東京と田舎の二重生活に向けて、空き家になっている実家の再生を計画中です。そこで今回は、まずは家の構造がどうなっているか?確認すべく、天井板の一部を剥がして、梁と柱の状態確認を行いました。そこには立派な梁がたくさん隠れていましたが、過去に改築を繰り返した代償も…下記リンクにて動画も公開していますので、興味のある方にご覧いただきまして、皆様のご参考になれば嬉しいです。【古民家再生】#1 天井裏に隠れている梁と柱の状態を確認する-なんと!そこには鉄骨が?!
1.空き家となっている実家の古民家
私の実家は、明治から大正時代に建てられたと言われている古民家ですが、母が亡くなって以降12年間は、空き家になって放置されています。特にここ数年は、コロナでの移動自粛もあり、なかなか来ることが出来ていませんでした。
コロナが落ち着いた最近では、時々帰省して片づけをしたりしていますが…お庭が広い田舎のお家”あるある”でしょうか?不要となったものが庭のいたるところに放置されていて、片付けるのはなかなか大変です。^^
実家は、かなり昔に建てられたお家になりますが、家の作りはかなりしっかりしています。自慢はやはり1尺柱が使用されている”大黒柱”です。
まあ、正確に測定したら、28.5cm×27cmの泣き尺柱でしたが、そのたたずまいは私の大のお気に入りです。
その大黒柱を含む柱どうしは、幅が40cm近いこれまた立派な”鴨居”で接続されており、こちらもかなりの迫力があります。(設置位置が低いので、油断していると通過するたびに頭がぶつかりますが…)
鴨居の上には土壁のエリアがあって各部屋を仕切っています。今では土壁の材料もとても貴重みたいなので、こちらも大事にしたいですね。
そして、各部屋の天井には、綺麗な天井板が張られています。家を建てた当時は天井板をしっかり張るのが良いお家だったのでしょうが、古民家の醍醐味ともいわれる梁などが隠れて全く見えない構造になっています。
2.空き家となっている古民家を再生する
今までの私は、仕事がかなり忙しかったのですが、最近は少し時間が取れるようになり、実家に帰省して片づけをする機会が増えました。そして、いずれは東京と実家の2重生活を考えているので、その来たるべき時に向けてDIYでの改築を進めていく予定です。今、流行りの「古民家再生」ってやつですね。
「古民家」と言えば、立派な大黒柱や鴨居も素敵ですが、やはりその醍醐味は天井にむき出しになった立派な梁でしょう。今の天井板も黒光りしていてとても綺麗なのですが、個人的には梁がむき出しになった古民家が好みです。
しかしながら、現状では、すべての天井に天井板が張られていて、梁の状態が全く確認できていないどころか、その存在すら確認出来ておりません。
流石に「梁がない」なんてことはないと思いますが、「古民家再生」に向けて、まずはその存在と状態を確認しておきたいです。
3.現状で視認できる柱の位置
梁を確認する前に、まずは現状で視認出来ている”柱”と”鴨居”の位置を改めて確認してみましょう。それらを簡単に3Dデータにすると図の通りになります。
柱だけデータにしてもなんのこっちゃわからないと思いますが、茶色で表示されているのが、家を大黒柱で東西で分けた時の西側半分の柱と鴨居になります。対して、緑色で表示されているのが、家の東側半分の柱になります。
現状では東側半分の柱が2本しか確認できていませんが、一体どうしてでしょうか?
図が現状の家の配置図になります。改めて確認すると、現状の間取りは6LDKって感じですね。
図中のオレンジ色の四角が、今現在、確認できている柱の位置で、それを連結する茶色のラインが鴨居になります。
中心付近の大きい四角が大黒柱で、そこから西側(左側)には、各部屋にバランスよく柱が配置されているのがわかります。
しかしながら、大黒柱より東側(右側)は、右上に1本の7寸柱(実測20cm角)がありますが、その他の柱が1本しか確認できておりません。
その理由は、家の改築遍歴にあります。母から聞いている話では、大黒柱から西側は元々居住区だったエリアですが、西側はすべて土間で、古くは馬小屋になっていたエリアだということです。そこを何回かに分けて改築することで、今の構造になり、柱の位置がわからなくなってしまったようです。(東側がすべて土間だった記憶は私にもなんとなくあります。)
4.天井板の一部を剥がしてみる
古民家再生を本格的に検討していくにあたり、まずは家の大黒柱から東側の、梁の状態(存在)と柱の位置を確認しておきたいです。
そこで今回は、堀ごたつがある4畳半+αの和室と、6畳間の間にある中央廊下エリア(図中の×印部)の天井を剥がして、柱と梁の状態を確認していきます。
今回、天井を剥がすエリア(×印部)は、後から改築したエリア(元土間)になるので、天井板も比較的新しいです。今でも入手出来そうな一般的な素材なので、無理して再利用する価値もそれほどないでしょう。であれば、手っ取り早く豪快に破壊して、剥がしていきたいと思います。
破壊する前提であれば、解体はとても簡単です。杭などを打ち込むときに使用する大型の木槌(掛け矢)を使用して、天井を突いて破壊していきます。
ただ、天井板の上には、長い間で蓄積されたそれはもう酷い汚れが堆積しているはずです。ここ数年間は、ネズミらしき生き物も住んでいたようなので、防塵マスクと保護メガネを装着し、頭には手拭いを巻いて完全防備で作業しました。
天井板はそれほど強度を持つように固定されていないので、大型の木槌(掛け矢)を使用することで、いとも簡単に解体出来ました。
5.古民家の柱と梁を確認する
廊下の天井を剥がすことで、その上(元の天井板の裏側)の様子が見えるようになりました。早速、中を確認してみましよう。
まず、存在が確認出来ていなかった梁は、しっかり天井裏に存在していました。改築で多少加工が加えられている部分もありますが、想像していた通りの立派な梁です。
また、東側のエリアについては、元々土間だったエリアなので、梁よりも上にも昔の天井板が存在していました。(新旧の天井板が2重についていたようです。)
この状態であれば、元が土間だった東側のエリアについては、今の天井板を剥がしても、新たな天井板を張り直す必要はなさそうですね。(嬉しい誤算です。)ただ、天井板が多少破損しているところがあるので、そこは別途修理を検討します。
そして、天井裏には想像していたよりも多くの梁が設置されていましたので、すべての天井板を外した暁には、それはそれは素晴らしい姿を見せてくれるでしょう!^^
しかしながら、ここで全く想像していなかった新事実が発覚します。
今回は、東側エリアに柱が見当たらないと思って位置を確認する流れになったのですが…なんと、何本かの柱が切られていて、そこに鉄骨が入れられていることがわかりました。(写真の下部に見えているのが、水平方向に入れられていた鉄骨です。)これは全く想像していなかったのでびっくりですね。
どうやら、リビングと台所の部分を改築(増築)した時に、柱が邪魔になって切ってしまっていたようです。
図は東側エリアの梁の位置と鉄骨の位置を表したものです。ピンクで表示したラインが梁の位置で、青で表示したラインが鉄骨の位置です。(鉄骨の奥の梁は未確認のため未追記です。)
鉄骨のライン上にある濃い青の四角が、改築で切断されたであろう柱になります。バランス的にお風呂の位置にも切られた柱がありそうなので、計4本もの柱が切られていたことになりますね。。。
当然ですが、改築した大工さんがしっかり強度計算してくれているはずなので、強度的な問題はないのだと思いますが…なんだか少しだけ悲しいですね。(壊したものは元に戻せないので)
こちらは部屋側から見た鉄骨の出っ張りです。この出っ張りはなんだろう?と、ずっと思っていましたが、まさか鉄骨だったとは。。。(鴨居的なものが出てくるのだと思っていました。)
でも、これで東側の家の構造がある程度把握できたので、家全体の構造を把握することが出来ました。確認した内容を元に、これからの古民家再生計画を色々と考えていきましょう。
6.大黒柱から西側の天井裏の状態は?
今回、天井を剥がしていない西側は、あまり詳しく確認出来ていませんが、大きな改築は実施していないはずなので、構造的には建築当時のままになっていると信じて今後の計画を立てていきます。
ただ、写真は土壁と梁の隙間から、西側の天井裏を除いてみた映像ですが…なんだか古民家っぽくありませんね。
瓦屋根の下に、茅葺屋根がそのまま隠れているのかと思っていましたが、屋根は普通の構造にすっかり改築済みのようです。
すべての天井板を剥がして、この構造がむき出しになってしまうのはちょっと趣がないので、西側については、天井板を外して梁を露出させたら、剥がした天井板を梁の上方に設置し直す感じで仕上げていきたいと思います。
また、西側へ続く土壁に、獣が侵入したような穴が開いていました。ハクビシンなのか?猫なのか?ちょっと大きめの糞がたくさん散乱していましたので、何かの大きめの獣がしばらく住み着いていたんでしょう。改築を行う際には、そういった獣が侵入しないよう、屋根との隙間をしっかり埋めて対策したいと思います。
私の古民家再生も始まったばかり(本格的には始まっていないかも)ですが、今回の調査で、再生する古民家の全体的な構造は把握できました。その結果を踏まえて、今後の改築方法をしっかり検討していきましょう。(あと、改築する順番なども。)