【情報】ビールの定義-発泡酒や第3のビール(新ジャンル)との違い

酒税法上のビールの定義-発泡酒や第3のビール・新ジャンルとの違い

私は自他ともに認めるビール愛好家(ビーラー)です。心身の健康のために?毎日欠かさず飲んでいます。最近では発泡酒や第3のビール(新ジャンル)と呼ばれるものがより安価に売られていますが、やはりビールの味には到底及びませんので、飲むのは必ずビールです。今回は、そんなビールの定義を改めて確認するとともに、発泡酒や第3のビール(新ジャンル)との違いをまとめてみました。

1.世界中の人に愛されるビール

古くから世界中の人々に愛されて来たビール

最近は「ビールは最初の1杯のみ」みたいな人がかなり増えた印象ですが、私は自他ともに認める”ビーラー”です。ビール以外にも(日本酒の熱燗以外であれば)なんでも飲みますが、特に好んで飲むのはビールで、飲み会の最初から最後までビールで通しても全く問題ありません。

海外のビールや地ビールと呼ばれるものにはかなり個性が強いものが多いので、ビールの魅力を一概に語ることは難しいですが、私がビールを選ぶポイントは、ポップの苦みを含めたその深い味わいや、ポップから産まれる豊かな香りなどです。

最近の日本ビールは、アサヒスーパードライに代表されるような、すっきりとした味わいのものが増えて、美味しいと思うビールがかなり減ってしまいましたが、麦芽100%で作られている”エビスビール”や”プレミアム・モルツ”シリーズは、やはりいつ飲んでも美味しいですね。

ビールは5,000年のメソポタミヤ文明に醸造方法についての記載がある

ビールは、紀元前3,000年頃に濡れたパンが”偶然”発酵したことで生まれたと言われています。メソポタミヤ文明時代にはくさび文字でその醸造方法が記述されているようですから、古代からみんなに愛されていたお酒ということですね。

それから時が流れること5,000年。ドイツやデンマークなどに代表される欧州ビールに、アメリカのバドワイザー。中国には青島ビールがあって、タイにはシンハービール、etc。ビールは今でも世界中の人に愛飲されています。

2.ビールは麦芽とホップを発酵させて醸造

一般的なビールは、大麦麦芽をビール酵母でアルコール発酵させて作られます。

ビールに使用されている麦芽には発芽した大麦が使用される

麦芽とは、大麦の種子を発芽させたものです。発芽することで酵素が活性化し、でんぷんを糖に変化させる働きがあります。

細かく砕いた麦芽を米などの副原料と混ぜ合わせると、でんぷんの糖化が促進されます。それにホップを加えてビール酵母で発酵させると、糖分が炭酸ガスとアルコールに分解されます。それを熟成させたのがビールです。

ホップにはビールに苦みや香り付けするという重要な役割がありますが、たんぱく質を分解して、ビールを澄んだ状態にする役割もあるようです。その他にも、ビールを腐敗し難くしたり、泡もちを良くしたりする働きもあるようなので、ホップの役割もとても重要ですね。

麦芽に混ぜる副原料には、米やコーン、スターチ(でんぷん)などが使用されますが、味を整えるために使用されているようなので、ビールの醸造に不可欠なのは、「麦芽」と「ホップ」、そして「ビール酵母」ということになりますね。

3.日本で醸造されるビールの定義

ビールは、主に麦芽とホップ、そして水を原料としてビール酵母で発酵させたものですが、日本の酒税法におけるビールの定義を簡単にまとめると下記のとおりになります。

  • 麦芽、ホップ、及び定められた副原料を発酵させたもの
  • 原料中麦芽の重量が、ホップ及び水以外の原料の50%以上
  • 副原料が麦芽重量の5%以下
  • アルコール分は20度未満
日本におけるビール、発泡酒、第のビール(新ジャンル)の定義は酒税法に明記されている

麦芽が50%しか使われていなくてもビールと呼べてしまうのはちょっと意外ですね。(ちょっと基準が低すぎと思います。。。)昔は”プレミアム・モルツ”ではない通常の”モルツ”も麦芽100%を謳っていたと思いますが、今では”エビス”や”プレモル”を除く、通常価格帯のビールで麦芽100%を謳っているのは”キリン一番搾り”だけになってしまいました。ビールの苦みやコクが好きな私には悲しい状況ですね。

また、市場で販売されているビールのアルコール度数は5%前後のものが多いですが、20%に近いものでもビールと呼べるのも意外でした。そんなアルコール度数の高いビールを一度飲んでみたいものです。(ガブガブ飲んですぐに酔っぱらってしまいそうですが…)

4.発泡酒の定義

発泡酒の酒税法上の定義は麦芽を発酵させたお酒の中で麦芽使用比率が50%未満のもの

ビールの安価版?として飲まれている「発泡酒」はビール同様に麦芽を発酵させたお酒になりますが、麦芽や副原料の重量がビールの規定に満たないものになります。(麦芽重量が50%にも満たないということですね。)

発泡酒の販売が始まったのは、私が社会人になりたての頃だったと思います。まだ発泡酒の存在を認識していなかった時に「ビール」として出されて初めて飲んだのですが…「なんだこの美味しくないビールは?」と思ったのを覚えています。

そこからかなりの改良が加えられて美味しくなっているとは思いますが、”スーパードライ”にすら物足りなさを感じている私には、改良が加えられたとて、手は伸びることはない商品群ですね。

居酒屋の飲み放題で「ビール(発泡酒)」などと書かれている店には二度と行かないです。(笑)

5.第3のビール(新ジャンル)の定義

第3のビール(新ジャンル)は、法律上は「その他の発泡性酒類」になります。主に麦芽以外のものを発酵させたお酒になりますので、もはや”ビール”という呼称を付けてはいけない種類のお酒ですね。

第3のビール・新ジャンルの酒税法上の定義は麦芽以外の糖類を発酵させたお酒

2023年10月には「麦芽25%以下の発泡酒」として取り扱われるようになり、酒税が上がることが話題になっていますが…飲まない私には一切関係がありません。(笑)

なお、発泡酒、第3のビール(新ジャンル)のどちらにも言えることですが、CMを見ていると「ビールを超えた」や「ビールと間違える美味さ」とか、ビールと比較したCMを展開しているのをよく見かけます。でも、ビールと同じ土俵で味を比較して勝てるはずがないでしょう?(一緒に飲めば、絶対に判別できる自信があります。)

「ビールに似せること」を追求するのではなくて、ビールとは違う「独自の味」を追求してくれれば、選択肢に入る可能性もあるのになぁと残念に思っています。

5.ビールの副原料とはなに?

ビールの副原料に使用されるのは、米やコーン、スターチ(でんぷん)などです。(発泡酒や第3のビールについても同様です。)

ビールの副原料には、お米やコーンなどの穀物やそのでんぷん・コーンスターチなどが使用される

麦芽より安価だという理由や、ビールの味をすっきりさせるために使用されるようですが…麦芽100%が好みの私にとっては、副原料の割合が増えてビールの味がすっきりと均一化して、個性がなくなっていくのは非常に嘆かわしい状況です。

ドイツでは、ビールの伝統と品質を守るために、副原料を一切使わないというのが法律で定められている?という話をよく聞きます。

世の中にはいろいろな趣向を持った人がいますので、副原料を一切使うな!と言うつもりはありませんが、ビールはやっぱり「麦芽」と「ホップ」が基本でしょう。個人的には、麦芽100%=ビールと認識されるような、ドイツのような流れが日本でも起こって欲しいと強く願う今日この頃です。

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