を換気扇(パイプファン)に置き換える施工内容

今回の換気扇追加で想定している電気工事の配線図は図のとおりになります。

まず、必要な電源は、対面側のコンセントから送り穴を使用して分岐させます。それを天井裏のジョイントボックスまで引き回して、換気扇やスイッチなどへ接続していく基本構成です。

また、スイッチ部には、換気扇の動作状態がわかるようパイロットランプを設け、電源ケーブルを換気扇の下部まで引き回して、2口のコンセントを1つ増設します。

更にその施工の位置関係を表すと図のようになります。

施工のポイントは、屋根の傾斜が部屋の内部にまで影響している部分(矢印部)に、どう電源ケーブルを通すか?でしょう。(それ以外は、特に難しそうな部分はなさそうです。)

屋根裏側のスペースも外壁に向かってどんどん狭くなっているので、かなりの難工事になることが予想されます。

まあ、想定通りに施工できなかったら、その都度対応を考えるということで、まずは施工してみましょう。

4.壁に穴を開けて換気扇まで電源ケーブルを通す

まずは、壁面にスイッチ用の穴を開けて換気扇を設置する位置まで電源ケーブル通していきます。

現状の換気口(通気口)のカバーを取り外して、換気口(通気口)本体を取り外します。写真のように4か所のネジで固定されているものが多いと思いますので、そのネジを取り外して、壁の穴から本体を引き抜きます。

続いて、壁裏センサーなどを使用して壁内の間柱の位置を確認し、間柱がある位置に目印(マスキングテープ)をつけておきます。

今回は、写真に描いた水色の線が柱の位置になります。換気口(通気口)の通気管となる塩ビパイプ(Φ100mm)が、その間柱にネジ固定されていました。

間柱の位置が確認出来たら、その位置を避けてスイッチの位置を決め、壁に穴を開けていきます。開ける穴は壁内に埋め込むコンセントボックスと同形状です。

なお、今回は石膏ボードを挟み込んで固定するコンセントボックスを使用しますので、その挟み込む部分のスペースが確保できるよう、間柱から少し離した位置に穴を開けていきます。(間柱にネジ固定するタイプのコンセントボックスを使用する場合は、間柱のすぐ横に穴を開けてください。)

住宅の壁は石膏ボードであることが多いので、カッターなどでも穴あけすることが出来ますが、マルチツールを使用すると加工が楽ですね。

なお、この辺りの壁への穴あけやコンセントボックスの埋め込みなどは、石膏ボードの穴あけとコンセントボックスの埋め込みで詳細をまとめていますので、合わせてご参考にしてみてください。

穴が開いたら穴から電源ケーブルを挿入して屋根裏まで通していきますが…やはり途中で引っかかってしまって通すことができません。

屋根裏からも、同じようにトライしてみましたが…何度やっても途中で引っかかってしまいます。

いつもの「釣り糸」と「おもり」を使用した通線も試してみましたが…今回は垂直方向だけの通線ではないので、重力のみに頼った方法では解決できませんでした。

そこで今回は、下記の通線用のワイヤー(10m)を追加で準備して通線にトライしてみました。

上記の通線ワイヤーは、壁内に配置されたCD管などにケーブルを通すための通線工具ですが、ワイヤーの持つ「硬さ」と「適度な柔軟性」で、壁内への直接通線にも使用出来るのでは?と思ってダメ元での購入です。

結果は、壁に開けた穴から挿入しても上手くいかず…天井裏側から挿入しても結果は同じでした。(これは困りました。)

こうなってしまっては、ケーブルを通線するため(だけ)の穴を開けて、なんとかケーブルを通していくしかありません。(あまりやりたくなかったのですが、最終手段の発動です。)

では、どこに穴を開けるのが適切か?ですが、今回は、壁側と天井側の両方にアクセス出来る”屋根の傾斜部分”に穴を開けるのが最適でしょう。

天井の傾斜部に写真のような穴を開けて電源ケーブルを通しました。(これで最難関のケーブル通線工程はクリアできました。)

天井に開けた穴は、基本的には以後使用しない穴になりますので、化粧カバーで塞くなどして別途処理します。(今後のチェック用の穴として、着脱が出来る構造にはしておきましょう。)

これで1本の電源ケーブルが通線出来ましたが…今回の配線図では、天井裏にジョイントボックスを設置して、壁側に3本のケーブルを設計となっています。この経路に3本のケーブルを通すのはちょっと難しそうです。

そこで今回の施工は、図のように配線図を変更することにしました。

まず、通線の難しかった天井裏から換気扇側へ通すケーブルの数は1本に変更します。そして、各ケーブルの接続は、スイッチボックスの中に配置する差し込み型コネクタにて行う構成にします。

スイッチボックスをジョイントボックスとして使用する設計になるため、スイッチボックス内のスペースが足りるか?が少し心配ですが、まあ、何とかなるでしょう。

また、天井裏から換気扇側まで引き回したケーブルを、そのまま対面の壁まで引き回すと、ケーブルの取り回しが難しくなりそうです。そこで、対面側まで引き回すケーブルは別ケーブルとして、それぞれを天井裏のジョイントボックスで接続する構成とします。(1本のVVFケーブルを継ぎ足すためだけに、ジョイントボックスを使用していきます。)

この構成であれば、スイッチボックス周りの配線はごちゃごちゃしてしまいますが、その他の配線がかなりシンプルになります。今回はこの設計に変更して以降の施工を実施していきます。

5.対面のコンセントから電源を分岐させる

続いて、対面側のコンセントから、送り穴を使用して電源を分岐させていきます。

まずは、コンセント部分を分解して、コンセントから天井裏までケーブルを通していきます。

例によって、分電盤のブレーカーを落とさず作業するので、作業は慎重に…(ブレーカーは落として作業するのが基本ですが、室内のPCがずっと動いているので止むなくの作業です。)

分解が出来たら、天井裏からケーブルを通していきますが…このコンセントには、電源ケーブルだけでなく、同軸ケーブルや、LANケーブル用のCD管などが入り乱れていて、なかなかケーブルが通せませんでした。

今回購入した通線ワイヤーなども使用してトライしますが、上手くいきません。

そうなると、垂直のケーブル配線で登場するのは、やはり「釣り糸」と「おもり」ですね。

今回ケーブルを通したい壁は、屋根裏への入り口から少し遠い場所にあります。穴釣り用の竿を投入して、写真のように穴釣りの要領で、壁内におもりを落とし込みました。

落とし込んだおもりをコンセント側でキャッチすることが出来たら、その糸を使用して壁内にワイヤーを通していきます。

壁内にケーブルが通せたら、天井裏に設置したジョイントボックスで差し込み型コネクタによる接続を行います。

それをジョイントボックス内に格納すれば、天井裏での作業はすべて終了です。

なお、送り穴への電源ケーブルの接続(電源の分岐)は、換気扇側のすべてのケーブル接続が終わったあとに行います。(そうすることで、換気扇側を無通電状態で施工できます。)

よって、この段階では、コンセント側にケーブルを通して、接続せずに格納しておきます。

6.換気扇側の電源ケーブルの配線と接続

続いて、いよいよ換気扇側の電源ケーブルを全て配線し、それぞれの接続を行っていきます。

まずは、各ケーブルを接続する(差し込み型コネクタを配置する)スイッチ部から、新たに下方に増設する電源コンセントにケーブルを通していきます。

電源コンセントを増設する位置に穴を開け、スイッチ部から穴にケーブルを通していきます。そして、そのケーブルをコンセントボックスの穴に通して固定します。(写真の状態です)

コンセントボックスが固定出来たら、連用取付枠と一体となっている電源コンセントにケーブルを接続し、コンセントとして仕上げていきます。

なお、コンセント増設の施工方法は、過去記事【DIY】屋根裏にケーブルを配線して対面の壁にコンセントを追加や、【DIY】壁裏にコンセントを増設する -BOSCH製マルチツールなどでも詳しく紹介していますので、ご参考にしてみてください。

続いて、スイッチボックスから換気扇へ電源ケーブルを通していきます。

換気扇に接続するケーブルを壁から引き出す位置は、換気扇の施工説明書に記載されています。その寸法に合わせて壁に穴を開け、その位置から電源ケーブルを通していきます。

なお、通気管用の塩ビパイプが左側の間柱に固定されている我が家のような場合は、指定寸法通りだとケーブルを通す位置が間柱と重なってしまう可能性が高いです。位置を多少ずらしても施工できますので、その辺は状況に合わせて調整してください。

換気扇を設置する位置までケーブルが通せたら、そのケーブル先端を施工説明書通りに加工して、換気扇へ接続していきます。

換気扇へのケーブル接続は、加工した芯線を端子に差し込むだけです。(差し込み型コネクタと同じような構造です。)芯線が外側から見えなくなるよう、奥までしっかり挿し込みます。

また、換気扇の端子の近傍には、接続したケーブルが抜けないようにケーブルを固定する機構がありますので、そこにもしっかり固定してフォーミングしておきます。

続いて、いよいよ換気扇を壁面に固定していきます。固定は左右中央のネジにて行いますが、固定面が石膏ボードの場合は固定力が弱くなるので、樹脂製のアンカーなどを打ち込んで固定力を強化します。(私は下写真のように、石膏ボード用のアンカーを打って対応しました。)

また、我が家の通気管は、壁との隙間がかなりある状態で固定されておりましたので、その隙間をアルミテープで埋めておきます。(写真のとおり、隙間を完全に埋めました。)

その状態で、通気口に換気扇のモーター部を挿し込んで、左右のネジでしっかり壁面に固定したら、換気扇の固定は完了です。

続いて、スイッチ部の施工を行い、通線した各ケーブルを接続していきます。

先ほど見直した配線図の接続どうりになるように、スイッチにケーブルを接続していきます。

なお、連用取付枠の上側に固定したのがパイロットスイッチで、下側がスイッチです。

各ケーブルの接続は、スイッチボックスの中で挿し込み型コネクタを使用して行いますので、接続用の挿し込み型コネクタもスイッチ裏面側に接続しておきました。(写真のとおりです)

前加工が出来たら、各ケーブルを接続して、すべてのケーブルの接続を行います。

接続が完了したら、接続したケーブル類をコンパクトに折り畳み、スイッチボックスの中に格納します。

今回は挿し込み型コネクタをスイッチボックス内に格納しているので、スイッチボックス内がかなりパンパンになってしまいましたが、何とかすべてのケーブルを収納してネジ止めすることが出来ました。(写真の状態です)

以上で、換気扇側の施工は完了です。(スイッチ部のカバープレートは、すべての動作が確認出来てから取り付けていきます。)

7.送り穴による電源分岐と通電・動作確認

換気扇側の施工が完了したら、電源ケーブルを通線しただけで接続していなかった、対面側コンセントの電源分岐を行っていきます。

施工は、電源コンセントの空いている送り穴に電源ケーブルを挿し込むだけです。

基本的に分電盤のブレーカーを落として行う作業になりますが、PCが動いていてブレーカーを落とせないので、通電状態のまま慎重に作業します。(一応、換気扇側に設置したスイッチをオフにして、接続した瞬間に換気扇側に電気が流れることがないよう配慮しました。)

この電源分岐で、換気扇側にも電力が供給されるようになりました。電源分岐をしたコンセントを元に戻して(カバープレートなどを取り付け)換気扇の動作などを確認します。

まずは、増設したコンセントに電源が供給されているか?を確認します。

電流計をコンセントの穴に付き挿して、その交流電圧を測定すると…しっかり100Vを表示しています。電源コンセントの増設は問題なさそうです。

なお、ここでの表示がおかしい場合は、接続に何らかの問題があると思われますので、今一度配線状態を見直すなどしてください。(ショートしている箇所がある場合には、送り穴による電源分岐を行う際に何らかの異常が検出されると思いますが…)

続いて、換気扇の動作を確認していきます。(意外とドキドキする瞬間です。)

スイッチを入れるとパイロットランプがオレンジに点灯し、換気扇の電気式シャッターが開いて換気扇が動作し始めました。

スイッチをオフにするとパイロットランプが消灯して、換気扇が停止し、少しだけ遅れて電気式シャッターが「カシャ」っと小気味よく閉じます。

動作には全く問題ありませんし、換気扇の消し忘れ対策として設置したパイロットランプの効果も想定どおりです。(施工としては完璧ですね。)

8.換気扇の仕上げと通専用に開けた穴の目隠し

動作に問題ないことが確認出来たら、施工した箇所の仕上げ作業を行っていきます。

まずは、設置したスイッチ部にカバープレートを被せて、換気扇にルーバー状のカバーを取り付けます。

今までは、紫外線でかなり黄変した換気口(通気口)が付いていましたが、真っ白な換気扇が付いて、外観としても良くなりましたね。

ただ、今回スイッチ部には、手元にあったベージュ色の部品を使用したのですが…壁が白なので、白の部品を使用した方が良かったですね。(増設した電源コンセントは、今回新たに買い増ししたので、白の部品を購入しています。)

最後に、ケーブルを通すためだけに天井に開けた穴を目隠ししていきます。

まずは、天井に空けた穴にコンセントボックスは入れずに、天井に連用取付枠を直接ネジ固定していきます。

下側には石膏ボードの裏側に柱があったので、その柱にしっかりネジ固定しました。

上側には石膏ボードしかありませんでしたので、石膏ボードの裏側に、穴の幅よりも長い写真のような木片を当てて、そこにネジを打ちました。そうすることで、連用取付枠と木片が石膏ボードを挟み込む構成になり、しっかり固定することが出来ます。

その連用取付枠に、穴のない目隠し用のカバープレートを取り付ければ目隠し作業は完了です。

以前のスイッチを移動したDIY(過去記事【DIY】廊下照明用のスイッチ移設工事-壁の穴もしっかり修復!参照)では、元の穴を段差なく仕上げるべく、石膏ボードを穴に嵌め込んで、壁紙を貼り直すという作業を実施しましたが、今回はこんな外観で十分でしょう。

むしろ、何かあった時の点検口的に使用することが可能となりますので、この施工がベターですね。

以上で、今回の施工は終了です。やはり、屋根の傾斜がある部分のケーブル配線はかなり大変でしたが、無事施工が出来てよかったです。

これで、煙草の煙がこの部屋から直接廃棄される気流構成になったはずです。煙草の煙が廊下などに漏れなくなることで、家族間の争いがなくなることを心から願っています。(っていうか、ベランダで吸えよって話ですが。。。)

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