【DIY】屋根裏に新たな床を張って収納スペースにリフォームする

屋根裏に合板の床を張って収納スペースにDIYでリフォームする

我が家の屋根裏は、出入りのしやすい点検口を設置 ⇒ 1畳程度の足場を設置 ⇒ 電源コンセントとLED照明を設置、という流れで段階的に開発を進めてきました。今回は、物置の荷物が溢れてきたのを契機に、以前に設置した1畳程度の足場を撤去して、新たな合板の床を張って本格的な収納スペースにリフォームしていきます。自己責任でのDIYになっておりますが、下記リンクにて動画も公開しておりますので、皆様のご参考になれば幸いです。【DIY】#43 屋根裏に合板の床を張る-屋根裏の余剰スペースを有効活用しよう!

1.少しずつ開発を進めてきた屋根裏

新築当初の我が家の屋根裏は、小さな点検口が屋根裏収納に存在するだけでした。電気工事士の資格も持っておりませんでしたので、屋根裏には特別なアクシデントなどがない限り、出入りすることはありませんでした。

屋根裏への出入りを容易にするために新たに施工したドア付き点検口

そこで、過去記事【DIY】屋根裏点検口の開け方-屋根裏収納からの新たな出入口では、屋根裏へ出入りがしやすくなる新たな点検口を作成し、更に【DIY】屋根裏点検口に断熱性の高い扉を追加するでは、そこに扉を追加して、出入りのしやすい状態にDIYしました。(写真が新たに作成した点検口の扉です)

そこから更に、【DIY】屋根裏に足場となる作業スペースを作るでは、屋根裏に荷物を搬入するための足場となる1畳ほどのスペースを設置し、【DIY】屋根裏に電源ケーブルを配線し照明と電源コンセントを設置では、電源コンセントとLED照明を設置して、多少の作業が行える空間にリフォーム?しています。

それからしばらくは、設置した1畳ほどの足場を起点にして、物置に入らない荷物を柱の上などに置いていましたが…物置の荷物が満杯になってくるのと同期して、屋根裏も荷物の置き場所がなくなってきました。

そこで今回は、現状の小さな足場を撤去してもっと広範囲な床に張り直し、屋根裏に新たな収納スペースを確保していきます。

2.屋根裏に張る床の仕様を決める

屋根裏に現状よりももっと広範囲の床を張っていくことにしましたが、まずはどんな床にするか?を決めていきます。

洋室の床の仕上げは合板の上にフローリング材を張ることが多い

床の材質については、DIYの経験値を上げる意味でも、フローリング材まで貼って綺麗に仕上げることも考えましたが…基本的に今回は荷物を置くためだけの収納スペースになる予定です。予算をそれに見合うレベルで抑えるという意味でも、今回はフローリングを張る前の”合板”を張った状態で止めておくことにしました。(フローリング化はまた別の機会で検討します)

また、使用する合板の厚みについては、合板を床としてそのまま使用する場合、十分な強度を持つ”24mm厚”のものを使用した方がよいのですが、今回の場合は生活スペースに使用する床ではありません。24mm厚の合板を屋根裏に搬入するのも大変なので、フローリングの下地などに使用される”12mm厚”のもので対応していきます。

3.床下構造材の仕様を検討する

続いて、合板の下地となる部分の構造を決めていきます。通常の床の構造は下図のとおりなので、この構造をベースに今回作成していく下地構造を考えます。

床下の大引きや根太、合板などの配置構成を表現した断面図

通常の床は、まず90mm×90mm角材の「大引き」が”910mmピッチ”で配置され、その上に45mm×45mm角材の「根太」が”303mmピッチ”で配置され、その上に合板が固定されるという構造です。(フローリング材はその合板の上に固定されます。)

上記を屋根裏の構造に置き換えると、屋根裏を横に走る約100mm×100mmの柱が大引きの役割を担う前提になりますが…現状の屋根裏の柱のピッチは、大引きのピッチである910mmを軽く超えているところがあります。これでは、通常の床構造では対応が出来なさそうです。

屋根裏に配置されている柱の位置やピッチ、吊り木や雲筋交いなどの配置

図が、今回、床を張っていく屋根裏エリアの柱(約100mm×100mm)の配置図になりますが、場所によっては、大引きのピッチの倍となる”1820mm”となってしまっている箇所がありますね。

また、屋根裏には「雲筋交い」や「吊り木」などが配置されていますので、柱(=大引き)のピッチが最小になるように根太を配置できない箇所もあります。

もし、この柱になにも考えずに、通常の床と同様の45mm×45mmの角材を根太として渡らせて床を作成した場合は…明らかに強度が不足するでしょう。(床が落ちて大惨事になる可能性があります。)

また、吊り木を固定している角材には45mm×60mmのものが使用されていますので、それより高さが低い45mm×45mmの根太では、吊り木が邪魔して合板が張れなそうです。(その影響で、現状の足場は吊り木の手前までになっています)

では、今回、根太として必要な木材サイズはいくつになるでしょうか?断面二次モーメントを使用した静荷重とたわみの関係から考えていきましょう。(数学が苦手な方は飛ばしてくださいww)

まず、材料の長さを”L”、材料の先端に掛かる荷重を”W”とした場合に、材料の縦弾性係数を”E”、断面二次モーメントを”I”とした場合の、たわみ量”σ”は下記の式で表すことが出来ます。

材料の荷重に対するたわみ強度は断面二次モーメントで計算できる
  • σ=W×L³/3×E×I

そうすると、材料長さ(ピッチ)が2倍になった場合に、たわみ量を同じにするために必要な断面二次モーメントは元の値の8倍になります。(方程式 W×L³/3×E×I=W×(2L)³/3×E×I’ を解くと、I’=8×I です。久しぶりに方程式を解きましたww)

角材の幅を”B”、高さを”H”とした場合の、断面二次モーメント”I”は、I=B×H³/12 で表すことができるので、断面二次モーメントを8倍にしたい場合に必要な材料高さ”H’”は、H’=2×Hとなります。

よって、高さHが2倍となる、45mm×90mmサイズの角材が使用出来れば、断面二次モーメントが通常の根太(45mm×45mmサイズ)の8倍となり、静荷重に対するたわみ量(耐力)が同等になります。

しかしながら、45mm×90mmサイズの角材は…あるにはありますが、ホームセンターなどでは取り扱いが少ないので、価格が割高です。

ホームセンターでリーズナブルに購入できる2×4材は強度が高い

そこで今回は、流通量の多い(=リーズナブルに入手できる)38mm×89mmサイズの2×4材を縦に使用して対応することとしました。

断面二次モーメントを計算すると、45mm×45mm角サイズの6.5倍程度にはなってしまいますが、屋根裏には本棚などの重い荷物を置くつもりはありません。(通常の床ほどの強度は必要ないと考えています)

また、2×4材 6フィートを縦に使用した場合の強度は”約90kg/本”と言われていますので、1,820mm×910mmの面積に2×4材を4本使用した場合の強度(合計)は、単純計算で360kgになります。それぞれを合板にネジ固定して一体化させれば更に強度は上がるはずなので…まあ、流石に大丈夫でしょうww

4.床を構成する材料の配置を設計する

使用する材料仕様が決定したら、その配置などを決めていきます。

屋根裏に張る床の大引きとして配置する2×4材の配置を決める

まずは、柱を大引きに見立てた場合の、根太となる2×4材の配置は図のとおりとします。図中の青い部分が今回設置していく根太(2×4材)になりますね。(オレンジ色は吊り木や雲筋交いなどです)

全体的にみると少々バランスが悪い部分もありますが…まあ、何とかなるでしょう。(今回はこれが多いww)

また、この設計で行くと…2×4材 6フィート(1,820mm)がざっくり20本くらい必要になります。木材の価格が高騰しているこのご時世ではかなり厳しいですが、まあ、新しい物置を購入・設置することを考えれば仕方がない費用でしょう。(掛かった費用は7項でまとめます)

続いて、合板のサイズを決めていきます。販売されている合板のサイズは”910mm×1,820mm”ですが、そのままでは自分の車で持ち帰ることが出来ないので、合板を購入するホームセンター(今回はスーパー・ビバホームさん)でカットしてもらう前提とします。

また、合板を屋根裏に搬入することも考えないといけませんので、その辺も考慮してサイズを決めていきます。

屋根裏に大引きとして配置する2×4材の位置から、張る合板のサイズと位置を決める

基本的な柱のピッチは910mm、もしくはその倍の1,820mmです。よって、今回使用する合板の基本サイズは、販売されている”910mm×1,820mm”の半分のサイズとなる”910mm×910mm”として、図の通りで配置していくことにします。

図中のオレンジの正方形が”910mm×910mm”サイズで使用していく箇所で、その他の緑の部分は、更にカットした状態で配置していく箇所ですね。

なお、柱や吊り木、雲筋交いなどが合板と干渉する部分は、合板を現物合わせでカットして対応します。(今回は、基本的に家の構造物を一切除去することなく施工していきます。)

結果、今回の施工で床板を張っていく面積は、「2,730mm×3,110mm」となりました。約5畳ほどの収納スペースが確保できる計算になります。実際にはその周りの柱の上にも容易に物が置けるようになりますので、かなりの収納スペースが確保できるようになるでしょう。

5.建築基準に準拠していることを確認する

施工する内容は全て決定しましたが、実際に施工する前に、今回の施工が建築基準法的な問題がないことを確認しましょう。

建築基準法に抵触しない範囲で屋根裏収納を作成する際のルールはざっくり下記のとおりです。

  • 天井高さが1.4mを超えないこと
  • 床面積が下の階の床面積の1/2以下であること
  • 昇降設備が折り畳み式梯子などの非常設式であること

まず、今回の施工では天井や壁までは張りませんが、空間としての高さは1.4m未満です。また、昇降には現状の折り畳み式梯子をそのまま使用するので、その辺りの問題もなさそうです。

屋根裏に床を張る工程が建築基準に準拠していることを下の階の面積から確認する

あとは、作成する屋根裏収納の床面積についてですが、2階の床面積を各部屋の収納スペースも床と見なして計算すると下記のとおりになります。(図は大まかな配置図です)

  • 子供部屋:7.5畳×2
  • 寝室  :9畳
  • 廊下+トイレ:4畳

それに対して、現状の屋根裏収納が4畳ほど、そして今回追加する収納スペースが5畳ほどになりますので、建築基準法に照らし合わせても問題ないことは明白な感じですね。(記事にして役所の人が来てしまうことはなさそうですww)

6.屋根裏に床となる合板を張る

法律的にも問題ないことが確認出来たら、材料を購入して施工していきます。

屋根裏の床となる合板を端から順番に隙間なく固定していく

一度に全ての材料を購入すると、完成するまでの置き場所に困るので、まずは図の通り、合板3枚分(910mm×910mm 6枚分)の床が張れる材料を購入して施工していきます。

まずは、以前に【DIY】屋根裏に足場となる作業スペースを作るで設置した現状の足場を撤去します。(撤去したファルカタ合板”9mm厚”はどこかで有効活用しましょう。)

続いて、根太となる2×4材を柱に固定していきます。

材料のカットには電動のこぎり(ジグソー)を使用しました。以前の施工(【DIY】屋根裏に電源ケーブルを配線し照明と電源コンセントを設置)で屋根裏に電源コンセントを設置していたので、作業も楽ちんです。

2×4材の柱への固定には長めのコーススレッドを使用します。材料をしっかり密着させたい場合はコーススレッドの使用が必須ですね。(ネジがない部分の効果で材料どうしをより密着させることが出来ます)

屋根裏に床として張る合板が柱と干渉する位置をマルチツールでカットする

2×4材が事前の設計通り固定出来たら、合板を配置していきますが、その前に合板が柱や雲筋交いなどと干渉する部分をカットしないといけません。現物合わせで寸法を確認して、合板の干渉する部分を電動のこぎりとマルチツールを使用してカットしていきます。(予備加工なしで材料がカットできるマルチツールは本当に便利です。)

材料がカットできたら設置する場所に合板を嵌め込んで、2×4材に固定していきます。

今回は、合板の2×4材(根太)への固定にもコーススレッドを使用しましたが…いつかは自動釘打ち機を購入したいですね。(作業が段違いで早くなるはずです。)

屋根裏に床として張る合板の端部に受けがない部分には適宜受けを追加する

また、合板の端面に受ける根太がない(合板が片持ち状態になってしいそうな)部分については、写真のような2×4材の端材などを適宜追加して受けを作成しました。あとで取り返しのつかないことにならないよう、強度が極端に低くなる箇所がないように施工することが重要ですね。

購入してきた材料が全て固定出来たら、残りの材料を購入してきます。2回も買いに行くのは面倒ですが、この辺りの対応は敷地の狭い家に住む東京人の宿命ですね。

残りの工程は同じです。合板のパズルを屋根裏で組み立てていく感じで、干渉する部分をカットして所定の位置に嵌めていきます。(ぴったり嵌ると気持ちがいいですww)

しかしながら、ここで一点問題が…”910mm×910mm”サイズで固定することを想定していた箇所が、雲筋交いなどの影響で、どうやっても固定したい位置に入れられないことがわかりました。

屋根裏に床として張る合板が柱が邪魔で配置できない部分は分割して対応

そこで今回は、その部分(図の青い部分の合板)を電動丸ノコで半分に分割して対応しました。(切断面をまっすぐにしたいなら電動丸ノコが必須です。)

改めて考えると、この箇所は四方から柱で囲まれている部分です。あらかじめ分割する方向で考えておくべきでしたね。(事前の考慮不足です)

なお、ホームセンターでのカット料金は1カット¥50です。今回、屋根裏に電動丸ノコ丸ノコガイドなどを持ち込んだ手間も考えたら…¥100円払ってもカットしてもらうべきでしたww

全ての合板を図のように組み付けることができたら、最後の仕上げをしていきます。

まずは、雲筋交いなどとの干渉部をカットする際に、大きめにカットしまった部分などの隙間を合板の端材で埋めていきます。(隙間から大事なものが落ちたら取り出すのが大変なので)

屋根裏に床として隙間なく張られた合板

また、合板の端部にネジ打ちする際に、端部の表面が毛羽だってしまったところがあるので、その辺の修繕を兼ねて、合板表面(全体)をサンダー掛けしていきます。(サンダーを1回かけるだけで表面はかなりつるつるになります。)

最後にサンダー掛けで発生した木材の粉を掃除機で吸い取ったら、今回の施工は終了です。上写真のとおり、平坦でかなり広い収納スペースが確保できました!

7.屋根裏の床張りに必要な費用など

全ての施工が完了したので、最後に今回発生した費用をまとめてみましょう。

  • 2×4材:¥548×22本=¥12,056
  • 針葉樹合板:¥1,550×6枚=¥9,300
  • コーススレッド:¥388
  • 材料カット代:¥55×11箇所=¥605

手元にある材料を使用した分も多少ありますが、今回の施工の材料費用は、税抜き¥22,349(税込み¥24,583)です。

上記は、使用した道具の購入費用や作業代(手間賃)などは全く考慮しない金額になりますが、¥25,000ではかなりショボい物置しか購入できませんので、コスパ的には良い施工になったのではないでしょうか?

屋根裏に合板の床を張り、収納能力の高い物置として活用する

完成したスペースには、元々柱の上などに置かれていた荷物を並べ直し、満杯になっていた物置から使用頻度の低いものを移動させました。

それでも今の屋根裏にはまだまだ有り余るスペースがありますので、今回の施工の収容に対する効果はかなり大きいです。(雨の日の簡単なDIYも出来そうですね)

なお、地震などを考慮すると、屋根裏部分が重くなることは(家の重心が高くなって)あまり望ましくありませんので、本などの重たい荷物は収納しないように運用していきます。

やっぱり、物がたくさん収納できるって素晴らしいですよー!収納に対する小手先の技術がどんなに進化しても、物理的なキャパにはかないません。屋根裏という無駄なスペースを有効活用することはとても重要だと思います!

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